土鍋で炊き上げたご飯についたおこげに、思わず、おかずより先に箸がのびる
沖縄の料理屋でも見かけることは最近少ない「かちゅーゆ(鰹湯)」。鰹節に熱湯を注ぎ、みそをとき入れるシンプルなスープ。体調不良の時などに飲む機会が多いだけあって、からだにじんわりしみる、素朴な味。
サバの塩焼き。パリっと焼き上がった皮に、ジュっとレモンをしぼり、さっと控えめにしょうゆをたらしていただきます。(居住まいを正し、きちんと指もそろえて手を合わせたくなるフシギ。)
皮はパリっ、身はふかふか、そして絶妙な塩加減。晩秋に旬を迎えるサバは、今が一番脂ののっている時期。とはいえ、ここまで細やかに、美味しく調理されたサバは、なかなかお目にかかれない。
ややもすると、写真からは質素な印象を受けるかもしれないが、実際に目の前にすると、これがとびきりのごちそうであることが、ひしひしと伝わって来る。米には優しい甘みがあり、豆はふっくらと煮込まれ、野菜は本来の苦みをしっかりと残し、漬け物は昨日今日漬けたものではない、実直な味わいがする。
まっとうな食事。
日本の食卓を象徴するような、典型的なメニュー。
しかし、そんなメニューを久しく口にしていなかった事実に、しばらくしてから気付く。
特別じゃない特別。
これって、何よりの贅沢じゃないだろうか?
食後には、どうしたってお茶をオーダーしたくなる。だって、こんなまっとうな食事を作るヒトが淹れてくれるお茶が美味しくないわけがない。
シフォンケーキは中身がぎっしり、どっしり腰がすわっている。惜しげもなく入れられた黒豆がまた、素朴な甘みをプラスしている。
和食の家庭料理を出すご飯屋さんを古民家でやろうと決め、「ここ!」という物件が見つかるまで1年以上かかったが、こだわり抜いて見つけただけあって、料理にも店主の雰囲気にも、この上なくマッチしている。
一歩入ると、そこは「昔」でも「今」でもない、不思議な時間がただよう空間。
うれしいことにこの食堂、夜も11時までと遅くまで家庭の味と美味しいお酒で迎え入れてくれる。
客層も幅広い。
「地元のお客様も多いです。一人暮らしのおばあちゃんとか。地元の方が多いというのは、やっぱり嬉しいですね。」
素朴で贅沢な家庭料理に、沖縄のおばあも舌鼓を打っている。
あめいろ食堂
沖縄県那覇市樋川1-3-7
098-911-4953
open
DAY12:00〜14:00 (L.O 14:00)
NIGHT18:00〜23:00 (L.O 22:00)
土・日12:00〜23:00(14:00〜18:00 喫茶)
close 月・火(祝祭日は営業)
HP:http://web.me.com/ameiroshokudo/home/Welcome.html
blog:http://ameiro.ti-da.net