『 松浦弥太郎の仕事術 』仕事の仕方が変わる! 片っ端から書き写したい文章ばかり。「仕事とは『自分』を役立てること、役に立たなければただのの自己満足」

松浦弥太郎・著  朝日新聞出版  ¥1,365/OMAR BOOKS
 
―軽やかに生きるためのルール ―
 
4月。何かと慌ただしいこの季節は、
新生活が始まる人、環境が変わる人も多い。
この時期にぜひお薦めしたいのが松浦弥太郎さんによる仕事術についての本。
私自身最近まで何度も読み返していた。
  
内容は著者が考える仕事、あるいは仕事への向き合い方についてまとめられた本。
彼がこれまで仕事をしてきた中で学んで得たことが
シンプルな文章で綴られている。
 
書店経営者、『暮しの手帖』現編集長、文筆家など
いくつもの顔を持つ彼の哲学がつまっていて、
それでいて決して押しつけがましくないところが著者の文章の魅力。
読んでいて片っ端からノートに書き写したくなってしまった。
 
その徹底した自己管理、マイペースぶりに憧れる。
もともと彼のそういう性格によるものなのかというと違う。
彼自身が十代から今にいたるまで様々な仕事をしてきて、
失敗や挫折を経験し、そこから自分の生き方のルールを作ってきたのだということが、この本を読むとよく分かる。
だからとても説得力がある。
例えばこんなこと。
 
―仕事とは「自分」を役立てること。
役に立たなければひとりよがりの自己満足にしかならない。
「自分は何がしたいのか?」ではなく「自分を社会でどう役立てるか」。
 
―最優先すべきは自分の体と心の健康。
おろそかにするとパフォーマンスが下がる。
そのためにも休日を充実させ、センスを磨く。働くために遊ぶ。
 
―流されないために人にあまり会わない。
(大事な仕事の数日前から集中力を高めるために親しい人にも会わないようにしているそう。せっかく準備をしっかりしても直前に誰かと喧嘩をして感情を乱されたりするのを避けるため。)
 
上はほんの一部。これらは当たり前のことかもしれない。
でも出来ているかといわれるとそうじゃないのが現実。
 
人は生きていく上で人と関わる以上、
どうしても周りの影響を受けてしまう。良くも悪くも。
後者だった場合、自分さえしっかりしていればそれも最低限で済む。
要は自分の心と体を気持ちのいい状態に保っておくこと。
そのためには自分のベストを知ることも必要。
 
特に、がんばっているのに何だかうまくいかない、という人に読んでほしい。
 
「ルール」が好きな人は滅多にいないと思うけれど、
軽やかに生きていくための、自分だけのルールはあってもいいなと素直に思えた一冊。
仕事の仕方が変わります!

OMAR BOOKS 川端明美

 

OMAR BOOKS(オマーブックス)
北中城村島袋309 1F tel.098-933-2585
open:14:00~20:00/close:月
駐車場有り
blog:http://omar.exblog.jp