写真・文 沢岻 久子(D’spec)
不動産と言っても、あれもやる、これもやる、から面白いのだと思う。
今日もあっちら、こっちら動き回るディ・スペックの一日はこんな風に過ぎていきます。
●先ずは、物件のご案内
物件のご案内をするお客様との待ち合わせは、ほとんど現地でお願いしています。というのも、その物件まで自分自身で移動することで、街の様子や道路の具合を目で拾ったり体感して、それぞれに必要な情報を拾う事ができる。それと同時に道のりを覚えることが出来るので、他の物件との比較検討が総合的にしやすいというメリットがあるからです。
ささやかながら気をつけている事は、お客様よりも先にお部屋へ立ち入り、ササッと窓やドアを開けること。しばらくの間住人がいない空間はさすがに爽やかではないので、少しの間でも気持よく過ごしたいという私自信の思いから、全ての窓をめいいっぱい開けます。
それから一緒に室内を移動しながら、広さや間取り、設備や方角などをご説明し、ディ・スペック取扱い物件ならではの変わった特徴やおもしろポイントもお伝えします。
今回のご案内したのは、北谷町砂辺にあるアメリカンタイプのマンション。床が全面Pタイル(プラスティックタイル)の段差がないフルフラットでさっぱりした造り。リビングは可動式の間仕切りがあり、個室を造る事も、一間の大きなリビングにする事も出来る便利な空間。
キッチンカウンターの上にある吊食器棚は収容力抜群で、ほとんどの食器はここで足りるでしょう。さらに、リビングや各部屋に設置されているクローゼットも洋服周りや玩具も収まるほど大型で、収納家具の持ち込みは不要。
ほとんどの家具や家電を購入せずに、レンタルで済ます駐留軍属の方の生活スタイルにマッチする配慮もセールスポイントなのです。
今回の物件案内で大切なポイントはここから! 室内をご案内し、ご質問に返答などしたらば、北谷町の立地的特徴である「騒音」をお伝えしなければ嘘になります。海が見えて景色がよろしく、お向かいが公園で環境も良いのですが、上空を飛来する米軍機の騒音は免れないということ。きちんと言葉でお伝えし、できれば実際に飛来音も聞いていただき、その上でイエスか、ノーかを判断して頂く事が大切だと思っています。室内の事であれば、住まう人の工夫で多少の事は改善出来ても、環境は簡単には変えられない。特に米軍機の飛来音に慣れちゃっている私達の感じ方と、その環境にいなかった方の感じ方では基準が違い過ぎて比べようがないのです。
こういった事はどの物件にも言える事で、例えば、近くに大きなお墓あるだとか、景色がお墓ビューであるとか、近隣に電波塔があるだとか、時間帯によっては接道道路への出入りや合流が難しい事など。デメリットも含めた知り得る情報をお伝えし、そのまるごとを判断材料にしていただくようにしています。
●役所の調査と契約書類の調達
お次は、賃貸のご案内とは別で進行している売買物件の契約に向けての準備です。
契約時に必要な情報収集の為、それぞれの管轄である沖縄法務局、那覇市役所、那覇市水道局を訪問します。それらの情報は、契約書に記入すべき項目であったり、購入資金の借入先(金融機関)に提出が必要な書類であったり、不動産の権利関係や、固定資産税や取得税などの公租公課の算出に必要な証明書等が主となります。
土地、建物、マンションなどの種類の違いや、所有権や借地権や賃貸などの権利の違い、売り手側や買い手側等のお手伝いする立場の違いによって、取り寄せる書類や調べる項目もそれぞれですが、契約となれば避けては通れない地道で、とても大切な作業です。
●気になる物件に立ち寄る
ディ・スペックが運営する不動産物件紹介サイト「沖縄不動産文庫」では、特徴のある物件をセレクトして掲載しています。例えば、沖縄らしい古民家の物件「ヴィンテージ」、アメリカンな「外人住宅」、デザイン性の高い「デザイン」など、カテゴリ分けをして表記して、物件探し自体を楽しく面白がってもらうよう見せ方や紹介文などを工夫をしているのですが、その物件探しも地味で地道な作業です。
私たちディ・スペックが求める特徴のある物件は、綺麗に並べられた物件の中からよりどりみどり、はいどうぞ!とはいきません。目に見えてわかりやすいデザイナーズ物件は比べて見つけ出す事は簡単な方ですが、その対局にある古いけど趣きがある物件、いわゆる「ヴィンテージ」物件は、脚光を浴びていない建物の中から、これか?どれだ?!といった感じで、ひとつひとつ掘り出す作業に近いのです。
その過程は、わざわざ物件探しの旅に出るのではなく、物件案内の移動中や役所調査の行き帰り道、オーナーや業者打ち合わせなどの必要で移動している時に、キラリと光る物件を見つけ出すことがほとんど。もちろんインターネット情報も大切で、それをきっかけに実際に建物を見て、出会う事も多くあります。聞こえは大変地味で地道な作業に思えるでしょうが、沖縄不動産文庫的にはこれが一番の仕事であり、一番の楽しみでもあります。
必要とされるのは「あれ、面白い匂いがする」と嗅ぎ分ける臭覚と「なんだ、あれ?」と拾い上げる目利き感。
きらりと光る対象は、建物そのものでもいいし、不思議な設備や、笑っちゃう立地や雰囲気なり、それぞれのスタッフのお眼鏡に委ねられます。
●事務所でのデスクワーク
セレクトして集めた物件を「沖縄不動産文庫」のサイトへ掲載するのも大きな仕事。がしかし、この道のりもまた長い。新しくて綺麗な物件は大家さんや設計事務所で図面や情報が手に入るのですが、古くて趣きのある物件の場合はそうもいかない。
特に「外人住宅」や「古民家」物件は、不動産取引に必要な情報が揃っている事はほとんどないと言っていい。自分でスケールを使って部屋の端から端まで採寸し、室内の写真撮影から設備のチェック、水道・ガス・電気の引込み状況をひとつひとつ見て調べ、ついでに近所のお店や環境も見て回ってメモをとる。持ち帰った情報をデスクに並べ、そこからはパソコンと向き合う作業が始まります。
正確な間取り図の作成、紹介文の作成、物件タイトルを名付けたら、インターネットのアレコレを設定して、アップロード。そうして、ようやくひとつの物件が世にお披露目出来るという訳なのです。
●仕事道具を大切にする!のも仕事
私達の不動産業務は、ご案内や家主や業者との接見、物件確認や調査など、とにかく移動移動の連続。車やバイクなどの移動アイテムがなけりゃ仕事半分、商売上がったりです。車の走りには特に問題はないドイツ生まれの愛車スマート号。実はテールランプとウィンカー切れをしりつつも、昼間は大丈夫・・・とひっそりとやり過ごしていやら、やはり球を交換したほうが良いとの社長の指示と計らいで修理工場へ。
場所を取らずにコンパクトで愛嬌いっぱいの可愛らしいこのスマート号は、いっちょ前に外国車なので、普通の修理工場では見てもらえない。いつもへんてこな外国車ばかりを乗り継ぐディ・スペックの社長も頼りにしているのは、困ったときは「知名モータース」
同じ宜野湾市にある「知名モータース」は、過去にマフラーの外れたスズキのエブリー号も助けてくれる心強い修理工場で、国産車から外国車までを対応してくれる親切さに甘えて、勝手ながらディ・スペックの指定修理工場とさせていただいています。
ご紹介したのは一部の出来事で、細かく言えば、途中郵便局に立ち寄るだとか、接見する人がいたり、スムーズに進むこともあれば、当然にトブルも起きる。
物件にまつわる情報をブログに書く事はもちろん、お引っ越しや不動産探しを楽しんでもらえるように入居者に取材もするし、逆に広告媒体やメディアの取材受けたりもする。一般的な不動産業務以外にもやる事は多いのだけれど、ひとつに留まらないから面白い。
あれもやるし、これもやる。
いーじゃないか、こんな不動産屋さんがあっても・・・・さ。
賃貸アパート 「うえのいだ」
沖縄県那覇市首里石嶺町
1LDK(和3・LDK8.5)45,000円
http://www.dspec.jp/date/pg672.html
賃貸戸建 「照ラスハウス」
沖縄県北中城村渡口
2bed1Bath(5・3.3・LDK22)110,000円
http://www.dspec.jp/gaijin/date/pg638.html
賃貸戸建 「専有三昧」
沖縄県沖縄市与儀
3Bed+2Bath+倉庫(13・8.6・8・L22.8・DK11.5) 210,000円
http://www.dspec.jp/gaijin/date/pg640.html
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