SURIYUN(スリユン) 満たすのは、お腹と食の好奇心。月替りブッフェで旅する世界の料理

もくじ
— 様々な国の食文化を旅するように。人気のタイに、馴染みの薄いハワイもドイツも
— 生きた旬のレシピを現地から。時にはシェフまでもを呼び寄せる
— 味のよさを支えるのは、良い食材と一からの調理、そしてフルオープンキッチン
— お年寄りから乳児まで、4世代が満足できるように

 

 

左 総料理長 桑原友則さん/右 留目則夫さん

 

——— 様々な国の食文化を旅するように。人気のタイに、馴染みの薄いハワイもドイツも

 

ヒルトン沖縄北谷リゾート内にあるブッフェレストランSURIYUN(スリユン)では、約2ヶ月ごとに国を変えたフェアを開催している。この日(2015年12月)のテーマはハワイとアジアン料理。並ぶメニューを見て初めて知ったのは、ハワイの食の幅広さ。マラサダとロコモコとパンケーキぐらいしか知らなかったから、初めてお目にかかる肉と魚の郷土料理に心が踊る。

 

「ハワイでは魚を生でよく食べるし、豚肉もよく食べるんですよ。料理の仕方としてはシンプルなものが多くて、手を加え過ぎない。素材の味をそのまま楽しむものも多いです。ポキはマグロは切ってレモンとオリーブオイルを合わせただけですし、ラウラウは豚肉はバナナの葉っぱで包んで土の中で蒸すとかね」

 

ハワイの食文化について教えてくれたのは、ヒルトン沖縄北谷リゾートで総料理長を務める桑原友則さん。世界の料理に造詣が深く、SURIYUN(スリユン)で全てのフェアのプロデュースをしている。

 

「ハワイの土地の料理は、特にラウラウなんて柔らかくて美味しいんですけどね。見た目がそんなに日本人受けしそうもない(笑)。だから、向こうの料理をそのまま持ってくるんじゃなくて、県産野菜を使ったりしてアレンジして彩りを添えます。今、ちょうど準備しているのは、クリスマスメニューです。豚のももをまるごと頼んでハムにしてもらってるんですよ。ハワイお得意のパイナップルのソースと合わせて、ハワイっぽいクリスマスをお見せしたいと思ってます」

 

suriyun ヒルトン沖縄北谷

ハワイ風餅粉チキン

 

suriyun ヒルトン沖縄北谷

サマーフルーツタルト/マンゴーとココナッツのムース/ココパフ

 

先入観を覆す驚きがあるのは、ハワイフェアに限ったことじゃない。夏に行ったタイフェアでは、世界で一番美味しい食べ物ナンバーワンに輝いたマッサマンカレーや、タイではめずらしいビーフグリーンカレーを並べた。あえてトムヤムクンやパッタイなど、定番のメニューは出さないのだ。アメリカフェアでは、バーガーや分厚いステーキをホテルならではの上質な食材と調理の腕でワンランクもツーランクも格上の味に仕上げ、ジャンクなイメージを覆した。

 

これまでのフェアの面白さと総料理長の考え方を知っていると、馴染みのない国の料理こそ、まずSURIYUNで試してみたくなる。

 

アメリカンフェア

 

アメリカンフェア

 

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タイのヒルトンから来日中のシェフ。 左 ソパットさん/右 ナルモンさん

 

——— 生きた旬のレシピを現地から。時にはシェフまでもを呼び寄せる

 

多国籍に渡るSURIYUNの料理は、旅好きに言わせても現地の本格的な味、しかも今の現地の空気感まで伝わる味なのだそう。その大きな秘密は、世界に展開するヒルトングループならでは。グループ各国のシェフ同士がつながり、盛んに情報交換をし、レシピを提供しあっているのだ。それだけでは飽きたらず、時にはフェアのためだけにシェフを呼び寄せたりもする。

 

逆に沖縄からシェフが他所に出向くことも。先日あった福岡のヒルトンホテルでの沖縄フェアには、SURIYUNスタッフの玉城さんが福岡へ飛び、キッチンを仕切った。このフェア、連日盛況だったというから、県民として鼻が高い。

 

suriyun ヒルトン沖縄北谷

トムカーガイ(タイ)

 

suriyun ヒルトン沖縄北谷

タイ風スパイシーシーフード炒め

 

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——— 味のよさを支えるのは、良い食材と一からの調理、そしてフルオープンキッチン

 

現地のレシピで作り、ときにはシェフまでもを呼び寄せる。それは確かにすごいこと。でも、美味しさの最終的な鍵がキッチンにあるのは間違いない。総料理長の桑原さんは、あえて言うことでもないがと枕詞をつけて話す。

 

「ブッフェというスタイルはカジュアルですけど、クオリティ重視で作ってます。特殊な食材はその国から取り寄せたりもしますが、ほとんどの食材は鮮度にもこだわって、本当に良いものを使ってます。りんご一つとっても、いつ収穫したのか分からないものは使いません。それと、調理も一から私たちの手で行います。パンはパン職人が、デザートはパティシェが全て作っています。半調理品を使うなんてことは、全くないですね。ホテルっていうのは、本来それが当たり前なんですよ。基本、すごい手間ひま掛けている。まあ、手間ひまを掛ければ必ず美味しいってものでもないですが」

 

総料理長の桑原さんが当たり前という、ヒルトングループのハイレベルの味。ブッフェの場合は、それを保つのに調理後の管理が必要になるという。言われてみればSURIYUNでは、ブッフェにありがちな料理の乾きや、空っぽのままの鍋は見当たらない。

 

「お客様のご様子や、料理の減り具合なんかにちゃんと気を配るためのフルオープンキッチンなんです。ブッフェって、奥のキッチンで作ったもの運んでくるというのが普通ではあるんですよ。でもうちはオープンキッチンなので、美味しい状態で召し上がっていただけるよう、きめ細かくケアができるんです」

 

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suriyun ヒルトン沖縄北谷

 

——— お年寄りから乳児まで、食の好みが異なる4世代が満足できるように

 

SURIYUNのブッフェが満足させるのは、毎月のフェアを楽しみにしているグルマンたちだけではない。食で冒険をしなくなったおじいちゃんおばあちゃんから、まだ大人と同じ食事ができない乳児まで、嗜好の異なる家族で訪れても皆でテーブルを囲むことができる。

 

お寿司やふーちゃんぷるーなど、定番のメニューは、どんな国のフェアの期間中でも必ずある。また、メニューとして並びこそしないものの、アレルギーなどを聞いた上で、その子だけに合わせた離乳食を作ってくれもするのだ。

 

老若男女を問わず、誰にでも快適なひとときを。様々な人を受け入れるホテルという施設としては、この考え方はレストランといえども外せない大切な要素だそう。

 

「このレストランを皆が集える場所にしたいと、ホテルのスタッフ皆が思っています。SURIYUNという名前も、その思いを込めてつけました。スリユンって、沖縄の方言で、揃う、皆が揃う、集う、集まるという意味なんですよ」

 

suriyun ヒルトン沖縄北谷

グリルポークロイン スパイシーチリソース

 

 

SURIYUN
SURIYUN(スリユン)
住所:沖縄県中頭郡北谷町美浜40-1(ヒルトン沖縄北谷リゾート内)
ランチ:11:30 ~ 15:00(14:30 L.O.)
ディナー:17:30 ~ 22:00(21:30 L.O.)
バー:17:30 ~ 23:30 (Bar Food L.O 22:30, Bar Drink L.O 23:00)
定休日:無休
TEL:098-901-1130(直通)
http://hiltonchatan.jp/restaurants/suriyun