Blue Steak Wonder Nagahama(ブルーステーキワンダー長浜)/つくったのはカッコイイおじさん達。12人でもゆったりの大〜きな部屋に母娘二人で泊まってきました。

Blue Steak Wonder Nagahama(ブルーステーキワンダー長浜)

 

旅行は好きじゃないのですが、ホテルに泊まり行くのは大好きな金城です。

 

この3月に娘が小学校を卒業しました。その記念にプチ旅行をしようと素敵なホテルはないかと探したら…、ありましたすごいのが! 読谷村のアパートメントホテルBLUE STEAK WONDER NAGAHAMA(ブルーステーキワンダーながはま)。公式サイトで写真を見て、なんてかわいい部屋!と思い即予約。娘は「ベッドがたくさんあるねー!」と気に入っていました。とは言っても一つにしか寝られませんけどね(笑)。

 

 

おしゃれ空間に惚れて選んだ宿でしたが、泊まってみて驚いたのは開放感と居心地の良さ。そう感じた理由は、きっと部屋の広さとその広さに見合ったビッグサイズの家具! 

 

とりわけ気にいったのは、長辺3メートルもあるダイニングテーブルでした。お部屋の中央でドォーンと存在感を放つ重厚感に、スベスベした肌触り。チーク木材で作られたもので、座っていて居心地がいいんです。自然と居場所がダイニンテーブルとなり、ご飯を食べるのはもちろん、買い込んできたたくさんの文房具を広げて品評したり、ただただおしゃべりしたり。そういえば、我が家には向かい合って座れるテーブルがない。こうして、娘と目を合わせて表情を見ながら話すのは久しぶりで、おしゃべりは盛り上がり。2人してほとんどの時間ここにいたような…。

 

 

 

もちろんその他にも、素敵!とアガる仕掛けは色々ありました。挙げればきりが無いのですが、一つが部屋からのスーパービュー。部屋に入るとまず見えるのが、奥にある窓越しの空。私たちの行った日はお天気で、眩しいほどの澄んだ空がパーっと目に飛び込んできました。そして、窓に近づくにつれ、グラデーションの海が目の前にバーッと広がっていきます。同じ青でも空とは全然違う海の青。歩きながら「うわぁー」「きれいー」を二人で連呼。窓際まで歩くと、眼下に並ぶ民家の瓦屋根の薄くなった朱茶色や民家横の谷の緑も目に飛び込んできて、そのカラフルさに感動しました。

 

もう一つはシャワールーム。部屋に2つある内、メインの方のシャワールームがまるでテラス! これまたテーブル同様規格外の大きさに、壁は全面白いタイル貼り。そこにところどころクリアなガラスが埋め込まれていてそこから自然光が差し込んできて気持ちがいいんです。水回り特有のじんめり感はなく、その気分の良さに、娘はトイレを椅子がわりに小説を読みふけり長い時間こもっていました。後々話を聞くと、携帯からBGMも流していたんだそう(笑)。

 


右下/1階にあるタッチパネルでセルフチェックイン。先に宿泊者の情報や支払いは済ませてあるので、予約番号を入力するだけの簡単なものでした。

 

ホテルから歩いてすぐの海が続く道を散歩しました。

 

今回のプチ旅行、ビーチやカフェを回って楽しかったけど、一番楽しかったのはホテル! そう思えた数々の体験は、このホテルを作った3人のイケてるおじさまが仕掛けたとおりのものでした。その3人とは、代表の山﨑さん、建築士の広瀬さん、そして作家でアーティストの梅原龍さんです。

 

デザイナー梅原龍さん

 

宿全体の方向性を決めたのは梅原さんです。更地だった原っぱの状態からイメージやストーリーを考えたそう。

 

「ここに泊まる時ぐらいテレビや携帯、ゲームではなく、ゆっくり朝まで語り合って欲しくて作りました。沖縄は台風がきたり、天候が悪くなって缶詰状態にになってしまう時もある。そんな時でも、この大きさのダイニングテーブルやソファがあれば窮屈感もなく、リラックスして語り合ったり食事したりできるよね。他にも外の景色が見える安心感とか、キッチンがある便利さとかトイレが2つあるとか。そんな部分も考えました」

 

梅原さんのイメージ通り、まんまと私と娘はダイニングテーブルで語り合いました。代表の山﨑さんが話してくれたのは、そのダイニングテーブルのある部屋を作った際の苦労です。

 

「大きい部屋を、大人数で、大きいまま使って欲しいんです。ファミリーとか仲間、大人数で集まっても狭さを感じることなく寛いげたら最高じゃない? でも、なかなかこの広さやこのダイニングテーブル、大きなソファってないんですよね。それでダイニングテーブル特注の1枚板で作ったんだけど、これを運び入れるのに、クレーンまで借りたの(笑)。ドアからは入らないから壁に穴を開けて、大掛かりな作業だったんだよー」

 



ガラス張り部分は、ブラインドを下ろして中の見えない個室にも。

 

3人の策略に見事にはまった感が一番大きかったのは、景色の見せ方でした。梅原さんは見る順番や人の行動を想像して、部屋をデザインしたそう。

 

「窓の形を横長にしたのは、目線を窓に集中させるため。あえて高さはださなかったの。窓から一番遠いところに玄関を置いたのはね、景色を動くように見せたくてのことなの。玄関にはベンチがあったでしょ?それは、お客が荷物をそこに置いて、両手が空いた状態でこの景色が観れるといいなと思ったから」

 

え、それって、私の行動したまんま!じゃないですか(笑)。 

 

梅原さんのアーティストらしさは部屋の随所、細かい部分にも表れています。その小さな積み重ねが、あの居心地の良さを作り上げているのだと思いますが、それはそれでダイニングテーブルの搬入同様大変だったよう。

 

「人が触る場所はできるだけ木の素材を使いたいですし、シンプルだけどデザインされた家具を置きたいし、室内は玄関からフラットにしたいしと希望がありすぎて、ときどき建築上無理な難題も発生するの。どうにか大工さんに頑張ってもらって押し通したことも多々あるの。今だから笑い話だけど大変だったのさ(笑)」

 

建築士の広瀬さんと梅原さんが思い出して言い合う様子を見ていて、私も大笑い。楽しい宿作りだったんだなと伝わってきました。

 

大工泣かせだった話で、梅原さんのアーティストらしさを強く感じたのは、色づかいです。

 

「階によって壁紙やタイルの色が違うんですが、タイルの色に合わせて洗面器もそれぞれ違うものにしたんです。タイルの色が違うのに洗面器が全部一同じって、僕は違うと思ったの。ただ、設置するときに、タイルと洗面器の組み合わせが幾通りもあって大工さんは頭の中を整理するのが大変だったみたい(笑)」

 

そんな強いこだわりで実現できなかったことを強いて言うなら、シャワールームの水はけのために作った、段差と言うには大げさな高さの違いだけ。そのほんの少しの高さでも宿泊する方の快適さを考え、細かく検討して最小限の高さにしたんだそう。

 

 

家具はすべてインドネシアで作ってもらったもの。

 

そんな3人が手がけるホテルは既に4軒。そして新たに進んでるホテルも。梅原さんは「新築の今もいいけど、20年30年経った時に味が出てくるような家具を作りました。流行りのものばかりを使わずに古さも魅力になる宿づくりをしている」と言います。20年30年後を想像しながら、同じように娘とまた泊まりに来る日が楽しみです。

 

 

調理用具、食器はもちろん、キッチン用の布巾とタオルまでそなえられています。

 

 


Blue Steak Wonder Nagahama(ブルーステーキワンダー長浜)
住所:〒904-0324 沖縄県中頭郡読谷村字長浜109番地
HP:https://www.bluesteakwonder.com