日本では、一般的に塩は健康に悪いっていう風に言われてるでしょ?
あまり摂取しないようにしましょうって言われてるさ?
厚生省は塩分は1日に6gだか8gだかしか摂っちゃいけんと言ってるわけでしょ?
でもぬちまーすは1日20g摂取して良い。
むしろ、積極的に摂取した方が健康になるわけ。
国が作った常識をさ、個人が覆そうとしているわけよ。
だから、5年や10年でできるようなことじゃないんだよね。
ぬちまーすを使用して作ったケーキ
– – -蘭を栽培できる装置を発明して、蘭栽培農家に
塩はずっと国が作っていたんだけど、
平成9年1月4日の新聞に
「今年の4月からは塩が自由化になる」
と書いてあって、
それを見たと同時に、僕の頭の中でぬちまーすができた。
というのも僕は、小学校の時から物理学者か発明家なろうと思っていたので、ずっとそういう勉強をしていたわけ。
大学も物理学科を卒業したし、自然の原理はわかるから
海水を細かく霧状にして吹き飛ばせば、水が蒸発して塩が降ってくるっていうのは瞬時にわかって当たり前のこと。
生命がいつ誕生したかわかる? 37億年前に海で誕生したんだよね。
そして、生命が陸に上がってまだ4億年足らず、
ということは33億年もの間ずっと海にいたということ。
生命はどういう環境や条件のもとで誕生し、
どのように進化してきたかについて僕はずっと勉強してきた。
大学を卒業して南西航空に就職してからも、
これだけは趣味として勉強していたの。
そうやって色々思いを巡らすのが好きだった。
そうしているうちに、やがて蘭を栽培する装置を発明した。
蘭はどんなして植えられてるかわかる?
水苔に植えられてるわけ。でも水苔って腐れるのよ。
僕の友達で蘭を好きな人がいて、そこの家にいくといつも植え替えしてるわけ。
だから「こんな面倒なことがよく続くな」と思っていた。
そこで、鉢がなくても蘭を栽培できる装置を発明して、蘭栽培農家になったの。
蘭は木に寄生して、その根は空気に触れてるさーね。
ああいうのを気根(きこん:地上部から空気中に出る植物の根)というわけ。
だから本当は土に植えたら枯れるのよ。
水苔に植える場合、水苔が元気な時は良いけれど、
だんだん腐れてくるとくっついてしまって土になるさーね。
そしたら蘭にとって悪い環境になって根腐れが起こる。
そこで、自然の状態と同じように水苔をなくして、始めから空気中に植えておけば良いんじゃないかと。
土耕(どこう)は土を耕す、水耕は水を耕す、だから気耕っていって空気を耕す装置を発明したわけ。
すぐにその機械の特許とって、いざ試そうと思ってやったけど、
機械を作る金があまり沢山なくてちゃんと作れんかったわけ。
それでも当時はバブルの時期で花が高かったからまだ良かったけどさ、
バブルが崩壊すると花の価格が落ちて、「この事業はもうもたないな」と。
– – -「人類を救う塩ができる」と瞬時にわかった
そんな矢先に塩の自由化のニュースが入って来て、
その新聞を見た0.3秒後には頭の中でぬちまーすが生まれていた。
これが今までにない最高の塩になるということは、頭に浮かんだ時点でわかっていた。
そんなのは当たり前だよ。
だって、普通の塩はどんなして作ってる?海水を釜で炊いて作るんでしょう?
水がどんどん蒸発していくと、過飽和度になる部分がでてきて結晶化するわけ。
だから、水の中に沢山溶けているものほど結晶なりやすい、これは当たり前だよね。
海水の中には塩が沢山あるから早く塩ができるわけよ。
ところが鉄、亜鉛、銅なんかは少ないからすぐに結晶化しないわけ。
だからにがりの中に溶けて、にがりとして排除される。
ところがそれこそが生命にとって一番大事なものなんだよね。
そういうわけで、今までの塩には大事な栄養素が入ってなかったわけ。
僕が発明した塩の作り方は全く違う。
例えばアイロンあてるときに霧をプっとやって洋服濡らすさ?
なんで濡れるかわかる?
霧として散布している水の粒が大きすぎるから、水の状態のままで洋服に届くわけ。
この水の粒を100分の1くらい小さい霧にしたとしよう。
温風で吹き飛ばすと、洋服に届くまでに水が蒸発してしまう。
だから洋服は濡れないし、アイロンもあてられなくなるね(笑)。
すると、中にあった塩は蒸発しないから落ちてくるわけ。それだけのこと。
その原理が新聞を見た途端ぱっと浮かんだの。
それと同時に、人類を救う塩ができると瞬時にわかったわけ。
こんな簡単なことさ(笑)。
簡単なことがね、発明なの。
ぬちまーすカフェ「たかはなり」
– – -みんなが「そうだ、そうだ」と言うことをやるのは面白くない。苦労は「楽しみ」だよ。
その機械を発明工夫展に出したけど、
「こんなことじゃ塩は作れん」と入賞すらしなかったの。
「この考え方は間違いだ」とも言われた。
「こんな簡単に塩ができるんだったら、誰か他の人がもうやってるはずだ」って。
県単位の発明工夫展でも入賞しないから、融資をお願いしようにも銀行が相手にしてくれんわけ。
1月4日に塩の機械を発明したけど、10月の発明工夫展でも入賞せずに融資が受けられなかった。
でも、金できるの待ってたらいつできるかわからん。
だから、蘭を栽培していた自分の温室が山の上にあったから、
蘭を出してそこに工場をつくり、塩を作り始めた。
そして、翌年の平成10年5月28日からぬちまーすを販売し始めた。
何の賞もとってなかったけどね。
銀行も誰も相手にしてくれないから、最初は苦労したよ。
苦労と言うか、楽しみだよね、これは。
だって誰もわからないことをやるんだから。
みんなが「あ、そうだねそうだね」と言うことをやるのは面白くないさ?
逆に助かったのは、塩を作るといっても邪魔する人は誰もいなかったこと。
これが誰にでもすぐに良いものだとわかる発明だったら、
「自分たちの商売が脅かされる」と思って反対する人もいるかもしれない。
そういうのが一切なかったわけ。
みんな間違いだと思ってだれも邪魔しなかった(笑)。
– – -あなたのお腹の中には海がある
37億年前に誕生した生命は、最初は細胞分裂で増えていた。
そこからどんどん進化して、ついには卵で子孫を残すようになった。
最初の卵はどこに生んだと思う? 海だよね。
だって、生命は当時まだ海にいたんだから、わざわざ山に卵生みに行かんでしょ(笑)。
だから、卵が産み落とされたところは海って決まってるわけ。
そして、地球上のミネラルのすべてが海の中に溶け込んでいるでしょう?
そこはいわゆる「羊水」なの。
卵が産み落とされる所が羊水であるとすると、海が羊水。
逆に、卵が産み落とされる所が海であるとすると、あなたのお腹のなかにある羊水は海なの。
こんな当たり前の話なの(笑)。
そう、あなたのお腹の中には海があるんだよ。
あなたが毎日食べているミネラルが血液に含まれて、
それが赤ちゃんの健康な誕生を保証するんだよ。
「海は命の母」ってよく言うさ? でもその本質は? なんでそんな事言うの?
そういうことはみんな考えてないさ。
細胞は海にある成分を含んで一つの生命体になったさ?
だから、海のものが全部細胞の中に入ってるわけ。いくら進化してもそこは変わらない。
そして、生命は海に存在するものを利用するしかない。
もちろん、利用しないもの、利用できないものもある。
でも、全部あれば利用できるものとできないものを身体が自分で分別できるわけ。
なかったら分別すらできない。
例えば、僕たちは今空気吸ってるさ。
そして、「酸素を吸っている」というイメージがあるよね。
でも実際には空気中に占める酸素の割合はたった20%、
あとはほとんどが窒素なのよ。
そして、もし酸素が100%を占めていたら、ガンになるのよすぐ。
活性酸素が働きすぎてしまうから。
海にあるものは全部は必要じゃないかもしれないけど、全部摂った方が健康になるというのは、それと同じこと。
僕たちには酸素だけ必要だからと酸素だけ摂ってたら早く死ぬのよ。
生命が進化した環境のもと、海にある物を全部利用するのが良いわけ。
酸素が20%しかない空気をそのまま吸って、長く生きられるのと同じように。
生命が自分で分別できるから、
ぬちまーすは海水の成分を人間にとって必要、不必要と分けてない。
そのまんま使ってる。
– – -価値がわかってないと、行動力には繋がらない。僕にはその価値がわかっていた
147億年前のビッグバンって聞いた事ある?
宇宙の全ての物質が一点に集中したって言う過程があるのよ。
その時はもう今の物理学科の法則は成りたたない、全てが物質ではなくエネルギーだった状態。
そして全てのエネルギーが一点に集中して、それが爆発して広がることによって物質に変化していったわけ。
それから素粒子ができ。原子ができ、分子ができ、
地球ができて海ができて・・・ってなるんだけれど、
普通の物理学科だったら海ができた所までで終わりなの。
海の中に生命ができて・・・っていうのは生物学科の話だから。
ただ、ちょうど僕がやりたかった「素粒子物理学科」が琉大になかったから
そういう生命物理に気持ちが動いていって、勉強したんだよね。
それが全部頭の中にあるから、この塩の作り方を発明したときに
「この塩は人類を救う」って、ぱっとひらめいたわけよ。
たとえば同じ装置を発明したとしても、その価値がわかってなければ誰が事業化する?
価値がわかってないと行動力に繋がらんのよ。僕はその価値がわかってたわけ。
この価値が実際に認められたのは、僕が実際にぬちまーすを作ったあとのこと。
発明展で「ダメだ」と言った人を呼んできて、工場を見せたのよ。
そしたら、「高安さん頭いいね~」と言って帰って行った(笑)。
それからは沖縄県内の発明展みたいなのにはもう応募しなかった。
ぬちまーすは国やギネスや色んな団体から表彰を受けているけど、県からは受けていない。
それが余計やりがいに繋がるさ?
僕からすれば0.3秒で発明できたことで、
それは1+1が2になるよりも明らかなこと。
それを間違ってると言われたからと言って、「ああそうですか」と引っ込むわけにはいかんから。
融資が受けられないからしょうがなく、300万の資本金で会社作って工場建てたけど、
海の近くに工場を建て直さないといけなくて、今度は開発金融公庫に行った。
「工場作るから8億借して下さい」と。
そしたら
「入賞もしてないからダメ。担保はありますか?」
「ありません」
それから7年間、毎年借りに行った。
毎年、「8億貸して下さい」「担保ありますか?」「ありません」の繰り返し(笑)。
すると、8年目に「4億1500万だったら貸しましょう」と。
だから認めてもらうのに8年間かかったわけよ。
その間にぬちまーすに対する世間の評価も上がってきてたからね。
ヨーロッパに行って、向こうの評価を逆輸入するわけよ。
そしたら「やっぱり上等だね~」と認めてくれるようになった。
それで、色んな発明展の奨励賞とかをもらうようになったわけ。
国からも2回表彰された。
「国が2回も表彰してるのに金を貸さないのはおかしい」となる前に、公庫が貸してくれたわけ(笑)。
でも、借りられたのは4億だから8億にはまだ足りんさ?
その頃、ある資金貸し付けの制度があって、
銀行が保証人にならんと借りられないんだけど、沖縄銀行が保証人になってくれた。
で、増資して6億5千万で今の工場を建てた。
塩つくるわけだから海沿いにしか作れないし、
沖縄はどうしても台風が来るでしょ。
台風来る度に建て直してたらまたそのぶん金がかかるから、
台風対策考えるとどうしてもそれくらいなってしまう。
あの時分はまだぬちまーすをわかってもらうだけで精一杯だったから、台風が来ても問題じゃないけど、
ぬちまーすが良いとわかってもらえて買いたい人が増えた時に台風のせいで買えなくなったらいけないさ。
だから頑丈な建物にして、10年目にこちらに移って来た。
その時ね、1億6千万の累積赤字だったの。
「そんな状態でよく8億借りようと思うね〜」と思う?
だって1年目から「素晴らしい塩ができる」とわかっていたのに。
生命というものを理解していないとそんなふうにならんわけよ。
そうでなければ8年間も公庫に毎年8億借りに行けない。
– – -「塩は身体に悪い」と公言している国が敵のようなもの
日本の塩は健康に悪いっていうのはわかるでしょ?
あまり食べないようにしましょうって言われてるさ?
国が作った常識をさ、個人が覆そうとしているわけよ。
5年、10年でできるようなことじゃないさ?
15年はかかると最初からわかってた。現時点でもまだ覆っていないよ。
だって医者は「塩食べないようにしましょう」ってしか言わんのに。
だから、これからが楽しみなのよ(笑)。
息の長い話なの。
そんな簡単にね、ギネス世界一になった塩だからすぐ儲かると思ったら間違い(笑)。
人の頭っておもしろいもんで、
自分のこれまでの常識をなかなか捨てないのよ。よっぽどの何かがない限り。
だから、ぬちまーすが身体に良いと、すぐには信じてもらえないわけ。
だから、国が敵のようなものさ。塩は健康に悪いって公言してる。
今だって厚生労働省は塩は1日に6gだか8gだかしか摂っちゃいけんと言ってるわけでしょ?
ぬちまーすは1日20gオッケー。むしろ積極的に摂取した方が良い。
だから、2リットルの水にぬちまーすを10g入れてしまうわけ。
あと10gは一日の食事全体に入れて食べるわけ。
ご米炊く時に一合に一グラムの割で入れると、ふっくらと炊きあがるし上等よ。
でも、国が「塩は身体に悪い」と宣伝してるから、
こっちの思うようにはなかなか売れないわけよ。
ぬちまーすで健康になれる?塩はどうして生命にとって必要?
「ぬちまーす中編」に続く・・・。
写真・インタビュー 中井雅代
株式会社ぬちまーす
うるま市与那城宮城2768
098-983-1111
open
製塩工場(見学)9:00~17:30
(ガイドがご案内。工場見学無料です)
ショップ 9:00~17:30
カフェ・レストラン
朝メニュー 10:00~11:00
ランチメニュー 11:00~15:00
軽食・カフェメニュー 15:00~17:30
※木曜日は軽食・デザートメニューのみ
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ぬちうなー HP:http://www.nutima-su.jp