2012 10月



 
数十年前までは日本のあちこちにごく普通に残ってた暮らし方。植物や魚といった生きものはもちろんのこと、陽射しや雨風やうねりといった自然の力に無理に抗ったり、無理に争ったりすることない生き方のこと。生きものや自然に人間の側から近付くことで成り立っていた、焦るよりもゆったりしていることが望ましい暮らし方。
 
いまではレアなものになったそういう暮らし方は1970年代頃から注目されるようになり、そこに秘められた価値があちこちで再発見されるようになりました。
 
ここ沖縄でも色んな地域で、様々な魅力が掘り返されスポットがあたるようになってきたのはみなさんのご承知の通りです。
 
さて、沖縄本島南部からほど近い神の島、久高島。島の暮らしの片鱗を味わえる「しまのがっこう」が来月、開催されます。第1回目は「島人とイノーを歩く」。自然になることを日々欲している私たちの体さえもが喜びそうな企画をご紹介いたします。
 
 
開催日:2012年11月11日(日)
時間:9:00〜12:00
場所:久高島
 
 
【タイムスケジュール】
9時        安座真港 出港
9時15分     徳仁港 到着
9時30分     久高島宿泊交流館 集合
9時30分~10時  着替えなど準備
10時~11時30分  干潮に合わせてイノー歩き
12時       久高島宿泊交流館にて解散
 
 
【携行人数】    3人〜10人
【持ちもの】    マリンブーツ、帽子、タオル、大きめの耐水容器(採集したものをお持ち帰りになる場合)
【服装】      膝上までまくれるズボンなど、ある程度濡れたり汚れてもいい服装でお越しください
【雨天時】    小雨決行 中止の際は当日の朝8時まで(船に乗る前)にご連絡いたします
【参加費】    大人2500円 小学生以下1500円 ☆ おみやげ付き
【任意保険】   +400円でご加入いただけます
【申し込み方法】 e-mailにてお申し込みください。
✉hello@shimalita.com あてに、
○代表者様の氏名○ご参加人数(大人と子どもの内訳含む)○保険のご加入の有無○ご連絡先をご記入の上、
メールをご送信ください。
 
http://www.shimalita.com
http://www.facebook.com/shimalita.kudaka
 
 
沖縄の海岸の原風景が残る久高島では、干潮時になると、多くの島人たちが貝やタコを拾いに
イノーと呼ばれる遠浅の海を歩きます。
 
海の栄養と太陽の光に恵まれたイノーに目を凝らすと、小さな生き物たちの豊かな世界が広がっています。
 
幼い頃からイノーを遊び場にしてきた島人と一緒に、イノーを歩いてみませんか?
 


 

2012 10月


 
ノスベーモスとは、スペイン語で「またね」の意味。参戦した人、お客様、商店街の人が「ノスベーモス!」と言えるつながりを作りたいと思い、2011年3月から始めました
 
開催日:2012年11月11日(日)
時間:11時~16時
※雨天中止  都合により場所変更の場合あり
場所:パラソル通り 国際通りからむつみ橋通りに入りまっすぐ行くと、パラソルが見えます
 
ブログ:http://parasoru.ti-da.net
 

2012 10月



 
さちばるの海を見下ろす高台に位置する八角堂。
隕石が鎮まる八角堂には、浄化と癒しの波動が満ち溢れています。
そんな八角堂で一緒にヨーガしませんか?
 
ヨガの後は、焚火バーでホーリーハーブtulsiを飲みながらゆんたく
おいしいベジ料理も楽しめます。
 
場所:八角堂
住所:南城市玉城字玉城37-2)
道順:331号を知念方面へ向かい、海坐さんの看板を右折、山の茶屋さんの隣
日時:11月1日よりスタート
   毎週 火曜日 14:00~15:30
   木曜日 18:00~19:30
参加費:ドロップイン 1500円  
    会員 1000円  
    ※tulsiのお茶付き
持ち物:動きやすい服装・タオル・ヨガマット *レンタルマット200円
    *プライベートレッスンの詳細は相談
連絡先:ヨーガアムリタ 大橋彩子 ℡ 090-2021-7849
male flawaa.saiko@ezweb.ne.jp
ブログ http://amurita.ti-da.net/e3446022.html
 
*首里ヒルズガーデンクラス 
毎週金曜日  10:30~12:00
参加費 1000円 5回チケット3500円
 

 

2012 10月


 
那覇市天久でご愛顧いただいておりました
6月の庭が11/1よりfleur(フルール)とひとつになり
fleurでお花がお買い求めいただけます!
お花と共に益々華やかで幸せな空間を
ご提供できるSHOPを目指してまいります。
今後ともよろしくお願いします!!
 
このページを花束・アレンジ注文時に提示していただくと花束・アレンジ10%増量いたします!
 
 
11月01日(木曜日)よりプレオープン 
11月25日(日曜日)グランドオープン
時間:10:00~19:00
 
インテリアライフ & ガーデンショップ フルール
住所:沖縄県那覇市安謝1-10-26 #101
営業:10:00~19:00
定休:なし
TEL:098-860-8787
 
HP:http://d-farbe.com
BLOG:http://rokugatsunoniwa.ti-da.net/e4112020.html
 

2012 10月

久高 良治 展 探求9「映像影像」
 
2012年11月20日(火)〜11月25日(日)
午前9:00 〜 午後6:00(金・土 午後8:00まで)
<入場無料>
沖縄県立博物館・美術館 <県民ギャラリー1・2・3>
▶映像作品
11月20日(火) ・22日(木)午後3:00〜午後5:00 <3F講堂にて>
※ 15分間の映像を繰り返し上映いたします。
 
 
久高 良治(クダカ リョウジ)氏の沖縄で初めての個展。
 
1989年のイタリアでのフレスコ画との出会いから彼の探求が始まり、
今回はその探求シリーズの9回目となります。
これまでの氏の探求の軌跡と本個展での初披露の作品も含み、
沖縄県立博物館・美術館の県民ギャラリー1〜3を全室使用しての展覧会となります。
 
写真の技法を用いながらも既成にとらわれない、
氏の審美眼で表現された独創性の高い作品が一同に展示されます。
これまでの作品とともに、沖縄の風景をモチーフにした作品から、
11/20(火)と11/22日(木)の午後3:00〜午後5:00まで、
映像作品の上映が施設内3F講堂でも行われます。
<15分間の映像を繰り返し上映いたします。>
 
ご来場を心よりお待ちしております。
 
▶ 取材等に関するお問い合わせ先
think of_シンクオブ 担当 金 城(キンジョウ)
連絡先/090-4931-3247 メール/dream@think-of.jp
 
久高 良治 展 探求9「映像影像」
クリックで拡大します
 
Profile
久高 良治 KUDAKA RYOJI
 
1962 沖縄県那覇市生まれ
1989 イタリアに渡りフィレンツェの写真スタジオにて「スティールライフを学ぶ」。
   フレスコ画のような質感を求めて「写真と物質」の融合の探求を始める。
1992 「石膏プリント」を試作。石膏板にカラー乳剤の定着に成功。  
1993 個展 探求1 石膏プリント発表。
1994 個展 探求2(物質1) 
    個展 探求3(物質2)
1998 個展 探求4(物質3) 
1999 個展 探求5(物質4)福岡市美術館 ゆらぎ/メッシュプリント(物質)発表。
2000 個展 探求6(時空)スカイドア青山 ディメンションフォト発表。
2005 音による「1/fゆらぎ」の探求を始める。
2009 写真感覚で映像表現を試みる。
2010 個展 探求7(映像影像)福岡アジア美術館
2011 個展 探求8(映像影像)九州国立博物館
 
 

2012 10月

それもまたちいさな光
 
角田光代・著  文藝春秋 ¥457(税別)/OMAR BOOKS
 
― 秋の夜長、ラジオを聴きながら  ―
 
あまりに夏が暑いせいか、毎年秋が来るとこんなに過ごしやすかったっけ?と思う。
季節の谷間のようなこの短い時期、ついつい夜更かしが過ぎて困る。
夜更かしというと周りはみんな何をしているのか気になるところ。
今回紹介するこの本を読んで、以前はよく夜中にラジオを聴いていたことを思い出した。
  
この『それもまたちいさな光』は、あるラジオ番組を軸に進んでいく。
妙齢の主人公・仁絵とその友人、知人の恋愛とそれぞれの人生の選択に揺れ動く姿を描いた大人のための恋愛小説、といったもの。
 
複雑な女性たちの心理がよく描かれていて、分かる分かると共感しながら読める女性が多いと思う。
 
他人のことについては冷静に判断できるのに、自分のこととなるとからっきしだめ。それも歳をとればとるほど、自分の弱さや危うさを知っているだけに臆病になる。
主人公もまたそんな女性で、幼馴染との宙ぶらりんな関係を棚上げしたまま、友人の恋愛のピンチを知り助けになろうと奔走する。
 
小説の良さの一つは、客観視できるところ。
読む人は登場人物の中にいつか見たことのある自分の姿を見つける。
「あのとき、私はこうした、でもああしていたら?」
「あのとき周りに私はこう見えていたんだろうな」とか。
 
隣人のことなら冷静に分かることも当事者になると簡単に見えなくなる。
そんなときに小説は自分を映す鏡になってくれる。
 
 
もう一つ。この本の裏テーマはラジオ。
登場人物たちはそれぞれ自分の職場や部屋、タクシーの中などで同じ番組を聞いている。
 
調子のいいとき、最悪なときも変わらずそこに流れている。
そのどんなときもつながっているような安心感はラジオの大きな魅力。
ずいぶん前に風邪を拗らせて肺炎になり、入院した病室で流れていたラジオを思い出す。
 
6人部屋で慣れない入院生活(といってもたった5日間だけの)を送ったとき。相部屋になった年配の女性がずっと小さな携帯ラジオを点けていた。
消灯時間が過ぎまわりが寝静まった深夜も、その女性がかけていたラジオの音はずっと響いていた。それはたぶんその部屋にいた患者たちの心をいくらか安心させてくれていた。
 
秋の夜長に久しぶりにラジオを聞いてみてはどうでしょう?
もちろんこの本も一緒に。

OMAR BOOKS 川端明美




OMAR BOOKS(オマーブックス)
北中城村島袋309 1F tel.098-933-2585
open:14:00~20:00/close:月
駐車場有り
blog:http://omar.exblog.jp
 

2012 10月

Day1
沖縄スナップ
ワンピ:minä perhonen
パンツ:Charpentier
靴:Repetto
 
沖縄スナップ
帽子:Karakoram
 

 
沖縄スナップ
バッグ:minä perhonen
 
 
Day2
沖縄スナップ
ワンピース:marimekko
ベスト:ENGINEERED GARMENTS(エンジニアド ガーメンツ)
靴:Reebok
帽子:karakoram
 
沖縄スナップ
バッグ:marimekko
 
 
Day3
沖縄スナップ
ワンピ:toujours
レギンス:不明
靴:Repetto
 
沖縄スナップ
ヘアバンド:minä perhonen
 
沖縄スナップ
バッグ:minä perhonen
 
 
Day4
沖縄スナップ
ヘアバンド:vaice
ワンピ:OLDMAN’S TAILOR
バッグ:marimekko
靴:MINNETONKA
 
沖縄スナップ
ストール:minä perhonen
 
 
Day5
沖縄スナップ
トップス:セレクトショップ「Bshop(ビショップ)」で購入
パンツ:M.GRIFONI(マウロ・グリフォーニ)
帽子:不明
靴:MINNETONKA
 
沖縄スナップ
バッグ:minä perhonen(東京スカイツリーで購入)
 
沖縄スナップ
 
 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

 
帽子やヘアバンドがトレードマークの教子(きょうこ)さん。
愛用するようになったのはアパレルショップで働いていた頃から。
 
「何しろ毎日忙しくて、夜遅くまで働くので、いつも朝はぎりぎりまで寝ていたんです。そうすると、髪の毛をセットする時間がないから、帽子をかぶってごまかすことにして(笑)。ニット帽だけじゃなく、麦わらやハットもかぶりますよ」
 
沖縄スナップ
 
 
好きな洋服の共通点を尋ねると「汚い色の服!」と即答。
汚い…というか、くすんだ色?
 
「そうそう(笑)。グレーとかカーキとか茶色とか、そうでなければ紺やモノトーンですね。昔からこういう色が好きなんです。両親も同じような好みで、母は茶色の服とか着てるし、父はグレー(笑)。小ちゃいときからこういう色ばかり着せられていたので好きになったのかも。明るい色の服を着た記憶がないんですよね。祖母に『女の子だからピンクとか赤とか着なさい』って言われた記憶もあります。
明るい色はバッグなんかで差し色として使うことが多いですね」
 
両親ともにくすんだ色好きとは筋金入り。
 
 
教子さんのコーデを見ていて一つ気になったのは、デニムが登場しないこと。
 
「履かないんですよ、デニム。実は苦手で…。私にとっては合わせにくいアイテムなんです。持ってるけど、一本だけ。ほとんど登場しないですね」
 
逆に多いのがワンピース。
 
「昔から好きでつい買っちゃうんです。パンツやスカートを履くようになったのは最近のこと。それまではワンピばかり。面倒くさがりなんだと思います、結局。サッて着るだけでいいから、らくちんなんですよね」
 
気に入ったラインのものは色違いでそろえることも多いと言う。
 
沖縄スナップ
 
「マリメッコの定番のボーダーワンピなんて色違いで十枚くらい持ってます。もうコレクションみたいな感じですよね。気に入った配色が出たらつい買っちゃうんです。
靴は特に決まった形のものをそろえがちで、ミネトンカは三色、レペットも四~五足持ってます」
 
ミナ・ペルホネンやマリメッコなど、オリジナリティあふれるテキスタイルが魅力のアイテムに惹かれることが多いと言う。
 
「昔からずっと好き、変わらないですね。ボーナスなど臨時収入が入るとご褒美的に購入しているので、記憶にも残ります。縫製もしっかりしてるから長く着られるんですよ。ごろごろ洗濯してもよれっとしない。だからまた、買っちゃうんですよね。
私、買物のときは結構即決なんですよ。悩んだら買わない。好き!と思ったらすぐ決めます」
 
 
大人になると、服のデザインやラインだけでなく、素材を愛するようになる人は多いのでは。
着心地、肌触り、刺繍の美しさ、そしてテキスタイルのデザイン。
他の人にはパッと見で伝わりづらくとも、着ているとデザイナーの細やかな心配りをありありと感じられる洋服は、まるで自分のためだけの一着というような気持ちになれるのも嬉しい。
 
ニットにレザーにコーデュロイ…。色々な素材を楽しめる季節の到来。
秋晴れや冬空のもと、今年はどんな素材に身を包みますか?
 

写真・文 中井 雅代

 

2012 10月


 
光に透ける麻布をつなぎ
暮らしに彩りをもたらす韓国のポジャギ。
お茶を飲みながら、
布の手仕事作品をご覧ください。
 
開催日と時間:11月11日(日)~23日(金・祝) 午後1時~5時
場所:陶房火風水(とうぼうひふみ)
住所:901-2422 沖縄県中城村新垣126
電話:098-995-7331
 
参加工房(友情参加)のご紹介
・ポジャギ教室「あん」(ポジャギ)
・T19☆LAB(布雑貨)
・紅型Lab邦(紅型)
・gauche(布小物)
・Yumi(フラワーデザイン)
・HATA(裂き織り)
 
ブログ:http://tobohifumi.exblog.jp
 

2012 10月

右手に「本」を 左手に「パン」を 心の真ン中に「愛」を持て!!

<出店>
古本:言事堂・ちはや書房・市場の古本屋ウララ
飲食:hal(パン・菓子)・楊香亭(肉たらしいパン)・めえみち(おむすび)・ひばり屋(珈琲)

今年は★お楽しみ抽選会★もあるヨ! 古本屋で1000円お買上ごとにくじを引いて豪華景品を当てよう!
 
開催日と時間
2012年11月3日(土/祝)
11:30~日暮れ17時頃迄
 
場所
珈琲屋台 ひばり屋
那覇市牧志1-2-12 理容たかまつ裏
*雨天時は、壷屋「KIYOKO SAKATAスタジオ」(壷屋児童館斜め向かい/「陶・よかりよ」隣)にて開催します。
 
http://hibariya.blog66.fc2.com
 

2012 10月


 
一般の方を対象とした実技講座です。
アクションペインティングを通して、いつもと違う自分に出会えるかもしれません。作品をつくりながら、自分の好きなように描くことの楽しさを感じてみましょう。
 
講師:桃原須賀子(画家)
日時:2012年11月23日/30日/12月7日*連続3回講座 金曜18:30~20:00
会場:県民子どもアトリエ
定員:12名
対象:一般
 
参加費:500円
参加方法
・全ての日程に参加可能な方が対象となります。
・参加希望の方は、事前申し込みが必要です。
・当館来館、またはお電話にて参加を受付けます。その際、お名前、連絡先(住所・電話番号)をお知らせください。
・応募者多数の場合は抽選にて当選者のみ後日、お葉書にてご通知いたします。
 
受付期間:
2012年11月8日(木)~15日(木)
 
HP:http://www.museums.pref.okinawa.jp/art/topics/detail.jsp?id=912
 

2012 10月

豊嶋秀樹
 
宗像堂(関連記事:天然酵母と石窯がうみだす「いのちのパン」)が改装を経て、新たな姿を現したとき、新しさと同時に懐かしさを感じた人はきっと少なくないだろう。
 
確かに変わった。でも、よりいっそう宗像堂らしくなった。
 
そんな変化の仕掛人は、ジャンルの垣根を越えて様々な分野でアート活動やプロデュースを手がける豊嶋秀樹氏。奈良美智氏とのコラボレーション『A to Z』は記憶に新しい。
宗像堂の改装に至る経緯から働き方に対する考え方まで、幅広くお話を伺った。
 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

 
– – – 改装にかかった材料費はほぼゼロ
 
豊嶋:基本的には、すでにあるものを使って改装をやっていこうっていう方向性で決まって。賃貸している建物だし、それ自体はさわらないで中と外を変えようと。
前の宗像堂の姿を残しつつ、違うかたちに変えようというコンセプトがあったので、改装前に宗像堂で使われてたものを多く利用しています。
床や棚をばらしてテーブルにしたり、パンの出し入れに使用していた道具をテーブルの脚にしたり、そういう断片みたいなのを集めて作ろうって話になって。だから、使っている素材も色も違うし、部屋ごとに雰囲気も全然違う。基本的に店内すべてその考え方で作ったから、材料費はほとんどかかってないですね。
 
宗像:看板がカウンターになってたり、元の宗像堂が随所にちりばめられているんだけど、それがいかにもという風じゃなく、なんとなくわかるくらいでちょうどいいんです。
 
豊嶋秀樹
 
豊嶋秀樹
 
豊嶋秀樹
 
– – – やらなくていいことはやらない。塗り直していない壁も。
 
豊嶋:6月におこなった内装作業は約6日間くらいかけて、壁塗りや床などほとんどを宗像堂のスタッフさんたちに手伝っていただきました。
やらなくていいことはやりたくないというスタンスなので、掃除だけして十分きれいになり、ペンキを塗り直していない壁もあります。
 
宗像:改装後は全然心持ちが違うんですよ、気分がものすごく良い。パン作りをしながら楽しいわけ。前はあんまり感じてなかった楽しさがあるわけよ。スタッフもそうだわけ。
掃除のやり甲斐もあるし、愛着も湧く。すごくいい循環になったと思います。スタッフが店に主体的に関わり、よりよくしていこうと考える良いきっかけになったし、僕自身、どういう店づくりをしていきたいかをスタッフと話せるようになりました。
 
– – – こだわりがないという、こだわり。
 
豊嶋:どういう風にやっていきたいかという点は僕も理解しておかないと、単なる自己表現みたいになっちゃう。宗像堂はあくまでもお店だし、アート作品を創ってほしいと言われているわけでもないから、最初はお話をしっかりと聞くところから始まります。なんでパン屋さん始めたのか、とか色々聞いていくうちに、じゃあこういうやりかたがいいんじゃないかというのがなんとなくわかってくるんですね。
 
宗像:豊嶋くんにヒアリングしてもらいながら、自分と店の全体像を初めて俯瞰できた気がします。宗像堂とはこういう店で、どういう風にパンを味わってもらうか、どう提供していくか、そういうことを自分の中で整理できたというか。
店について理解し、また他のひとにも理解してもらうためにはどうすればいいかということを徹底的にやってくれるので、「自分の作品」というふうには全然考えない人なんです。場にいる人が中心という、ある種こだわりがないというこだわり。そういうスタンスが本当に素晴らしいなと。豊嶋くんに出逢えたことはすごくラッキーだったなあと思っています。
 

豊嶋:僕だけの力では建築の仕事まではできないので、一緒に楽しく働ける建築家を探してほしいとお願いしたところ、「建築意思」の山口博之さんがチームになってくれました。
全体のイメージや方向性を僕ができるだけ出していって、山口さんがそれを現実にするために調整すべき点を設計してくれて。だから今、こうして厨房がちゃんと厨房として機能しているわけです。
山口さんとの仕事は楽しかったですね。一緒にやっていてなんのストレスも感じない。中には「俺は建築家!アーティスト!」的な方もいて、1から10まで自分で管理したいというタイプの方もいらっしゃるんです、それはそれでいいわけですが。人と組んでやる場合は、山口さんのように人とやることを楽しめる人だとやはり楽しいですよね。
 
豊嶋秀樹
 
– – – 宗像堂の主役はパンじゃなく、人。
 
豊嶋:話を聞いてると宗像堂ってパン屋さんだけど、つくり出しているのはパンだけじゃないんだと感じました。パン作りをとりまく色々な出来事や宗像さん一家、パンにひきよせられて集まってくる人たち…。
パンは登場人物にとって大事な小道具にはなっているけれども、宗像堂に集まるひとたち全員でなんかこう、大きな物語みたいなものを作っているんだなーという気がしたので、宗像堂全体をステージに載せるような感じで作っていこうというアイディアが浮かんだんです。建物自体がまるで舞台の上にあるセットのように見えるように。宗像堂という大きなストーリーが見えるような、そういう雰囲気にしたいなーって。
内装は6月に僕の仲間ふたりにも手伝いに来てもらってほぼ終わったので、次はステージづくり。宗像堂のまわりの工事をするんです。石窯のあるところを見てもらえるようになったり、テラス席をもっと増やしたり。
 
舞台というのは抽象的な意味だけでなく、実物も舞台の雰囲気で作ろうと。まあ、明らかに舞台という感じにはならないかも知れないけれど、真ん中に建物があって窯があって、そのまわりを白い砂利やコンクリートでわーっと囲んじゃおうと。基礎の工事は専門家にお願いしないといけないけれど、それ以外はなるべく手づくりでやりたいなと思っています。
 

豊嶋秀樹
 
– – – 出逢った瞬間ピン!と。職業も知らぬまま改装を依頼。
 
豊嶋:宗像さんとの出逢いは確か3年前。僕、それまで沖縄に来たことがなかったんです、きっかけがなくて。僕らの共通の友人んがよく沖縄に来ていて、友だちもいるし遊びに行こうよと誘ってくれたんです。彼が「沖縄の面白い人に会いに行くツアー」みたいなのをくんでくれて、そのときに宗像堂さんにも立ち寄りました。それで宗像さんと初めてお会いして。
 
宗像:最初に会った時、店の階段を降りてくる姿を見て「なんかあるな」ってピンときてたんですよ、実は。でも、そのときはほんと一瞬の滞在だったよね。確かパン買って食べて、「では次行きましょう」みたな感じですぐにいなくなっちゃった。豊嶋くんの職業についても全然知らなくて、きいてもあんまり説明してくれないからわからなかったけど(笑)、それでもすごく興味をひかれたのは覚えています。
 
豊嶋:そのときはそれで終わっちゃったんだけど、それから一年後にまた沖縄に来ることになって。それで、宗像ファミリー含め、みんなで離島に遊びに行くことになったんだよね。与那国馬に乗りに行こうって言って。
その与那国から帰るとき、空港の待合室で宗像さんが「豊嶋くんさぁ、僕今度お店を改装しようって考えてるんだけど、やれない?」というので、「なんでもできますよ」と(笑)。でも僕はプロのインテリアデザイナーとかじゃないので、そういうものを求めているのなら違う人に頼んだ方がいいけど、おもしろ系で良いのであればできることはあると思うし、ぜひお手伝いしたいと言ったら、「どちらかと言えばおもしろ系が良いんだけど」って(笑)。それでお手伝いすることになったんです。
 
宗像:一緒に行った与那国がすごい楽しくて、これはただごとじゃない感じだなーと。その雰囲気がお店に出たらすごく良いなと思ったんですよね。それまで豊嶋くんがやってる仕事のことも全然知らないまま、直感でお願いしたという感じでした。 
宗像堂の店づくりは全部自分たちの手でやっていたので、もろいところは崩れかけていたし、新しく仕切り直したいという気持ちもあった。そういうタイミングだったんです。自分自身の内面の変化もあり、停滞気味な感じもあったので気分を変えたかったんですね。そしてさらに宗像堂を前に進めたかった。
 
豊嶋秀樹
 
– – – 店そのものではなく人にフォーカスした空間づくり。
 
豊嶋:実は僕、これまであまりお店の改装のような仕事はあまりやってきてないんです。以前「graf(グラフ)」という会社をやっていたときには、会社でそういう仕事もいっぱいやってたんですけど、僕はそちらには携わっていなかったから。自分がお店の改装に携わるのは宗像堂さんと、北海道の…。僕、スキーが好きでよく北海道に行くんですけど、そこでいつも訪ねるジャム屋さんの女の子がお店始めるというのでそれを手伝ったり。
あとは、奈良美智さんと一緒に『A to Z』という展示で訪米やヨーロッパをまわっていたとき青山にカフェを作ることになって。でも、その時は作品の流れを意識してつくったので、リアルな店づくりはあんまり経験がないんです。
 
展覧会など空間を作るということは色々な所でやってきたけれど、どちらかというと「場」を作ってるという気持ちがすごく強いんです。どういうものに仕上がっても、人からどう見えてもいい、そこにいる人やそこに集まってくる人、そこで時間を過ごす人たちでその場が馴染んでくればいいなと。
だから、場をつくるときも「はい完成しました、これで頑張ってください」じゃなくて、極力作業に関わってもらう。できるところは自分たちでやるほうがいいと思うんですよ。その人にとっても「この壁私が塗った!」って思えるでしょ(笑)。その気持ちがその後にも結構影響すると思うし。ぱきぱきのお店を作りたいのであれば、そういう人たちがそういう仕事をすればいいと思うけど、僕が関わっている場合はそういうことかなーと思いますね。
 
豊嶋秀樹
 
– – – 僕の仕事は「主婦のカレー」。
 
豊嶋:僕の仕事についてすごく的確な説明をしてくれた方がいるんです。「豊嶋さんがやっているのは主婦のカレーなんだよ」って。国立民族学博物館の仕事をしているとき研究員の方がそうおっしゃって。主婦が作るカレーって毎回同じじゃなくて、その日たまたま冷蔵庫にあるものでぱしっと作るでしょ。それも、カレー粉があったからカレーなっちゃった、みたいな。でも、みんなで楽しく健康的に食べるって言うのが一番の目標だから、別に何カレーでなくても最後はシチューになっちゃっててもいいわけです。でも、おいしくないと楽しくないっていうのはあるんですよね、絶対。ですから、表現方法に縛られず、楽しいと思えることが僕の仕事なのかなと。
でも、これまではカレーができちゃった、というところで終わってたかもしれないけれど。今はそれをみんなで作ってみない? そしてみんなで食べてみようよ、というところまで楽しめるように変わってきた気がしますね。
 
僕は本来アートがすごく好きで会社を始めたのですが、仲間がデザインやってたり料理やってたり大工さんだったり音楽やってたりしていたので、そういうのが全部あるのがいいよねって言ってできたのが graf だったんです。その中にアート部門をつくり、奈良さん始めさまざまなアーティストの方と仕事をして、何年間もアートどっぷり。それはそれで素晴らしい経験でしたし、楽しくて没頭してたのですが、でもそこに自分の暮らしというのがない状態になってしまったんです。ひたすら旅してひたすら創るみたいな感じだったから、もう毎日呑んで(笑)。ないわけ、日常みたいなのが。お祭り屋さんみたいな感じで。
 
年齢の関係かもしれないけど、35歳過ぎてくるとなんかこう…ベクトルの方向が変わってきた感じでした。
でも僕、全然こだわってないんで、どっちに行こうとかまったくないんで、くらげ的に漂ってるだけなんです。たまに「ひゅっ、ひゅっ」ってやるけど(笑)。
 
豊嶋秀樹
 
宗像:その「ひゅっひゅっ」が宗像堂だったり?
 
豊嶋:そうそう(笑)。こっちになんかありそうだなーって「ひゅっ、ひゅっ」とやるけど、行き着くかどうかはわからない。基本は流されてるだけなんですよ。環境や状況、出逢った人たちによって行き着く先が変わる。こうしたいというこだわりがないから、「どこかに行きましょうよ、どこに行きたいですか?」と訊かれ、「北海道に行きたいです」「じゃあ北海道に行きましょう」という感じで。そこでどういう風に何をするかというのはしっかりと掘り下げていきますけど、目指すべきゴールみたいなのは無いんです。
 
豊嶋秀樹
 
宗像:今聞いててびっくりした。あまりそうは見えないと言われるけれど、僕もそうなんです、流れにまかせるタイプ。たまたまできたものがパンで、流されてここに来ただけなんです。
さっきの話で言うと、カレー作ってたらたまたまパンになってたっていう。豊嶋くんとその感覚がすごく近くて驚きました。
 
豊嶋:じゃあ、宗像堂さんも「ひゅっひゅっ」(笑)?
 
– – – 目標が「世界一のパン」から別方向へ激変。
 
宗像:そこまではいかないかな?(笑) 僕の場合、不器用で漂い方がわからないから、どこかにぶつかるまで突き進んで行く…魚? マグロっぽい感じかな?(笑)
自分にとってちょうどいい進み具合や進み方があって、そこにたまたまパン作りがひっついてたという感じなんです。だから、空間を創ることもパン作りも自分の中では違いがなくて。それが豊嶋くんの手を借りてやったのがすごく楽しかった。
 
パンに関していうと、僕の中でおいしいもののポイントが変わったんですよ。これまでも「舌先は絶対追わない」ということは決めていたけれど、おいしさに対するグリップをやわらかくしてしまえばしまうほど、もっと広く喜んでもらうことができるだろうと思うようになって。
 
主婦のカレーって絶対食べたいじゃん、週一とかさ。今そういう方を向いてるんです、はっきりと。自分のきりきりした部分をどんどん削ぎ落としていって、よりリラックスして仲間と一緒にパンをつくっていったら、そういうカレーができそうな気がするし、その方が楽しいですよね。
前はどちらかというと「世界一のものを作りたい」「だれもが倒れるくらいインパクトのあるパンを作りたい」と考えていました。だから、食べたときに涙を流す人がいるのが本当に嬉しかったけど、豊嶋君との出逢いもあり、今まさに劇的に変わってる真っ最中って感じ。以前はスタッフに対しても僕の仕事を再現してほしいと思っていたけど、それが今は真逆。もっと自身の個性を仕事に反映してほしいなーと思うようになりました。
 
豊嶋秀樹
 
豊嶋秀樹
 
– – – 初めて作り手を意識した映画がきっかけでアートの道へ
 
宗像:豊嶋くんがもともとアートに興味を持ったのっていつなの?
 
豊嶋:その話、しますか?(笑) あのね、僕が一番最初に感動した体験ってなんやったかなって考えたとき、「ET」を観てすごい感動したのを思い出したんですよ。初めてひとりで街に出て行って映画館で洋画を観た、それがたまたまETで。すごい混んでて立ち見やったのに、ラストシーンではめちゃめちゃ鳥肌が立って、今にも涙が出ちゃう、みたいな。「これが感動ってやつかー!」と(笑)。
 
それまでは映画とかテレビとかそういうのって、作った人がいるだなんて思ってなかった。そこに生えてる木とか空にある星とか太陽みたいな感じで、ただそこにあるもので、僕らはただそれを観てるっていう感じだったんです。でもETを観たときに「こんなの誰がつくったんやろ」って初めて作者を意識したんですよ。
それまではパンフレットなんて買ったことなかったけど、パンフレットを買って後ろのほう見たら「スティーブンスピルバーグ監督、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校卒業」って書いてあって。そのとき「カリフォルニアか…」って思ってたのよね。で、僕が二十歳になったとき、このことはすっかり忘れてたけど、カリフォルニアの大学に進学したときにそのことを思い出したの。 
 
ETで衝撃を受けたあとは、小学校六年生か中学生やったと思いますけどミュージカルにハマり出して(笑)。従兄がキャッツを観に行くっていうので一緒に連れて行ってもらったら、観客が座ってる所からばーっと猫が出てくるのが見えて、「人が猫やってる〜!おー、すげー!」って(笑)。それをきっかけにお年玉でS席のチケット買って色々観に行ってました。周りには誰もミュージカルなんて見る人いないからひとりで。コーラスラインとかウエストサイドストーリーとか、何観てもおもしろかった。
でも、僕のミュージカルブームは中学時代で完全に終わったんです(笑)。そのあとは今にいたるまで一つもミュージカル観たことないですね、興味はあるんですが。
 
高校卒業後は大阪の専門学校に二年間通いました。
そこで出逢った先生が、キーパーソンだったんですね。
 

後編に続く

 
 
豊嶋秀樹
豊嶋秀樹
gm projects HP http://www.gmprojects.jp
 
宗像堂
宜野湾市嘉数1-20-2
Tel & Fax 098-898-1529
open 11:00~18:00
close 月
HP http://www.munakatado.com
 

2012 10月

台湾カーニバル
 
台湾には現在14の原住民部族が公認されています。
台湾では先住民族という表記は滅びてしまった民族という意味となり、ここでは台湾方式で「原住民」と表記しました。その台湾の南部の台東県からその中のプユマ族の小学生32名が沖縄で来日公演を行います。
 
何故原住民がサンバなのか?
 
台湾ではここ数年、部族の伝統芸能離れが進み若い世代と伝統の継承が大きな課題となっていました。
そこで台北の文化財団「夢想社區文教發展基金會」の実験的試みで地域共同体の結び付きと年齢幅の広い参加者で構成されるブラジルのサンバを取り入れ部族の衣装で演奏。子供達は爆音の打楽器を叩き、部族の歌などを取り入れる試みがスタート。
年に一度台北で開催されるカーニバルには、サンバを練習している台湾全土の原住民の小中学校児童の演奏パレードが、大きな話題となっています。
 
 
その話題の原住民サンバ軍団の演奏が11月4日(日)に11時に平和通りをパレードします。プユマ族の民族衣装で子供達は演奏します。12時からは桜坂劇場で台北の今年のカーニバルの様子の上映。
そして子供達のサンバの演奏と、プユマ族の伝統芸能も披露します。
滅多にないこの機会にぜひ、隣国台湾のネイティブな芸能を体験しませんか?
 
前売りチケットは急いで桜坂劇場で!
(*とにかく驚きの美女ぞろい!)
  
 
開催日:2012年11月4日(日)
開場11:30 開演12:00
一般前売り 2000円
当日券 2500円
小中学生前売・当日共1200円
※各入場時別途300円の1ドリンクオーダーが必要
 
場所:桜坂劇場ホールA
 
http://www.deepbrabra.biz
http://sambabbb.ti-da.net
 
台湾カーニバル
 
台湾カーニバル
 
台湾カーニバル
 
台湾カーニバル