GIBO CAFEなかゆくいに来る会社員、総菜を持ち帰る主婦、孫を率いておばあが通うデリカフェ

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「実は私、テビチが食べられなかったんです」というみささんはうちなんちゅだ。

 

GIBO CAFEの看板フード「ちまぐぅのスープ」。「ちまぐぅ」が沖縄の方言だということは何となくわかるが、これまでに聞いたことがなく、その意味を尋ねた。

 

「ちまぐぅとは、テビチ(豚足)のつま先部分のこと。私は山羊とテビチだけは昔からどうしても食べられなくて。でも、テビチってコラーゲンがすごく豊富でしょう?友人のお母さんたちにお肌つるつるの70代の方が何人かいらっしゃるんですが、聞くとみんなテビチを食べてるって言うんです。それで、どうにかテビチを克服できないかしら?と思い、考案しました」

 

試行錯誤を重ねるうちに、ラードとゼラチンをキレイにわける方法を発見した。

 

「不要なラードを除き、ゼラチンのみを使ってスープを作ったときに、初めて『おいしい!』って思ったんです」

 

トマトと豆、さらにドライフルーツ、ハーブ、ミンチ肉を加え、現在のレシピが完成。みささん同様テビチが苦手という他の人にも試食してもらったが、大好評だった。

 

一口たべると想像以上にサラッとした口当たりで、ほんのりスパイシー。それぞれの具材の個性が、口の中で楽しく広がっていく。

 

 

その魅力は豊富なコラーゲンと味以外にも。

 

「これ1カップで140キロカロリーしかないんです。小腹が空いたときにお菓子をつまむのではなく、ぜひこのスープをお勧めしたいですね。またゼラチンのスープなので、冷めるとゼリーのように固まってテイクアウトもしやすいんです」

 

冷めると固まり、温めると溶ける、コラーゲンたっぷりの美容スープ。みささんのお肌はその効果を証明するかのように、艶やかで張りがある。

 

スープに手作りのパン、ドリンクがセットに。ランチはそのほか、肉か魚を選べるボリュームたっぷりのプレート、カレーなども用意している。

 

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ケークサレ

 

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持ち帰りできるデリメニューも豊富だ。ショーケースには野菜をたっぷり使ったキッシュやケークサレ、ラタトゥユ、サラダ、ピクルスなどがカラフルに並ぶ。

 

「持ち帰り用のデリは必ず販売しようと決めていました。子育てに奮闘していた頃、子どものお弁当の一品にしたり、翌日の朝のおかずに使えたりするお惣菜がすごく便利だったんです」

 

子育てをしながら働いていたみささんならではの経験と想いが生かされている。

 

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かぼちゃとさつまいものサラダ、ラタトゥユ、塩麹の豆サラダ

 

「このあたりはお年寄りが多いのに、商店が少ないんです。向かいのおじいちゃんや、近くに住んでいる大家さんもよく買いに来てくれるんですよ」

 

デリには野菜をたっぷり使用。食材は、糸満や宜野座など県内のファーマーズマーケットを回って仕入れる。最近では、好きなデリを選んで詰め合わせる持ち帰りセットの販売も始めた。

 

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昔から、料理やパン、スイーツを作るのが趣味だったというみささん。東京に住んでいた時期にパン教室に通い、講師の資格も取得した。しかしその頃は自分の店や教室を開きたいとは考えていなかったと言う。

 

「講師の資格を取得したのは24年前。もうどっぷりハマっちゃって。自分が作ったものを家族や周りの人が食べて、おいしいって喜んでくれることが何よりの喜びでした」

 

16年前に沖縄に戻り、東京にいたときと同じように身近な人に作ってあげたり、頼まれたときに作り方を教えたりしていたが、趣味である食べ歩きをしてあちこちの店に行くうちに、自分も店をやりたいという気持ちがだんだん膨らんでいったという。

 

「でも、私の作ったものをお客さんが喜んでくれるだろうか? という迷いがあって。そんな時、友人が『あなたの味を好きな人が来てくれれば、それでいいじゃない』と言ってくれて」

 

その言葉に背中を押され、物件を探し始めた。

 

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一目で気に入った首里の物件は築年数40年。表が店舗、奥は和室の住居という造りだった。文具店や美容室として使われていたこともあったが、ここ10年以上は空き家になっていた。

 

「決め手はそこにある井戸。琉球石灰岩で作られているんです。今でも汲み上げて、散水などに使っています」

 

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建物の持ち味をいかしたいと思い、そこまで大きく手は加えなかった。昔のままの姿を残したカウンター前の木枠や井戸に繋がる引き戸からは自然の光が優しく差し込み、古い建物特有のゆるやかな時間が流れている。

 

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「私は首里の出身ではないので、よそ者がこんなことをして!と思われないかなって最初はちょっとドキドキしたんですが、大家さんを始め、首里に昔からお住まいのお客様も喜んでくださって。
『ここは前は文房具屋さんだったんだよ〜』『美容室だったこともありますよね?』と話しかけてくださったり、『この場所をよくいかしてくれたね』と言っていただいたことも。すごく嬉しかったです」

 

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店に訪れるお客さんの層は、実に幅広い。コーヒーを飲みながらのんびり過ごす学生さん。ちょっと遅いランチを味わう会社員の男性。デリをよく買いに来てくれるというご近所の主婦の方。いつもカウンターに座る、2人のお孫さんを連れたおばあちゃん。ゆったり優雅に食事を楽しむおじいちゃん。

 

いろんな人の思いを受け継ぐ建物を大切にいかし、再生させたみささんの店は、すでに多くの人に快く受け入れられ、温かく深い絆を築き始めている。

 

文:仲原綾子 写真:中井雅代

 

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那覇市首里儀保町1-37
駐車場あり
098-988-8686
open 11:00~18:00
close 月曜
ブログ:http://gibocafe.ti-da.net

 

*GIBO CAFEではキッチンスタッフを募集中。興味のある方はお店へ直接お問い合わせください。