第7回 水彩画フェリス展 10/19~10/24 @那覇市民ギャラリー

週5日、那覇市で「透明水彩画」を教え、 年1回、那覇市民ギャラリーで展示会を行うようになって7年が過ぎた。

「この展示会があるから、生徒さん達も張り合いがでて、頑張れるのよね。」

と、主宰の黒島けい子先生は美しい笑顔でにこやかに話す。

まるでガラスにでも描かれているかのように艶やかで透明感のある絵

私達が小学生の頃から慣れ親しんだ水彩画は、絵の具の上に絵の具を重ねると下の絵の具の色は消えてしまうことから「不透明水彩」と呼ばれるが、
黒島先生が教えていらっしゃるのは「透明水彩」。
用いる絵の具の種類も、描く紙も全く違うのだという。
不透明水彩であれば、ある程度の間違いは上から重ね塗りを施せば直すことができるが、
透明水彩はそうはいかない。
やり直しがきかない分、慎重に色を選ばなければならない。
しかし、展示されている作品からはそんな緊張感は感じられない。
逆に、温かみがあり、肩の力の抜けた穏やかな雰囲気が漂っている。
お茶を飲み、友達と楽しくおしゃべりしながら描いている様子が目に浮かぶような・・・

そして、先生の作品に描かれているのは全て、花。
「最初はね、人物画をよく描いていたのよ。
でも、何気ないところで咲いている花って素敵でしょう?
売っているお花も勿論綺麗だけど、家の前の通りに咲いている花とか、道ばたの花とか。
そういう花を描くようになってからは、対象を自然と花に絞るようになったの。」
確かに先生が描く花は、豪華さからは距離を置いた、
素朴で可憐、ひたむきで優しい雰囲気を一様に醸し出している。

花を愛する先生の気持ちが柔らかく伝わって来る

作品展では、生徒さん方の作品が数多く並ぶ。
数ヶ月前に習い始めたばかりの方から、開講当初から学んでいるベテランの方まですべて。

「生徒は主婦の方が多いの。ご家族の理解や協力無くして絵画教室なんて通えないでしょう?そうやってバックアップしてくれてる家族に日頃の成果を見てもらう為の作品展でもあるのよ。」

生徒ひとりひとりの為だけの展示ではないのだ。
展示ブースから感じる温かい雰囲気は、透明水彩の持つ画風によるだけでなく、その背後に「家族」を感じるからかもしれない。

「毎年ただ出展してるっていうだけでは意味がありませんから。ちゃんと成長が感じられる展示にしなければならないでしょう?だから私は毎年すごいプレッシャーを感じながら展示しているのよ(笑)」
そう言いながら満面の笑みを浮かべる黒島先生。
先生の描いたハイビスカスの絵の背景には、一目で台所だとわかる出窓が描かれている。
「サッシはね、描くか描くまいか迷ったの。でも、これを描く事で生活感が出る、それによってより身近に花を感じてもらえると思ったの。」
生徒の家族のことまで考えている黒島先生が描いているのもまた、家庭や家族を感じさせる水彩画だ。

お金を払って買う花も勿論美しいけれど、
私達の生活に寄り添ってひっそりと咲く花の魅力を、家族を守るお母さん達が優しい視点で描いた絵画展、じんわり心に染みます。

那覇市民ギャラリー(パレットくもじ6F)
098-867-7663
開催期間: 10/19(木)~24(日) 10:00~19:00

10月の他のイベント情報 :http://www.calend-okinawa.com/201010.html