2013.10.21
2013.10.20
7人の作家の7つの物語。
11月15日〜11月17日
9:00〜18:00(金,土は20:00迄)
@沖縄県立博物館・美術館 県民ギャラリースタジオ(入場無料)
那覇市おもろまち3-1-1
tokutomo
yorix
さくちか
Toku²
ru-san
Hitomi
崎山さちろう
2013.10.20
これは紙? それとも布?
思わず触ってみる。
見た目も質感もまるでワックスペーパーのよう。
なんとも不思議な素材のかばんだ。
薄手でぱりっとしていて、一つ一つのしわが様々な表情をつくりあげている。
そして、持ってみると驚くほど軽い!
これって、かばんですよね?
「ペーパークロスという、特殊加工を施した生地を使っているかばんです。
コットン2枚を貼り合わせているので、丈夫なのに軽いんですよ。
いつも荷物が重たくなってしまう方にもお勧めです。
僕も使っているんですが、使うほどに味わいが出てくるところがまた面白くて。色んなサイズをそろえたくなっちゃうんですよね」
店主の川原貴文さんも愛用しているという fourrof (フォアルオブ)のかばんも含め、店内には yap shop が県内唯一の取り扱い店舗となっている品々が数多く並ぶ。
陶器の動物たちは、丸っこいフォルムとユーモラスな表情が印象的だ。
スウェーデンの陶芸家 リサ・ラーソンの作品は、日本にも熱烈なファンが多い。
店内をじっくり見渡すと、置いているものが実に多種多様であることに気がつく。
どうやらここは、ただの「雑貨屋さん」ではないようだ。
作家ものの器やアクセサリー、良質のオーガニックコットンの靴下があったかと思えば、デッドストックのアウトドア用品、アンティークの大きなシャンデリア、ケンタッキーフライドチキンのクーラーボックスまで並んでいる。
「よく、『ここは何のお店ですか?』って聞かれるんですよ(笑)。
作り手やブランドの知名度、また新品か否かは関係なく、純粋に『好きだなぁ〜』と思えるものだけを選んで置いています。
デザイン性だけじゃなく、素材や質感、使い勝手の良さにもこだわってセレクトしていますので、普段使いしやすいものばかりですよ。
例えば、店内の照明にも使っている『PRIMUS (プリムス) 』のランタン。
まずは見た目がかっこいい! デッドストックではありますが、今販売されているガスにも対応しているので、ちゃんと使えるんですよ」
PRIMUS は、19世紀にスウェーデンで生まれた由緒正しいアウトドア用品メーカーだ。その品質性の高さから、アムンゼンの南極大陸横断にも携行されたと言う。
なるほど、使いやすさについても折り紙つきなわけである。
店に並べる品にはジャンルも新旧も問わないと川原さんは言うが、どんな基準を元にセレクトしているのだろう?
「作家ものでもなんでも、ブランドを全面に推し出していないものが好きですね。
ぱっと見てブランド名がすぐに浮かばないようなデザインというか。
さりげないものに惹かれる気がします」
川原さんが惹かれると言うさりげなさは、「品の良さ」と言い換えられるかもしれない。
押し付けがましさがなく、行儀が良い。
fourrof のかばんを自分が持ったらどうだろう? アンティークのグラスが我が家にあったら?
どの品もしっくりと合う気がする。
そういう意味あいにおいても、yapshop に並ぶ品々には上下関係が存在しない。
リサ・ラーソンの置物も、川原さんがマーケットで見つけた掘り出し物も等しく扱われ、また同等の魅力を放っている。
CHEMEX(ケメックス)のコーヒーメーカー。「こんな大きいサイズのケメックス、見たことありますか?(笑) 割れにくい耐熱ガラスで有名なパイレックスが、70年代以前にガラス部分を製造していた時代のビンテージものです。
現在のものよりガラスが厚く、エンボス加工されたブランドマークが大きく刻印されているのが特徴。専用フィルターが市販されているので、今ももちろん使えますよ」
美しいクリスタルのアンティークグラスはフランス製。ひとつ500円という値段にも驚く。
店を営む前から無類の雑貨好きであったという川原さんだが、アンティークと出会ったのは沖縄に来てからだと言う。
「1997年に沖縄へ移住し、アルバイト生活を送っていた頃でした。週末になると、家の近所をバイクでぐるぐる回っていたんです。そしたらたまたま、沖縄市のとある通りでフリーマーケットをやっているのに出くわして。おじいやおばあが道の両端に小屋を建てて、店を出してるんですが、その品揃えがすごい。雑多で統一感がなくて、なんでもアリ!
日用雑貨や衣料品、米軍払い下げ品だけでなく、肉類や野菜などの食品、何だかわからないものまで(笑)。
でもたまに、『これは!』という逸品が混じってるんですよ。
その掘り出し物に遭遇した時の快感と、フリーマーケットが醸しだす異国のような怪しい雰囲気に完全にハマったんですね。
毎週のように通い、古い雑貨を集め始めました。
すると、徐々にそこだけでは満足できなくなって…。やがて県内のいろんな店を物色するようになりました。こうなるともう、趣味みたいなものですね。
あっという間に家中が雑貨だらけ! 好きなものに囲まれて僕は幸せですけど、奥さんには頭が上がらないです(笑)」
バイト生活が長かった川原さんは、好きな雑貨を集めるうちに、「本当にやりたいことを仕事をしよう」と思うようになったと言う。
「そろそろ何か始めたいなぁと考えた時、雑貨屋以外思い浮かばなかった。迷いはなかったですね。
もともと、浮き島通りなど那覇の路地裏が好きで、よく遊びに来てたんですよ。
歩きながら『この辺にこんな店があったらもっと楽しいなぁ』と妄想してたんです。
そして店を開き、僕が好きで集めたものだけ並べてみたら、沖縄ではあまり見ないようなテイストのお店になりました」
ジュエリーデザイナー yuki nagao のアクセサリー。
「飲食店関連のグッズも面白いんです。メキシコには、トルティーヤ
専用の容器なんてあるんですよ(写真右)」
アンティークのグラスは曇りひとつなく磨かれ、ランプやアウトドア用コンロなども全て実際に使用できる。
丹念に手入れされ、言われなければほとんど新品と見分けがつかない。
その様子から、川原さんの雑貨に対する愛を感じずにはいられない。
「アンティークも作家ものも、飾るだけではなくガンガン使って欲しいんです。そのために品質や状態のチェックは怠りません。
現在では製造されていないものでもちゃんと使えるんですよ。むしろ、新しいものよりもつくりが丈夫で質が良いことも多いんです」
置いてある品々を手にとって目を細める川原さんには、困ったことがあると言う。
「どの品にも愛着が湧き過ぎて、お店に出すかどうか悩んじゃうことが多くて(笑)。
自分のツボにハマったものだけを連れ帰ってるわけですから、どうしても惜しくなっちゃう
自宅には、出番待ちの雑貨がまだまだ山のようにあるので、奥さんからはせっつかれてます。でも、どれも好きすぎて…」
このライト可愛いですねと声をかけると、川原さんがちょっと迷った様子を見せた。「素敵でしょう?…実はこれも、出すか出すまいか迷ってて…。こんなこと言い出すとキリがないですね(笑)」
今後は、沖縄で作られた雑貨の取り扱いも増やしていきたいと言う。
「移住して感じたんですけど、沖縄の方っていかにも沖縄! というコテコテのものは避けがちじゃないですか?
沖縄テイストが強いものではなく、県内の方も普段使いしやすいものを置きたいと思っています」
新しいものと古いものとが、違和感なく共存している空間に一歩入ると、まるでフリーマーケットを訪れたようなわくわく感に包まれる。
yap shop には探す楽しさがあり、未知のものや新たな価値観との出会いがある。
川原さんは沖縄のどんな雑貨を選び、この空間に並べるのだろう?
そして、その先の yap shop は?
これからもずっと、新たな出会いを準備して私たちを待っていてくれるのだろう。
写真・文 中井 雅代
yapshop
那覇市松尾2-6-11 松尾ビル1F
098-955-0885
OPEN 12:00~20:00
CLOSE 月(臨休あり)
2013.10.20
2013年10月27日
時間 12:00~20:00
会場 読谷村座喜味城址前駐車場・座喜味城(ぐすく)通り
(読谷村座喜味708-4)
主催 座喜味通りふれあい祭り実行委員会
https://www.facebook.com/zakimi.fureai.fes
2013.10.18
@あしびなー
2013.10.15
「じゅーっの味噌汁っていうのは、息子がつけてくれた名前です。
シブイ(=冬瓜)も油揚げも水分が染み込みやすいので、食べたときに口の中で『じゅわー』っと汁が出てくるんですよね。それが好きみたいで。
『じゅーっの味噌汁食べたい』ってリクエストしてくれるんですよ。
沖縄野菜の中でも、特に息子が好きなのがシブイ。大根よりもクセがないし水分が多いので食べやすいみたい。
小さいお子さんがいるお宅にもおすすめのお味噌汁、ご紹介しますね。
まずは冬瓜をカットします」
「種を取り除いたら、皮をむきます」
「皮が厚いので、ピーラーじゃなく包丁のほうがむきやすいですよ」
「具を大きめに切るのが、この味噌汁のポイント。その方が、汁気を含んだときに『じゅわーっ』をしっかり楽しめるんです。
食べごたえもあるので、汁物というよりおかずみたいな感じかな。
沖縄って『味噌汁定食』ってあるじゃないですか? どんぶりいっぱいのお味噌汁プラスご飯みたいな。ああいう主役級の味噌汁がうちの家族の好みなんです。
シブイはしっかり炊くと一回り小さくなるので、『ちょっと大きすぎ?』と思うくらいでも大丈夫ですよ」
「カットしたシブイを、さっと水洗いして茹でます」
「大きめなので、じっくり火を通します。5~7分くらいかな。
その間に油揚げを切ります」
「短冊切りですが、こちらも大きめに切ってくださいね。
シブイはもう少し炊いた方がいいので、この間に副菜を作ってもいいですね。
シブイってすごく便利な野菜なんですよ。
買ってしばらく置いておいても傷まない。カットさえしなければ、かなり日持ちするんです。
だから、安くで売っていたら必ず手が伸びちゃいますね。
息子だけでなく、私もかなりのシブイ好き。
ヤンバルに、シブイの煮付けが上手な親戚のおばさんが住んでるんです。
小さい頃からヤンバルに行くと、『おばさんのシブイが食べたいー』って要求してました(笑)。
息子が赤ちゃんだった頃は、離乳食でも大活躍。
と言っても私、離乳食を作るのが苦手で…。茹でた野菜をペーストにするとか典型的な離乳食じゃなく、野菜をたっぷり入れた味噌汁をじっくり煮込んで、おかゆと一緒にあげたりしてたんです。
だから、息子は赤ちゃんの時からシブイのお世話になってるんですよ。筋金入りでしょ(笑)。
どれ、そろそろ柔らかく炊けてきたかな?」
「箸がすーっと刺さるくらいになったら、油揚げとだしパックを入れます」
「肉を炊くときなど、基本的には自分でだしをとるんですけど、味噌汁って毎日飲むものじゃないですか? 仕事で帰宅が遅くなることも多いので、味噌汁を作るときはだしパックに頼ることもあります」
「味噌を溶き入れます。ここで2つ目のポイント。
味噌を入れたらすぐに食べてもいいんだけど、できれば少し置いてください。
だしも味噌も具材にぎゅっと染み込むので、『じゅーっ』がもっとおいしくなりますよ」
「シブイと油揚げだけというシンプルなお味噌汁だけど、これが意外と病みつきになる組み合わせなんです。
次回は、栄養たっぷりのエンサイを使ったいりちゃー(炒めもの)をご紹介しますね!」
写真 中井 雅代
2013.10.13
「僕はこの中で本を読んだり、タブレットを持ちこんでメールしたりもしてます。
実際に乗ってみてください。見た目以上に気持ちいいですから!」
椅子に座るようにハンモックに腰掛けた中島一臣さんの姿を見て、少々驚いた。
ハンモックとは、のびのびと寝っ転がって昼寝を楽しむためのものだと思っていたからだ。
「もちろん寝っ転がることのできるサイズもありますが、こちらはチェアタイプのハンモックなんです。
体重を背中全体で支えるので、椅子と違って腰に負担が掛かりづらいんですよ」
チェアタイプのハンモック。
椅子のように腰かけたり、中で脚を伸ばしたりもできる。
勧められるがままに、大きめのサイズのものに横たわってみる。
編まれている紐の一本一本が身体にくいこむのではないかと案じていたのだが、肌触りはとても柔らかく、心地良い。
「当店は、手編みのハンモックの専門店なんです。機械や織り機で作るのではなく、タイの少数民族・ムラブリ族の方が一つ一つ手編みしたものを置いています。
機械織りだと編み目が粗かったり、ナイロンのような固い繊維を使っていたりするので、身体の露出部分に跡がつく場合も多いんですよ。
また、身体に触れるものなので、肌触りにもこだわってますね。
100%コットンやシルク、柔らかなアクリルなど、長時間使っても気持ちのいい素材を厳選しています」
「ムラブリハンモック」は、ムラブリ族が作ったハンモックを取り扱っている日本唯一の店舗だ。
オーナー・中島さんとムラブリハンモックとの出会いは2008年に遡る。
それまで中島さんは、父親が経営する会社を継いで、会社員として勤めていた。
中島さんは高校卒業後に渡米し、アメリカの大学に進学。その後インドに渡り、ヒンドゥー語や太鼓を学んだのちに帰国した。
仕事を始めてからも、趣味の旅行は続けていたと言う。
「社会人となって10年ほど経ったころでしょうか、2008年にタイを訪れたんです。山あいの村を歩いていたら、思いがけなくハンモック屋を見つけて。『こんなところに珍しいなー』と思い、店にいたスイス人のスタッフに訊いてみたら、ムラブリ族が手編みしているものだと知って。
後からわかったことなのですが、この時話をしたスイス人が、ムラブリ族にハンモックの編み方を指導した本人だったんですよ」
そもそも、手編みのハンモック発祥の地はメキシコであると言われており、タイにはハンモックを作る風習はなかった。
また、タイの少数民族であるムラブリ族は、数十年前までジャングルを移動しながら狩猟生活を送っていた。しかし20世紀後半になると、環境破壊が進んで生活が脅かされるようになり、人口も約300人にまで減少、ジャングルを出て定住生活を行うようになっていったと言う。
「でも、移動しながら狩猟生活を営んできたムラブリ族のひとびとが、農業を軸とした定住生活に切り替えるのは容易なことではなかったようです。生活条件はなかなか向上せず、苦しい日々が続いていました。
そんな時、たまたまバイク旅行で村を訪れたのがスイス人の織物技術者だったんです。
ムラブリ族が自立して生活を営めるようにと、ハンモックの編み方を指導したのがムラブリハンモックの始まりですね。今から10数年ほど前のことです。
その彼が営むハンモック屋に、僕がたまたま訪れたというわけです」
その際、中島さんはハンモックを2つ購入したが、帰国後もムラブリ族の人々とハンモックのことが頭から離れなかったと言う。
「もう、そのことばっかり考えちゃって。
結局、『やるしかない!』と決めて会社を辞め、2011年2月には店をオープンさせました」
店の裏にある庭でも、ハンモック体験ができる。
ブランコのように乗って遊ぶことも。
中島さんは日本から発注するだけでなく、年に2~3回はタイを訪れると言う。
「現在は、アメリカ人のユージンさん一家がムラブリ族の居住区内に住み、彼らの生活を手助けしています。そして、ハンモックの注文自体はユージンの息子・アレンとメールでやりとりしているので、特にタイに行く必要はないんです。
でも、メールでは伝わらない話をするために、定期的にタイを訪れるようにしています。
先日は、夏場の繁忙期に入荷が滞り、急遽現地に向かうことになりました。
実際に行ってみると編み手不足が原因ではなく、染めた糸の調達が困難になったからだということがわかったんです。
そこで糸を染める工場を新たに探したところ、幸い良いところが見つかり、今ではばんばん届くようになってホッとしているところです」
丁寧に手編みされた上質なハンモックは好評だが、ムラブリ族の人々にかかる負担が重くなりすぎないよう細心の注意を払っていると言う。
「ムラブリ族は今、山の中にある居住区内で生活しています。
そこでハンモックを編んだり、米やとうもろこし作ったり、隣の部族の畑を手伝いに行ったり…。
何しろリラックスして生きていくのが大好きな人々なんですよ。ですから、過酷な労働は強いないように気をつけています。もちろん、速く沢山編んでもらえたらありがたいわけですが、強制はしません」
ハンモックだけでなく、専用のスタンドや付属品なども多数取り扱っている。
初めて乗ったハンモックの中で、なんだか不思議なきもちになった。
身体の重さで少し腰が沈むので、自然と身体がなだらかな「く」の字を描く。子宮の中の胎児の体勢…とまではいかないのだが、胎内ってこんな感じだったのかしらと、ぼんやり考えた。
さらりとした肌触りのハンモックにすっぽりと包まれ、優しい風にゆらゆらと揺れていると、自然とまぶたが重くなってくる。普段の生活ではなかなか体験できない浮遊感が心地いい。
「手編みのハンモックは風通しがいいので、夏場でもクーラーを使わず昼寝できちゃいますよ。
また、アウトドアのイメージが強いかもしれませんが、最近では室内にハンモックを取り付ける方も。チェアタイプのハンモックだと、ソファ代わりにもなると好評なんです。
見た目以上に座り心地が良いので、一度乗ると病みつきなる方が多いですね」
中島さんの父親も、ハンモックの思わぬ魅力に夢中になった一人だと言う。
「父はいわゆる本の虫。読書にはこれがいいよとハンモックをプレゼントしたんです。最初は半信半疑だったようですが、しばらくすると『長時間座っていても腰が痛くならない、最高だ』とすっかり気に入った様子で(笑)
お世辞とかまったく言わない人なので、ちょっと驚くほどの反応でしたね」
かく言う中島さんも、未だハンモックへの探究心は尽きないようだ。今では自身でデザインし、編むようにまでなっているという。
ハンモックを吊るすと、子どもたちが集まってくる。
「子どもってすごいですよ。ただリラックするだけじゃなく、遊び道具にしちゃうんですから」
「自分で作るようになってから、一層面白くなってきましたね。
様々な色を使うので、編み目を使った表現もできるんですよ。
例えば、僕の大好きなヤンバルの自然をモチーフにした『ヤンバル・フォレスト』、くちばしや羽の色を表現した『ヤンバルクイナ』など、オリジナルハンモックも作りました。
お客様からのご要望も様々で、オーダーメイドのデザインをリクエストされることもありますし、『ハンモックの中で読書するとき専用の台がほしい』なんていう声をいただくことも。
ハンモックがより身近で使いやすいものになるよう、自分ができることはなんでもやりたいと思っています。
本当のことを言うと、糸を染めるところから自分でやってみたいんですよね。突き詰めるとキリがない気もしますが(笑)。
それくらいハンモックって奥深いし、面白いんですよ」
たたんでバッグに入れると、こんなにコンパクトに。「これを持って週末は近くの公園に行くんです。人があまりいない静かな場所で適当な木を見つけたら、ハンモックを吊るして一休み。最高の休日ですよ」
安定した仕事をやめて飛び込んだ世界だったが、その選択に後悔はないと中島さんは微笑む。
「ハンモックに出会った時、これは天職だ!と確信したんですよ。そして、今も同じように感じています。
どういうところが? と訊かれると説明が難しいのですが…。店をやっていていつも楽しいし、幸せ。生活全体がハッピーなんです。
自分だけが幸せなんじゃなく、うちでハンモックを体験した方々がみなすごく感動してくれて、喜んでくれるんですよね。そういう姿を見られるのも嬉しい。
ハンモックって、大人も子供もみんな笑顔にできるんです。
毎日思いますよ、『本当に幸せな仕事だな』って」
確かに、ハンモックに乗って顔をしかめている人っていない気がする…。私がそう言うと、「ハンモックの中で難しい本読んでる人くらいかもね!」と、中島さんは笑った。
みんなを笑顔にするハンモックを作っているのは、環境破壊の影響で森を追われてしまったムラブリ族の人々だ。
ムラブリハンモックには「自然を壊さないで」というメッセージが込められていると中島さんは言う。
「僕は、彼らの想いを日本で伝えるメッセンジャーでもあるんです」
写真・文 中井 雅代
MLABRI HAMMOCK(ムラブリハンモック)
宜野湾市大謝名4-22-2
098-898-9428
open 10:00~19:00
close 火・水
HP http://www.mlabri-hammock.com
facebook https://www.facebook.com/kazuomi.nakajima.31
2013.10.10
目の前には立派なデイゴの大木と桜並木、
国際通りから少し入ったところの穏やかな場所で
新店舗をオープンする運びとなりました。
名前は「RENEMIA」といいます。
RENEMIA (レネミア)
私たちの身近なところから素敵な気持ちになれること。
商品やその背景、ものづくりや食のワークショップを通して、人やモノ・アートのもつエッセンスから日々の生活を楽しく豊かな気持ちの輪が大きく広がっていくことを願っています。
商品は沖縄を中心とした工芸やアート、食品、暮らしにまつわるアイテムを深めていきながら、国内外の交流の場になれることを目指していきます。
2013年10月13日(日)14:00 オープン!
新店舗を記念して
オープニング企画展を開催いたします。
“Peaceful Garden” MIREI Exhibition
2013年10月13日(日) 〜 11月10日(日)
14:00 〜 19:00 (水曜日定休) ▷入場無料
10/13(日)18:30より
オープニングパーティを開催いたします。
フード+2ドリンク¥1,500(お一人様)※お子様無料
“PEACEFUL GARDEN”をテーマに、スケッチやアクリル画、今年で3年目となる2014年のカレンダーにまつわる花々も会場を咲かせます。2008年のパリ個展以来の沖縄では久しぶりの個展となります。
原画以外にも、ポストカードやステーショナリー、Tシャツなどイラストを用いた多くの商品が揃います。
どうぞお気軽にお立ち寄りください。
RENEMIA
沖縄県那覇市牧志2-7-15 〒900-0013
TEL&FAX 098-866-2501(10/13より使用となります)
www.renemia.com
2013.10.10
@牧志
2013.10.09
@宜野座村松田
2013.10.08
アシタバのバッグ バリで購入したもの
Day2
トップス MARGARET HOWELL
デニム Levi’s501
サンダル BIRKENSTOCK
帽子 無印良品
Day3
トップス MARGARET HOWELL
パンツ GAP
靴 CARNET(カルネ)
バッグ IL BISONTE (イル ビゾンテ)
Day4
トップス ZARA
カーデ Theory(セオリー)
スカート agnès b.
靴 CARNET(カルネ)
Day5
ワンピ marimekko
デニム Levi’s501
リュック AIGLE
「好きな服のテイストはずっと変わらない。多分、小学生の頃から!
基本的には無地で単色のアイテムが好き。
ボーダー以外の柄ものはあんまり得意じゃなくて…。
今日着た柄ものアイテムはどれも、相当気に入って購入したもの。
あんまりゴテゴテしてないのが好きみたい。花がらも大柄なのは好きじゃないし」
身体のラインをすっきりと見せる着こなしが上手な彼女は、サイズ感にもこだわっている。
「ダボダボの服装は苦手かな。ある程度フィット感がほしいから、路線でいうとコンサバ系が好きかも。
カジュアルなラインが似合う人もいるけれど、私には似合わない気がして…。
あと、毎日のように自転車に乗るので、パンツを選ぶときはそこを意識します。
フルレングスでストレートだと自転車のチェーンで汚れちゃうから、7~8分丈のクロップドパンツが多いですね。
スカートで自転車乗ることも多いよ。意外と大丈夫なの、タイトなデザインでなければ。
もともと膝丈くらいで裾が広がるデザインが好きだから、そのまま乗っちゃってます」
服選びの一番のポイントを訊くと、「生地!」と即答。
「基本的にコットンが好き。コットンシルクもいいね。
ニットだったら断然ハイゲージ。ざっくり系じゃなく、JOHN SMEDLEY(ジョン スメドレー) みたいに編み目が繊細なニットが好み。
生地にこだわる理由はね、肌触りだけじゃなく見た目にも影響するから。
同じ光沢でも、ポリエステルが入ってると表面がテカテカしてちゃちい感じになりがちだけど、シルクだと『トゥルン!』っていう艶感があるでしょ? そういうところにこだわっちゃう」
紺色アイテムが好きだという彼女に理由を尋ねると、「うーん…」としばらく考え込んだあと、「わかった!」と膝を打った。
「私の好きな究極のファッションって、制服なんだよね。
正統派な感じと、個性を隠す堅い感じが好みなの。紺色って制服の象徴な気がする。
だから、手に取る服には大抵、ちょっと制服っぽい要素が含まれてるんだよね。
はー、わかってスッキリ!(笑)」
写真・文 中井 雅代
2013.10.08
日時:2013年10月14日(月、祝)
会場:浦添市てだこホール 大ホール
開演:17 : 00開演 16:30開場(予定)
主催:緑間玲貴バレエオフィス/緑間バレエスタジオ
チケット:1,900円
問い合わせ:098-853-7771(緑間バレエスタジオ)
http://midorima-ballet.com
出演:
緑間 玲貴、前田 奈美甫、渡久地舞子、渡久地円香、
渡久地真理子、青木 淳一、 山崎 大、吉田 旭、
緑間バレエスタジオ会員
19世紀の伝説のバレリーナ4人の競演を描いた
バレエ作品「パ・ド・カトル」を緑間 玲貴が演出・時代考査に挑戦。
南條喜久子バレエ研究所から現役バレリーナ
渡久地舞子、渡久地円香、渡久地真理子の3人が
前田 奈美甫と競演致します。
他では絶対に観る事が出来ない、至極のバレエ演出は県内バレエ歴史に華を刻みます。
また「眠れる森の美女」第1幕と第3幕「オーロラの結婚式」を上演。
緑間バレエスタジオ総勢で出演し
オーロラ姫を前田 奈美甫、デジレ王子を緑間 玲貴が演じます。
関連記事:バレエアーティスト 緑間玲貴(みどりま りょうき)
踊りとは祈り。地球上で人間にしかできないことを、踊りを通して伝える。
緑間玲貴
HP http://ryoki-midorima.com
ブログ http://blog.ryoki-midorima.com
facebook https://www.facebook.com/Ryoki.Midorima
2013.10.06
N 邸のリビングに入ると、目の前には思わず深呼吸したくなるような光景が広がる。
向かって左手には家の裏に生い茂る木々を、右手には広々とした庭を一望でき、なんとも清々しい。
緑に囲まれたリビングにいると、道路沿いという立地を忘れてしまう。
「我が家の庭では、よく鳥がさえずっているんですよ。
家の裏に森があるのですが、庭もその森の一部になっているような感じ。
とても気持ちがいいんです」
と、家主は微笑む。
その言葉を受け、建築家のキンジョウマサヒトさんは次のように語った。
「完成直後が一番美しいのではなく、10年、20年と年数を重ねるごとに魅力の増す家を目指しました。
庭に植えた木々が成長すれば、裏手にある森の風景と家がさらに馴染んでくるんです。その時により風景に調和するよう、外壁には木々の中に見える影の色、黒を使いました。
また、裏手の山や近隣にある木々と同じ在来種を植えることで、木々の成長とともに周辺の植物と同じ生態系を織りなす森の一部となっていけばと考えました」
南側に設けた広いバルコニーに出ると、軒(のき)の幅が均一でないことに気づく。
「森林の中にいるような開放感を出すため、北側・南側ともに開口部は広くとりました。
しかし真夏の強すぎる西日は避けたいので、西側の軒を深くしてあるんです。
逆に東側は、冬の時期にも朝の光がしっかりと入るよう浅くしました。
またわずかに傾斜させることで、雨水が屋根に溜まらず、うまく捌けるようにしてあります。
沖縄では、年間通して穏やかな光が入る方角は北なんです。ですから北側には森を見渡す大開口を設け、景色との一体感を楽しめるように設計しました」
自然に囲まれて生活したいという家主の要望に応えるため、緑豊かな周辺環境を生かした家づくりがなされているのだ。
突き当りに配した坪庭からの光が、廊下を明るく照らす。
家族が鉢合わせても問題なしの広々とした洗面所。「朝の忙しい時間帯に洗面所が混み合うのが悩みでした。今では誰かが顔を洗っている最中も、隣で悠々とお化粧が出来ます」と、奥様。
暗くなりがちな廊下には、突き当りの坪庭から明るい光が差し込み、洗面所とバスルームの大きな窓からも緑が眺められる。
坪庭の面積自体はそれほど大きいわけではないが、開放感や明るさなど、得られる効果は絶大だ。
「どこにいても外の光を感じられる家がいいなと思ったんです。
特に水場は圧迫感が出やすく、湿気もこもりがちなスペース。
そこに大きな窓をつけることで、光だけでなく風も入るようにしました」
キンジョウさんのこだわりは、屋内にとどまらない。
「是非外からも見ていただきたいんです」と言って、家の前の道路まで案内してくれた。
植栽前
植栽後
一般的には、庭の面積をできるだけ広くするため、柵は歩道ぎりぎりに設置する。
しかし N 邸では、歩道側に三角形の芝生スペースをいくつも余した状態で柵を立てているのだ。
「ここは植栽スペースなんです。
家の周りに生えている木々から種類を選んで植えることで、家と周辺との境目が曖昧になります。そうすると、庭が狭くなるどころか逆に広がりを感じられるようになるんですよ。
また、道路に面して木を植えれば、街路樹の役目も果たします。
美しい景観を守ることに繋がるため、家主だけでなく街の人々にとっても嬉しい。一石二鳥なんですよ。
近年、手入れに予算がかかるという理由から、地域の自治体が管理する街路樹が減ってきているんですよ。
N 邸のように自宅の外側に木々を植える家が増えていけば、緑豊かな街づくりに繋がります」
一個人の家ではあるが、街の中の一軒でもある。
個人の要望や想いだけでなく、そのことをしっかり意識して家づくりを進める施主や建築士はどれくらいいるだろう?
周辺地域に配慮することは結局、個人にとってもプラスに働くのだ。
道路から N 邸を眺めると、そのことがよくわかる。
白壁に黒色の屋根、庭に面する大きな窓、広々としたウッドデッキなど、ややもすると外から見た時に強烈なインパクトを与えそうな建物なのに、まわりの風景に心地よく馴染んでいる。
「柵の外に植樹した木々が成長していくと、さらに一体感が増すはずですよ」
「年数を重ねるごとに魅力の増す家を目指す」「建物が一番素敵な状態は常に一年先にある」という言葉通り、キンジョウさんは数年、数十年先を見越して設計しているのだ。
そんなキンジョウさんが家づくりで常に心がけていることは「受け入れること」だと言う。
「意向や好み、生活スタイルなど施主様から詳しくヒアリングした内容を、客観的に捉えて形にする手助けをするのが建築士の仕事。
ですから、僕のやりたいことを全面に押し出すのではなく、住む人々が満足することが最重要課題なんです。生活する上で危険がない限り、施主様の意向を否定することはありません。
ただ、施主様が細かな要望や理想をお持ちであっても、家の全体像は見えていないということも。そういう時は、ともに理想の家を模索していくんです」
キンジョウさんのその姿勢が、家族みな大満足の家となって実を結ぶのだ。
次に訪れた Y 邸も、キンジョウさんが設計依頼を受けた時点では、施主の望む家のアウトラインが不明確な状態だった。
「 Y 邸は、いずれ仏壇を置くことになる和室の方角以外、間取りについて何も決まっていない状態からスタートしました。
けれど、細部についての奥様のイメージはとてもはっきりしていたんですね。
『壁に取り付けるスイッチはこの形が好き』と『キッチンにはオレンジ色の光の電球を吊るしたい』など、どれもあまりに小さな要望なので、始めはどんな家を思い描いているのかさっぱりわからなくて(笑)。
でも、『好きなものに囲まれて生活がしたい』という奥様のお話を伺っていると、全体的なイメージは外人住宅のような感じじゃないかなぁと思ったんです。
そこで、細部には奥様の要望をしっかりと反映しつつ、全体的には新築だけれどリノベーションしたような雰囲気の家をご提案しました」
全体像が見えると、家づくりは順調に進み始めたという。
「フローリングには杉板を使用しました。
杉は、表面に塗装を施すとアンティークっぽい味わいに仕上がるのですが、温かみのある空間という奥様のイメージに沿うよう、あえて塗装はせずそのまま使うことを提案しました。
奥様からは『ざらざらとした質感の壁にしたい』というご要望もあったのですが、家族の意見が一致せず再度話し合うことに。
最終的には全員の意見を尊重し、玄関の壁やキッチンの一部にブロック壁を取り入れるという案に落ち着きました」
完成した Y 邸の扉を開けると、そこに新築のよそよそしさはない。
すでに長年住み続けているような親密な空気に満ち、初めて訪れた私を温かく迎え入れてくれた。
「新築だけれど、リノベーション住宅のように味のある家をつくる。
自ら提案したことではありますが、僕にとっては新たな試みだったんです。
施主の想いを『受け入れる』だけでなく、自分自身が挑戦すべき課題も組み込むようにしているんです。
N 邸では、『景色に馴染む家』という点が新たな挑戦でした。
また別のお宅では、子ども中心の生活スタイルを実現すべく、『公園のように遊べる空間』の設計にチャレンジしました。
これまでの経験をただなぞるのではなく、施主様の様々なニーズに対応できるよう、常に前進していきたいという思いからです」
建築士として飛躍し続けるキンジョウさんだが、以前はパイロットになりたかったのだと話してくれた。
「家族全員大満足の家になりました」と、奥様。「最初は『白熱灯のオレンジ色が落ち着かない』と言っていた義父も、最近では『この電気の色は慣れるとなかなか良いもんだね〜。家庭のぬくもりを感じるさ〜』と、これまで以上によく遊びに来てくれるように(笑)」
「パイロットになりたかった理由? モテたかったからです(笑)。だって、誰が見てもかっこいいじゃないですか。
夢実現のために必要なステップとして、まずは4年制大学に入学しました。
卒業することが目的だったので学部学科にこだわりはなく、たまたま受かったのが、建築の学べる学部だったんです。
でも、卒業を間近に控えた頃になって、身体的な理由でパイロットにはなれないことがわかって…」
夢を諦めざるを得なくなったキンジョウさんの頭に、これまで学んできた建築の知識を生かすという選択肢が浮かんだ。
「しかし、建築士を夢見て4年間懸命に学んできた同級生たちと違い、僕はまじめに授業を受けてきたわけではなかったので、引け目を感じて。
そこで、まずは優れた建築物を自分の目で見てみようと、ヨーロッパへ向かったんです。
ガウディやル・コルビジェ、安藤忠雄など、世界的な建築家の作品を目の当たりにし、強烈な刺激を受けました。
今、建築士としての僕がいるのは、その時の経験が糧になっていると言えるかもしれません。
それと、大学在学中に父と一緒に家を建てた経験が大きいですね。
当時は建築を職業にするつもりはなかったので、ただのバイト感覚でしたが、振り返ってみるとかなり大きな影響を受けたように思います。
朝から晩まで、父と一緒に型枠・鉄筋・コンクリート打設など、職人がやることをひと通りすべて行いました。
偉そうにあーだこーだ指導していた父も素人、私ももちろん素人。
本当に建つのか? と半信半疑でしたが、最終的には100坪もの家が完成したんです(笑)」
帰国後、東京や沖縄の様々な設計事務所で経験を積み、2008年に独立を果たした。
「子どもが遊べる家」をテーマに設計した家。奥の壁には、ボルダリング用のホールドを取り付けた。
子どもが駆け回る広い庭では、バーベキューも楽しめる。
キンジョウさんの手がけた家々を見て回るうち、ある事に気がついた。
どの家にも、一目で分かるような「キンジョウさんらしさ」がないのだ。
同じ人物が設計した家だと言われなければ気づかないほど、一貫性がない。
それもそのはず。
キンジョウさんが手がけた家にあるのはキンジョウさんの個性ではなく、暮らす人々それぞれの「らしさ」だからだ。
その「らしさ」を最大限まで引き出す力も、キンジョウさんは備えている。
物腰が柔らかくてジョークが得意、にこやかな表情が魅力的なキンジョウさんの周りには、いつも笑顔が溢れている。
親しみやすい性格から、施主も心を開きやすいのだろう。
そんなキンジョウさんが、いつも忘れないようにしている両親からの言葉があるのだと教えてくれた。
「幼い頃から口酸っぱく言われ続けてきたんです。
『あんたは世渡り上手すぎるところがある。何をやってもうまくいくと思い込んで生きていくと、そのうち人が離れていくから気をつけなさい』と。
設計においてもっとも大切にすべきことの一つは人間関係だと思っています。
手がけるのは建築物ですが、そこには必ず人と人との繋がりがありますから。
ここ5年間は人間関係を築くことを最重要課題としていましたが、向こう5年間は『沖縄発信 → 世界着信』できる建物を建てたいと思っています。
その建物は住宅かもしれないし、公共建築物のような大きな建物かもしれない。
私自身もよくわかりませんが、そういう建物を建てる使命があるように感じるんです」
写真・文 中井雅代
キンジョウケンチクスタジオ
FAX 098-963-5118
info@kj-studio.jp
HP http://www.kj-studio.jp
ブログ http://kj-studio.jugem.jp
2013.10.04
@プラザハウス
2013.10.04
又吉さんのオフ
その辺の服をぱっと着てもおしゃれに。主役級のデキるシューズ。
「ちょっと体重が増えちゃったんで、休日は公園に行くのが習慣になりました。
筋トレしたり、公園の回りを走ったりしてトレーニング。宜野湾に良いコースがあるんですよ。シャワーもあるからランニングの後に汗も流せる。そのまま海に入っちゃうこともありますね。
さっぱりしたら公園に戻って持参した本を開き、のんびりするんです。
そういう日はもっぱら、動きやすさ重視のラフな格好ですね。Tシャツにコットンパンツのらくちんコーデがベスト。でも、だらっと見えちゃうのはイヤなので、コーデの主役を張れる一足を投入するんです。
紐とソールの色合いが目をひくシューズ『ダンディー』は、まさにデキるヤツ。
存在感が大きいので、服は適当に選んでもバシっと足元でキメてくれます。服のどこかに靴紐と同じような色合いが入ってると、コーデ全体のバランスが更によくなりますよ。
明るめカラーの靴は最近よく見かけるけど、ファッションシューズは長く履いてるとどうしても疲れちゃう。リラックスしに公園に来たのに、帰宅する頃には脚が重い…とかね。
『ダンディー』は中敷きがしっかりしているので、見た目だけじゃなく履き心地も抜群。可愛らしいくせに、優秀なヤツなんです」
ダンディー/サムトグレー×ターコイズ(スエードレザー) ¥29,400
2013年秋冬 新作のメイン・ダンディー限定カラー
又吉さんのランチタイム
全然重くないワークブーツと、背負ったまま使えるバックパックで国際通りをぶらり。
「仕事の昼休みには、近場のカフェで一服。職場が国際通り沿いにあるおかげで、行くところには困らないですね。新しい店を開拓するのも好きだから、目についたら入ってみる。
僕好みの一風変わった本が並ぶ『カフェ プラヌラ』さんもお気に入りの店。オーナーの近江(ちかえ)さんもビルケンシュトック愛用者なんですよ。立ち仕事なので疲れない靴を、と選んだそう。
トレーナーにシャツを合わせた学生風コーデのときは、大人っぽいブーツタイプの靴をチョイスします。
メンズブーツって普通かなり重いんですが、この『クックスハーフェン』はめちゃめちゃ軽くて履きやすい。ブーツのイメージが変わりますよ。
ワークブーツなのにゴツくなくて、上品なところも好み。明るめのパンツを履くならグレーが合わせやすいけど、デニムにぴったりのベージュも捨てがたいんですよね。悩みどころです」
クックスハーフェン/アンスラジット×ブラック(ワキシーレザー) ¥28,350
ユーティリティーバック/ブラック ¥19,950
「このバックパック、自転車乗りの人達が使いやすいようデザインされているので、とにかく便利なんです。基本的に背負ったまま使えちゃう。サイドにはスマホ用ポケットがついてるし、ベルトにはボタンがついてるから後ろ手でパチっと開けられて、財布もすぐに取り出せます。
日本人の体型にしっかりフィットするサイズ感は、さすが日本製ならでは。海外製だと大きすぎて、バッグが人に覆いかぶさってるみたいな感じがしません? これは生地も上質で背負い心地もいいし、男女とも使えるユニセックスタイプ。しかも、ハンドバッグとしても使える 2 way 仕様 !毎年人気ですぐに完売してしまうのも納得です。
これを持つようになってから、てくてく歩くのが楽しくなりましたね。背負っていても疲れないし、見た目もカッコいいでしょ。
大人ですから、バックパックも上質なものを選びたいですよね」
大城さんの出勤スタイル
履き回し力抜群! ワークブーツとフォーマルシューズが融合した一足。
「身に付けるアイテムで、その日のテンションって変わりますよね。普段はカジュアルな格好が好きなんだけど、仕事に向かうときはピシっとしたコーデで気を引き締めます。夏はシャツ、秋・冬はその上にベストやジャケットを合わせることが多いですね。コーデが綺麗にキマってると、接客のときもすらすら言葉が出てくるんですよ(笑)。
僕の出勤スタイルに欠かせないのが、『ブレーマーハーフェン』。ワークブーツとフォーマルシューズがうまく融合した一足なんです。
トゥの部分にラインが一本入ってるでしょ? ストレートチップと言って、フォーマルシューズにあしらわれる縫い目なんです。これがポイントになっていて、ブーツなのにかっちりしたコーデにも合うんです。スーツに合わせても違和感ないですよ。
だけどアウトソールはぎざぎざで、ワークブーツっぽさもしっかりある。だから無難にまとめたコーデじゃなく、少し着崩したワンランク上のフォーマルスタイルが楽しめるんです。
もちろん、カジュアルスタイルに合わせるのもお勧め。例えば、アウトドア系ファッションのインナーにシャツを持ってきてこの靴を合わせるだけで、大人っぽいアウトドアコーデが完成!
モード・カジュアル・フォーマルと、どんな場面にも対応してくれちゃう。お得感のある一足です」
ブレーマーハーフェン/ブラック (ナチュラルレザー) ¥35,700
ヴォヤージュトート/ネイビー ¥21,000
「普段使いはもちろん、出張時にも活躍する『ヴォヤージュトート』。
ボストンバッグなのにトート風に気軽に持てて、どんなコーデにも合わせやすいんですよ。一見するとそんなに大きくみえないでしょ? でも、実は収納力抜群。出張にかぎらず2泊3日の小旅行くらいなら、これ一つで充分いけちゃいますね。
ちなみに、サイドポケットはサンダル収納用。ホテルに着いたらラフな格好に着替えて、ビルケンシュトックのらくちんサンダルを取り出し散策へ GO!なんて、良くないですか?」
大城さんのオフ
ダークカラーの秋冬コーデを格上げ。紺色スエード靴の底力。
「好きな服のブランドも店も、ずっと変わらないですね。宜野湾の『HONOR’S STORE(オーナーズストア)』や那覇の『KEROUAC(ケルアック)』が行きつけ。休みの日は新作をチェックしに行きます。
服を選んでるときも、手持ちのどの靴と合わせよう〜って考えちゃいますね。革靴では冒険するのが怖くて無難なデザインを選びがちですが、適度なアクセントになってコーデのバランスを整えてくれる靴があると重宝しますよ。スエードレザーの『メンフィス』は、秋冬の男性ファッションを格上げしてくれる一足です。
寒くなるとどうしても、グレー・グリーン・濃い目のパープル・深いブルー・黒と、濃いめの色のアイテムが増えますよね。その全てのカラーに合うのが、実は紺色なんですよ。
紺色ってどうしてもブルー系統のイメージが強いので合わせづらいと思われがちなんですが、逆です。かなりお役立ちなカラーなんです。黒の靴だと無難にまとまっちゃうところを、紺だと控えめながらおしゃれに主張してくれるので、普段のコーデもぐっと素敵になります。
明るい色の服にもちゃんと合いますよ。ダークカラーなので悪目立ちせず、全体をうまいことまとめてくれるんです。
同系色のデニムと合わせるなら、裾を少しロールアップして、柄物靴下を合わせるといいですね。
男子だって、もっともっとコーデで遊んじゃって良いと思いますよ」
メンフィス/ナイトブルー With TOGGLE (スエードレザー) ¥27,300
豊富な知識を生かした丁寧かつ親身な接客で、全国各地にファンを持つ大城さんと又吉さん。
沖縄県外に住んでいるのに「購入もメンテナンスも必ず国際通り店で」という方や、「説明が上手なので、付き添いで来ただけの彼氏まで一足買っちゃった!」という方もいるほど。
そんな2人はもちろん、普段の生活でもビルケンシュトックを愛用している。
「大人の男性は、ぜひ良質な革靴を。30代からのシフトがおすすめ」
と口を揃えた。
「靴って、大人の風格をまとえるアイテムでもあるんです。
自分の気持ちはもちろんですが、第三者からのイメージもがらっと変わるんですよ。
僕も20代半ばまではTシャツにスニーカーが定番スタイルでした。
ビルケンシュトックを履くようになってからは、同じショートパンツでも上はシャツを合わせるようになったりして、周りから『変わったね』と言われるように。
カジュアルスタイルは変わらないのに、革靴一つできっちりしてるように見てもらえるんですよね」
と、大城さん。
「ビルケンシュトックはサンダルのイメージが強いかもしれませんが、それだけじゃないんです」
と、又吉さんが続ける。
「サンダルはどなたにもご愛用いただけますが、革靴を選ぶのは大人の特権かもしれないですね。
男だって『自分にご褒美』あげていいと思いますよ。
だって、俺たち男も毎日頑張ってますから!(笑)」
ビルケンシュトック 沖縄
那覇市牧志2-1-1 プランタビル1F
098-941-8121
年中無休
open 11:00〜22:00
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2013.10.02
Alison Mcghee・作 Taeeun Yoo・絵(洋書絵本) Feiwel & Friends ¥2,500/OMAR BOOKS
ありえない、という言葉がある。有り得ない、現実ではあるはずがないときに使う。
「空を飛ぶ」こともありえないことの一つだ。大人なら誰でも知っている。
生身の身体で空を飛ぶことは常識では考えられないこと。
でも、常識をよく知らない子どもにとっては、空を飛ぶことは自然なことに違いない。
だって、重力とか人の身体の構造なんてまだ知らないわけだから。
ある時期まで子どもは、本気で空を飛べると思っている。
誰だって子供時代に空を飛びたいと思ったことは一度はあるのではないかと思う。
私なんか、今でも夢の中では飛んでいる。正確には飛び跳ねている。
全然優雅ではなく、ときどき着地し損ねる。
それでもいつかは自由自在に飛べるのではないかと信じている(もちろん夢の中で)。
いい大人が何を、と言われるかもしれない。
前置きが長くなってしまったけれど、今回ご紹介する絵本の主人公は、空を飛びたいと思っている女の子。
ハロウィンの仮装パーティから戻ってきた彼女は、私は今魔女なのだから空が飛べるはずと思っている。いったんベッドに入ってもその想いは消えず、ほうきを手に、夜空に浮かぶ満月に導かれるようにして夜の外へ出て行くお話。
絵本の文章はアメリカで人気の高いアリスン・マギー(翻訳絵本で出ている「ちいさなあなたへ」も彼女の作品)。絵はテウン・ユ。こちらは韓国生まれ、現在ニューヨーク在住のイラストレーター。
テウンの前作絵本「きんぎょ The Little Red Fish」の赤い表紙が美しかったのとは対照的に、今作は漆黒の夜空が紙上に広がっている。
ちなみに手元にあるのは原書の英語版。本書はNYタイムズで絵本のベストブックにも選ばれていて、ハロウィンが近いこの季節におすすめの絵本。
「空を飛ぶ」ことに対する憧れが画面いっぱいにのびのびと描かれていて、大人だってそういう気持ちが特に強い人種がいるなあと思う。
公開されたばかりのジブリ映画『風立ちぬ』だってそういう大人子どもが作ったものだ。
この絵本の中の「 witch 」とはきっと、「ありえない」と思うようなことでも「起こり得る、起こってほしい」と願い続ける人たちのことを言うのだろう。
そういう人たちが絵本を描いたり、小説を書いたり、映画を作ったりする。
そしてそれを楽しむ私たち自身もまた、心の奥底ではそう願っている。
OMAR BOOKS 川端明美
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