好きなものだけをシンプルに。佐治さんの仕事場兼おうち。

佐治俊克
 

 

 
佐治俊克
 

 

 
佐治俊克
 

 

 

 

 

 
家を訪れた人に「鳥が好きなんですか? 」と訊かれることが多いと言う。
 
壁に貼られたポスター、シェルフの上のふくろうにアヒル、皿に描かれたオオハシ…
佐治さんのおうちには至る所に鳥がいる。
そして、飛行機モチーフも。
飛ぶことへの憧れ?
 
「いえいえ、特に意識して集めたわけではなくて。自然と集まってきちゃった感じなんです」
 
2006年に沖縄に移住したときからずっと住んでいるという外人住宅は、デザインの仕事に携わる家主こだわりの空間かと思いきや、意外にも特に強いこだわりはないと言う。
 
「強いて言えばシンプルな雰囲気が好き…。それくらいかなぁ」
 
本当に好きなものだけを置く。
好きな写真集、お気に入りの作家のうつわ、自分にしっくり馴染む帽子…。
ただその一点を守るだけで、家主の価値観をしっかり具現化した部屋になり、自然な統一感とスタイルが生まれるのかもしれない。
 
「あんまりモノを増やさないよう努力はしています。使わないものは潔く捨てることも…。
でも、決心して一度捨てようとしたのに、それを取りやめることも結構あります(笑)。やっぱりどうしても捨てられないものってありますから」
 
移住から6年。そろそろ引っ越しを考えたりはしないのだろうか?
 
「考えたことないですね。この家に住んでいてなにも不便を感じないので。
近所には友だちも沢山住んでいるし、行きつけのお店もある。居心地良いんですよ。
ここより良い所があるなら考えるかもしれないけれど…ないんじゃないかなぁ?」
 
おうちがいちばん!
仕事するにも暮らすにも、今のおうちがベスト。
そう思えるってなんて素敵なこと。
 
人生の中で、おうちで過ごす時間が占める割合はきわめて多い。
しかも職場も自宅ならなおさら。
一日の大半を快適な空間で過ごせるという贅沢。
 
佐治家の「鳥」たちは、本当に自然と集まって来たのかもしれないなぁ。
この空間の居心地の良さに誘われて。
 

写真・文 中井 雅代

 
関連記事:Sazie Graphics 佐治俊克
ロゴはお店の顔。思いを凝縮したデザインを