「触れる、交わす、伝える喜び」

写真/我喜屋 若子 文/沢岻 久子

 

デイスペック

 

今日もいい日だったな、と思えたのは入居者のその後を取材した帰り道のこと。

 

言葉を交わす事で、心が通い合ったような気がしたからなんだかうれしくて、ひとりにんまりしてしまう。

 

私の場合、もともと取材形式が得意ではないため日常会話や余談の延長に質問を加えたキャッチボールといった感じ。物件探しや契約、引渡しまでのサポートはもちろんですが引き渡し後の長いおつきあいを考えると、入居者との会話や交流はすごく大切。何事にも人が関わっているから、出来事の裏側にいる人間が知りたいし、人間がいちばん面白い。仕事であってもなくても、わたし自身がその人の小宇宙に興味があって。むしろ、こういったやり取りをこの仕事の醍醐味とさえ思っている。

 

私たちディスペックは沖縄不動産文庫というウェブサイトの運営と不動産全般を取り扱うちいさな不動産屋さん。不動産探しや生活のいろいろなヒントになればと「入居者のその後」を取材してウェブサイトで公開しています。

 

今回取材したのは沖縄市大里の小高い丘にある外人住宅を借りている「ちゅらばな」さん。取材をしたいという私たちの申し出に「いいですよ」の即答で昨日の今日という異例の早さで取材が決定しました。

 

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5月も下旬にさしかかろうという頃。久々の取材ではりきっていた私たちは、約束の時間に20分も早く着いてしまい、のんびり準備でもしていようと車内でゴソゴソしていたら、建物から出て来た2人の女性に笑顔で「どうぞ、どうぞ」と中へ招かれました。

 

この物件のご案内や契約を担当していない私は、この日が契約者と空間との初対面。ドアを入りご挨拶を交わしたところで、例によってぐるっと空間を見渡す。
なるほど、、、嬉しくなりました。空間に触れた瞬間、分かる事があるんです。「空間を楽しんでいる」「建物が喜んでいる」

 

使う人が気に入って楽しく利用してくれてると、その空気感をまとった空間は居心地が良くて、特別な能力も立派な根拠もないけれど、直感が働くのです。

 

良かった。嬉しい。とはしゃぐ私を穏やかに迎え入れてくれたのは「ちゅらばな」代表の杉島さんと代表・企画の上地さん。沖縄で栽培し、沖縄で乾燥させた正真正銘の沖縄紅茶を卸、販売されています。

 

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この建物、以前はオーナーがカフェをしていた築50年近いコンクリートブロック造の外人住宅。これまで見てきた数々の外人住宅の中でも、かつてない程の状態の良さに驚きました。オーナーが愛情を持って丁寧に維持されただろう事は、直接聞かなくとも伺い知れます。その空間を改装する事なく内容だけを入れ替え、ほぼそのまま利用されているのが「ちゅらばな」さん。

 

店内にはいくつかのテーブルと椅子があり、カントリー調木製棚には沖縄紅茶や茶器が陳列されている全体的に女性らしい印象の空間には、紅茶をメインに小物やお花等が控えめに添えられているだけで、派手な看板や主張の強い色も使われていません。

 

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ひとしきり店内を見回したあたりで「まずはモーニングに美味しい紅茶をいれましょうね」と杉島さんの声。お気遣いなく、、、という私たちを横目に、カウンターでは既に上地さんが茶器を取り出してきて紅茶を入れる用意を始めていました。

 

「茶葉もこうしてきちんと量を計ります」とまず茶葉を計量器で計り、その茶葉をガラスポットへ入れてから、これまた決まった温度のお湯をゆっくり注ぎます。頃合いをみてその紅茶を磁器のティーポットへ移し入れるのですが、もう出ないんじゃないかというぐらいポットを傾けた時「この最後の一滴がゴールデンドリップと言って凄く大切なんです」と一滴一滴を絞りだすようにじっと待ちます。

 

紅茶は入れ方次第で旨味よりもエグみが出たりして、本当の紅茶のおいしさがが出せないらしくこうしてここでお客様に見えるようにして、入れ方も教えているのだそう。使っている道具はホーローのケトルだったり、ガラスポットだったり、磁器のカップであるのにガチャガチャと物音をたてずに丁寧に取り扱う一連の動作が美しい。

 

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「紅茶はもちろん農薬不使用で、ハーブティーのハーブも直接の農家さんを訪ねて仕入れています。紅茶の梱包作業なんかもこの奥の部屋で福祉施設の方に手伝っもらっています。農家さんや福祉施設のいろんな手を渡ってきた沖縄紅茶は愛情いっぱいで本当に美味しいんです。仕入れた紅茶を全て販売するには、企業とのコラボレートが不可欠だと思ってね。以前から知り合いだったブルーシールさんへ提案して、沖縄紅茶のミルクティーアイスを試作限定販売したら2週間で完売したの!おかげさまで今年から琉球ロイヤルミルクティーとして本格販売が始まりました」と嬉しそうに話す杉島さんの話を聞きながら、つい私たちもつられて口角が上がっちゃいます。

 

この時点でもう何度「へぇー」と言い、もう何度深く頷いただろう。初めて知る紅茶ワールドに、赤ベコになっていた私たちはここでハッとした、、、取材しなきゃ!

 

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中央の大きなテーブルでようやく取材風なやり取りが始まったのは、建物に入ってから既に30分も過ぎた頃。テーブルの上には、ボイスレコーダーとIphone、今では主役を奪われたノートとペン。それと、紅茶とシフォンケーキと紅茶アイスのセット。さぁさ始めましょうか、と言ったものの紅茶の良い香りが赤ベコを誘います。ふかふかのシフォンケーキと溶けそうなアイスが赤ベコの目を奪います。私たちのよだれが見えたのでしょうか、、、「まずは熱いうちに紅茶をどうぞ。アイスも溶けない内に食べて下さい、本当においしいから」と天使の甘いささやきに抵抗する事も遠慮する事も忘れて、まずはいただく事としました。

 

急に押し掛けてきて、お忙しい時間を頂戴するというのに、こんなにもてなされる取材ってあるんだろうか。美味しすぎる!素敵すぎる!

 

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そうこうしながら取材らしきやり取りでは、物件探しの苦労や物件の決め手、利用方法などを聞ききとり、時には余談に走りながらも沖縄や紅茶や不動産についての想いや考え方を交わしました。
これまでも何度か取材をしていますが、考え方や言葉選び、方言や訛や身振り手振りがみんなそれぞれで面白い。余談になればなるほどその人が表に出て来て、それに触れる事が本当にたのしい。

 

ほとんどの場合はこちらが質問してお答え頂く感じですが、今回は物件の決め手を聞くと「2秒!2秒もかからなかったかな。車降りてすぐ、ここにしようって!」「環境は良いし、景色もいいし、バリアフリーだし、全ての条件が揃っていたからね。妥協はひとつもないですよ」「オーナーさんが貸せてくれたこの棚も、照明も、大型コンロも全部気に入っています。パーフェクト!」と言葉が溢れ出すように出て来て、物件のメリットからインテリアで気に入っているポイントまで。ひとつの質問で3つ分の答えが出ちゃった感じ。

 

ご本人たちが気に入っていて、嬉しくてそうなるのだろうけど、不動産業務をしていて私自身これがいちばん嬉しいのです。こちらがどうこう言うのではなく、お客様自身で良いところを見つけて、感じて、この物件!と決めてくれる事。その上、その物件の良さやメリットをお客さまから語りだすなんてのはこの上ないしあわせ。

 

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私たちはご紹介できる物件を提示、ご案内は出来るけれども「これだ!」って思うのは受け手(お客様)次第。発信側の力量ではなく、受け手側の感性に響くか、お眼鏡に叶うか、なのだと思っています。

 

つくづく思うのです。
物件の決め手は人それぞれでいい。使い方、利用方法もそれぞれでいい。あの人にはデメリットでも私にはメリット。古いから可愛いだの、新しいから心地良いだのどちらも結構

 

外人住宅はコンクリートが上等ではない時代の建築物で築年数も経っている。夏は暑いし、冬は冷えるし、音も響く。借地だったり、下水道が設備されていなかったり、ややこしい事も多い。それでもその外観のシルエットや庭の広さ、内装のシンプルさが魅力にも化けやすい。利用している人が笑顔ならば、うれしい。空間をたのしんでいるならば、うれしい。建物が活かされているならば、うれしい。うまく言えないけど、かわいい我が子が嫁ぎ先で幸せにしている姿を確認したようなそんな気持ち。

 

普段通りと言えば、普段通り。決して段取りが良いとは言えないアポイントから取材までのずんどこ道。結局その日も余談に始まり、余談で終わる結果となってしまいましたが、記者ではないし、プロでもないので、しどろもどろでもよしとしよう。

 

デイスペック

 

今回の「ちゅらばな」さんの取材を沖縄不動産文庫の(入居者のその後)カテゴリに掲載します。お客さまの話し言葉をそのままに、それぞれの人となりが分かる様な記事にしています。

 

取材ノート 入居者のその後Vol.16 「ちゅらばな」さんの場合
http://www.dspec.jp/cn59/pg735.html

 

 

churabana 美ら花
沖縄紅茶専門店
http://www.churabana.com

 

 

沖縄不動産文庫 Okinawa Real Estate Library
ディスペック株式会社
http://www.dspec.jp
〒901-2201宜野湾市新城2-39-8 MIX life-style 2F
tel:098 893 5015
fax:098 894 2285

 

 

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a.suo兼城

 

マンションって実はここまで自由!マンションをカスタムしよう!
アスオマンションは「マンションなのにカスタム出来る」「マンションなのにSOHO利用が出来る」「マンションなのに中型犬サイズもOK」これって本当にすごい事!いままで、こんなのなかった。こんなマンションあるんだ~って驚くようなマンション。

 

マンションはどれもありきたり、、、、あの部屋は白くて広くてキレイ。バルコニーもあって学校も近いけど、、、何か物足りない。物足りない何かって何だろう?どうしてそう思うのだろう?それって、落ち着く感じや自分好みのオリジナリティなんじゃないかな。だってね、こんなに大きな出費。人生最大の買い物かも知れない不動産を物足りないなんて、なんか違うなんて、寝違えた時のような違和感じゃないでしょうか。

 

フォーマルよりカジュアルに行こう!デコラティブよりシンプルにしよう!自分のおうちだもの、気取って暮らすなんて疲れちゃう。等身大の私のらしく、楽しい日常を過したいなんてすごく当たり前で、当然の欲求でしょ?そんな、思いを形にしたらこんなマンションになりました。那覇の中心地、泉崎から国道329号線を一直線で行ける南風原の兼城に立地する地上14階建てのマンション「a.suo兼城」が平成27年10月に誕生します。

 

a.suo兼城

 

南風原北インターチェンジや大型ショッピングセンターイオンも近く、交通便利、生活便利な南風原にあって、マンションの室内も自分好みにいろいろ変更(カスタム)出来ちゃう。実はね、キッチンをアイランドにしたり、洋室の床を土間風タイル貼りにしたり、壁をビビットカラーにペイントしたり、そんな事も叶っちゃう。マンションは共同住宅だけれども、室内はもっと自由に出来るってこと。少しでも自分のアイディアが形になるって、こんなにも嬉しくて、こんなにもウキウキするって事を伝えたくて誕生したアスオマンション。ディスペックが胸を張ってご紹介致します。

 

ディスペックでは、新築マンションから中古リノベーション物件まで、資金調達を含めた購入のあれこれも楽しみながら出来るようお手伝いします。真剣に考えている人も、これからの人も、お気軽にご相談下さい。

 

a.suo兼城

 

a.suo兼城マンションモデルルーム公開中
南風原町字兼城586-8 1F
tel:098-888-0380
10:00-19:00毎週水曜定休
http://www.asuo.jp
販売代理:ディスペック株式会社