今だから、地震について ①

消太郎:大変なことになりました・・・。
昨日3月11日、観測史上最大のマグニチュード9の地震が発生しました。
多くの方が亡くなりました。お悔やみ申し上げます。
全国の仲間が、救える命を救うため被災地に向かっています。
1人でも多くの命が救われることを祈っています。


テレビに映し出される津波の中継映像がまるで映画の一場面のようで・・・でも、現実なんですよね、地震と津波の恐ろしさを痛感しました。
まず、地震発生時の避難方法などを教えてください。



消太郎:室内にいるときに地震が起きたら、まず落ち着いて身の安全を確保してください。


小さい頃、地震が起きたらまずは火の始末と習いましたが、どちらが先でしょう?


揺れている時に火の始末は危険ですので、まずは身の安全の確保が先です。
揺れが収まってからすばやく火の始末をしてください。


身の安全の確保の方法として、机やテーブルに身を隠してください。
物が落下すると危険ですので、座ぶとんなど身近なもので頭部を保護してください。
机やテーブルがない場合、ソファーなどの大きく強固な物の側で身をかがめるのも有効です。
建物が倒壊したときにソファーなどが支えになって空間ができ、下敷きにならずにすみます。


昨年、沖縄を震度5弱の地震が襲ったとき、何が起きたかわからず動けませんでした・・・。


消太郎:僕も一瞬何が起こったのかわからず動けませんでしたよ。
2007年から運用が開始された「緊急地震速報」を活かして、早めの対応がとれるようにしたいですね。


揺れを感じたら、玄関などの扉を開けて非常脱出口を確保することも重要です。
地震で扉がゆがみ、開かなくなることがあります。
今回の地震でチェーンメールが出回り、「非常口確保のために窓を開ける」とありましたが、窓に近づくとガラスが割れて怪我をする危険がありますので、窓からは離れてください。


間違った情報が出回っていると、ニュースでも報道しているのを見ました。


消太郎:あとで話しますが、正しい情報を入手するよう、気をつけなければいけません。


今回の地震発生時、ビルの看板が落下する寸前に人がビル内から飛び出して来る映像を見ませんでしたか?
あわてて外に飛び出すと、窓ガラスや看板などが落下してくる場合があり、大変危険です。
大揺れは1分程度でおさまるので、周囲の状況をよく確かめ、慌てて外へ飛び出さずに落ち着いて行動してください。

  
この時、必ず靴を履きましょう。
阪神淡路大震災の時に履物を履いて避難した人のほうが生存率が高かったそうです。
避難する際に裸足だと、瓦礫やガラス片で怪我をしてしまいますよね。

 
履物で生死が分かれる事があるなんて・・・。   

   
消太郎:地震が発生したら、室内でも履物を履いた方がいいです。割れたガラスや食器類があって家の中でも危険ですよね。


身の安全を確保したら、次は火の始末です。
あわてず、使用中のガス器具・ストーブなどすばやく火を消してください。 
ガス器具は元栓を締め、電気器具はコンセントを抜きましょう。
停電になり、電力が復帰した時に電気器具の電源が入ったままですと火災になる恐れがあります。
停電になったら電気器具はコンセントから抜き、さらにブレーカーを落としましょう。


地震発生直後ではなく、発生からしばらく経ち、電力の復旧が原因で火災が発生することもあるんですね。言われてみれば「なるほど・・・」ですが、思いもよりませんでした。


消太郎:阪神淡路大震災の時も、電力やガスの復旧時に多くの火災が起きているんですよ。


そして、出火してしまったら、まず消火器などでボヤのうちに消し止めてください!
大声で隣近所に声をかけ、みんなで協力しあって初期消火に努める必要があります。


依然お話された「消火器の使い方(関連記事:消火器のエトセトラ)」の要領で消火すればいんですね。


消太郎:そうです。大地震のときは消防も人員が足りませんので、みなさんの初期消火が重要になります。


外で地震にあったときは、狭い路地・塀ぎわ・崖や川べりに近寄ってはいけません。
狭い路地や塀ぎわは、瓦などが落ちてきたり、ブロック塀やコンクリート塀が倒れてきたりします。
崖や川べりは地盤のゆるみで崩れやすくなっている場合があるので、これらの場所から遠ざからなければなりません。
公園やグラウンドなど、周囲に危険な建物がない広々とした場所が安心です。
外を歩くときに注意して見てみてください、避難所に指定されている公園の場所を知らせる標識があるはずです。


高層建物のガラスの落下にも注意が必要です。
割れたガラスは、空気抵抗の関係で尖った部分が下になって落ちてくるので大変危険です。飛散の範囲は建物と高さと同じ長さを半径とする範囲と言われています。


今回の地震でも、大きな揺れに立っていられず、さまざまな所を支えにつかまっている姿を見ましたが、つかまる場所にも注意が必要なんですね。外にいるとき地震が起きたら、すぐに安全な場所に避難したいと思います。


消太郎:地震の揺れが収まったら、次は避難ですね。
まず、津波の危険性がない場合の避難のテクニックをお話します。


避難するときは、持物は最小限にして、必ず徒歩で避難しましょう。
服装は活動しやすいもの、持ち物は必要品のみにして、リュック等に入れて背負い、両手を使えるようにしておきましょう。

  
避難する時は、雑誌を頭に載せてタオルやシャツで包むだけでも簡易ヘルメットになります。
おなじように足に巻けば、履物になります。


ヘルメットがなくても身近なもので代用できるんですね。


消太郎:地震で恐いものは火災のほかに何がありますか?


津波ですよね。海岸沿いに住む実家の父が、「世の中で一番恐いのは津波だ」と普段から言っているのを聞いてもピンとこなかったのですが、今回津波の恐ろしさを痛感しました・・・


消太郎:本当に恐いですよね。スマトラ沖地震の時もそうでしたが、津波は恐ろしい速さで何もかも飲み込んでしまうのです・・・。
もし今回の地震の発生時刻が、人々の寝静まった深夜だったら・・・。人的被害は数倍に達していたかもしれません。
強い地震(震度4程度以上)を感じたとき、又は弱い地震であっても長時間ゆっくりとした揺れを感じたときは、直ちに海浜から離れ、急いで高台などの安全な場所へ避難し、ラジオなどで津波情報をよく聞きましょう。
強固で高い建物にいる場合は、なるべく上階へ避難しましょう。
沖縄は、本土と違い鉄筋コンクリートの頑丈な建物が多いので、本土のように家が流されるといった心配は少ないと思われます。
無理に高台に逃げようとせず、鉄筋コンクリートの3階以上の建物に避難する事も有効です。

  
津波は津波警報より先に来ることもあります。
足元数10cmの津波でも、足をすくわれると一気に沖合まで流されます。絶対に津波の見物などには行かないでください。


たった数10cmでもそんなに危険なんですね。驚きました・・・
テレビで津波が川を逆流している映像も見たのですが、それを見に野次馬がこないか心配になりました。



消太郎:川は陸地より低い位置にあるため、海水は川を道にして逆流します。川の近くも大変危険です。絶対に近寄ってはいけません。


また、沖縄は山が少ないですが、山ぎわや急傾斜地域では、山崩れやがけ崩れが起こりやすいので、自分ですばやく決断し、ただちに避難してください。


つづく・・・

消太郎