2012 9月

カタチ

 

「タガネ」と呼ばれる工具を使い、細かな目をひとつひとつ職人が手仕事で掘り起こしたおろし金。実際におろしてみればその違いは明らか。職人の技によって生み出される銅手打ちおろし金は、細胞をやさしく壊すことを可能にするため、繊細にして豊潤なおろしができあがる。秋の訪れにふさわしい静かな温かみと、春の光に映える花のつぼみのようなフォルムを同時に有するランプシェードは、陶芸家・小谷田(こやた)潤氏の作品。

 

 

 
道具や雑貨のむこう側に見えるのは、豊かなくらし。決して派手ではないが、本当の豊さに導いてくれるものだけが並ぶ。

 

便利さやスピードを追求しただけの、味気ないモノはどこにも見当たらない。

 

たとえ「それ」が無くても生活はできるし、むしろもっと安価で手に入る類似品は山ほどある。でも、「それ」があると心持ちが変わる、何気ない日常が優しい色を帯び、くらすことが愛おしくなる。

 

例えば水分をたっぷり含んだまろやかな大根おろしや、食卓を包むやわらかな光の力によって。

 

カタチ

 

カタチ

 

カタチ

 

カタチ

 

カタチ

 

雑貨屋「カタチ」は、本部(もとぶ)町のひっそりとした山の中に静かにある。

 

オーナーの岸名美由紀さんを、県内で開かれる市で見かけたことがある人も多いのではないだろうか。カタチをオープンさせる前は、ドリンクメニューがメインの移動販売店「kishina-ya」を夫婦で運営していた。

 

「ずっと雑貨店をやりたいとは思っていたのですが、なかなかいい物件が見つからなくて。ターゲットを本部にしぼって物件探しを続けながら、見つかるまでの仕事として移動販売を始めたんです」

 

 

ふるさとの三重県から沖縄に移住したのは6年前。美しい海に魅せられたのがきっかけだった。

 

「私も主人も南の島が好き。沖縄に移住する前は、バリ、プーケット、モルディブ…と、やはり南の島ばかりを旅行していました。初めて訪れた沖縄で素潜りを体験し、沖縄の海の美しさにすっかりハマってしまったんです。海への思いは今も変わりません。店の昼休みを利用して、瀬底ビーチなんかにさっと潜りに行くこともよくあるんですよ。のんびりと泳ぐ魚を見ていると癒されるし、海に入ることで心も体もリセットされる感覚があるんです」

 

移住後約一年間は沖縄の海を堪能すべく、ただただ泳いでばかりいたが、次第に仕事への意欲にかきたてられるようになった。

 

「沖縄ってそういう意味でも不思議な場所、土地にエネルギーがある気がします。『何かやりたい!』って思わせてくれる」

 

カタチ

 

カタチ

 

その頃、美由紀さんは友人から「手づくり市に参加しないか」と誘いを受けた。

 

「アンティークビーズを使ったアクセサリーを作って出店したら、想像以上にお客様に気に入っていただけて。それがすごく嬉しかったんですよね」

 

雑貨屋をやりたいという想いに拍車がかかったが、希望通りの物件が見つからず、バーテンダーとして飲食店勤務の経験もあったご主人とともに、移動販売を始めることにした。

 

「あくまでも、雑貨店を始めるまでの仕事と考えてスタートさせました」

 

美由紀さん夫妻が探していた物件の条件は、店舗兼住居として使え、駐車場があり、敷地内に畑があること。すべての条件を満たす希有な物件に出会えたのは実に、探し始めてから4年が経過したころだった。それを境に、2年間営業を続けた移動販売「kishina-ya」の看板をおろし、「カタチ」をオープンさせた。

 

カタチ

 

カタチ

 

カタチ

 

オープン当初、美由紀さんの中には確固としたコンセプトは特になかったと言う。

 

「自分が欲しいものを置こう、と。考えていたのはそれだけ(笑)。でも、本部の自然に囲まれて過ごしているうちに、価値感や考え方が徐々に変わってきて。自然の偉大さを感じるようになったし、すべてが繋がっているのだと気づいたんです。それで、お店で自然を提案したいと思うようになりました。オープン当初と比べると、店の方向性はだいぶ変わったと思います」

 

美由紀さんが心惹かれるアイテムに共通しているのは「作り手の心が感じられるもの」。

 

「服や雑貨そのものというよりも、その後ろ側にいる作り手さんに惹かれるのだと思います。最近は、自然について考え、しっかりとした理念を持ってモノづくりにあたっている作家さんの作品を扱うことが増えました。例えば『而今禾(jikonka)』もそう。草木染めのオーガニックな服を作り続けているだけでなく、無農薬野菜を使用したランチを提供するカフェも開いていて、また、オーナーの米田恭子さんは台湾で途絶えた機織りの復興活動にも尽力なさっています。作り手さんのそういう熱い思いに触れると、どうしてもその方が作るものに惹かれますね」

 

アパレル業界での経験も豊富な美由紀さんだが、本部で暮らすようになって服の好みにも変化が生まれたと言う。

 

「昔から洋服は好きなのですが、ここ最近は『働きやすい服』が好き。徐々に機能重視にシフトしてきたんですね。而今禾の服はゆったりめのラインの服が多くて動きやすいですし、ポケットが多かったりと、働く人にぴったり」

 

カタチ

 

カタチ

 

カタチ

「pota」の靴。「三重のギャラリーで試しに履いてみたら、足にぴったりと吸い付いてくるような感触が素晴らしくて」

 

 

カタチ

奔放なタッチに愛嬌のあるフォルム。しかし、器全体からは静けさが漂う独特な佇まいの作品は小泊良氏の作品。

 

昔から好きだった洋服とは違い、器に興味を持つようになったのはカタチをオープンさせてからだと言う。

 

「いかにも自由な作風に惹かれたんです。その場の発想で描く、スピード感を感じさせるデザインが好きで」

 

料理は決して得意ではないと笑う美由紀さんだが、バナナ、マンゴー、パパイヤを使ったシャーベットをふるまってくれた。

 

「それぞれの果物をカットして凍らせたものをミキサーにかけただけ」

 

美しい器に盛られた、素朴な甘さとさわやかな酸味が嬉しい完全無添加のシャーベット。美由紀さんのかざらない、自然とともにくらす豊かなライフスタイルの一端に触れ、羨ましさと同時に、かすかな懐かしさも覚えた。

 

カタチ

 

カタチ

 

昔はもっと、色んなことがシンプルだった。暗くなれば店は閉まり、家族は家で食卓を囲んだ。
かつお節を木製の削り器で削るのが私の役割だった。ボイラー設備は整っていたが、我が家ではできるかぎり木をくべて風呂を湧かしていた。火を絶やさぬよう、寒空の下で薪を窯に入れるのを見るのが好きだった。

 

家庭用のゲームが販売されて爆発的な人気となっても、ゲームにはないダイナミックさを楽しめる外遊びは依然楽しかった。野原でやる野球、れんげ畑でのかくれんぼ、大量のガマの穂を綿状にほどき、プールに見立ててジャンプ!

 

そばにはいつも自然があった。

 

日付を越えるまで起きていることはなく、夜の虫の声に包まれて眠った。風が吹けば潮の匂いを感じた。玄関から一歩出ると必ず、その季節特有の香りに包まれた。

 

自然とともにくらす。それはなんと贅沢なことだったのだろう。

 

様々な不幸が日本を襲った今、心からそう実感する。

 

カタチ

 

カタチ

アイアンと木材の組み合わせが美しい椅子はご主人の手製。広々とした店内も住居部分も、その改装は夫婦二人でおこなった。什器はほぼすべてご主人作。「元はグラフィックデザイナー。鉄を扱う仕事などを経て今はハルサー(笑)。なんでもできちゃう人なんです」。カフェやショップなどから依頼を受けて什器を製作することも多い。

 

カタチ

洗濯、食器洗い、シャンプー。洗うものすべてに使える松の樹液で作られた「マツノチカラ」。「実は、当店イチオシの商品はこれ。空のペットボトルも用意していますので量り売りもできます」

 

美由紀さんが今後力をいれたいのは畑仕事だというのを聞いて、思わず微笑んでしまったが、その言葉はストンと腹に落ちた。美由紀さんが選び抜いたモノたちに囲まれているせいか、その思いが店の空気にも溶けていて自然と伝わってくるからだ。

 

「目指せ自給自足! とばかりに夫が中心となって畑をやっているんです。今は野菜を主に育てているのですが、いずれはカタチで販売できたらなと考えています。震災以降、食材に対する心配の声は高まっていますから、安全なものを提供できたらと。目指せ八百屋さん!…いや、よろず屋かな(笑)。自然をテーマに、自然に優しいものであれば何でもアリかな〜って(笑)」

 

耳を澄ませば陽光が降り注ぐ音さえ聞こえてくるのではないだろうかと思うほど、静かな場所。美由紀さんは今、色々な電化製品を手放すことにハマっているのだと言う。炊飯ジャー、電子レンジ、ドライヤー。

 

ここにはなにもない?
それとも、すべてがある?

 

ぜひその目で確かめて、感じてほしい。

 

写真・文 中井 雅代

 

カタチ
暮らしの道具店 カタチ
本部町字伊豆味2830-1
0980-47-5307
営業日 金・土・日・祝日
営業時間 12:00-17:00
HP http://catachi-plus.com
ブログ http://blog.catachi-plus.com

 

2012 9月


 
安藤明子のサロン展 「はたらきものの衣服」
10月6日(土)~14日(日)
 
筒型の布を身体に合わせて巻き込み、一本の紐で固定するという明子さんのサロンは
よし今日ははたらくぞ、とか、ここ一番という時に着たくなる働きものの衣服。
腰が布で支えられ、しゃんとする感覚は本当に気持ちがいい。
麻子さんが着ているのは、ミナ ペルホネンとコラボーレーションした巾着スカート。
こちらもサロンと同じく、うきうきせっせと働きたくなる楽しい衣服。
布を重ねて色を楽しむことの出来る、様々なテキスタイルで作られたサロンたちが
Shoka:に集まります。
もし、明子さんのサロンを持っているけれど、うまく着れていないという方がいましたら、
この機会に持って来てくださいね。うまく着れるよう私たちが着付指導いたします。
またサロンは妊婦さんの腰を支えてくれるのにとても良いそうです。着込むほどにサロンの良さが
身体に馴染んでくるのを、一人でも多くの方に体験していただきたいと思っています。
期間中、どうぞ体験しにいらしてください。
 
************
 

 
サロンのKIMAWASHIワークショップとお話会を開催します
10月6日(土)18:30~
 
岐阜のギャルリ百草から、安藤明子さんがやってきます。
明子さんのサロンの着回しや、着付けのワークショップを開催します。
サロンを着たことのある人も、持っているけれどうまく着れていない方は特に、是から着てみたいな、と思っている方も、みんなで集まってわいわい楽しく着てみましょう。
平面の布と紐で、どうしてこんなかわいく素敵に着れるのか不思議なサロンを体験してみてください。また妊娠期間中のサロンは腰を支えてくれてとても良いと聴いています。当日妊婦さんの腰を支えるサロンの着方についても指導していただきますので、妊婦さんもぜひご参加下さい。
そして、どうして明子さんがサロンを作ることになったのか、いろいろなお話を田原のインタビューで聴くいつものスタイルのお話会も後半に予定しています。
今年の5月に夫の安藤雅信さんのお話を聴いた方にも興味深いと感じます。
 
日時:  10月6日(土)
 
開場:  18:30
座談会: 19:00~20:30
<完全予約制> 定員に達し次第閉め切らせていただきます
*当日Shoka:は18:00にてクローズいたします*
会場:  Shoka:  沖縄市比屋根6-13-6 098-932-0791
参加費:無料
 
予約方法(必ず10/6ワークショップの予約と明記ください)
1 全員のお名前
2 人数
3 メールアドレス
4 携帯番号
5 車の台数(駐車場スペースに限りがございますので、乗り合わせのご協力をお願いいたします)
6 住所(Shoka:からイベントの案内が欲しい方のみ記入をどうぞ)
shoka.asako@gmail.com  関根までメールにてご予約ください。
◯Shoka:の展示期間中はお子様連れも大歓迎ですが、お話に集中していただきたいことから大人のみのご参加とさせていただきます。ご理解のほどお願い申し上げます。
◯当日は立ち見の可能性もございます。予めご了承ください。
◯先着順で定員に達ししだい、締め切りとさせていただきます。
◯ご予約のメールをいただきましたら、こちらから返信をもちまして予約完了といたします。
 2日たっても返信がない場合は080-3221-8135までご連絡ください。
 

2012 9月


 
目を閉じて、呼吸に集中する。
自分のからだを癒しのエネルギーがめぐる気配を感じる。
最後にそんな経験をしたのはいつでしょう。
集まって、輪になって座り、瞑想して解散。
シンプルな瞑想会でほっとひといき、つきませんか?
アーユルヴェーダの呼吸法(プラナヤーマ)も練習します。
 
【日 時】 2012年9月30日(日曜日) 参加費無料(要予約)
午後7時30分 〜 開場
7時45分 〜 瞑想スタート(9時前に終了)
※ 瞑想開始後の入室はご遠慮いただきます。 
 
【場 所】 奥武山総合運動場 武道館 2階 修養室
【お申込】 paul@sheshayoga.com
 
詳しくはこちらのHP(http://sheshayoga.com/)をご覧ください。
 

2012 9月

山伏と僕
坂本大三郎・著   リトルモア  ¥1,365/OMAR BOOKS

― 現代人が山に入ったら ―

涼しくなって秋の気配が日に日に深まっていく。
お店の窓から見える木々や空の色を見ていると、定点観測のようにそれがよく分かる。

お店では12月に向けて企画展を準備中。テーマは「冬の森」。
そのせいあって今、植物や自然に関する本となると、とりあえず気になったものは手に取るようにしている。そんな中で最近出会ったのがこの本。

『山伏と僕』。これは気になる。
山伏って聞いたことあるけれどどんな人たちなんだろう?
この本の帯を見るとイラストレーターの著者も同じ疑問を持ち、ふと思い立って山伏修行に飛び込んだ体験を記したのが本書。

いつの時代の人たちなのか、実際どんなことをするのか、どこで活動しているのか。疑問はあとからあとから湧いてくる。
そして素人である著者の体当たりの修業を通してそれらの疑問にしっかりと答えてくれる。
こんなとき本ってありがたい。著者がふんどし姿で冷たい水に打たれているのを温かいお茶を飲みながら疑似体験出来るのだから。

冒頭、山形県・羽黒という場所に早朝バスで降りたったところから始まる。
まったく未知の世界に飛び込む心細さが伝わってくる。
前日までいたコンビニや音楽や情報のあふれる都会から離れて、今では少なくなりつつある手付かずの山(自然)の中に入っていくのは勇気がいる。
意を決して入っていった、さあ、その世界は?
あとは読んでのお楽しみ。

古来から伝わる日本文化、神道と仏教の違い(山伏の文化はこれに陰陽道が混じり合って出来た修験道からなる)、自然の荒々しい姿、読みどころはたくさんあるものの、著者の関心は「自然と人々の暮らし」に向かう。

また共感できるのがこの本でも言っているように、行ってちゃんと帰ってくることが大事。秘境などに行って何か異質な体験をした人がときに傲慢になってしまうことがある。すごいものを見た私は偉い、と勘違いをしてしまうことに気を付けなければならないと。だから彼は修行の時期が過ぎるとまた普通の生活に戻っていく。それは正しいと思う。

何かを知るとその後、目に映る世界が豊かになる。
自然と人との関わり方を見直すきっかけになってくれる本。
あらゆる世代に今読まれるべき一冊です。

OMAR BOOKS 川端明美


OMAR BOOKS(オマーブックス)
北中城村島袋309 1F tel.098-933-2585
open:14:00~20:00/close:月
駐車場有り
blog:http://omar.exblog.jp

2012 9月


 
雑貨屋[そ]と楚辺喫茶研究所ソベラボはスタートしてから今月9月で3周年を迎えました。今年も3周年を記念したアニバーサリーパッケージの販売をいたします。
香月舎さんのオリジナル器とソベラボが作る 1.巨峰のギモーブ 2.マロンショコラ 3.レモンのタルトボール、の一口スペシャルお菓子3点セットをワンパッケージに、30セットを販売する予定になっています。香月舎の器は絵柄がいろいろ!器の柄は開けるまで何が入っているかおたのしみ、です♪
 
9月28日(金)12:30~
3rd アニバーサリーパッケージ ¥1,890
販売場所:雑貨屋[そ]
(一部はwebshopで販売予定)
 

 

2012 9月

ジーマーミ豆腐 沖縄料理教室
 
用意するのは、生の落花生、くず粉、水を 1:1:4の割合で。
今日は3カップ:3カップ:12カップ用意したけど、これだと相当な量になるよ。
4人家族でも2〜3日は食べられるんじゃないかな。
 
分量外の水に一昼夜浸しておいた落花生と水をミキサーに入れます。
 
ジーマーミ豆腐 沖縄料理教室 
 
沢山作るときは何回かに分けてね。
ミキサーにかけて最初のうちは黄色っぽいんだけど…。
 
ジーマーミ豆腐 沖縄料理教室 
 
ほら、牛乳みたいに真っ白になってきたでしょう?
 
ジーマーミ豆腐 沖縄料理教室 
 
全部ミキサーにかけたら、布で濾します。
 
ジーマーミ豆腐 沖縄料理教室 
 
量ったくず粉もお鍋に入れて…。
 
ジーマーミ豆腐 沖縄料理教室 
 
火にかけるの。
ジーマーミ豆腐はここからが勝負よ。
一度火をかけたらねりあがるまで根気強くかき混ぜ続ける!
そうしないと焦げ付いてしまうのよ。
だから、下の方からしっかりかきまぜてね。
15〜20分くらいかな。ひたすら練るのよ。
  
ジーマーミ豆腐 沖縄料理教室 
 
初めて作ったのは5年くらい前だったかな。
職場にお料理上手な方がいてね、その方のおうちにうかがったときに頂いて、おいしかったのでレシピを習ったの。
子どもたちも大好きよ、今日もこれ作るって言ったから、娘がルンルンで仕事行きよったよ(笑)。 
 
沸騰してしばらくしたら、少しずつ粘りが出てきて手応えが変わってくるよ。  
 
ジーマーミ豆腐 沖縄料理教室 
 
これくらいとろとろになると、香りが立ってくるのよね。
カスタードクリームよりちょっと固めくらいになったら、火から下ろしていいよ。
 
ジーマーミ豆腐 沖縄料理教室 
 
入れ物は水で濡らしておいてね。
ジーマーミが固まったときにはがれやすいように。
 
ジーマーミ豆腐 沖縄料理教室 
 
あとは粗熱がとれるのを待って、冷蔵庫で冷やし固めるだけ。
 
ジーマーミ豆腐 沖縄料理教室 
 
待ってる間にタレを作ろうね。
みりん:砂糖:醤油を1:1:1の割合で。
だし汁も適量用意してね。
 
ジーマーミ豆腐 沖縄料理教室 
 
全部の調味料を入れて火にかけるよ。
 
ジーマーミ豆腐 沖縄料理教室 
 
沸騰したらオッケー。
 
ジーマーミ豆腐 沖縄料理教室 
 
ジーマーミは1〜2時間もしたら固まるよ。
 
切る時は包丁も濡らしてからね。
そうするとジーマーミにひっつきにくいから切りやすいのよ。
 
うちでは生姜をのせて食べるのが決まり。
香りがとてもよく合うから是非試してみて。
大人は特に好きだと思うよ。
 
ジーマーミ豆腐 沖縄料理教室 
 
タレを回しかけて生姜をのせたら出来上がり。
意外と簡単でしょう?
ジーマーミ豆腐はできたてが一番おいしいのよ。
2〜3日はいけるけど、できるだけ早く食べ切るようにしてね。
 

写真 中井雅代

 

2012 9月


 
沖縄市のコザ十字路にある銀天街商店街で毎月行なわれている、銀天 街まつり。
10月の銀天街まつりは、「ギンギンファッションショー」を開催します。
 
参加型ファッションショーなので、今この紙を見ているあなたが主役です。 
銀天街に眠っていた70年代の、素敵な服を着て、ランウェイしませんか?
 
小さなお子さんも大丈夫!中高生もぜひ!ママもマダムも、みーんなで歩こう!
年齢は問いません。
 
「うちの子参加させたいわ」「友達同士で参加したい」
そんな方々大募集です。
 
特に練習は、ありません。しかし、ほぼぶっつけ本番なので、「度胸」だけは準備してきてください。みなさんの、ご応募どしどしお待ちしています。
 
当日の18:00まで参加を募集していますが、
もし興味がある方は、メールしていただけるとうれしいです。
 
 

開催日:2012年10月13日(土)
時間:18:00ー21:00
場所:沖縄市銀天街商店街
HP:http://sropdrop.web.fc2.com/
  

 
 

2012 9月

いとしい人
 
**若干ネタばれあり**
 
なかなかよかったです。
 
とりあえずびっくりしたのが、ヘレン・ハントのホウレイ線。
びっくりだよ、おばあちゃん???って感じになっていた。
老けたなあ。
39歳にはみえないし、実年齢の45歳(公開当時)にもみえない。
 
いとしい人
 
いとしい人
 
いとしい人
 
逆に実母役のベット・ミドラーのほうが若く見えるんだよね。
それにもびっくり。
 
いとしい人
 
いとしい人
 
この映画はヘレン・ハント監督作品です。
なかなか優秀だと思う。
 
いとしい人
 
 
しかし、「別れたい」という旦那とbreak up sex(別れる前の最後のH)をして妊娠。
これはイタイ。
 
で、夫が出て行った日に出会った、フランク。
 
いとしい人
 
やっぱ、やさぐれてるところにも出会いがあったりするんだね(映画だけど)
私は、やさぐれているときの出会いにはロクなものがない、と持論があるんだけど。
 
子供のような夫をマシュー・ブロデリック。
 
いとしい人
 
いとしい人
 
ほんと、このひとうまい(笑)
サラ・ジェシカ・パーカーの旦那であるが、この映画みてると想像つかない。
 
 
ところで、やっぱり子供は欲しいよね。
タイムリミットが迫ってきてあせるエイプリル。
 
突然あらわれた実母は、TVショーのホスト。
いわゆるセレブ。
自分を捨てた母を許せないものの、色んな出来事がおきても寄り添ってくれる彼女に心をひらく。
 
いとしい人
 
つらいときとか、私も亡くなった母が恋しくなる。
 
でもセレブの母ってうらやましい。
ほんと、私だったら、何でも買ってもらうな(笑)
 
“Then She Found Me” (「そして彼女は私を見つけた」)という原題。
これは誰が、She で誰が Meなのか。
ちょっと深い。

KEE

 

<字幕なしです>
 
<ストーリー>
39歳の小学校教師エイプリルは年下の同僚教師ベンと結婚し、1日も早い妊娠・出産を望んでいた。彼女自身は養子で温かい家庭に育ったものの、どうしても実子でなければと心に決めていたのだ。ところが、ベンは突然別れを告げると学校も辞めてしまう。追い討ちをかけるように養母が亡くなり落ち込むエイプリルの前に、実母と名乗るバーニスが現れる。波乱続きの中で、生徒の父親フランクに惹かれてゆくのだが…。
 
<キャスト>
ヘレン・ハント
コリン・ファース
ベット・ミドラー
 
 
DVDでどうぞ☆
いとしい人
 

 

2012 9月

パッチ・アダムス
 
ハリウッド映画「パッチアダムス」のモデルとなった実在の人物、ハンター・パッチ・アダムス氏が来沖!愛とユーモアで、人に優しい医療を目指し、世界的に活動するパッチが、笑いをテーマに講演会とワークショップを繰り広げます。
 
■パッチ・アダムスウエルカムパーティー&被災地支援パーティー
 テーマ「東北へ癒しの風を届けよう」
 
昨年の東日本大震災にパッチも心を痛めています。癒しの島と呼ばれる沖縄の
芸能でパッチを歓迎すると共に、寄付金の一部を被災地支援に活用させていただきます。
 
【日時】10月7日(日)午後6時30分
【場所】ロワジールホテル那覇「ファンテジーの間」
【会費】1万円
 
 
■ワークショップ
テーマ「ひとを助けることは、自分を助けること」
 
自分のことで精一杯、人助けなんて無理!と思っているのに、人が
喜んでくれると自分も元気でた、なんてことありませんか?パッチと一緒に
体を動かしながらその不思議を体験しましょう!
 
【日時】10月8日(月)午前10時~午後3時
【場所】沖縄産業支援センター1階ホール(那覇市小禄)
【受講料】9000円(当日1万円)
 
 
 
■講演会
テーマ「笑い=癒し 笑いで心のスイッチを入れよう」
 
最近笑いは足りてますか?笑いは免疫力を高め、痛みを和らげます。パッチからたくさんの「笑いのノウハウ」を学びながら、2時間思いっきり笑いましょう!
 
【日時】10月8日(月)午後5時~午後7時30分
【場所】琉球新報ホール(那覇市泉崎)
【入場料】3000円(当日3500円)
 
http://yuimed.com
 
 
【問い合わせ、入場券購入】パッチ・アダムス沖縄招聘実行委員会(那覇尚学院内)
電話:098(867)3515
 
 
ハンター・パッチ・アダムス
 
米国の医師。ハリウッド映画「パッチ・アダムス」(ロビン・ウイリアムズ主演)のモデルとなった人物。患者不在の医療に疑問を感じ、無料のクリニックを設立。道化師の格好で世界中の病院や施設を回るクラウン活動を続け、「ユーモアによって医療を変え、そのような医療によって社会を変えたい」と訴えている。
 
主 催 パッチ・アダムス沖縄招聘実行委員会、NPO法人ゆいめど
共 催 尚学院、琉球新報社
後 援 沖縄県、那覇市、沖縄県医師会、沖縄歯科医師会、沖縄県社会福祉協議会、沖縄観光コンベンションビューローほか
 

2012 9月

緑間玲貴
 
日本三大弁財天の一つとして数えられる奈良の「天河(てんかわ)大辨財天社」。
そこで盛大に執り行われる「秋季大祭」で、踊りの奉納を依頼されたアーティストが沖縄にいる。
バレエアーティストの緑間玲貴(りょうき)さんだ。
芸能関係者がこぞって詣でることでもその名を知られる由緒正しき神社で、芸事の奉納を許される人は数えるほどしかいない。
2012年から踊りの奉納に携わるようになった緑間さんにお話をうかがった。
 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

 
 
– – – 回転を止めない地球のように、人が動き、踊るのは自然なこと。踊りとは人間の本質。
 
バレエを奉納するという活動のきっかけは色々とあって。
 
踊りの本質はなんだろうと考えると、そもそも踊りというのは動き。どんな動きにも必ず意思がともないます。歩くにしても何かに向かって歩く。何かを手に取るときも「取ろう」と考えて取る。そういう動きが踊りの始まりだとすると、みんな踊っているじゃないかって。
 
もっと大きな規模で考えると、たとえば空気もそう。顕微鏡で見ると中性子があって電子があって、プラスとマイナスがぐるぐるまわっていると化学の時間に教わりました。見えないけれどそれは動いてる。心臓も動いているし波だってそう、空もそう、地球もずっと動いていて、惑星も宇宙も全部が動いている。つまり、人間が踊らずとも地球そのものが最初から踊っていて、その中に我々が生きているということに本質があり、人間だってそもそも踊る生き物なんじゃないかなって、そんな風に思ったんです。
だから、人間が踊るというのは当たり前なこと。「踊り」とわざわざくくらずとも、普段の動きがすでにダンスであり、踊りの一部なんじゃないかなって。
 
ですから、例えば「震災で亡くなった方のために踊る」という動きと、「これを手に取ろう」と考えて動くのと、本質的に違いはないと思うんです。踊りって、特別なものではなくてもっと普通なこと、人間に近いこと、つまりはひとの本質ではないでしょうか。
だからこそ、洗練を極めた踊りを観たとき、ひとはみな感動するのではないでしょうか。それが自分と遠くないところにあるものだから。そもそも自分も動いていて、心のどこかで「踊り」を知っているから、それが引き出されてリンクして感銘する。そういう仕組みじゃないのかな? と私は思うんです。
 
 
 
– – – 踊りとは祈り。想いを何かにのせて表現するという人間にしかできないこと。
 
私の踊りのコンセプトは「祈り」。
祈りには二種類あると思うんですね。一つは宗教的な儀式としての祈り。方法などが定められた祈り。もう一つは方法などなく、なんでもない祈り。祈りというと多くの方が前者をイメージすると思うんですが、祈りの方法なんて本当はどうでもいいんです、想いが一番大事だから。私が言う祈りというのも、一切の宗教観とはまったく関係のないところのものを指します。
 
祈りとは「意を宣(の)せる」ということではないかと思うんです。自分の想いを何かにのせて表現すること。その一番静かなパターンが手を合わせて祈ること。何かが良くあればいいと、第三者が勝手に相手の幸せを祈っている状態。それって人間ができる最高に素敵なことだと思うんですよ。地球上で人間しかできないこと、動物との唯一の違い。
そう考えると踊りは祈りとも近いと思うんです。先ほど話したように人はもともと踊っているので、もしかしたらすべての所作は祈りなのかもしれない。そういう風に考えることができないわけではないと。
 
祈りというコンセプトを一つ持って踊っていく際に、明確にメッセージを伝えるために、神社や仏閣という形式的な祈りの場で踊るというのは面白いと思ったんです。私が言いたいことを伝えられる絶好の場所じゃないかって。それも踊りの奉納を始めたきっかけのひとつです。
 
とは言え、踊りを観た人に何かを伝えたい!わかってほしい!と思ったことは一度もないんですね。ただ踊るだけ。それを観てくださった方が自ずと気づいて何かリアクションが起きたらいいし、起きなければそれでもいい。それは強制するものではありませんから。
でも、自分が洗練されていって、定義はわからないけれど「本物」に近づけば近づいていくほど、伝わる可能性は広がると思うんです。だから自分が輝けばいいんだ、磨かれていけばいいんだと。その為に努力を重ねていくわけです。
 
緑間玲貴
写真:仲程長治
 
– – – 真の感動との出会い。日本人ダンサーだからこそ表現できるバレエから受けた衝撃。
 
私がお客様に伝えたいのは「真の感動」。
私も舞台を観ていて何度か経験があるのですが、本当の感動というのは鳥肌が立って涙が止まらなくなるような感じだと思うんです。映画でいうとストーリーを追って感激するのとは違う。それを観た瞬間に何かがからだの中で起こり、自然と涙が出る。それこそが本当の感動ではないかな、芸術はそういう感動を目指しているんじゃないかな、と。
 
その感動に初めて触れたのは、大学生時代に東京で観た有名バレエ団の公演でした。
 
当時はお金が入ったらすぐに出かけ、今考えても異常なほどのスケジュールで、お芝居でもバレエでもミュージカルでもオペラでも、片っ端から観に行っていましたが、海外から来ている劇団で、外国人による公演が多くを占めていました。
 
私は日本でずっとバレエをしてきて、日本のバレエと西洋のバレエとを比べて、取り去ることのできない大きな溝を感じていました。
 
でも、そのバレエ団の公演を観て、日本人バレエダンサーの表現力に大きな衝撃を受けました。日本人独特の精神的な深さや強さのようなものによって舞台がつくられていたのです。

それまでは、沢山ジャンプしたり回ったりというわかりやすいテクニック面が重要だと思っていたのですが、冷静に考えるとテクニックについてすごいと感じるのは自分ができないから。それって感動というより「感心」では? と。
 
そのレベルに達しているのが、奇しくもそれまで私が見落としてきた日本人のダンサーだったのです。バレエは日本に入ってきてまだ100年ちょっとなのに、外国人ができないバレエを日本人が踊っているという事実を目の当たりにし、ショックを受けました。
 
もちろん、大規模な公演でしたから舞台装置や衣装などもとても立派だけど、そういう外側の見せかけのものを超えた、もっと熱いムーブメントを感じて、「バレエにはこんなに可能性があるんだ!」と初めて思いました。
バレエとの付き合いは長かったのに、バレエの本質について考えたことがなかったのです。
その公演を観たことが自分の育った土壌であるバレエというものを見直すきっかけになり、そのバレエ団へ入団しました。
 
 
 
– – – 「動」重視の西洋に対し「静」に美しさを見出す日本。精神性を追求することでダンサーがすごみを帯びる舞台に。
 
そこはまさにプロフェッショナルの世界、想像を絶する厳しさでした。団員みんながバレエに自分のすべてを捧げ、食事や睡眠を含む生活のすべてにバレエが優先される。本当にストイックな世界でしたが、日本人が踊るバレエの奥深さを学びました。
 
日本は静の文化。茶道でも華道でもなんでも、派手ではない静かな世界の中に本当の美しさを見出します。
一方、外国は動の文化。何もかもが華やかで、「見てわかる」という価値観。バレエも日本舞踊と比べると派手だし、動く量もスペースの広さも全然違いますよね。
 
日本の文化は内面をとても大事にします。まず、想いの根本に目を向ける。例えば「能」。舞台に出てきても殆ど動かないけれど、あの中に彼らが表現したい宇宙が全部あり、バイブレーションを舞台から感じる。だから映像で観せることがとても難しい。
 
一方、バレエは表現が直接的なので映像で観ても楽しいし、意味をわかっていない素人が観ても楽しめます。
 
こういう風に、日本と外国とでは物事へのアクセスのしかたが違うわけです。ゴールは一緒だとしても山の登り方が違う。
 
そうやってつくりあげたバレエ団の舞台では、ダンサーが出てきただけでまだ何もしていなくても完璧というような、人間が持つすごみのようなものが表現されていました。舞台に出て来ただけでそれが商品になる、それほど強烈な感動を生み出す舞台だったのです。
自分もそうなりたい、それが目標になりました。
 
 
緑間玲貴
写真:仲程長治
 
– – – バレエ教師を母に持つ三兄弟の長男。幼い頃は三人で舞台に。
 
バレエを始めたのは3歳か4歳のころ。
母(緑間バレエスタジオ代表・緑間貴子)が南条幸子バレエ研究所に勤めていて、ずっとバレエ教師をしておりましたから、生まれたときからバレエの世界で育ったという感じでしたね。
男ばかり三人兄弟の長男。昔は弟たちも一緒にお稽古していましたし、舞台にも立っていました。
今もバレエを続けているのは私だけ。次男は会社員、三男はドラマーをしています。
 
バレエを辞めようと思ったことはないですね。やはり好きだったみたいです。
と言っても、自分が踊ることよりも、舞台を観ることと劇場という空間そのものがものすごく好きだったんですね。
ですから、バレエに限らず舞台の上で行うパフォーミングアーツに興味がありました。
実は、バレエを続けた一番大きな理由はミュージカルをやるためだったんです。
 
 
 
– – – 12歳、東京で観たミュージカルに衝撃。パフォーマンスを見せて感動を与えることが仕事になることを知るきっかけに。
 
12歳の春休み、家族で東京へ旅行したときにミュージカルを観たのですが、それに大きな衝撃を受けたんです。演目は「オペラ座の怪人」。
同じ舞台と言えど、私がそれまでに観てきた舞台とはまったく違い、すごくショックでした。
 
沖縄ではそもそも、バレエの公演自体があまり行われないんですね。行われたとしてもそれほど大規模な公演ではなかった。ですから、当時好んで観ていたのは映像の中の舞台ばかり。映像と本物とではやはり全然違いますよね。
12歳というまだ舞台の知識も浅い時期に、ミュージカルという大規模な商業演劇に出会い、しっかりつくりこまれた舞台の上でプロフェッショナルが集い演じる公演を初めて見たわけですから、その衝撃は相当なものでした。
 
オペラ座の怪人を見たその足で、次はディズニーランドに行ったのですが、そこでも「いったい何なの?ここは」と大ショック(笑)。ショーやパレードにももちろん感激したのですが、「人に見せる」という大きな目的をすべてのスタッフが共有している、そういう理念めいたものに最も感銘を受けた気がします。
 
ミュージカルやディズニーランドとの出会いによって、人にパフォーマンスを見せて感動を与えることが職業になるのだと、そのときに初めて認識しました。
だから、ミュージカルを観ては「ミュージカルの人になりたい!」、ディズニーランドに行っては「ディズニーランドのダンサーになりたい!」と(笑)。
 
沖縄に戻ってからは声楽も学び始めました。まだ12歳でしたが、自分の将来のことで結構真剣に頭を悩ませていたんです。バレエを仕事にするのはすごく難しいことだと知っていましたし、バレエと比べるとミュージカルのほうが人口が多いので明らかに間口が広がる。ミュージカル俳優になるためにはバレエが必要、だからお稽古も大事だ。そういう風に思っていた部分もあったかもしれません。
 
緑間玲貴
 
– – – 沖縄に一冊しか入らない雑誌を待ちわびる。情報を求めて奔走した中学時代。
 
私が受けた感動を、「ミュージカルってこんなにスゴくて、音楽が素晴らしくて…」とどれだけ言葉を尽くしても、学校の友だちはみんな「…は?」って(笑)。誰に言っても通じない。それはそうですよね。
感動を誰とも分かち合えないので、サウンドトラックCDを両親に買ってもらい、ひとりで毎日のように聴いていました。
それからはお小遣いを貯めてはミュージカルのCDを買ったり、沖縄に数ヶ月に一度、しかもたった一冊しか入荷しないダンス専門誌を買うために本屋に入り浸ったりと、少ない情報を集めるために必死でしたね。当時はインターネットも普及していませんでしたし、子どもの私にはそれくらいしか情報収集方法がなかったのです。
 
長くバレエを続けていると、「やらされている」という感覚がでてくる方もいるようですが、私の場合、バレエを続ける意味を考え始める多感な時期に入る前に、ミュージカルに出会ってパフォーミングアーツの世界がすでに広がっていましたから、自然と続けてこられたのだと思います。
「どうして続けているのか」という疑問よりも「もっと知りたい!」という欲求の方が大きかったんですね。
 
 
 
– – – プロフェッショナルとは何か、人に観てもらうためにはどうすべきか。舞台のあり方を東京の有名テーマパークで学んだ大学時代。
 
ミュージカルとの出会いをきっかけに12歳から始めた声楽の勉強は10年以上続けました。高校卒業後の進路として、当時は大きな舞台を観るためにも東京に出ることが私の一番の目的だったのですが、両親は「好きなことなら何をしてもいい、でも、大学は絶対に卒業すべし」という方針。上京するには大学進学しか術がなかったので、一般の大学を受験して入学しました。
 
大学入学の直前、東京のテーマパークのオーディションがあり、軽い気持ちで受けたら合格して。それで、学生とテーマパークのダンサーをかけもちしながら、声楽を習い、バレエのお稽古も、と、18歳にして多忙な日々が始まりました。
 
そのテーマパークには様々な分野におけるプロフェッショナルがいて、プロフェッショナルとはどういうものであるかを実践で見せて頂いたので、とてもいい経験になりました。
人に観てもらうためには裏でどういう計算をしないといけないかという点をそのテーマパークは徹底的に追及しているので、生半可な世界ではないしとても大変でしたが、すごく刺激的で、毎日興奮して働いていましたね。
 
3年ほど続けたテーマパークでの仕事を辞めたきっかけが、その有名バレエ団の公演だったのです。
その日を境に、自分とバレエとの距離がだんだん近くなってきました。もっと深く真剣にバレエのお稽古をしたいと思うと同時に、こういうひとたちは一体どういう稽古をして、どういう風に舞台をつくりあげているのか知りたいと考えるようになり、バレエ団に入団したんです。

長い間そこでお世話になりましたが、やがて沖縄に戻ることを考えるようになりました。
以前は「あんな面白くない場所なんて二度と帰るものか!」と考えていたんです(笑)。日本という国や、日本人に対しても同じように思っていましたが、海外に頻繁に行くようになって逆に、日本や日本人のすごさ、文化の豊かさに気づき、沖縄という場所も見直すようになったのです。
自分が何者であるかを考えるようになり、沖縄のために働きたいと思うようになりました。
 
それで沖縄にもどり、母が主宰するバレエスタジオを手伝うようになったのです。
 
緑間玲貴
写真:仲程長治
 

 
– – – 自分の使命は真の感動を伝えること。そのために踊り続ける。
 
何の為に自分は生まれ、どういう風に生きていけばいいのか、なぜバレエを続けてきて、これが一体何になるの?という思いの壁にみんな絶対ぶちあたるんですよ。
でも、私は学生の頃から沢山の本物の舞台を観て感化され、自分の感性や自分というものがどんどんクリアになっていった気がします。
そうすると、ごちゃごちゃした考えがなくなっていくんですね。
「ただ自分が生活するためにバレエの技術を教える? そんなレベルのことではないんじゃないか」って、あるとき気づいたんです。本当の感動を人に伝えるという、メッセンジャーのような役割、それが自分の仕事かもしれないと。
 
8月に熊本の幣立(へいたて)神宮の五色神祭で踊りを奉納させていただいたのですが、そういう場で踊るときには特別な感覚が働きます。
今、こうして話しているときとは全然違う2つの感覚。一つは超冷静な自分。踊りながらもどこに誰がいるか、ここには泣いている方がいる、ここにはあまり感動していない方がいる、そんな風に会場の全部が見渡せる冷静な自分。もう一つは、いっちゃってる自分(笑)。トランス状態とでもいうのでしょうか。
この2つが同時進行していて、踊り出してからの記憶は殆どないんです。気づいたら終わっていて、拍手に包まれていました。
  
緑間玲貴
 
天河(てんかわ)大辨財天社での奉納内容はまたガラリと変わります。今回は一人で踊るのではなく、作品を奉納することにしたのです。バレエの短編を創作し、小品集というかたちで奉納させていただきます。
 
踊る内容や場所が変わっても、心持ちは変わりません。公演でも奉納でも同じ、「祈り」というコンセプトは常にあります。最初はそうではありませんでしたが、だんだん変わってきたんですね。今はそれが自分の使命だと感じてます。そうでなければ、今まで踊りを続けられてないと思うんです。続けたくても続けられない方もいらっしゃいますから、精神的、経済的、環境的、すべての縁が重なって続けてこられたのだと。そして、受けいれてもらえる土壌ができてきたということは、続けていいと許されたのかなと感じます。
 
私の場合、どちらかというとずっと「そうさせられてきた」感じがするんです。子どものときからそうですが、私は本当は踊るよりも観ている方が好きなんです。踊らなくて良い、観ていたい。でもずっと続けてこられたのは、自分がやるべきことだからかなと。今はそう思います。
 

インタビュー 中井雅代

 
 
※「天河大辨財天社 秋季大祭 バレエ奉納公演」のツアー参加者を募集致しております。
 
Lumières de Est ~ルミエール・ドゥ・レスト 東方からの光
クリックで拡大します
 
詳細はコチラhttp://ryoki-midorima.com/ryoki-web/schedule.html
 
お申し込み:株シャララカンパニー 080-5446-6143(中曽根)
 
 
緑間玲貴
HP http://ryoki-midorima.com
ブログ http://blog.ryoki-midorima.com
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緑間バレエスタジオ
那覇市寄宮 2-1-29
098-853-7771
HP http://www.midorima-ballet.com

 

2012 9月

 
 
日が暮れるのが早くなるといよいよ涼しくなるなと四季の移り変わりに心が弾みます。
自分の生まれた季節だからでしょうか。
夏の終わりから秋、冬に向かうこの季節は浮足立たずにはいられない。
 
tous les jours 
 
去る12日、お店はまる三年をむかえ、現在4年目に入りました。
お店を始める前、幾度となくたくさんの想像をしていましたが、
毎回行き着く思いは「どんな形にせよ続けていたいなぁ」でしたのでかなっているのかなと。
これからも商いとして取り組んでいきたい所存でございます。
 
 
さてさて今回のお題、「秋仕度」。
この何々仕度という響きにとてもわくわくするのは私だけではないはず。
秋というワードから連想を始める。
 
まだまだ日中は暑い日々。
手始めに暮らしの中にとけこむものから。
 
 
クロス
tous les jours
暖かみのある色をチョイスして。
 
 
久々の友人との約束。
色合いを意識したお洋服を選んで。
 
tous les jours
夏に活躍した黒のシンプルなノースリーブワンピースにリネンのロングカーデを合わせて。
ワインカラーのストールをたしてみる。
 
 
お買い物。
今のうちにストールを調達。気負わずいつでもデビューできるように。
 
tous les jours
 

ダークな色が主になるこれからの装いには少しだけ華やかなアクセサリーを。
tous les jours
秋といわずいつでも手元に置いておきたい女子的なもの、それがアクセサリーだと思うのです。
 
 
そんなこんなと準備にいそしんでいるうちに秋は深まる。
景色がこっくりと色づくよりも少しだけ速度をあげて準備を楽しむと
沖縄の短い秋も十分堪能できるはず。
気がついたら冬と焦らないように、逃さないように、
めぐる季節をしっかりと楽しみたいものです。
 
写真・文 占部 由佳理(tous les jours店主)


 
tous les jours(トレジュール)
那覇市首里儀保町2-19
098-882-3850
open:水~土
12:00-18:00
(変更あり。毎月の営業日をブログでお知らせしております。)
blog:http://touslesjours.ti-da.net


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