OKINAWA FOOD FLEA vol.2 かっこよくて美味しい街、フィッシャリーナ北谷に出現

FOOD FLEA

 

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薪窯を載せた真っ黒なトラックが大きく目を引くSCARPETTERS(スカルペッターズ)。簡易店舗ながら、ニューヨークにあるかのようなシックな空間は、ATELIER CAFE BAR 誠平。お客の目の前で炭の煙と格闘しながらパテを焼く、そのパフォーマンスはまるで生ライブのようなGORDIE’S…。各店の前には、おしゃれした人たちが列をなす。生ライブの演奏が、心地良い海風に乗って耳をくすぐる。

 

ここには洗練されたスタイルがある。1日だけの、外国の街のような異空間が出現した。

 

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ハンバーガーも看板もアメリカンなGORDIE’S。
http://calend-okinawa.com/food/foodshopnavi/gordies.html

 

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会場でひときわ目立ち、開店前から常に行列が絶えなかった、Bacar Pizza/Scarpetters。オムレツは1人前ずつ炭火で調理
http://bacar.ti-da.net
https://www.facebook.com/pages/The-SCARPETTERS/1441727072732688
http://calend-okinawa.com/food/foodshopnavi/bacar.html

 

アットホームでほんわかした空気が流れる女性的な市が多い中、OKINAWA FOOD FLEAは、おしゃれで都会的で、かっこよくて気骨もある、言うなれば男性的な市。

 

これほどまでにかっこいい店が連なっているのは、主催者である石井 雄一郎さんの目にかなった店だけを選んでいるから。

 

「本気で夢を追っかけてるような店がいいんです。その食べ物が心底好きっていう人。その食べ物の文化をちゃんと学ぼう、表現しようって思っていたり、自分の料理をどう極めていくかってことを、いつも考えている志のある人がいいなって」

 

出店者たちのこだわりは、並大抵のものではない。

 

「1日の中で豆の煎り具合を変えるって、びっくりしません? potohotoさんは、それをやってるんですよ。今日だって時間によって、浅煎り、中煎り、深煎りって、1つの豆で3つの味を作ってるんです。店主の山田さんは、焙煎の大きな大会で毎回上位に入るほどの腕前なんですよ。ほんと、すごいですよね。あとね、そこまでするか?ってくらい材料に妥協しない店もあるんです。誠平は、日本にとどまらず、世界中から質の良いものをとことん探して直輸入してるんですよ。フランスのオーガニックチョコとか、イギリスの麻の実ナッツとか、本当にこだわってる。ぶっきらぼうな奴なんですけど、すごいまっすぐで物に対する思いがハンパないんです」

 

他店のことを自慢気に話すが、石井さんだって例外ではない。自身の営む店、“月と器”のこだわりも相当なもの。なんと醤油から自分達で作ってしまう程だ。料理によっては醤油に一手間を加えるし、客の好みによっては塩加減を変えたりもする。100年200年続くような、歴史に残る店を本気で目指している。

 

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主催者である石井さんの店、月と器。オーナーに似て、元気一杯のスタッフ。
http://tsukitoutsuwa.com

 

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会場で豆の焙煎までしていたCOFEE potohoto。
http://www.potohoto.jp
http://calend-okinawa.com/food/foodshopnavi/potohoto.html

 

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大人の色気を感じさせるATELIER CAFE BAR 誠平。
https://www.facebook.com/seihei.okinawa

 

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ジュージューと美味しそうな音と香りを漂わせてロールポークを焼く、ごはん屋de su-su-soon。唐揚げ、blackセサ麺と食欲をそそるメニューが勢揃い。
http://sususoon.ti-da.net
http://calend-okinawa.com/food/foodshopnavi/sususoon.html

 

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那覇のイタリアン・バール、EN-YA 座・バルの完全無添加手作りソーセージ。
http://enya.ti-da.net

 

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cactus eatripのザックザクのチョコチップが入ったクッキーや、食べ応えのあるおかずパンたち。
http://cactus-eatrip.jp

 

FOOD FLEAのすごいところはまだある。“居酒屋松っさん”や、“加藤食堂”など、普段イベントには参加しないような店も数多く並んでいること。これらの店が出店を決めたのは、石井さんの持つ夢に共感したからに他ならない。

 

「僕、夢を売りたいんですよ。『飲食店で働く人ってかっこいいんだ』って。特にこれから育っていく子供たちに、夢を持ってもらいたい。『このお兄さん、すごくかっこいい! 飲食業ってかっこ良くできるんだ』って。テレビに出てくるような、アーティストだったり、ミュージシャンだったり、映画撮る人だったり、もう単純にかっこいいって人。その位置に、料理人を入れたいんです。飲食店って営業時間は長いわ、仕込み時間も長いわ、家族といる時間もないわって、『大変』、『なり手がいない』、そういう飲食店のイメージを全部取っ払いたいんですよ。飲食業の置かれてるレベルを上げたいし、生活と家族も大事にできるようにしていきたい。これはもう日本に必要な夢ですよ」

 


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宜野湾の人気店、加藤食堂の海老のソテー。海老の旨味がぎゅっと詰まったアメリケーヌソースが絶品。
https://www.facebook.com/katoshokudo

 

 

この夢を共有したくて、石井さんは1人で1軒1軒店を回って、出店者を口説き落とした。

 

「一緒にお酒飲んでお話させてもらったんです。自分が好きな店に飲みに行って、しゃべることでコミュニケーションが生まれて。そしたら一気に距離が近づくんです。そこで心を込めて、自分の思いを伝えました。話し込んでいくうちにお互いの考えに感動して、『うわ〜、サイコーや。また飲みに行こー!』って男臭い感じになって、僕の夢にも賛同してくれた。『じゃあ君が言うんだったら、出るよ』ってみんな言ってくれて。1回めなんて、人が来るかもわからないじゃないですか。ほとんどイベントに出ないお店も、『出る』って言ってくれたんです」

 

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カーニバルパーク・ミハマにオープンしたビーガン料理の店、Tamie’s KITCHEN。魚を使っていないのにフィッシュバーガーまんまの味に感激。
http://tamies.net

 

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オーガニックベジ料理の福豆。
https://www.facebook.com/fukumame06

 

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那覇楚辺の洋食の名店、ぬーじボンボンZの黒カレー。コクと深みのある味わい。
https://www.facebook.com/nujibonbon?rf=151322168222608

 

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タイカレーに麺が入ったカオソーイ。揚げた沖縄そばがトッピングされ、歯ごたえのアクセントに。Asian Food Fuuten。
https://www.facebook.com/asianfoodfuuten

 

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プラザハウス1Fのガレットの店、LE VILLAGE。そば粉100%の生地に、ラタトゥイユと半熟卵を絡めて。
http://village.ti-da.net
http://calend-okinawa.com/food/foodshopnavi/le-village.html

 

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この日のために、ローストビーフの塊肉を10本以上用意してきた、港町食堂。1人前170グラムと大盤振る舞い。
https://twitter.com/minato_diner

 

石井さんは、夢を叶えるはじめの一歩に、北谷を選んだ。北谷のカルチャーが好きだけど、自分が行きたいと思う店が少なかったから、というのがその理由だ。

 

「僕、北谷がすごく好きなんですよ。この場所って赤レンガがあって、外国っぽいでしょ。ここができたときに、外国に似てるなって思ったんです。19から24まで住んでたカナダにちょっと似てる。北谷って特別な場所だと思うんですよ。サーファーがいて、スケーターがいて、外人さんや、僕みたいな移住者、ウチナンチュがいる。これだけでもいくつもカルチャーがある場所。でも、僕らが遊ぶ場所ってあんまりないなって。自分が飲みに行って、刺激を受けるような店、すごく頑張ってるとか、楽しそうとか、夢があるなって店、そんなに多くないんですよ。だったらそういうお店をここに集めちゃえって。あの人がここに来てくれたらサイコーやなって。僕もそういう友達が欲しいし、自分の遊び場を作りたかったんで(笑)」

 

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しかし今後は北谷にこだわることなく、色々なところで開催したいとも。

 

「ロケーションはすごく大事。だけど、ロケーションさえよかったら、このイベントって移動できるなって。宜野湾とか那覇、名護、どこへでも行ってこの街を作れる。けど沖縄だけにとどまらず、いずれは世界へ出したいと思ってるんです。沖縄から東京や大阪じゃなくて、沖縄からニューヨーク、パリとか。近いところだったら、台湾、ハワイ。OKINAWA FOOD FLEAのみんなでばーっと行ってね。沖縄のすごいところは、世界中にウチナンチュが沢山いるってこと。そういう強みがありますからね。足がかりに、ここに出したお店が世界に出店してくれたら嬉しいですね。もちろん自分も出れるんだったら、世界に出たい!」

 

 

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みんなの力を結集すれば、大きな波になって変化を起こせる。石井さんはそう信じて疑わない。

 

「自分の力は小さくても、みんなの力が集まれば、政治家や役人たちができないことを僕たちはできるんですよ。自分たちができる範囲の、ちっちゃいところから始めて、その力をいっぱい集めて、おっきい力にしていく。それを食を通じてやりたいんですよ。食事って誰でもがするでしょ、子供から大人、お年寄りまで。辛いことがあっても絶対人って食べる。食べることによって力が湧くからね」

 

文/和氣えり(編集部)

 

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