青いパラソルと植木の緑が白壁に映える玄関。
使い込まれた家具に囲まれたダイニングキッチン。
「U.F.B」オーナー・moe さんのお宅だ。(関連記事:U.F.B 作る楽しさも伝えたい。心を元気にするアイシングクッキー。)
アンティークな雰囲気のインテリアが好きだというmoeさんの家には、ほどよく使い込まれた家具があちらこちらに。
「家具のほとんどは、移住時に本土から持ってきました。
でも、このソファーは別。沖縄にお住まいのおしゃれな方に、格安でお譲り頂きました」
奥の部屋には、moeさんが仕事で使う道具類や、日々の暮らしでも使用しているうつわが大切にしまわれている。
食器棚は、読谷の「Indigo」(那覇にも宜野湾にもない家具を、読谷から)で。
壁に立てかけたカラーボードには、お気に入りの雑貨を飾って。
「賃貸だと、壁に色を塗ったり画びょうを刺したりできないでしょう?
カラーボードを置けば、その代わりになるんじゃないかな? と思って」
「いずれはこのフレームに写真を入れて、ボードに飾ろうと思っています」
皿もカップも素敵なものばかり! 本土から持ってきたうつわたちに混じって、読谷の市で購入したやちむんの姿も。
「料理も楽しいけれど、料理を盛るお皿を選ぶ時間も大好き!
うつわに限らず、生活雑貨全般が好きなんですよね〜」
キッチンのとなりには、外人住宅ならではの広いランドリールームが。
青い棚は本来、店舗で使おうと思っていたものだと言う。
「大きな籐籠が三つピッタリ入るので、収納スペースとしても重宝しています」
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部屋数も多く、広々とした家だが、どの部屋もすっきりとした印象。
モノであふれておらず、スペースにも余裕がある。
また、moe さん一家はモノをとても大事にする。
「大きな家具は輸送費がかさみますが、沖縄で買い替えることは考えませんでした。
使い慣れたものに囲まれて生活したほうが、心も落ち着きますから」
使い込まれたテーブルには、手づくりのスコーンやスイーツが並ぶ。
「丁寧に暮らす」「シンプルな生活」という言葉を、よく見聞きするようになって久しい。moe さん一家は、その両方ともしっかり実践しているように見受けられる。
時間に余裕があるから、心にも余裕があるのかしら? とつい考えてしまうが、そういうわけでもないらしい。moe さんもご主人も、仕事は多忙を極めている。
憧れの暮らしを実現できているのは、「家族」を暮らしの中心に据えているからかもしれない。
moe さん夫婦は娘さんとの時間をとても大切にしていて、時間が許すかぎりプレイスペースで一緒に遊ぶ。
夫婦間の会話も優しい雰囲気に満ちていて、ケンカになることはまずないと言う。
心の状態は、そのひとの家に表れるのだなぁ。
物件情報には一言、「風通しが良いです」と書かれていたという家。
そこに住まうmoe さん一家のくらしにも、心地よい風が通っているように感じられた。
写真・文 中井 雅代