NAKAI




広い空間に天井からつり下げられた
まる、さんかく、しかく
のバッグ。


宙づりにされたものは、
時折ゆらゆらと不規則に揺れ、
さまざまな表情を見せる。


「kufuuさんはスペースがとても広いので、
その空間を生かす展示の仕方を考えた時に
かばんのような立体の作品のほうがより空間を表現できるのではと思って。」


展示方法にもこだわっている。


「商品をただ並べるだけじゃなくて、
ちゃんと展示としてみせたかったんです。
空間を楽しんで頂けるように。」


入り口に立った時のお客さまの目線、
会場に入ってからの動線、
その時の視線の動き方、
色々な観点から展示の構図を検討。


「置いてあるだけだと
遠慮されて手にとられない方もいらっしゃるので」





確かに、つり下げられた状態だと
自分が手に取らなくても、
その中まで覗き込む事もでき、
取っ手の裏側やバッグの内側に柄が入っているのも一目瞭然。


「ここまで柄が入っていると喜んでいただけそうだなと思って。
着物の裾からちらっと赤が見える、みたいな、
チラリズム的な感じで(笑)」


今回展示されている作品のデザインに、紅型の古典柄は無く、
その全てが「筒引き」という、型紙を用いない手法で染められている。


「紅型をやっている友達が見に来てくれたんですけど
今回の作品を見て
『こんな自由でいいんだ!』
って。
嬉しかったんですけど、
『いいのかな?!』って(笑)」


紅型に対して持っている私たちの固定観念を覆してくれる作風。
見ている方は楽しいが、
ご本人には葛藤も。


「紅型ってなんだろう?って思います。
枠を出て、手法は紅型を用いて、紅型じゃない表現をしている先生もいらっしゃって。」


紅型の定義は、手法?柄?
答えのでない疑問。
しかし、生まれた作品はどれも
そんな葛藤とは無縁の、
突き抜けた清々しさがうかがえる。





型を使って作る、規則的で均一な柄から受ける印象とは違い、
柔らかく、ナチュラルで、あたたかい雰囲気。
白い無地が占める割合も多く、
柄を楽しめ、
タペストリーにもできそうな手ぬぐい。





個展のテーマはどういう風に決まったのだろう?


「昔、ポンキッキで『まるさんかくしかく~』っていう歌があったんですけど
それが急に頭の中で回って(笑)
これだっ!って。
丸、三角、四角だけが出てくる絵本もあるし、
子どもの歌にもなっている。
それくらいいちばん基礎的な形だと思うし、
赤ちゃんがものをおぼえる時は、形から入るらしいんです。」





バッグの形だけにではなく、
柄にもまる・さんかく・しかくが。


「まるいバッグを三つ組み合わせると一つの大きな柄になったり、
しかくのバッグを横並びにすると柄がつながったり、
遊びも取り入れてみました。」


紅型を始めたとき、一番作りたかったのが
ご自身が大好きなバッグだったという。
そのバッグも、作るうちにデザインの方向性が徐々に変わってきた。


「以前はバッグ一面に柄をいれていたんですが、
今回、構図や背景の大切さを学んで。
(展示に使っている)幕を作った時も、
ちょっとひいて見てみると、なんか違う、って。
自信がないと、何もない空間を埋めたくなるんですよね。
でも、検討を重ねていくうちに、余白も受け容れられるようになってきて。
そうすると、全体的にすっきりしてくるんです。」


かばんを引き立たせる背景になるべき幕が、
最初は主張しすぎて、主役のようになっていたという。


「毎回課題だらけで(笑)
だから、個展もとても勉強になります。」





紅型だけでなく、生地にもこだわった。


「(南城市の)『さちばるまやー』の『BIG HUG』のデザイナーさんに
素材を買い付けてきて頂いたんです。
良い素材を使って良いものを作っていきたいと
思うようになりました。」


素朴な色あいと肌触りの生地に、
紅型の鮮やかな発色が映える。



小さめのポーチはデジカメやiPhoneも入る。


「かばんは飾るものではなく使うものですから、
縫製をお願いした方にも相談して、
形やデザインを決めました。
かばんって靴やお洋服と合わせたり、楽しんで使うものですから、
自分が欲しいもの、
持ってみて楽しそうなものを作りました。」


自由に、ランダムに配置された「カタチ」の柄は
すべてオリジナル。
今日はどれを持って行こうかと選ぶのも楽しい。



「お客様に『やっぱり作った本人が持つと似合いますね』と言われました(笑)」


今回の個展をきっかけに、
また新たな方向へと向かう意欲がわいてきたという。


「今回はかばんを中心に作ったので
他の作品を作りたくなったし、
型紙を使って染めたい、とも。
ああしたい、こうしたいっていう欲が出てきました。
ここからまた、自分の作品が変わっていくんだと思います。
受けた影響は大きい。やって良かったって思います。」


これから生み出される新たな作品が
どんな欲求をもとに
どんな新鮮さを携えて登場するのか。
今から楽しみだ。



紅型作家 縄トモコ・筒引きの世界
「はじまりのカタチ」

kufuu『 Design Office × Interior Shop 』
沖縄県宜野湾市大山2-22-18-1F
(パイプライン沿い)
tel&fax : 098-890-4095
11月 28日(日)まで
13:00 〜19:00(最終日は、18:00まで)
*会期中は無休。全日程、作家本人が在廊
・縄トモコ ブログ:http://nawatyou.ti-da.net/
      HP:http://bingata-nawachou.daa.jp/
・kufuu ブログ:http://kufuu.ti-da.net/

NAKAI




北海道、福島、埼玉、三重、奈良。
日本全国から集められた焼き物はどれも人気、
入荷の連絡が入るや否やお嫁にいってしまう物も少なくない。
オーナーの占部(うらべ)さんが連れて来る焼き物は、
その多くが本土で作られているもの。


「沖縄に特化する必要はないと思っていて。
良いものは良いでしょうから、
全部おなじ、ニュートラルなラインに置いてみたいんです。
沖縄の焼き物だけに固執して提案しなくてもいいかなと。
やちむんを扱っているお店は多いので、
私はやらなくてもいいかなと思っていたのですが、
オープン直後に読谷の作家さんが作っている素敵な作品と出逢って。」





そして、沖縄生まれの焼き物も仲間入り。


個人で営むお店は、
オーナー独自の価値観にしたがって商品を仕入れることができるので
独特のカラーが表れている店が多い。


しかし、占部さんのセレクトは、
幅広い年代、年齢層に受けそうな
「ぜんぶ欲しくなってしまう」
ものばかり。


セレクトの先にはユーザーのニーズも考慮されているのだろうか?


「もちろんです。
自分が欲しいと思うものが大前提ですが、
お客様のニーズのことも考慮しています。
そのバランスはいつ考えても難しいんですけど(笑)
仕入れる時は、
『ひとりよがりになっていないか』
という点をいつも気をつけています。
商いとしてお店をしているわけですから、
お客様に商品を気に入っていただきたいですし。
でも、自分の好みとお客さまのニーズの間を行ったりきたりですね(笑)」




クラシックなヨーロッパの香り漂う長峰菜穂子さんの作品は出た途端売れてしまう
 
 
「『この方のお宅にはこういうものがそろってるんだろうな』
って、接客しているうちになんとなく見えてくる感じがするんです。
『これからはきっとこういうものが必要になるなんじゃないかな』
と推測して仕入れたり。
『こういうのがあるとまとまるんじゃないでしょうか』という提案はします。」


ただ求められたものを販売するだけではない、
占部さんはお客様の要求のむこう側にある、
「くらし」
を見つめたうえで、
その先の未来も提案しているのだ。


「入荷の連絡を受けてご来店されるお客様は
バーッ!と選ぼうとなさるんですけど
『これもこれも全部欲しいんだけど、なんだかバランスがね~』
『ちょっとみてちょうだい』
という方もいらして。
そういうときは、
『お客様はあれをお持ちだったので
たとえば、これを引いて、こちらをもう一つ足されると
まとまるのではないでしょうか?』
というように提案しています。」


以前購入されたものを憶えているんですね。


「(笑)はい、よく憶えてます。
店頭に立っていると不思議と憶えられるんですよね。
それで不気味がられるんです、
『なんで憶えてるんですか?!』って(笑)」





去年の九月にオープンしたtous les jours(トレジュール)。
占部さんはそれまで、大阪でメーカーの企画営業職に就いていたが、
沖縄に戻り、開業。
洋服が好きだったので、最初は洋服屋を開きたかったという。


「洋服は流行りすたりもあるし、自分の好みも変わる。
じゃあ食器系はどうだろう?と思っていたときに
奥武山にある『小さな和み』という店に出会って。
うつわ類はもともと好きだったけれど、
益子焼(ましこやき)とか見たことがなかったので面白いなと思って。」


今は洋服も置いているトレジュール。
仕入れる時の基準は?


「沖縄の土地柄は意識しますね。
綿や麻の通気性が良くて
手入れのしやすいものを中心に仕入れています。
今はナチュラルが流行っているからこそ、
着心地や服のラインにもこだわります。
最終的には自分の好きなものになるんですけどね。」


店の業種を決めも、仕入れも、販売も、
やろうと思えばすべて「自分がしたいように」できるのが個人経営の強みだが、
占部さんはそのすべてにおいて常にニーズ・経営を念頭に動いている。


これは前職の影響?


「かなりあると思います(笑)
頭の中には常に二人の自分がいる。
仕事としてやっている以上売れる商品を置かないといけない、
でないと次の提案ができないと考えている自分。
もう一人は、
自分が欲しいものをお店に置きたい、もっとお客様に色々見てもらいたいと思う自分。」





商品を仕入れる時の占部さんの「フィルター」はなんでしょう?


「質感でしょうか。
質感と言うのは丈夫さであり、見た目であり、手頃感であり、色々。
その辺を総合して考えます。
たとえば2万円ですごく良いものが買える、
でも、5千円のものでも補える、
ほとんど変わらないような気もするけれど、
でも2万円の方が長く使えるのかな?などイメージして、
『苦しい!』と思いながら仕入れることもあります。」


すごい葛藤ですね(笑)


「はい(笑)
でも、それは勝手に私が感じていればいいことなので、
お客様には『なんとなく楽しかった』『使うのが楽しみ』
って思っていただければいいんです。」





繊細なラインに明るく輝くロマンティックな石、
透き通る水晶の間を飛ぶ金の鳥。

童話の中に出てくる汚れを知らない女の子になれそうな
無垢で、でも凛とした、大人のアクセサリー。


「girls goes to north」の商品は大人気。
ブログに載った時点で完売することも。


「このブランドはコストパフォーマンスがすごくて。
その中には色々なブランドがあるかと思うんですが、
こちらは、そのバランスが『か~っすごい!』って(笑)
石も天然石だったりするのに。」


ジュエリー会社から独立して一人で立ち上げたというブランド。
一目で心を奪われるデザインもさることながら、
素材にもこだわり抜き、
良いものを(できれば求めやすい価格で)探している女性にはうれしすぎる商品。


「お一人で作っておられるので
いっぱい注文してもやはり時間がかかってしまう。
だから、ちょこちょこ入れてるんです。」


恋に落ちたら二の足を踏んでいるひまはない、
新作を狙うライバルは多い。





美しく、バランスが整ったディスプレイも素晴らしい。


「ディスプレイを考えるのは好きです。
純粋に、変化があった方が楽しいということもありますが、
できたら、お店の前を通っていてふと目にした時に
『あ!』って思って欲しいんです。」


可愛いものをただ飾っているだけではない。
ディスプレイひとつとっても、お客様の心理を考慮するオーナーの気遣いがうかがえる。





ヨーロッパのキッチュな小物たちもそろっている。


「お店を始めるときに目をひく商品が欲しくて、
でも、できれば実用的なものがいいな、と。
雰囲気重視の商品はたくさんあるかもしれないけれど
商品は『使ってこそ』だと思っているので。」


ただ飾って楽しむより、
可愛いものが普段使いできること。
想像するだけでわくわくするのは私だけではないはず。


「 tous les jours」とは、フランス語で「毎日、日常」を意味する。
店名が、店の方向性を的確に表現している。


占部さんのもの選びのベースには
「実用性」がつねにある。
とても現実的で実際的なセレクトがなされている。





「それは表面に出でこなくていいことですが、常に思っています。
自己満足で『あれも見て!これも見て!』ってやってたら
本当に空想的なお店になっちゃうので・・・
って、私、なんかすごくシビアな人みたいですね(笑)
でも楽しくやってますよ、気持ちはのほほんと。」


柔らかな雰囲気で笑顔が印象的な占部さんだが、
電話の対応、接客の物腰、話し方、
そのすべてがこの上なく洗練されていて、隙がない。


「沖縄の個人経営の雑貨屋さん」という響きから
ナチュラルでのんびりしたイメージを抱いて入店すると、
その接客スタイルに驚き、そして感心する。


洗練されてはいるが、
かといって冷たい印象はまったく無い。
徹底的に無駄をはぶいている、というのでもない。
お客様に、これ以上でもこれ以下でもないという
ちょうど良い距離で、優しく静かに寄り添うような接客なのだ。


「(先述の)『小さな和み』の接客スタイルに、強くひかれたんです。
お買い物に行くときって、行くのを楽しみにしたいじゃないですか、
なおかつ買い物ができて、しかも気持ち良いまま帰れたらサイコーじゃないですか?
そういう意味でも『小さな和み』さんはすごいなーと思う存在。
人柄も素晴らしくて、心に残る。
買わなければならないというプレッシャーも与えない。
自分の店もそうありたいって思います。」





「こう言うとさっき言ったこととは反すると思うんですけど、
商いですから『売ってこそ』とは思うんですが、
無理矢理という方向には持っていきたくなくて。
あくまで選んで欲しいんです。
お話しているなかで、お客様の内に色々アイディアがめぐってきて
『買おう』『この子をもって帰りたい』
って思っていただけるように。」


占部さんは、仕入れ、販売、接客、経営、そのすべてにおいて
「プロ」
なのだと、強く感じた。


「可愛い」「楽しい」は大前提、
さらにその先を、
最高に洗練されたスタイルをもって提示してくれる。


トレジュールの今後について、
何か目標はありますか?


(しばらく考えて)
「やはり、『在り続ける』ということでしょうか。
始めたら終わってしまってはいけない気がするので。
色々な形があるとは思うのですが、
どんな形にせよ続ける、ということでしょうか。」


在り続けたいということは、これが天職だと?


「やっぱり販売が好きなんです。
最初に就いた仕事も販売、
営業はじめてからも顧客ありきだったので。
話すのが好きなんです。
そこから発見があったり、繋がったり。
顔の見える仕事が好き。
良くも悪くも、人の反応が返ってくるのが楽しいんです。」


トレジュールはこれからも
沖縄の女性たちにワンランク上の
「日常」を、
優しく、静かに、提案し続ける。

写真・文 中井 雅代

 
tous les jours(トレジュール)

那覇市首里儀保町2-19
098-882-3850
open:水曜日~土曜日
・4月~10月:13時~19時
・11月~3月:12時~18時
(変更あり。毎月の営業日をブログでお知らせしております。)
blog:http://touslesjours.ti-da.net

 

NAKAI




こりゃ、面白い!


今まで、錦戸亮 ってやせすぎな感じで全然興味なかったけど、
この映画の彼は最高にかっこいい!!!





細いので、着物も、パティシエの衣装も非常にかっこいい。


木島安兵衛も、ひろ子も、ちょっと適応能力高すぎ!!
とびっくりしましたが、
まあ、そこは映画なので。


稼げれば、安兵衛のようなひとが家で家事を完ぺき以上にやってくれると
ほんと理想的だなあ。


ま、私は家でのんびりしてたいので、
途中で安兵衛が提案したことも、ありだけど(笑)


ともさかりえ も、別にどうでもよかったが、この映画は抜群に良かった。





一番すごかったのは子役の鈴木福 。
ともちゃん!上手すぎます。

KEE






<ストーリー>
シングルマザーの遊佐ひろ子(ともさかりえ)は、子育てと仕事を抱えてドタバタな日々。一人息子の友也(鈴木福)はやんちゃ盛りだし、クライアントはワガママだし、ガス代は値上がりするし。ああやだやだ! いつも通りの冴えない日常に四苦八苦していたそのとき、目の前に現れたのは着物にちょんまげ姿の木島安兵衛(錦戸亮)。180年前の江戸時代からやってきた本物の侍だった。なぜ、どうやって現代の東京に!? 安兵衛自身もワケがわからず、帰る方法は思いつかない。江戸から東京への激変ぶりにただ呆然とするばかりで行くあてがあるわけもなく、成り行きで遊佐家に居候することに。「今後、奥向きの用事一切、拙者がお引受け申す」――安兵衛は、遊佐家の家事すべてを引き受けると宣言する。
 はじめは俳優か頭のおかしい男だと思ったひろ子も、自分たちのために家事へ夢中になる安兵衛の姿を見て心を改める。ハンバーガー店で大騒ぎする友也をたしなめて礼儀や男らしさを教え、熱を出せば心を込めて看病をする。現代の男にはない筋の通った男らしさは新鮮で、ひろ子は安心して仕事に打ち込みはじめる。父親の不在に慣れていた友也も同じ。大人の男と一緒に暮らして守られたり、キチンと叱られたりする安心感を初めて知る。
このまま3人で生きていくという選択もアリかも――それぞれがありえないような当たり前のような未来を信じはじめたころ、プリンをきっかけにお菓子作りにめざめた安兵衛が、手作りケーキコンテストに出場することに。やがて、3人の間に築かれた微妙なバランスが崩れ始め・・・・・・。


<キャスト>
木島安兵衛 – 錦戸亮
遊佐ひろ子 – ともさかりえ
遊佐友也 – 鈴木福
田中くん – 今野浩喜
上司・城崎 – 堀部圭亮
千石佳恵 – 佐藤仁美
時翔庵の娘 – 忽那汐里
司会者 – 中村有志
殿間知治 – 井上順


<沖縄での上映劇場>
「桜坂劇場」
上映期間:10/23(土)~
住所:那覇市牧志3-6-10(旧桜坂シネコン琉映)
電話:098-860-9555(劇場窓口)

NAKAI

 

スープは澄きとおったその色合いにふさわしくすーっと喉を通る上品な味わいのカツオだし。麺は一般的な沖縄そばに比べるとちぢれが弱く、少し細めでするすると入っていく。家庭で食べる素朴な味わいの沖縄そばとは一線を画す、いかにも繊細で計算し作されたような「プロ」のそば。

 

さぞかしこだわりぬいて作られているのだろうとオーナー夫人に聞いてみると

 

「こだわりを訊かれるのが一番困るんです・・・特にないので(笑)」

 

少し首を傾げ、本当に困ったように笑いながら屈託なくそう打ち明けられた。

 

 

とはいえ、調理師免許を持つオーナーが作るスープはやはり他に類を見ないすーまぬめぇ独自の逸品。

 

「うちの味、といっても、毎日微妙に味わいが変わったりするんですよ。」

 

しかし、すーまぬめぇのスープに魅了され、足繁く通う人は後を絶たない。

 

 

「唯一のこだわりというか・・・ゆったり寛いで美味しく食べて頂けるように努めています」

 

オーナーの祖母宅を利用した店舗は、昔ながらの琉球家屋。鮮やかな花の咲く庭を望みながら食べるそばは格別。

 

「お盆はお休みさせてもらってます。ここにはトートーメーもありますから」

 

店内にあるお仏壇には、今もご先祖さまがいらっしゃる。

 

厨房も、元々台所だったところを利用して作られている。客足が途絶えず、家族連れも多い賑やかな店内であるにも関わらず、時間がゆったりと流れ、不思議と落ち着くのは、古き良き沖縄のくらしと時の流れが、家に染み付いているからかもしれない。

 

 

外には広いテラス席もあり、解放的な空間となっている。

 

「パソコンとか疎くて・・・ホームページもブログもやってないんですけど、お客様が代わりに宣伝してくださってるみたいで。お陰さまで最近は観光客の方もよく見えるようになりました。」

 

駐車場にはレンタカーも多く停まっているが、店内を見回すと、うちなんちゅの姿も依然として多い。

 

うちなんちゅのそばじょーぐー(そば好き)たちがこぞって推薦する名店。そばは勿論のこと、古き良き、沖縄の緩やかな時の流れも堪能したい。

 

 

すーまぬめぇ
那覇市国場40-1
098-834-7428
open 11:00~16:00(売り切れ次第終了)
close 月曜日

 

NAKAI

■11月21日(日) am11:00~pm3:00
■南風原町兼城「カフェ-Otafuku」にて
(兼城十字路(首里向け)左側、屋富祖金物店となり)

<出展者>
・ありーな
・DOLL-C
・まんまる。
・haruru
・DAILY LUNCH BOX 087
・Loving House
・OLIVE GARDEN
・zakka shop T-Colors
☆前回完売したOHANAさんのカレーも
またやってきます♪

美味しいものを召し上がりながら
手作り作品、雑貨などお気に入りを見つけて下さい。

■問い合わせ先
・OLIVE GARDEN:090-1179-5869
・zakka shop T-Colors:090-1875-4562
※カフェ-Otafukuの通常営業は17:30からですので、
イベントに関しては上記へお問い合わせ下さい。

・関連記事:Shop Navi「zakka shop -T-Colors-」

NAKAI




無造作にちぎり取られたような荒々しいフォルムにも関わらず、
全体から受ける印象はこの上なく繊細。
今までに見た事の無い、エレガントで洗練された石敢當は、
ヨコイマサシさんが考案した「紅型陶器」の作品。
縄トモコさんとヨコイさんによる、
紅型と陶芸のコラボレーション作品だ。
布に染める紅型とは違い、型紙の輪郭がくっきり浮かび上がり、
紅型の魅力の新たな味わい方ができる。


それにしても、見ればみるほど不思議なその形状。


ヨコイ  本当にちぎって作ってるんですよ。
     岩じゃないから折り畳めるでしょう。
     折り畳んで、伸ばして、折り畳んで・・・
     と繰り返していくと層状になるので、
     それをちぎるとこういう荒々しい感じになるんです。


陶芸と聞くと、ろくろを回し、息を止めて微妙な力の加減をしながら行う繊細な作業を思い浮かべてしまうのだが、
まさか、本当に「ちぎって」作ったとは。


しかし、そのちぎるという行為がただ闇雲に行われたのでは無いということは
完成された作品を見れば一目瞭然だ。
ともすると紅型の美しさばかりが際立ちそうだが、
焼き物が単なる「紅型を映すベース」というポジションに甘んじることなく、
「紅型陶器」の名にふさわしく、両者の魅力が同等に満ちあふれている。





ヨコイマサシさんは横浜の大学を中退して武蔵野美術大学を卒業、
東京でデザイナーの職に就いていた。


——なぜ、沖縄で陶芸を?


ヨコイ  以前、就いていたデザインの仕事の現場では
     エンドユーザーと接する機会がほとんど無く、
     自分の仕事が及ぼす影響や評価のフィードバックがない世界でした。
     そこに違和感があって。
     仕事自体は面白いけど、
     一生やる仕事じゃないってのを早々と感じちゃったので
     1年半悩んだ末、
     「もういいや、やめてしまえ」と思ったのがきっかけ。


——その頃から陶芸という道を決めていたのでしょうか?


ヨコイ  陶芸には多少興味はあったけど、
     道として決まっていたわけではなかった。
     ものづくりをするというのは決めていたので、
     ものづくりをしながら、かつ、エンドユーザーさんと
     接する事のできる仕事は何かって考えると色々な選択肢があった。
     焼き物もその中の一つ。
     自分にとって一番大切なのは仕事のスタイル。
     前職の時に「こういうスタイルの仕事がしたい」というビジョンは
     かなり明確になっていたので、
     そのスタイルを実現できる仕事は何かって。


——その時点では陶芸以外の道もあったということですね。


ヨコイ  勿論そうです。
     木工、家具や彫刻、ガラスも面白い。
     体験で色々な教室に行ってみたりしました。
     焼き物は割と最初の方から有力候補ではありました。
     早い段階で陶芸の教室にも通い始めて。
     そこで「これは面白い」って直感が働いたんですね。
     自分がやりたいスタイルにも合ってるし。


ヨコイさんの場合、最初から陶芸の道を志していたわけではなく、
自分の求めるスタイルを実現するための手段として、
様々な選択肢の中から陶芸を選んだという。





ふたつの陶芸教室にあわせて約一年通い、これを趣味ではなく、仕事にしようと決めた。


ヨコイ  当時、ある窯元の陶芸の単発の授業も受けていて、
     つまりダブルスクールしてたんです。
     この窯元で学べたら面白いなと思っていたので、
     そこの窯主に話をして。
     すると、あっさり断られたんですよ。
     雇う余裕は無いから無理だって。
     「そうか・・・」と肩を落としていたら、
     「本当にやってみたいなら毎日遊びに来て練習したら良い。
     そのうち、いつの間にかマーシー(マサシ)うちにいたね、
     っていう話になれば良いんじゃない?」
     と言われて、通い始めました。


そうして、歴史ある壺屋焼きの窯元「育陶園」に通いだした。


当時、陶芸教室を拡大し、HP管理に力を入れようとしていた育陶園では、
HP作成もデザインもできるヨコイさんはとても重宝され、
手伝いをしているうちに仕事もまかされるようになった。


ヨコイ  だから、いつから窯元に入ったっていうのは曖昧で。
     僕もよくわからないんです(笑)





——そちらで三年ほど勉強されたんですよね。


ヨコイ  そうですね。三年で独立ってすごく短い、
     普通じゃありえないです。
     そんな二〜三年でモノになるような世界じゃないので。
     普通は五年、十年、長い人だと十何年ってかけて
     やっと独立するんです。


——なぜそれほど早く独立を?


ヨコイ  いろいろ原因はあったんですがね・・・
     僕がやりたいのはストイックに土や焼きを求めることじゃなく、
     『自分なりの働くスタイルの実現』だったので。
     大学も二つ行って仕事もしてから始めたので、
     年齢のこともありました。
     窯元に行った時、最初から窯主に
     「お前は職人にはなれない」
     と言われましたからね。
     「それでもやりたいならいくらでも教えてやる」と。
     「でも、お前は3年か、長くても5年くらいしか
     うちにはいないだろうな」と。
     言い当てられていましたね、当時から。


——ストイックに突き詰めていくというのは具体的にどういうことでしょう?


ヨコイ  例えば自分で土を探し求めて、自分で掘って、触って、見て、
     口に含んでみて、とか。
     10年土を寝かして好きに調合して、とかね。
     釉薬も原料から調達して自分だけの色を出すために研究を重ねたり。
     特に日本は陶芸に携わる人の層が厚いので、
     そういう方もたくさんいます。
     でも僕がしたいのはそういうことだけじゃない。
     そういうストイックなのこそが陶芸だ、という方からすると、
     僕がやってるのは陶芸じゃないという批判も当然あるけれど、
     元々やりたいことが違うわけだから。


——では、ヨコイさんが求めていたスタイルは既に実現されたのでしょうか?


ヨコイ  完成形がどこにあるかはわからないので
     達成した!とは言えないが、
     デザイナーをしていた頃のフラストレーションや満たされない感じは
     かなりのレベルで満たされています。
     スタイルは実現しかけている、と言えるかもしれません。
     仕事として継続できるかどうかとは別問題なので、
     これからが勝負でしょうね。





エンドユーザーの反応をダイレクトに肌で感じるという仕事のスタイルを求めて、
陶芸の道でも独自のやり方を貫くヨコイさん。
スタイルの追求によって弊害は生まれなかったのだろうか?


ヨコイ  僕が作る器は、そんなに多くはよそに卸していないんです。
     陶芸家の多くは、販売店に大量に、安く卸しています。
     しかし、それをやるとフィードバックがありませんから
     僕はあまり興味が無いんです。
     だから、その気持ちを理解して頂いた方のお店へ
     少しだけ卸させてもらっています。
     お客様の反応や、どんな方だったかなどを
     教えてくれるようなお店です。
     そして、僕の作品についても色々と
     良い点悪い点など指摘してくれるお店はありがたいですね。
     僕は、接客、店作り、印刷、HP、営業、全て自分でやるので
     陶芸をやる他の人に比べると生産量がとんでもなく少ない。


——確かに、全てご自身で手がけている店自体も、表現の一部のようですね。


ヨコイ  そうですね、店自体が作品の一部だと言えます。
     大きな窯元などを除き、
     個人でこういうスタイルを貫いている人は
     とても少ないのではないでしょうか?
     店を初めて2年弱ですが、
     みんながそれをやらない理由がわかりましたね(笑)
     やはり、時間が無いのでなかなか作れない。
     作ってなんぼですから、
     「それはどうなんだろう?」とは思います。
     でも、全部自分でやりたいんですよね。
     そうすると、どこかが破綻する、無理が生じる。
     今はそこが悩みどころです。


(次回に続く)

NAKAI




<<注意!!ネタばれあり!!(鑑賞予定の人はスルー推奨☆)>>


これは素晴らしい映画でした。


久々に映画らしい映画を観た気がします。


トム・フォードの作品なのでスタイリッシュさは当然。
それにしても、映像、音楽、役者においてもすべてが芸術。


コリン・ファース、かなり身体を絞ったんでしょう、
スーツがどれも完璧に似合う。





一見、まじめな大学教授、それにしてもあのお洒落さは何?


Colin Firth演じるジョージ。


彼は、ゲイなんだけど、16年間共に暮らしたパートナーが亡くなるって生きる意味をなくす。


そして、彼は、自ら死を決意。
その一日を描くんだけど、その一日がなんと美しいことか!


生きることに絶望した主人公が、生きることに別れを告げようとした瞬間、
人生の愛おしさを感じる。


それにしても、彼はかなりサクセスフルな大学教授なんだよね、
家はグラスハウスです。


素敵とは思うけど、あそこに住むかっていうと微妙。
でも暖炉もあって相当素敵な家です。


ゲイってやっぱり、お互いすぐわかるみたいで、
美しい男性たちがジョージに寄ってきます。


でも、彼は亡くなったジムを心から愛している。
ジムは回想でしか出てこないけどやっぱ魅力的です。








それにしても、リカーショップで出逢う、カルロスというスパニッシュ男性。


出てきた瞬間に、おお!!と思うほど美しい。ジョン・コルタジャレナですね。


アルマーニのモデルもやってました。
去年、トム・フォードが大抜擢したモデルです。
こんな男性にナンパされても、ジョージの決意は揺らぎません。





あ~、もったいない。かっこいいよね~。


ジョージの親友にジュリアン・ムーア。


ジョージとチャーリーは、
ジョージがゲイになる前に付き合っていたことがあった。
チャーリーは、ジョージと復縁したいんだよね。
なんかこのあたりはわかるなあ。








ジュリアン・ムーアはこの時代のドレスがとっても似合うね。
コリン・ファースとダンスを踊るところもかっこよかったなあ。
なんか切ないし、悲しいし、美しい。


隣人一家もとても効果的に登場するんですよね。


あと、男子生徒、ポッター役をニコラス・ホルト。
大きくなったなあ、「アバウト・ア・ボーイ」の少年ですよ。





面影あるし、かわいらしいです。なんとなくジャニーズ系(笑)


お尻がちょっと扁平なのが気になりました。


彼とのエピソードもほほえましい。ジョージは、生きる希望を再び見出す。


そして衝撃のエンディング。


ある意味、ハッピーエンドで、このあたりも秀逸。


コリン・ファース、お見事でしたが、
私はトム・フォードに大いなる拍手を。

KEE



<ストーリー>
その日は、ジョージにとって特別な一日だった。16年間共に暮らしたパートナーが交通事故で亡くなってから8ヵ月、日に日に深くなる悲しみを自らの手で終わらせようと決意したのだ。
ところが、今日が人生最後の日だと思って眺める世界は、ほんの少しずつ違って見えてくる。英文学を教えるLAの大学の授業でいつになく自らの信条を熱く語り、ウンザリしていたはずの隣家の少女との会話に喜びを感じ、かつての恋人で今は親友のチャーリーを訪ねると、身勝手で孤独な彼女に振り回されながらも慰められる。そして一日の終わりには、彼の決意を見抜いていた教え子のケニーの思いがけない行動に心を揺さぶられる。過去に生きていたジョージの瞳に、“今”が輝きだした運命の一日。果たしてその幕切れは──?


<キャスト>
ジョージ コリン・ファース
チャーリー ジュリアン・ムーア
ジム マシュー・グード
ケニー ニコラス・ホルト
カルロス ジョン・コルタジャレナ


<沖縄での上映劇場>
シネマパレット
上映期間:2010/11/06(土)~2010/12/03(金)
住所:那覇市久茂地1-1-1 9F(パレットくもじ)
電話:098-869-4688

NAKAI



どこまでも続く野原に、ぽつんと描かれた「ドア」。
そして、なぜか空を飛ばずに地面を走る「鳥」。


すこし現実離れした、でも不思議と心が穏やかになる風景が描かれた器たち。


「atelier+shop COCOCO」はその名の通り、
器たちが生まれるアトリエと、
生まれた器を購入できるショップが一体となったお店だ。


淀みない手つきでろくろをひくオーナーのヨコイマサシさん、
「お店も自分の作品の一部」
とおっしゃるように、
陶器の商品だけでなく、店自体も手づくりしたというから驚き。


「なんでも自分でやりたくなる、
だからいつも時間が足りないんですよね(笑)」





ヨコイさんが考案した、
紅型と陶器のコラボレーション作品、
「紅型陶器」。




陶器に焼き付ける事によって紅型の型紙の美しさがより一層際立ち、
また、味わい深い陶器の質感が絵画のような奥行きを与えている。





常にニーズに配慮したものづくりをしているヨコイさん、
個性豊かな作品だけではなく、
シンプルで老若男女問わず使えるデザインの器も多い。








絵画、紅型、写真など、
様々なジャンルの作家の作品を購入できるのも魅力の一つ。
ジャンルはもちろん、作風もそれぞれなのだが、
ディスプレイされた作品を見ると、
どの作品も邪魔し合うことなく、一体感が出ているから不思議だ。





atelier+shop COCOCOでは陶芸体験も行っている。
ろくろや手びねりで、自分だけのカップやシーサーが作れるのだが、
なんといっても店の中にセンスの光る作品が沢山置かれているので
「自分もあんな素敵な作品を!」
と、目標をもって作れるのが嬉しい。


静かで落ち着いた雰囲気のヨコイさんだが、
話し始めるとすっかり話の中に引き込まれてしまうほどの話し上手。
理路整然とした話の運びに、ユーモアもたっぷり。
その流暢な語り口による説明通りに作れば、
きっと理想通りの作品が作れてしまいそう。


Shop Naviに収めきれなかった、
興味深くてつい引き込まれてしまったヨコイさんのお話と
美しく、愛らしい作品の写真は、近日公開予定。
陶芸に興味のある方はもちろん、そうでない方も必読の面白さです。


写真・文 中井 雅代

 


atelier+shop COCOCO
沖縄県南城市玉城字當山124
(玉城中学校の正門前。駐車場有り)
098-911-4113/090-8298-4901
open 11:00~18:00
close 木曜定休(祝日の場合営業)

 
関連記事:イベントインフォ 半島芸術祭in南城市 

 

NAKAI

南城市の豊かな自然と環境を活用し、芸術文化を通した「人と芸術の息づくまち」づくりを目標に、地域の人々や南城市を訪れる人々との交流をの輪を広げることにより活力と潤いのある地域の形成を目指すことを目的とした芸術祭。
知念半島全体を祭り会場とし、南城市一帯に点在する工房やギャラリーが一斉に作品の展示販売や体験コーナー、ライブなどを行う。

日時:平成22年11月20日(土)~平成22年11月28日(日)
場所:南城市知念半島を中心
連絡先:半島芸術祭in南城事務局 電話 090-5721-7224 (安和)
公式HP:http://www.ne.jp/asahi/hanto.art-festival/in.nanjyo/

NAKAI

縄トモコ・・・鳥取県出身の紅型作家。自己ブランド「紅型ナワチョウ」を設立、
       物作りユニット「コココ工房」を結成し、県内外で個展を開く。
杉本麻友・・・東京都出身のジュエリーデザイナー。
       自己ブランドLANTANAを設立。


杉本 (冬瓜のクリーム煮を食べて)おいし~。
   じゃがいもが入ってるのが美味しい。こういう作り方もあるんだ~。


───杉本さんは料理します?


杉本 一応、するように心がけてます。
   縄さんすごいじょうずなんですよ。旦那さんもできるし。


 縄 旦那さんはすごく上手なんですけど、
   私はいつもクックパッド先生に助けてもらって(笑)


杉本 縄さんの旦那さん料理できるから、
   美味しいものをちゃんと食べたいって人で。
   コーヒーに凝ったりとか、すごい楽しそう。
   家でのくつろぎ時間をすごい大切にしてる夫婦だから。


───こういう夫婦がそばにいると、理想が高くなりますよね。


杉本 そうそうそう。
   「え~っ、私もそういうのがいい~」みたいな。


 縄 うちの旦那さんはすごく生活を大事にしてて、
   家でゆっくりしたいって人だから。





───沖縄に移住して来て困ったことってありますか?


杉本 ありそうですけどね、いろいろ。


 縄 私はだいぶ前だから忘れちゃった。7年前だから。


杉本 車無いと困りますよね。南部は特に、
   コンビニとか大きいスーパーまで遠いから。
   あ、あと送料高いんですけど。


 縄 あ!送料、高い高い!


杉本 エクスパックとかもあるから昔に比べたら良いのかもしれないけど。


 縄 買う値段と送料が同じくらいかかる時あるから。


杉本 もっと困ったことありそうな気もするんだけど・・・。


───考えてる時点であまり困ってないってことでしょうか?


杉本 困った事が逆に楽しいですよね。
   便利すぎるとすぐ行っちゃうじゃないですか。
   コンビニがすぐそこにあったらすぐアイス買いにいっちゃうけど、
   離れてると「いいや」って我慢できるから。


───どれくらいの距離にあります?


杉本 でも車で5分とか7分とか。
   そんな遠くないけどわざわざ車飛ばしてまでいくの馬鹿馬鹿しいから、
   無駄遣い減りましたね。
   服も「これ来てどこ行こう」っていうのがあまり無いから
   着やすい服を数枚持って回す方が快適だって思うようになりました。
   昔はがんがん買ってましたけどね。
   会社で働いてたからボーナスつぎこんだり。
   洋服すごい好きだったんですけど、欲望にはきりがないなって思って。
   そういうのと決別したいのもあったから、
   こういうところに来たっていうのもあります。





───縄さんも移住して変わりましたか?


 縄 う~ん、どうだろう?
   でも洋服は、前はわりかしどうでも良いかなって思ってたのが
   年齢もあって良いものをちゃんと着なきゃって。
   だから「さちばるまやー」さんの服が多いんですけど。
   あと、一人の時は飲みに行ったりしてたのが
   結婚してからは無くなったから良いんじゃないかな(笑)


───最近はどんな風に飲んでるんですか?


 縄 自宅では飲まないので友達の家とか。那覇に出てみんなで飲んだりとか。


杉本 南部だとみんな車移動だから、あんまり飲まないよね。


───縄さんは酒豪だって聞きました。


 縄 ええっ!違いますよ(笑)でもまゆちゃんも全然飲まなくなったよね。





杉本 東京にいた時はよく飲んでたんですけどね~。
   盛り上がってる雰囲気がすっごい好きで
   身体壊すくらい飲んでたんですけど、
   それも嫌で。
   もうとにかく、全てにおいて欲望がすごくなっちゃうんですよ、
   都会にいると。
   あれもしたいこれもしたい、って。
   でもこっちにきてから変わって。自分のやりたいことやんなきゃみたいな。
   東京いるときもアクセサリーやりたいっていうのはずっとあったけど、
   東京のせいにするわけじゃないけど周りを意識してもやもやしてたのが、
   こっちに来て、縄さんもそうだし龍さん(関連記事:『梅原龍 作品展 ”三
   つの太陽” 』
)もそうだし、
   作家としてやってくって決めてる人が沢山いたからすごい新鮮で、
   「私もやりたいことある!」って思ってこっちに来たいな〜って。


───じゃあお二人は杉本さんが移住決める前に出逢ってるんですか?


 縄 そうそう。


杉本 病気で一回来た時に知り合って。
   ものづくりに関して話し合ってるのみて、うわ、すごい良いなーって。
   「無理だ」っていわないから、みんな。解決策を考えてくれるから。
   東京にはそういう友達が少ないというか
   真面目に話す必要はないみたいに自分がなっていたから。
   酒飲んでパーっと遊んで、っという感じで。


───じゃあ、本当に人生変わりましたね。


 縄 まゆちゃんが龍さんちに来た事で人生変わったよね。





杉本 そうそう。最初は三ヶ月間、
   本土では花粉が舞ってる時期にきたんですよ。
   私の大学の友達が栃木で陶芸してるんだけど、その人に
   「今度沖縄行くんだけど知り合いが誰もいないから心細い」
   って話したら、
   偶然、「先週沖縄の人がうちに来てすごい良い人だったから
   その人に連絡してみな」って言われて、
   会った事も無いのにヨコイ(ヨコイマサシ)さんに電話したんですよ。
   そしたら、「うちの工房でなにかやってくれてもいいし、
   全然相談にのるよ」って快く言ってくれて。


───その時は沖縄でものづくりしたいって気持ちがあったんですか?


杉本 どういう方向でやっていくってのが漠然としすぎてて。
   最初は糸満の民宿にいたんですけど、
   仕事もしたくて部屋も借りたいんだけどな〜って話してたら、
   そのときその場にいた龍さんが、
   「ちっちゃいけど空いてる部屋あるから使って良いよ」って言ってくれて。
   「ええっ!」って。


───すごい!


杉本 家賃六万くらい払おうと思ってたのに「タダで良いよ」って言うから
   美味しい話には裏があるはずって(笑)


一同 (笑)


杉本 ここまで来たらやってみようって思いました。


───小説や漫画みたいな話ですね


杉本 (笑)それで人生開けましたね完全に。





───栃木のお友達に話してなかったらこの出逢いは無かったですよね。


杉本 そうなんですよ。糸満の民宿にずっとひとりで泊まって、 
   周りも見ずに「沖縄いまいち!」とかって言ってたかも(笑)
   南部の方々との出会いで、生活を見直すことができたし、
   私がどこかで求めてた暮らしの景色を見れて
   「ほんと来れて良かった!」って思いました。
   それからは幸せでしたね。
   日々からだの調子も良くなるし、ものづくりしてる人も見られるし、
   「絶対沖縄が良い!」って思ったんです。


ナワチョウ HP:http://bingata-nawachou.daa.jp/
     ブログ:http://nawatyou.ti-da.net/
LANTANA 関連記事:オランダ展 WHAT IS LIFE?


Cafe Beans 関連記事:http://calend-okinawa.com/food/foodshopnavi/1138.html

NAKAI

 

沖縄の伝統料理に欠かせないかまぼこ、昔ながらの味わいはそのままに、でも、子ども達や若い女性にも喜んで食べてもらいたい・・・ 

 

創業50年の老舗が新たに開発し、今いちおしのかまぼこはなんと、マッシュポテト入り。和と洋の組み合わせだが、食べてみると違和感は全く無い。糸満で獲れた新鮮なグルクンと卵を使って作られたかまぼこは、ふんわり柔らかな食感。そして、クリーミーで優しい味わいのマッシュポテト。卵ほどの大きさでボリュームがあるが、大人も子どももペロっと完食してしまう、クセになる組み合わせだ。 

 

 

創業者である現社長の母親が「ボーボー」(沖縄方言で「可愛い赤ちゃん」)というあだ名で呼ばれていたため、店名に付けたというが、丸くてころころしたかまぼこも、なんだか赤ちゃんのように可愛らしく、店名にぴったりマッチしている。

 

 

ボーボー屋は材料も製法も伝統を守り、豊かな味を継承している。伝統と現代の食文化を組み合わせて誕生したマッシュポテト入りかまぼこ「黄金丸(くがにまる)」は、糸満市内の学校給食にも採用が決まった。黄金丸は子ども達にとっての「ふるさとの味」に仲間入りすることになる。

 

美人が多いと名高い糸満の、笑顔の素敵な美人さん

 

魚のすり身を蒸して作る本土のかまぼことは違い、沖縄のかまぼこは油で揚げて作る。中でも沖縄かまぼこ発祥の地である糸満のかまぼこは新鮮な魚を用いて作るため、旨味が凝縮されて、味わい深いかまぼこができるという。

 

「あれ?今日、チキアギは無いの?」

 

「あい!今日は午前中で売り切れてしまったさ〜、ごめんなさいね〜。」

 

黄金丸の他にも人気者は多いようだ。

 


ボーボー屋かまぼこ
沖縄県糸満市西崎町4-19-1 (「糸満市物産センター遊・来・楽」内)
直通電話:098-994-9958
物産センター営業時間 10:00~22:00 ※年中無休
※一部店舗、特産品コーナーは20:00まで
「遊・来・楽」ホームページ:http://www.yukura.jp/floorguide/index.html
 

 

NAKAI

 

カフェの名前「naminami」は、「なみなみと盛る!」のなみなみ?そう思ってしまうほど、色とりどり、贅沢に、たっぷり盛られたプレートはご飯とメイン以外になんと、付け合わせ5品!さらにお味噌汁までついてお値段は800円というから驚き。

 

最初はその豪華さに面食らうが、口に運ぶとその本格的な味に更に驚く。かしこまったいわゆるおしゃれなカフェ飯とは違うが、全ての料理が、愛情を込めて、丁寧に、本当に丁寧に作られているのがきちんと伝わって来る。ぱっと思い浮かぶのは、「お料理上手なお母さんのご飯」。 

 

大根の煮物はおでん風、優しい味のおつゆがしっかり大根にしみて、汁まで全部飲み干せる。サラダのドレッシングも自家製。レシピを訊いてみると想像以上に多くの調味料を使っていて、その複雑な味わいに納得。メインの竜田揚げ、糸満で獲れた新鮮なマグロを、高温でからっと一気に揚げ歯触りはさくさく、マグロはふかふか。

 

どれもこれもが親しみや懐かしさを感じる味わいながら、丁寧に作り込まれている料理ばかりで、一口食べたが最後、あまりの美味しさに「三角食べ」ができなくなり、ついつい一品集中、無心に食べ、完食してから次に移る・・・という、「お料理上手なお母さん」からは「こらっ」と怒られてしまいそうな食べ方になってしまう。

 

こんな贅沢なプレートランチが毎日食べらるカフェを、2人の女性が糸満公設市場内でオープンさせ、もうすぐ5年が経つ。

 

窓の外に見えるのはまちぐゎ〜の風景

 

5年前、二人が力を合わせて自分たち好みの空間に作り上げたカフェは、何度かスタッフが入れ替わり、現在はオープンさせた2人の姿はなく、5名のスタッフが切り盛りしている。

 

 

オープン当初に苦労を重ねたnaminami、県外出身者2名で始めたということもあり、最初は様々な壁にぶつかった。転勤族が多く、今まで何度かスタッフが入れ替わったが、これまで働いてきたメンバーの苦労や喜びを包み込み、吸収してきたnaminamiの、壁や天井、椅子、テーブル、その全てが、スタッフたちを優しく見守っているように見える。

 

 

 

 

メニューに沖縄料理の名前が載ることは無い。沖縄料理では市場のあんまーたちには敵わない。

 

「かといって、別にすごいおしゃれなカフェメニューを作ろうっていう気持ちは無いんです。」

 

naminamiのコンセプトは「自分の家族に食べさせたい、体と心にやさしいほっとする料理」。

 

「普通におうちで食べるようなメニューが多いですよ、生姜焼きとか出したりもするし。」

 

確かに、「マグロの竜田揚げ」からもそのコンセプトはしっかり伝わって来た。

 

子どもコーナーには手作りのキッチンも

 

公設市場という、糸満の中でもかなり「糸満色」の濃い場所にnaminamiはある。まちぐゎーには、ベンチに腰掛けてゆんたくに興じるおばあ達の姿。カフェにやって来そうな人たちは見当たらないのに、オープンと同時に、どこからともなく常連さん達がやってきて、「こんにちわ〜」と、入って来る。

 

 

 

カウンターと奥のキッチンで手際良く料理を作りながら、お客さんとの会話も楽しむスタッフのmisaさんとリカさん。

 

「○○さん、(今日の付け合わせの)日本そば、食べれます〜?」
「あい、何言ってる、わたしは面(麺)食いよ〜」

 

気心の知れた常連あんまー達とのやりとりはまるで漫才!

 

 

 

ケーキセットに「琉球チャイ」をチョイス。ウコンがブレンドされているため、すこしスパイシーな香りと味わい。普通のチャイのすこしもったりした感じが苦手な私にはぴったり、味わいはこくがあって深いけれど、後味はすっきり。手作りパウンドケーキとも相性抜群。

 

まちぐゎ〜カフェ、逆側の窓から見えるのは民家や猫の姿

 

人気の「マグロのなかおちランチ」。この日は残念ながら海がしけてマグロが獲れなかった為、メニューには載らなかった。毎日、その日獲れた新鮮なマグロを使って作るこのランチ、1日3食ほどしか出せないので、なかおちランチお目当ての方は事前に電話で予約をいれる方が無難。

 

10/31からは「yorunami」として火・水曜日の夜の営業も始まった。糸満の公設市場に優しく寄り添って営業を続けるカフェnaminami、5年目を迎えてなお、進化し続けている。

 

※yorunamiの様子も取材予定、ご期待ください。

 

 

 

まちぐゎ~cafe naminami
糸満市字糸満989-83(糸満公設市場内)
Tel:070-5532-0503
定休日:月曜日・祝日
OPEN◆12:00
CLOSE◆17:00頃
*ランチタイムは12:00から売り切れまで
ブログ:http://naminami.ti-da.net

 


 

NAKAI


 
 
オランダという国と「WHAT IS LIFE?」をキーワードに、
オランダのアンティークと現代プロダクトと共に
5名の作家の作品が一同に展示されています。


ジャンルも雰囲気も全く違う5人の作品が、
なぜか違和感無く、
むしろ、その境目が曖昧になるほどに(え?これってオランダアンティーク?それとも作家さんの作品?)
不思議としっくり馴染み、まさに全体となって一つのテーマを表現している作品展です。


その全体から受けるイメージは
薄い膜がかかったように全ての輪郭が不明瞭な、
古くて懐かしい夢の中の世界。


作品そのものは勿論、それを飾ってある空間も含め
全てが架空のモノ達のように見える、ファンタジックな雰囲気。

LANTANA 杉本麻友さんの作品。
 

 
を触れるのもためらわれるほど繊細なネックレスとピンキーリング。
華奢なフォルムながらダイヤもしっかり入っていて、女性なら垂涎必至。
 

 
夢の中の光景をそのまま形にしたような
メリーゴーラウンドモチーフのネックレス。


沖縄に移住する以前はアクセサリーを作る会社で企画・デザインを担当していた杉本さん。
当時は会社の要求に沿ってデザインしていたので、
自分のアイディアや好みは封印していたそう。
独立した今は、これまで封印していた「個」を存分に発信できる上、
元から「創る」作業が好きだったので、とても楽しいという。
 

 
杉本さんの制作過程で一風変わっているのが
CAD(コンピュータ設計・製図ツール)という、設計士などが使用するツールを用いているところ。
それによってより繊細なジュエリーを制作することができるんだとか。
確かに、杉本さんのブランド「LANTANA」のジュエリーは
顔を近づけてじっと目を凝らしたくなるほど細やかなデザインのものが少なくない。


「便利ではあるんですけれど、職人さん達はその技巧を長年かけて磨き上げるのに、
私はCADで一足飛びに自分の目的を達成している気がして・・・
そういうのってちょっと違うのかなって悩むこともあります。」


本人には葛藤もあるよう。
全てに対して真摯な人なんだなぁ、と思う。
 

 
LANTANAのジュエリーを見ていると、
小さな女の子だった頃の自分に戻ったような気持ちになる。
それは、幼い頃に抱いた夢や、こうだったら良いなという理想が
ジュエリーという形をとって具現化しているからかもしれない。
そんな憧憬にも似た感情を呼び起こす作品が、
CADという、いかにも現代的なツールを介して誕生しているというミスマッチが、
なんだかとても不思議で面白い。


「ジュエリー制作はすごく楽しいんです。
でも、『これが天職!』って思っているわけではなくて・・・
他にもやりたいこと、あります。色々。」


杉本さんの視線はただ先を、ではなく、様々な方向の未来を向いているよう。
作品にもその人柄が見てとれる、純粋で少女性も併せ持つ杉本さんが
今後どんなフィールドで私達の、つまり、私達大人の女性がまだ少女だった頃の夢を具現化してくれるのか、
すごく楽しみです。
 

 
先日、個展を取材させていただいた梅原龍さん。
(前回の記事はこちら→梅原龍 作品展 ”三つの太陽”)
今回は立体作品のみを展示なさっています。


2Dである「絵」は、その世界の中で一度完結している印象を受ける。
完結した上で、見る側に判断を委ねるような、
一定の絶妙な距離をとって、語りかけて来る気がする。
 

 
かし3Dである立体は違う。
それを創ったのは紛れも無く梅原さんなのだけれど、
それに自分が手を触れ、更には手を加えることもできるのだという
限りなく実現可能に近い「可能性」を感じるからか、
自分と作品との距離は「0」で、ともすると、
これは本当に不思議なのだけれど、
自分もその創作に関わったような錯覚に陥る。
 

 
例えば、
この蝶は、むかし、どこかで見たような気がする。
それはまだきっと自分がすごく小さかった頃のこと。
いつかの夏だったか、いや、秋だったか。
あの時に見た蝶が、何かの加減で現実の世界に紛れ込んで来たんだ、
そして、こうして作品の中に収まり、自分の目の前にまた、現れてくれたんだ。
そんな気持ちになる。そして、
「いつか」の記憶に思いを馳せ、蝶以外の記憶を探ろうとしている自分に気づく。
普段は殆ど表に出てくることのない、深い所に眠った記憶を
梅原さんの作品がゆさゆさと揺すり、目覚めさせようとしているのかもしれない。
 

 

 
ci.cafu 喜舎場智子さんの金細工。
ネイティブアメリカンジュエリーの分野でも活躍なさっていた喜舎場さん、
金細工なのに、作品からは「土」や「自然」を感じる。
素朴でシンプルなのに、大人っぽいラグジュアリーな魅力が備わっている。
 

 
若い人が背伸びしてつけるのも可愛いけれど、
これはやっぱり、凛とした成熟した女性がつけるとカッコ良い。
 

 
金城ひとみさんによる、タイルに描かれた絵。
ROOmに髪を切りに来ていたお客さんとして、オーナーと知り合ったという。
無類の愛猫家だそうで、
タイルにも鳥を追う無邪気な猫の姿が。
 

 
窓枠のような針金が張り付けられ、
自宅の窓から外でじゃれている猫を眺めているような、和やかな気持ちに。 

作品には値段がつけられ、購入可能。
オランダフリークのオーナーが買い付けて来るアンティークや現代プロダクトも必見。
そのお話は次回に続きます・・・
 
 
オランダ展 WHAT IS LIFE?
10月25日(月)〜27日(水)
時間:11:00~20:00
場所:ROOm hair & organicworks
   那覇市牧志2-13-12 TKハイム1F 
問い合わせ:098-866-8860

NAKAI



一生ここにお世話になります!
というお気に入りの美容室が見つからない「美容室ジブシー」のあなた、
是非一度、こちらで切ってみてください。

5年前まで、まさに美容室ジプシーだった私。
コンスタントにヘアスタイルを変える友人がいて、
それが毎回、可愛いだけでなくめちゃくちゃ本人に似合っているので
「どこの美容室で切ってるの~?」 と訊いて紹介してもらったのが、
北谷の「サンスーシー」。
聞けば彼女は、これまでも何度か行きつけの美容室を尋ねられたことがあるんだとか。
なるほど、私みたいに
「ここ!」
という美容室を探している女性はやはり少なくないらしい。

そうしてサン・スーシーのドアを叩いてからはこちら一筋、
見事、美容室ジプシーから卒業しました(パチパチ~~☆)

今まで色々な美容室に行ったけれど、
有名店はいつ行ってもお客さんがいっぱい。
スタイリストさんはお客さんとお客さんの間を飛ぶ鳥のようにバタバタ。
すごい勢いでカットを終えると、 アシスタントさんによるシャンプー、ブロー、セットが終わるまではスタイリストさんとはさようなら~~。
最後に形ばかりのような最終チェックが入り、

「はい、今日は以上です~」 。

家に帰って鏡を見てみると、切り残しや不揃いな部分があるのもうなずける、 嵐のように過ぎる時間。
気分はまるで、ベルトコンベアーに乗せられた商品…。

サン・スーシーは違います。
少数精鋭のスタイリストさんとアシスタントさんが、
懇切丁寧、じっくり時間をかけて、
ひとりひとりとしっかり向き合って接客してくれます。

まずびっくりするのがカットの丁寧さ!
色々な角度から細かいところをこれでもかってくらいチェック、
シャンプー、ブローを終えてから、 さらにチェックしてカット。
切り残しなんてあるわけありません。

また、本人の骨格、毛量、髪質、顔立ちや雰囲気を踏まえた上で
的確にアドバイスし、相談の上でカットの方向性を決めてくれ、
「こうしたい!」
という要望をただ単純に叶えるのではなく、
本人に合うように、絶妙にカスタマイズしたヘアスタイルを提案してくれます。
だって、切り抜きで持って行った写真のモデルさんと自分とでは、 骨格も髪質も何もかも違うわけですから、
同じように切ったところで「ぴったり!」になるわきゃないわけで。
相談しながら切ってくれるので、
「…あれ?イメージと違う…」
ってこともありません。

そして、今までに行った他の美容室と決定的に違うのは、
長いスパンでヘアスタイルのことを考えてくれること。
これまでどういうヘアスタイルをしてきたか、
切った後はどうなっていくのか、どうなりたいのか。
現在だけじゃなく、過去を踏まえ、未来を見据えて切ってくれる。
なので、
あれ?前もこんな髪型にしたよな~…(飽きた…)
とか、
えっ!ちょっと伸びるとこんな風になっちゃうの?!(想像できなかった)
なんて失敗も、無い。

さらにさらに、ママさん達には嬉しいことに、
子供の髪も切ってくれます☆



子供相手でももちろん手抜きなし、真剣!
そうそう、お客さんの層が老若男女と幅広いのも特徴です。



光が射し込んで暖かい雰囲気のシャンプースペース。





パーマやカラーリングの時間を過ごすスペース。
お店のすぐ裏手がビーチなので、
大きな窓から北谷の海を望みながら、ゆったり寛げます。
ドリンクサービスがあるのも嬉しい。

美容室ジプシーから抜け出したいあなた、
是非一度、サン・スーシーをお試しあれ☆

写真・文 中井 雅代

 
 

サン・スーシー
沖縄市比屋根1-11-10
098-932-0825
open 9:00〜18:00(受付)
close 月

 

NAKAI

週5日、那覇市で「透明水彩画」を教え、 年1回、那覇市民ギャラリーで展示会を行うようになって7年が過ぎた。

「この展示会があるから、生徒さん達も張り合いがでて、頑張れるのよね。」

と、主宰の黒島けい子先生は美しい笑顔でにこやかに話す。

まるでガラスにでも描かれているかのように艶やかで透明感のある絵

私達が小学生の頃から慣れ親しんだ水彩画は、絵の具の上に絵の具を重ねると下の絵の具の色は消えてしまうことから「不透明水彩」と呼ばれるが、
黒島先生が教えていらっしゃるのは「透明水彩」。
用いる絵の具の種類も、描く紙も全く違うのだという。
不透明水彩であれば、ある程度の間違いは上から重ね塗りを施せば直すことができるが、
透明水彩はそうはいかない。
やり直しがきかない分、慎重に色を選ばなければならない。
しかし、展示されている作品からはそんな緊張感は感じられない。
逆に、温かみがあり、肩の力の抜けた穏やかな雰囲気が漂っている。
お茶を飲み、友達と楽しくおしゃべりしながら描いている様子が目に浮かぶような・・・

そして、先生の作品に描かれているのは全て、花。
「最初はね、人物画をよく描いていたのよ。
でも、何気ないところで咲いている花って素敵でしょう?
売っているお花も勿論綺麗だけど、家の前の通りに咲いている花とか、道ばたの花とか。
そういう花を描くようになってからは、対象を自然と花に絞るようになったの。」
確かに先生が描く花は、豪華さからは距離を置いた、
素朴で可憐、ひたむきで優しい雰囲気を一様に醸し出している。

花を愛する先生の気持ちが柔らかく伝わって来る

作品展では、生徒さん方の作品が数多く並ぶ。
数ヶ月前に習い始めたばかりの方から、開講当初から学んでいるベテランの方まですべて。

「生徒は主婦の方が多いの。ご家族の理解や協力無くして絵画教室なんて通えないでしょう?そうやってバックアップしてくれてる家族に日頃の成果を見てもらう為の作品展でもあるのよ。」

生徒ひとりひとりの為だけの展示ではないのだ。
展示ブースから感じる温かい雰囲気は、透明水彩の持つ画風によるだけでなく、その背後に「家族」を感じるからかもしれない。

「毎年ただ出展してるっていうだけでは意味がありませんから。ちゃんと成長が感じられる展示にしなければならないでしょう?だから私は毎年すごいプレッシャーを感じながら展示しているのよ(笑)」
そう言いながら満面の笑みを浮かべる黒島先生。
先生の描いたハイビスカスの絵の背景には、一目で台所だとわかる出窓が描かれている。
「サッシはね、描くか描くまいか迷ったの。でも、これを描く事で生活感が出る、それによってより身近に花を感じてもらえると思ったの。」
生徒の家族のことまで考えている黒島先生が描いているのもまた、家庭や家族を感じさせる水彩画だ。

お金を払って買う花も勿論美しいけれど、
私達の生活に寄り添ってひっそりと咲く花の魅力を、家族を守るお母さん達が優しい視点で描いた絵画展、じんわり心に染みます。

那覇市民ギャラリー(パレットくもじ6F)
098-867-7663
開催期間: 10/19(木)~24(日) 10:00~19:00

10月の他のイベント情報 :http://www.calend-okinawa.com/201010.html

NAKAI




<<注意!!ネタばれあり!!(鑑賞予定の人はスルー推奨☆)>>



かっこよかった!!


尺は長いが、全く長さを感じさせませんでした。


後半の戦闘シーンが50分続くときいていたので、眠たくならないか心配でしたが、全く心配無用。
前のめりになって観てしまいました。
さすがに1〜2分だれてきたところはあったけど。








基本時代劇は大好きなので、こういうのいいよね。
「忠臣蔵」とか「七人の侍」とか大好き。


前半に、ゴローちゃんが演じる斉韶がいかに悪いかってとこが描かれるんだけど、
前評判ですごいすごいと聞いていたせいか、そこそこ悪いです。
でも、出てくるたび胸がムカムカしたので、やっぱり彼はすごいのかな。


この映画、血の色がリアルで怖い。


役所広司 は素晴らしいんだけど、最後は
「もたもたしてないで、さっさと斬っちゃえよ」
と思った。
なんだ、あのもたもた具合は



殺陣がみんなかっこいいんだけど、やっぱり伊原剛志 の立ち姿が抜群にかっこいいのね~。
このひと、美しいわ~。





美しいと言えば、私は 内野聖陽 が結構好きで楽しみにしてたんだけど、
最後までどこに出てるんだかさっぱり分からず、
終わった後に冒頭で切腹した人だとわかった。
全然、老けちゃってわからなかった。。。


それにしても、見事な殺陣をみせてくれるのはやはり松方弘樹 !
かっこいいんですけど!
キレが全然違う。
この人見ると、「時代劇の人だなあ」と感心する。
まあ、ヤクザ役も似合うんだけどね。





伊勢谷友介は山の男。
なぜかすごい絶倫のひとで、挙句の果てには 岸部一徳 と(笑)
でも、正直私はあのシーンはいらないと思いました。





そして、よくわからないのは吹石一恵の二役。
一体どういう意図があって??


やっぱり最後のトラップ満載の落合宿での、戦闘シーン。
いろんな仕掛けが次々と出てきて、飽きさせません。


途中まで弓矢でバシバシ敵を倒していくんだけど、
「小細工はこれまで」と、皆弓矢を放って刀にきりかえます。
あそこは、まだまだ弓もあるし、倒せてるんだから、
弓矢がなくなるまで続ければいいのに、と思ってしまった。


13人対300人だよ!








斉韶は意外に俊敏で笑った。
結構よけていくんだよね、うまい具合に。


斉韶の暴君ぶり、毎日毎日退屈だったんだ、ってことはわかるんだけど、やっぱ方向が間違ってるんだよね。
もっともっととエスカレートしても結局、虚無なんだ。


伊勢谷友介 は喉をさされても、死なない。何故?


結構疑問はいっぱいあるんだけど、良かったです。
ラストはちょっと、いまいちだったかなあ。。。

KEE


 

<ストーリー>
江戸時代末期。明石藩江戸家老・間宮(内野聖陽)が、老中・土井家の 門前で切腹自害した。間宮の死は、生来の残虐な性質で罪なき民衆に 不条理な殺戮を繰り返す、明石藩主・松平成韶(稲垣吾郎)の暴君ぶりを 訴えるものだった。成韶は将軍・家慶の弟で、明年には老中への就任が決まっている。 この事件は時の幕閣を動揺させる。 このままでは幕府、ひいては国の存亡に関わると判断した土井(平 幹二朗)は成韶暗殺を 決断、御目付役・島田新左衛門(役所広司)にその命を下した。 大事決行を控え、新左衛門は刺客集めに奔走。御徒目付組頭・倉永(松方弘樹)、 剣豪浪人・平山(伊原剛志)、酒と女と博打に溺れる新左衛門の甥・新六郎(山田孝之)など 十一人の強者たちが新左衛門の元に集う。暗殺計画は極秘裏に進められていたが、成韶の腹心・ 鬼頭半兵衛(市村正親)はその情報を掴む。かつて新左衛門と剣の同門でありながらも道を違え、 御用人千石の身分を自分で掴んだ傑物である。かくして鬼頭と新左衛門の謀略戦が始まる!


<キャスト>
役所広司
(島田新左衛門(御目付七百五十石))
山田孝之
(島田新六郎(新左衛門の甥))
伊勢谷友介
(木賀小弥太(山の民))
沢村一樹
(三橋軍次郎(御小人目付組頭))
古田新太
(佐原平蔵(浪人))
高岡蒼甫
(日置八十吉(御徒目付))
六角精児
(大竹茂助(御徒目付))
波岡一喜
(石塚利平(足軽))
石垣佑磨
(樋口源内(御小人目付))
近藤公園
(堀井弥八(御小人目付))
窪田正孝
(小倉庄次郎(平山の門弟))
伊原剛志
(平山九十郎(浪人))
松方弘樹
(倉永左平太(御徒目付組頭))
吹石一恵
(お艶(芸妓)/ウパシ(山の女))
谷村美月
(牧野千世(采女の嫁))
稲垣吾郎
(松平左兵衛督斉韶(明石藩主))
市村正親
(鬼頭半兵衛(明石藩御用人千石))


<沖縄での上映劇場>
SOUTHERN PLEX
MIHAMA 7 PLEX+ONE