「庭は食材の宝庫。
沖縄のハーブや野菜を使えば、手軽にヘルシーな一品が作れるのよ」
「サクナ、ハンダマ、フダンソウ…。どれも庭で育ててるの。無農薬だから安全性には自信ありよ」
「特にこの野菜を使いなさいという決まりはないからね、あるもので大丈夫。
今日は島豆腐を加えて白和えを作りましょうね」
「まずは水洗いして、葉の部分だけ取ります。
料理によっては茎も使うこともあるのよ。
そうそう、うちはね、こういう時に使った水を捨てずに貯めて、そのまま庭にまいているのよ。
沖縄の夏は暑いから、畑の土もすぐからからになってしまうでしょう?
洗剤の混ざっていない浄水は貴重だから、しっかり再利用してるわよ」
「葉を茹でます。さっとでいいわよ。
特にフダンソウは少しえぐみがあるから、調理するときは必ず湯がいたほうがいいね」
娘のえりなさん(関連記事:Parlour de jujumo(パーラー・ド・ジュジュモ)
ベジバーガーやカレーをドライブスルー感覚で。出勤前の一杯も)が千切りを担当。
「えりなにお願いしている間に、豆腐の処理をしましょうね」
「重しをしても良いんだけど、私は少し湯がくの。その方が手早く水が切れるのよ。
忙しいときは水切りしないことも。大丈夫、それでもできるわよ」
「1分ほど茹でたらざるにあげ、5分くらい置いたらすりつぶします」
「普通はすり鉢でするのよね。うちにもちゃんとあるんだけど、こうやって包丁を使うことが多いかな。
こちらのほうがきめ細かくなる気がするのよね。
すり鉢がないよーという人にもお勧めの方法よ」
「刻んだ葉と豆腐の上に、塩を少々ふり入れます。
あれ? えりな、あなた千切りじゃなくてみじん切りにしちゃったのね(笑)
いいよいいよ、大丈夫。切り方はどんなでもいいさ。
意外とこちらのほうが豆腐としっかり混ざっておいしいかもしれないね」
「塩だけでもいいんだけど、今日は練り胡麻も入れましょうね。
なければ、いりごま・黒ごま・すりごま、なんでもいいのよ。
はい、これで白和えの完成!
今日はさっき庭で採ったハーブで、ハーブティーも淹れましょうね」
「洗ったハーブをまとめて縛り、ブーケガルニ(ハーブを束にしたもの)を作ります」
「それを置いといて、ティーを淹れるときにそこから必要な分だけ切ってね。
今日は、沖縄では『医者泣かせ草』と呼ばれるコヘンルーダとレモングラス、ローズマリーも入れましょう」
「お湯を注いだら出来上がり!
こんな簡単にできるヘルシードリンクって、他にないかもしれないわね。
お腹も空いてきたんじゃない? お昼ご飯にしましょう」
にんじんしりしりーのにんにくサラダ、白和え、ソーキ汁、昆布の佃煮が食卓に並び、なんとも豪華なランチのできあがり。
「野菜たっぷり、ヘルシーランチね。
白和えは野菜の濃い味が効いてておいしいでしょ。ハーブティーもコヘンルーダとローズマリーの香りが良いわよね」
「私たち家族はみんな野菜が大好き。佃煮やソーキ汁のように手間と時間のかかるご飯も良いけれど、下ごしらえ不要な一品料理のレシピを沢山覚えておくと便利よ。
沖縄の野菜を沢山食べれば、暑さの厳しい夏も元気に過ごせますよ」
写真 中井 雅代