NAKAI
2015.04.25
2015.04.25
2015.04.16
「かちゅーゆってさ、外で食べることなくない? 自分ちのが普通と思ってるけど、にんにく入れるのって珍しいの? そういえば味噌が入るところもあるんでしょ? それもう味噌汁でしょってつっこみたかったんだけどさ(笑)。うちのかちゅーゆ、自分で言うのもなんだけど美味しいよー。子供たちも大好きで、風邪ひいてなくても飲みたがるもん」
「材料はかつお節、醤油、にんにく。おしまい。ただ、かつお節だけは上等使った方が良いはず。サンエーにさ、削る前の状態でかつお節が売ってるわけ。それを買ったらお店で全部削ってくれる。削りたてを買って帰るときは、車の中がかつお節の香りでいっぱいになるよ。とっても美味しくて、そのまま食べてもイケる。子供はさ、だしパックとかでかちゅーゆ作ると飲まない。『おいしくない』って言うよ、すぐ」
「今日は3人分くらい作ろうかな。お椀で適当に3人分の水を計って鍋に入れる。火にかけて、沸騰するまでの間ににんにくを処理しようね」
「2個までは入れないわけ、いつも。濃くなりすぎる気がする。約3杯ぶんで1.5個くらいかな。ちょっと切れ目入れてからつぶしたら、ほろほろ感が出るよ。にんにくが少し崩れて食べやすくなるわけ」
「子供たちは、大きいにんにくは食べずに残すけどさ、ほろほろしたのは食べてるよ」
「お湯が沸騰したらかつお節投入。これも適当にお椀で3杯ぶんくらい」
「かつお節と一緒ににんにくも投入。にんにくの味を強く出したいときは、水から入れたらいいよ。沸騰して一分くらいで火を止める。良い匂いしてきたね。ちょっと飲んでみよう」
「お!美味しい!これで完成にしても良いくらい」
「かつお節をとろうね。捨てるのはもったいないからさ、私は炒めてからチャンプルーに入れたりしてる。フードプロセッサーがあったらふりかけ作るのもいいね」
「最後に醤油を入れます。量はどれくらいかなー。大さじ2〜3くらいかね。ちょっとお椀に醤油が残ってるけど…入れちゃえ!…あ、からい(笑)こんな時は水足すさーね」
「醤油の量は、味しながら決めてよー。はー良い匂い。おなか空いてきた〜」
「体調悪いときはこれくらいシンプルに作るけど、回復してきたら卵も入れたりするよ。子供がさ、『かーちゃんのはおいしい時もあるしおいしくない時もある』って言うわけ。『かつおの味がしないよー』とか。かつお節ケチったときなんだけどさ(笑)だあ、今日のはおいしくできたかねー?」
「ん、おいしい!味がすごくまとまってる。まーさむんじょーぐー(=美味しいもの好き)の長男にも太鼓判押してもらえそう。これさ、そうめん入れてにゅう麺にしたり、おかゆにしても美味しいよ。風邪のときだけじゃなくて、お酒の後にも飲みたくなる味。それにしても簡単レシピだねー。お湯が沸騰したらほぼ終わり、って感じ。作った自分でもびっくりよ(笑)」
山内商店 http://yamautisyouten.ti-da.net
2015.03.18
長女の卒園式 & 入学式を控え、あわてぃーはーてぃー(=あたふた)している中井です。普段、カジュアルすぎる格好で過ごしているもので、式典的な行事が予定に入るとかなーり焦ります。
何着ていけばいいの〜? 手持ちのワンピとジャケットでフォーマルになる? 一人だけ浮いちゃわないかな〜?
年に1回着るか着ないかのフォーマル服を新調するよりは、ワードローブで乗り切りたい派な私。気の利いたコサージュでもあればなぁ…と探すこと数年、ついに「これ!」というコサージュを見つけちゃいましたよ〜。
お花屋さん「Detail full」(関連記事:できるだけ花の邪魔をしない。等身大で楽しむ「花暮らし」)と、ヘアサロン「快 -こころ- hair & make up 」(関連記事:「おまかせします」の一言で、新しい自分の魅力を引き出してくれる)のコラボで生まれたフラワーアクセサリー「june(ジュネ)」。
使っているのは造花ではなく、本物のお花。こんもりしたそのフォルムは一見するとただのドライフラワーみたいだけど、ちゃんと留め具がついていて、洋服だけでなく髪の毛にも留められます。
「実際に手に取ってみてー。違いがわかりますよ」と、Detail full の綾乃さん。どれどれ…と、持ち上げてみてびっくり。ボリュームたっぷりなのにめちゃめちゃ軽い!
「コサージュなどのお花の小物は普通、ワイヤーを使ってるから重さがでちゃう。june ではできるだけワイヤーではなく、糸を使うようにしてます。そうするとだいぶ軽くなるから。糸も、ベルギー産のリネンにしてみたりシルクにしてみたりとこだわって。どうしてもワイヤーを使わないといけないときは、できるだけ細いものにして、外からは見えないようにしてます」
これまで私が使っていたコサージュは、服に着けるとだらりーんとお花が下を向いちゃったり、髪につけるとその重みで徐々にずり下がってきちゃってたから、軽いのはかなり嬉しい。
つけ心地も抜群。そっと髪を留めてみると浮いた感じが全くなく、ドライフラワーが頭の形にしっかりと沿う。これまた新感覚〜。
「ヘアアクセって大抵、つけてみると頭からぽこっと浮いちゃうんですよね。そうならないよう、ヘアサロンのオーナーである高良さんにアドバイスをもらって、頭の形にぴったり合うように、大きさや立ち上がり、幅や厚みを決めたんです。色んな人の頭の形を見てるからね、高良さんは。 どんな人にも合うようにとか、色んな場所につけられるように、まとめ髪にも下ろした髪にもつけられるようになど、色々考えてもらいました」
リボン付きのタイプはカチューシャにしたり…
ブレスレットにしたり。
軽くて留め具もしっかりしているから、毛が細くて少ない子供の髪でもしっかり留められるそう。これは、娘とシェアして使えそうだな〜。特別な日でなくても、シンプルなシャツにつけたり、まとめ髪にぽんっと刺したり、かごバッグに付けてもきっと可愛いよね。使わないときは、棚に置くだけで素敵なインテリアになりそうだなー。
結婚式にお呼ばれしたとき、綾乃さんにお願いして作ってもらった娘用の花かんむりもめちゃくちゃ素敵で好評だったけれど、コサージュなら大人の私だって楽しめるもんね。本物のお花を身につけてお出かけって、それだけでテンション上がる〜!のは、きっと私だけじゃないはず。何でもない日もハレの日にしちゃう june のフラワーアクセサリー、お薦めです☆
写真・文/中井雅代(編集部)
<<取り扱い店舗>>
Detail full(ディテール フル)
那覇市金城5-8-10
098-858-2828
open 11:00〜19:00
close 不定休
ブログ:http://detailfull.ti-da.net
快 こころ hair & make
那覇市金城2-3-9
098-987-0249
open:10:00〜19:00
closed:火曜・第3・5月曜
2015.01.27
定員に達しましたので、一度締め切らせていただきました。
こんにちは。カレンド編集部です。いつも取材で様々なお店の方のお話をうかがい、感心することが多い私たち。最近、聞くだけでなくて、教わって実践してみたい!という気持ちがムクムク。
そうだ、カレンドでワークショップを開こう!と思い立ち、第一回目を企画しました。
講師は、非加熱で圧搾するコールドプレスジュースの店「ON OFF YES NO(オン・オフ・イエス・ノー)」(関連記事:真っ白なキャンバスに溢れる鮮やかな自然の色。素材のまんま混じり気なしのコールドプレスジュース)の小田切さん。教わるのは、ローチョコレートの作り方です。
チョコレートって、好きでよく食べるし、カカオ豆から作られてることまでは聞いたことあるけど、どうやって豆の形から、トロトロのチョコレートに変身するんだろう。カカオ豆以外の材料は何なんだろう。そう、知らないことばかりなんですよね。
しかも、小田切さんが教えてくれるのは、加熱しないローチョコレート。それも、カカオ豆の皮を手で剥くところから! 全工程を学べます。
ON OFF YES NOでは、チョコレートもジュース同様、素材と製法にこだわっています。使うカカオ豆は、フェアトレード認証を取得しているパプアニューギニア産。その豆の豊富な栄養を壊さないためにゆっくり時間をかけて作ります。
このワークショップの醍醐味は、ちょっと根気の要るところだと、小田切さんは考えています。
「豆は、日本ではまだ希少なカカオの生豆を使います。撹拌は、フードプロセッサーを回し続けると温度が上がりすぎてローじゃなくなっちゃうので、48度を超えないように計りながら少しずつ撹拌するんですよ。すると、ちょっとずつ粘り気が出てきて、チョコレートになるんです。既製品のチョコレートバーを溶かして型に流すだけのワークショップだと、お手軽だけどちょっと味気ないじゃないですか? 根気もいるし時間もかかるけど、こういうワークショップがあっても良いんじゃないかなーと」
先日、北谷で開催された食の蚤の市「OKINAWA FOOD FLEA vol.2 」では、持って行った40セットが完売したという人気のチョコレート。完成品を一粒味わってみると、一般的なチョコレートとの違いにびっくりします。カカオ豆やナッツの香ばしさが印象的で、材料はシンプルなのにコクがあり、なんだか「ごはん」みたい。それに、もったりとした甘みがなく、あと味がさっぱりしている。
「食べ応えがあるでしょ? 一粒食べたら結構満足しちゃうんですよね。普通のチョコレートってついバクバク食べちゃうんだけど。味がしっかりしてるから、お酒と一緒に食べるって方も多いんですよ」
48度以下で調理するので、生のカカオに含まれるポリフェノールやトリプトファン、鉄分・マグネシウムといった30種類以上の栄養素も損なわれない。ごはんのように食べ応えがあるのも納得です。
参加定員は、15名です。私たちと一緒にチョコレートづくり体験して、ちょっとだけお料理上手になりましょう♪
豆から作るローチョコレートのワークショップ
日時:2015年2月7日(土)
場所:ON OFF YES NO(オン・オフ・イエス・ノー)
住所:那覇市樋川2-1-23(農連市場近く)
時間:14:00〜17:00
募集人数:15名
参加費:2,800円(ON OFF YES NO オリジナルの瓶付き)
持ち物:キッチンばさみ(豆の皮剥きに使用)、エプロン、筆記用具
お申込み:お名前、メールアドレス、お電話番号を明記の上
コチラまでメールにてお申し込みください。
※ 30分ほど冷蔵したチョコレートを型に入れたままお持ち帰り頂きます。自宅で完全に固めて完成させます。
※ 画像のチョコレートと、当日使用するチョコレート型は異なります。
2015.01.20
コールドプレスジュース Bronze ¥800
(・沖縄産にんじん ・沖縄産しょうが ・りんご)
沖縄産のにんじん、島にんじんをふんだんに使用した、根菜のもつ自然な風味と甘みが味わえるジュース。沖縄産のショウガをミックスし、甘さのなかにピリリとした個性を加えました。
ON OFF YES NO
〒900-0022 沖縄県那覇市樋川2-1-23
098 987 4143
関連記事:ON OFF YES NO(オン・オフ・イエス・ノー)
真っ白なキャンバスに溢れる鮮やかな自然の色。素材のまんま混じり気なしのコールドプレスジュース
2014.10.23
heartstrings ¥3,000
またまたやります、フリーマーケット。
今回は前半と後半に分かれ、出品者も変わります。
私、中井は、午前の出品でーす。
色んなテイストのお洋服たちが集まる予感…☆
お目当てが見つかったら、早めにお越しくださいませ。
当たり前ですが、早い者勝ちですよーん☆
開催日:11月1日(土)
時間:10:00〜13:00/14:00〜17:00
場所:CALND-OKINAWA 事務所
駐車場:3時間までサンフティーマに停められます。3時間より長く滞在予定の方は、市民駐車場をご利用ください。
今回は、前半に出品予定のお洋服たちを紹介しまーす☆
UNITED ARROWS ¥3,000(※未使用)
SHIPS(size 37) ¥18,000
BEAMS ¥2,500
不明 ¥2,000
WR(size 37) ¥2,000
AMARILLICO ¥1,000
BEAMS(ペチコート付き) ¥2,800
mio.y ¥5,000(※未使用)
KAPITAL リュック ¥10,000
不明 ¥2,500
khaju ¥2,000
Sybilla ¥10,000
不明 ¥1,000
MICHEL KLEIN ¥500(セットで)
2014.08.18
2014.08.03
ステンレスのキッチンカウンターが一際目をひく。天井は高く、広々としたロフトまでついている。真っ白な空間にシンプルなインテリアを配したこの部屋、実はホテルの一室だ。
1〜2泊のショートステイより、3泊以上の予約が断然多いと聞いていたが、その理由の一つはすぐに実感できた。
荷物を運び入れ、ソファに座って一息つくと、急に腰が重たくなる。いつもはすぐに外へと散策に行きたがる娘も、珍しく部屋の中で寛いでいる。ホテル感が強くなく、落ち着くのだ。勿論、所帯じみているわけではない。華やかな装飾を排したミニマムスタイルは、非日常感も味わわせてくれる。スペシャルだけど、カジュアル。そのバランスがとても良い。
高い窓からのぞく、抜けるような青空を眺めていると、からだ中のネジが緩んでいくのがわかる。今日はこのまま部屋でゆっくりしない? 海水浴も観光も、明日からでいいじゃない、なんて気持ちになる。そうなると、どうしたって2泊以上は必要だ。
「設計段階で、長くいても飽きないような部屋にしようと考えました。それで、できるだけシンプルにしたんです」
VILLETTINA(ヴィレッティーナ)の設計・運営に携わる比嘉幹(もとき)さんは語る。
ロングステイの予約が多いのには、他にも理由がある。
「設備を充実させました。一般的なホテルでは、まずありえないと思います」
1LDKタイプ(デラックス)は、16畳という広さ。
大きなキッチンカウンターは、IHコンロとシンク付き。近くの市場やスーパーで地元食材を買って帰れば、自分で島料理を作ることができる。
「調理器具や食器のレンタルも、無料で行っています。5泊とかってなると、毎日外で食べるのもちょっと違うよなーと思って」
さらに、ロングステイの大きな味方となるのが、各部屋に備え付けられた洗濯機とガス乾燥機だ。
「普通のホテルだと、あっても共有ですよね。1~2泊ならそれで事足りますからね。宮古島って、長期でのんびりするために来る方が多いんだなっていうのが、最近やっとわかってきたんです。もちろん、当初からある程度見込んではいたんですけど、実際にオープンしてみると5泊以上なさる方がとても多くて。ロケーションは抜群ですからね。あとは設備などのハード面をしっかり整えて、ここでの暮らしをより楽しんでいただこうと」
荷物置きや、寝るためだけの場所になりがちなホテル。でも、VILLETTINNA はそうじゃない。島での「暮らし」を楽しめるホテルなのだ。
玄関前からテラスに向かって長く伸びる土間も、ホテルには珍しい。
「海で遊んで帰ってきた時、足に砂がついていても気にせずぱっと部屋に入れる感じがいいかなーと思いまして。これだと掃除もしやすいですからね。よくあるカーペット敷きとなると、掃除が大変。せっかく海が近いので、気軽に海遊びしてきてほしいじゃないですか。また、自転車でそのまま乗り入れたりとかもできるでしょう? ちょっとハードに使ってもらえるよう設計しました」
土間にかぎらず、室内には一切カーペットが敷かれていない。また、壁は一般的なクロス張りではなく塗装仕上げだ。それには理由がある。
「VILLETTINA は、ペットも一緒に泊まれるホテルなんです。ですから、床は汚れても拭き取りやすいようタイル張りにし、壁は引っ掻いても剥がれないよう塗装仕上げにしました。土間があるので、散歩帰りでもそのまま部屋に入れます。土間とバスルームが繋がってますから、そっちで脚を洗えばいいわけです。
ペット連れ可能なホテルってまだまだ珍しいんですよ。でも、あるといいなと思っている人は結構いらっしゃると思いますよ。というのも、僕らはアパートなんかの設計もしているのですが、『ペット可の物件にしてほしい』という要望が意外と多いんですね。それが、このホテルをペット可にしたきっかけの一つです。
動物を飼ってると、気軽に旅行に行けないじゃないですか? 預かり先を探さないといけませんから。でも、誰かに預けるんじゃなくて、愛するペットと一緒に来られる、楽しめる。そういう旅を叶えるホテルにしたかったんです」
テラスも各部屋についていて、柵の向こうに海が見える。「掃除に入ると、よくここに飲み物の缶が置かれてます。みなさんこちらで飲みたくなるんでしょうね(笑)」
洗濯した洋服を干すための物干し竿も。
全室オーシャンビュー。
スタンダードタイプも11畳と広々。デラックス同様、天井高は3.7メートルあり、ロフトがついている。
ルームタイプは2種類あるが、どちらも大人は4名まで宿泊することができる。
「普通はだいたい大人2名までですよね。天井を3.7メートルと高くしてロフトスペースを作っているので、大人4名でも余裕で泊まれるんですよ。だから、宿泊形態としてはホテルというよりペンションに近いのかなと思っています。みんなでわいわい泊まる感じで。
例えば夫婦と子供、そして両親と5~6名で旅行に来たとします。普通は、親とはどうしても部屋を分けるじゃないですか? でもここだったら、みんな一緒でも良い気がしませんか? 考えるととっても楽しそうだなーって。自分も、親や子供を連れて来たいなーというホテルになりました」
宮古島と本島を毎週のように行き来しているという比嘉さんは、本島で生まれ育った。宮古島に長期滞在するようになったのはここ1年ほどだというが、今では「こっちに家を建ててもいいかな」と思うくらい、その魅力にすっかりはまってしまったと言う。
「宮古に1ヶ月暮らしてみてください。もう、帰れないですよ(笑)。とっても良いんですよ。すごく静かで、時間の流れがゆるやか。本島だってゆるやかだろうって言われちゃうかもしれませんが、同じ沖縄ではあるけど明らかに違うんですよね。
島自体がほどよくコンパクトなところも良いんですよね。どこ行くにしても何するにしても、目的地にすぐ着くから便利。渋滞もないですしね。忘れん坊さんにはうってつけですよ、すぐ取りに帰れますから(笑)。
ご飯を食べるのも楽しいですしね。どこ行っても知り合いがいますから、誰か誘う必要がないんです。良い人が多くて、すぐ友達ができるんですよ。お店のマスターとか大将とか、隣にたまたま座った人とか。酒飲み多いですけどね(笑)」
宮古島に長期滞在するようになってから、比嘉さんのライフスタイルも一変したと言う。
「休日の過ごし方も、本島にいるときとは違いますね。おうちでゆっくりお酒飲んで、窓開けて海眺めて…。他の人もそうみたいですよ。映画見たーとか買い物したーとかいう遊び方じゃないんです。日曜日何してたのーと訊くと、『ゆっくりビール飲んでたよー、海沿いでー。なんで来なかったー?』という感じで(笑)。そういうリフレッシュのしかた素敵だなーって。VILLETTINA の事務所からも、釣り竿持って海の方に歩いて行く人をよく見かけますよ。女性でもいますね。宿泊しているお客様も同じような感じですよ。『ちょっと港まで散歩行ってきまーす』という風に。
僕、もともとは全然アウトドアな人間じゃないんだけど、ここに来て少しアウトドアになりましたよ。本島にいるときは、海が近いようで行くのが難儀で…。でも、ここだと『1時間くらい釣りしてこよう』って気になりますよ。海がとっても綺麗ですしね。この間なんて釣りしに行ったら、こーんな大きいエイがいたんですよ。あと、ウミガメ!自分から5メーターくらいしか離れていない、すぐそこに。びっくりしましたね。
ここにいるとね、自然の中で遊んでいた子供時代に戻れるんです、本当に。
自分で暮らしてみても、お客様を見ていても、『やっぱり長期滞在したくなる場所だね、宮古島は』って思いますよ。人間的な暮らしができますから」
今後は、さまざまなアクティビティーの提案やセッティングも視野に入れていると言う。
「お客様と、事務所前のスペースでバーベキューしたことがあるんですよ。『この辺でバーベキューできる場所ないですか?』と訊かれたのがきっかけで。ここからちょっと歩くと海の見える公園もあるし、そこでやっても楽しそう。バーベキューのサービスがあっても良いのかなと思っています。
あとは、スキューバダイビングや釣りなどのセッティングや、僕らが面白いと思っているお店との提携サービスなんかもやりたいですね。
それと、障害者の方も泊まれるような仕組みも作っていきたいなーと。ぜんぶ実現できたら楽しいですよね、きっと」
宮古島の中心部から10分とかからない場所だが、隔絶された別世界のような、不思議な趣がある。目の前にはウージ畑が広がっている。滞在中、ホテル付近で見かけた島民は、畑仕事に向かう腰の曲がったおばあさんだけだった。静かな静かな田園地帯にたたずむ、シックな宿泊施設。その対比が面白い。チェックアウトする時には、「こんな所でずっと暮らせたら…」と、後ろ髪をひかれた。
「同じ沖縄でも、本島とは明らかに違う」と比嘉さんが言っていたように、宮古島には特別な時間の流れがあり、風景がある。そのせいで異国に来たような気持ちにもなるが、海外旅行と違い、もたらされるのは興奮ではなく弛緩。ぴーんと張り詰めていた糸がぷっつりと切れ、頭もからだもぐにゃぐにゃにほぐれていく。
高揚感に満ちた旅も良いが、徹底的にのんびりと、「人間的な暮らし」を満喫する旅も良い。VILLETTINA は、そんな旅を叶えてくれる。
文 中井雅代
VILLETTINA(ヴィレッティーナ)
沖縄県宮古島市平良字久貝248-11
0980-79-5364
※ペット連れ可能な部屋は、スタンダードタイプに限定しています。
関連記事:理想の空間づくりはひとつの家具から。30の個性ひしめくデザイン集団、LSD design(エルエスディデザイン)
関連記事:P+(ピープラス) 良質なプロダクトから始まるインテリアづくり
2014.06.23
「私が作ったゴーヤーチャンプルーを、初めて食べた夫が一言。
『…次からは、俺のレシピで作って』
ひどくないですか?!(笑)
でも夫の言う通りに作ってみたら、私のレシピよりずっとおいしくて文句言えず。
それ以来作り続けている夫レシピのゴーヤーチャンプルー、ご紹介しますね」
「材料はシンプル。
ゴーヤー、豚肉、たまご、島豆腐。
豚肉は、できたらロースが良いです。
島豆腐は半分だけ使って残りは保存。
白湯に入れておくと長もちしますよ」
「ゴーヤを縦半分に切って、わたをとります」
「刻むときの厚みがポイント。
薄めにします。2ミリくらいかな。
苦味が出づらく、シャキシャキした食感が残るベストな厚みなんです」
「これくらい!」
「豚肉は、食べやすい大きさに切ります。
しっかりと火を通したいので、私はわりと細かくしますね」
「豆腐も食べやすい大きさに。これで下準備はOK。
具材を順番よく炒めていきます」
「フライパンに油を敷き、まずは豚肉から炒めます。
炒める順番にも理由があるんですよ。豚肉を炒めると旨味が出るでしょ? それで他の食材もおいしくなるから」
「しっかり火が通ったら、お皿に移します。これが一番のポイントですね。
食材を1種類ずつ炒め、その都度取り出すんです」
「同じフライパンに油を足して、次は豆腐を炒めます」
「塩コショウをし、焼き色がしっかり付いたらOK。
これもお皿に移します」
「次は玉子。
ここで2つ目のポイント。使うのは半分だけ、残りは最後に入れるのでとっておきます。
炒り玉子を作ったら、これもお皿にとります。
ここでフライパンが汚れちゃったら、一度洗ってください。
そうすると、よりきれいに仕上がるので」
「最後にゴーヤーを炒めます。全体に油がまわったら、水を50ccくらい入れて、蓋をして蒸します」
「だいたい1分くらいかな。ゴーヤの量が少なかったら40秒くらいでいいかも。
私はいつも、キッチンタイマーでしっかり計ってます。
蒸し過ぎちゃうと、シャキシャキ感が消えちゃうから。
このレシピを夫から教えてもらった時、ゴーヤを蒸すのはすごい良いアイデアだなって思いました。
それまでは、炒めすぎて柔らかくなっちゃうことが多くて。ゴーヤの歯ごたえをほどよく残すことができなかったんですよ」
「習ったレシピは忘れないようにメモをとって、キッチンの引き出しにいれてます。ゴーヤーチャンプルー以外にも、色々教えてもらいました」
「夫に習うまで、ゴーヤーチャンプルーはずっと適当に作ってました。だから、炒めた具材をいちいち取り出すって聞いたときは、正直『面倒くさー』と思いましたよ(笑)。
でもね、出来上がったら彩りがきれいだし、おいしいし、具材の食感も良い。これは一手間かける価値あるなと。
実はね、1つの具材を炒め終わったら、その都度フライパンを洗うのが夫流なんです。でも、私にとってそれはあまりに面倒。そこで、私なりに一工夫。フライパンを汚しやすい玉子を一番最後に炒めるようにしたんです。そうすれば、いちいちフライパンを洗わずに済む。
それにしても、美味しい料理のためなら苦労を厭わない夫にはびっくりしちゃいますよ。この間なんて私が仕事から帰宅したら、パン作りしてましたからね。ホームベーカリーじゃないですよ、タネから作ってオーブンで。それも、1歳の娘の面倒みながら! 私にはできないなー」
「蒸したゴーヤに透明感が出たら、皿にとっておいた具材をすべてフライパンに戻し、混ぜあわせます。
味付けに鶏がらスープの素を少々」
「最後に、先ほど残しておいた玉子を入れます。
ざっと混ぜあわせたら出来上がり。玉子は半熟のままでね」
「玉子の食感も良いんですよ。とろっとした半熟のと、しっかり炒めたスクランブルエッグ状態の、どちらも楽しめるのが嬉しい。
やっぱりうちのは美味しいなぁー。これがあるから、手間を手間だと感じないんですよね」
2014.03.09
「僕、コーレーグース大好きなんです。でも、東京だと普通のスーパーには全然売ってなくて」
アートディレクターの植原亮輔(うえはら りょうすけ)さんは、いかにも残念そうに話す。
「一度どうしても手に入れたくて、結構本気で探したことがあって。自転車で3つか4つのスーパーをはしごしました(笑)。でも、なかったですね〜。
沖縄そばじゃなくても普通にラーメンとかうどんとか、何にかけても美味しいですよね。沖縄だとチャンプルーにもかけるでしょ? そのコーレーグースをね、自分で作れるセットがあれば面白いんじゃないかと思って」
沖縄料理に欠かせない調味料の1つであるコーレーグースは、泡盛に島唐辛子を漬け込んで作られる。
“ コーレーグースと琉Q(ルキュー)の琉球ガラス瓶 ” は、唐辛子の量を自分好みに調節してオリジナル・コーレーグースを作り、それを奥原硝子(おくはらガラス)が制作した瓶に入れて楽しめるセットだ。
「沖縄のひとが県外のひとに『沖縄ってこんな所だよ』と紹介できるような詰め合わせがあればいいなーと思ってたんです。このセットだと沖縄の味を知れるから。しかも自分で作れる。それが面白いなーと」
植原さんとともに制作に携わった「沖縄広告」のクリエイティブディレクター・仲本博之さんは、植原さんの言葉にうなずく。
「琉Qを、よくある土産ものにはしたくなかったんですよ。普段の生活の中に、沖縄の良いものを自然に取り入れられる。そんなカタチを目指しました。
本場の沖縄料理は県外ではなかなか食べられないけれど、野菜炒めやうどんならよく食べるでしょう? そこにコーレーグースをかけるだけで沖縄の味に変えられるんです。また、自分で唐辛子を漬け込むのも楽しいと思うんですよ。買った人や贈られた人が作業をするお土産って良いなーって」
作る工程を楽しむことができ、普段のくらしにもなじむ。
そんな琉Qのアイテムは、沖縄の「上等素材」でできている。
沖縄県本部(もとぶ)町には、無農薬・無化学肥料でアセローラを栽培している農家がある。“ 沖縄本部のアセローラジャム ” は、アセローラ果汁にてんさい糖・水・クエン酸・寒天だけを加え、保存料や着色料は一切使用せずに作っている。
「沖縄の良いところって何かな? ってよく考えてみると、沖縄自体が素敵なんだということに気づいたんですよね」と、植原さんは言う。
「太陽が輝いていて、海がきれいで、自然に囲まれていて。そういう環境から生まれる野菜や果物、塩だったりウコンだったり、そういうのがこの島の一番の魅力だと思ったんです」
東京を拠点に、アートディレクターとして幅広く活躍している植原さんが沖縄という地方の小さなブランドを手がけることになったのには、面白い経緯がある。その経緯を仲本さんが教えてくれた。
「障がい者の就労支援を行っている『沖縄県セルプセンター』からの依頼がきっかけでした。販売促進を手伝ってほしいというお申し出だったのですが、商品自体を新しく作りませんか?とご提案したんです。もっと多くの人に手にとってもらうためには、デザイン性など愛されるエッセンスを入れないといけない。一緒にブランドを立ち上げましょう!と」
「新ブランド立ち上げにあたって色々と考えたのですが、可愛いものって世の中にはすでに沢山ある。可愛さだけじゃなく、ストーリーや出会いを感じさせるように作れないかな? と思ったんです。沖縄のいいものってお土産品として紹介されることが多いじゃないですか? これまでにないカタチで、東京を含め全国に伝えたくて。
そこで誰に協力をお願いしようかと考え、すぐに植原さんにラブコールを送りました。面識もないのに長文メールを送りつけて、2万字くらい(笑)。 完全にストーカーですよね。
広告業界に携わっている人なら、植原さんを知らない人はいないでしょう。僕はずっと植原さんの大ファンで、これまでの作品も大好きだったので、ぜひお願いしたいと思ったんです。
僕、結構せっかちなんで、2万字のメールを送った次の日くらいにソッコー電話しちゃいました。『メール見ました?』『いや、まだ見てないです…』。そこでまた、2万字の内容を語って。受話器が熱くなるくらい…。はい、迷惑だったと思います(笑)。
でも植原さんはそんな胡散臭い僕を信じてくれて、すぐ沖縄に来てくれたんですよ」
二人は初めて顔を合わせ、沖縄の施設やショップをめぐり、新ブランドの立ち上げへと準備を重ねていった。
唐突な申し入れではあったものの、植原さんは以前から、沖縄に縁を感じていたのだと言う。
左から植原さん、仲本さん。
「僕、沖縄芸大で非常勤講師をしてるんですよ」と、植原さんは言う。
「1年に1回、2日間で8時間の授業をするんです。それがきっかけで沖縄の知り合いも増えてきて。グループ展とかイベントをやったこともあります。そんなときに仲本さんから2万字のメールをもらったんだよね。
僕、沖縄にはなんか縁があると思ってて。北海道出身なんですけど(笑)。こうしてなんやかんや沖縄に来る機会があるし、沖縄って『ウエハラ』さん多いですよね? 僕は『上原』じゃなくて『植原』なんですけど。それで、なんだか沖縄に呼ばれてる気がしてしょうがなかった。だから声をかけてもらったとき、これは縁だろう、ちょっと行ってみよう、と」
仲本さんとともにセルプセンターに赴き、資料や商品を見て回った。新ブランドの立ち上げには、植原さんもすぐに賛成したと言う。
「これ欲しい!とすぐに思えるようなものが無かった。でも僕、沖縄は好きだし、来ると必ず何かしら買って帰るんです。だから、これってどうしてだろう?と思って。よくよく考えてみると、いつも買ってるのってゴーヤとか、コーレーグースとかばかりで、いわゆる土産物として売られているものじゃない。だから、沖縄の自然とかそこから生まれる食品とか、沖縄そのものを感じられる何かを作りたいなーと」
セルプセンターは障がい者の就労支援事業所であるが、琉Qでは「障がい者が作った」という点をあまり大々的にはアピールしていない。その理由を、植原さんは次のように話してくれた。
「そこをアピールしなくても選んでもらえる、『良いモノ』を作っているからです。『障がい者が作ってます』という1点に頼ると、ブランドを長続きさせるのは難しい。 だから、モノが良いっていうのが先だろうと。
また、作り手のより高い収入に繋がるように、クオリティを追求することで付加価値を付けたいとも思いました」
「沖縄自体の良さを感じられる、良いモノを作る」という方向性が決まると、植原さんはプロダクト(工業製品)ではなく食品にターゲットを絞った。
「これまでの経験から、プロダクト販売の難しさを僕らよくわかってるんです。もちろん食品にも難しさはあるけど。
それに、震災以降特に食品へのこだわりがみんな強くなってるでしょ? 沖縄の食品の人気もますます高まってる。白砂糖より黒糖が良いんだよねーとか、沖縄の長寿食ってどうして身体に良いんだろう?とか、興味を持っている人が多いと思うんです。
でも一番の理由は、僕が沖縄料理大好きだから(笑)。 ほんと毎日食べたいくらいです。ゆし豆腐でしょ、ゴーヤチャンプルー、ソーキそば… ぜんぶ好き!」
沖縄料理をこよなく愛する植原さんが、琉Qのラインナップ第一弾に決めたのは「塩」だった。
「沖縄の塩は体に良いっていう話を前から聞いていたので、良いモノなんだって刷りこまれてたんですよね。
そこで仲本さんから、沖縄県初の塩製造メーカーである糸満の『青い海』さんを紹介してもらって。海水を汲み上げてきて、平釜でじっくり煮詰めて作るという、昔ながらの製法にこだわっている塩屋さんなんですよ」
サンプル品を手に取って。「すごい良い感じだねー! 何種類か並ぶと更に良いねー。店に置きたくなっちゃうよ、これ」
琉Qのアイテムは、そのパッケージも特徴的だ。並んだ文字に目を凝らすと、生産者へのインタビュー記事になっている。
「琉Qは『Q&A』を軸にしてるから、パッケージにも必ずそれを入れたくて。生産者へのクエスチョンとアンサーを載せているんです。パッケージを読めば、商品について深く知ることができるという仕組みです。
また、色合いもあえてシンプルにこだわりました。カラフルなパッケージは、最初から選択肢になかったですね。だって、埋もれちゃうと思ったから。沖縄のお土産ってポップなパッケージが多いんです。
僕は、『らしさ』っていうのは表現じゃなくて、考え方が作っていくものだと思っていて。どの都道府県もそうですが、◯◯と言えばこんな色やデザインっていう、凝り固まったイメージがありますよね。 僕の故郷・北海道にもあるんですよ。僕が住んでいた20年くらい前だと、キタキツネとか時計台とか、いかにもっていうのがテーマのものばかりで、なんだかお客さんに媚びてる感じがしていました。いつも思ってたんです、ろくなお土産がないなーって。
でも、北海道の良さってそこじゃない。 僕が思う北海道の良さは、素材そのもの。蟹!とかね。脚をぐるぐるに紐でしばった蟹そのものとかが、絶対一番嬉しいと思う。ごろごろした根菜類とか、そういうのを箱詰めにして。
沖縄の『もらって嬉しいもの』も、南国的なポップさには無いと思ったんですよね。何かもっと他にあるはずだって。それを探る上で、表現は別に気にしない。大切なのは考え方だと」
生産者の似顔絵は、植原さんと共にデザイン会社「キギ」で活躍している渡邉さんが描いている。「どれもご本人の写真よりちょっとだけ良く描いてあります(笑)。 本当にちょびっとだけね、嘘は全然入ってないですよ」
琉Qのウェブサイトには、「失恋した親友のために、沖縄でイケメンが集まるスポットを教えてください」「誰にも教えたくない飲み屋をこっそり教えてもらえますか?」など、思わずクリックしたくなるクエスチョンが並ぶ。植原さんのこだわりが、ここにも表れている。
「サイトをQ&A方式にするっていうのは、やっぱり沖縄に住んでるひとは考えないですよね。クエスチョンがないですからね。でも僕は『知りたい欲』がすごくあるから、自分の欲を満たすにはこの方式が良いと思って(笑)。僕だけじゃなく、沖縄県民じゃない人たちは沖縄についてもっと知りたいはずだから」
県外の人が出した「Q」に、沖縄県民が「A」を出す。植原さんのアイデアを軸にサイトを運営し始めると、想像以上に面白い結果になったと仲本さんは言う。
「僕たち沖縄県民にとっては当たり前のことが、県外では全然当たり前じゃなかったりするんですよね。今回は、県外の人が知りたい沖縄のことってなんだろう? って完全に受け身になって、届いた質問をそのままウェブに流しました。そこに寄せられた答えを、県外の人が見ると爆笑!みたいなことがあるんです。例えば、『ゴーヤが苦いのが苦手で。どうしたら食べられるようになりますか?』っていう質問に、あるおじさんが『じゃあ食べなければいいさ、ゴーヤは苦いもんだよ』って(笑)。他にも、『沖縄出身の彼の実家に挨拶に行くのですが、歌や踊りを断るにはどうしたらいいでしょうか』という質問に、『覚悟して踊りなさい』とかね。
そりゃそうだーっていうアンサーなんだけど、それをそのまま載せちゃうという、リアルなやりとりが面白いんです。
そんなやりとりに笑いながら、植原さんが言った言葉が忘れられないんですよ。
『やっぱり僕たちまだ、沖縄のこと色々知りたいんだなー』って」
仲本さんの話を聞きながら、植原さんもうなずく。
「実は、沖縄の情報誌があんまり良いと思えなかったんだよね。というか、もっと面白いところが沖縄には沢山あるはずなのに、紹介できてない気がして。
でも琉Qのサイトには、沖縄のナマの情報が集まってくるんですよ。県民から寄せられた『A』を参考に『あ、ここ行ってみよう』って、僕も活用してます。
『Q』は現在も募集中。今後の Q&A も楽しみだよね」
琉Qはまだまだ発展途上、新たに始めたいことは沢山あるのだと植原さんは言う。
「難しいことはわかってるけど、プロダクトもやりたいと思ってるんですよ。その第一歩が、琉球ガラスの瓶。これはコーレーグースを入れるために機能的にデザインされたものだから特別なデザインではないけれど、一歩ではあるかなと。
今僕が目をつけてるのはね、竹富島のうちわ! ただの葉っぱを蛇腹折りにして開いただけっていう、シンプルなつくりのものなんですけど。竹富島の売店で数百円で売ってたんです。それがかなりおしゃれで、すごくかっこ良くて、ひと目で気に入りました。あれを琉Qと絡めたいなと、実は思っています」
沖縄に住んでいると、なかなか気づかない土地の魅力やおもしろさは確かにあるのだろう。
色んな趣向や工夫で小綺麗に包み込んでしまうのではなく、「まんま」が良い。「まんま」はどの土地の、どんな暮らしにも馴染むから。
塩やジャム、バターやコーレーグースというカタチをとって、琉Qがそれを証明している。
写真・文 中井 雅代
琉Q(ルキュー)
http://ruq.jp
<お問い合わせ>
一般財団法人 沖縄県セルプセンター
沖縄県那覇市首里石嶺町4-373-1
098-882-5663
2014.01.09
「僕、左右にポケットが付いているズボンしか買わないんです」
設計士の赤嶺しげたかさんは言う。
それには、はっきりとした理由がある。
「あるべきところにその物が無いという状態がイヤなんですね。
子供用の爪切りだとか、ヘアブラシだとか、そういう細々としたものってすぐ見当たらなくなるでしょ? 探しものをする時間ってすごくもったいないし、非効率に感じるから、必ず置き場所を決めます。
出かけるときも同じ。出先でいちいちバッグの中を探らなくていいように、ズボンの右ポケットには鍵、左ポケットには携帯電話を入れると決めてるんですよ。だから、左右にポケットのあるズボンしか買いません。
また、日時や曜日を別々にチェックするのも手間なので、時計を選ぶときは必ず曜日と日付けの表示があるものにします。
几帳面すぎますかね(笑)?
確かに、人から見たら少しおかしいのかもしれませんが、貴重な時間を探しものではなく、すべて設計にあてたいと思っちゃうんですよね。生活のペースをしっかり保つことで、脳みそをフルに使えると思うから」
赤嶺さんの効率への意識や几帳面さは、設計にも表れている。
「家事動線には特に気をつけて設計します。
僕もわりと家事をやる方なんですが、動線が長いと労力を無駄使いすることになるでしょう? 家事って毎日のことだから、少しずつでも確実に疲労が蓄積されちゃうので、家事動線はできるだけ短くなるよう設計します。
また、作業台やテーブルなどの高さにも気を遣いますね。
立って使う作業台の場合、使う人の身長÷2プラス5センチ前後の高さがベストなんですが、低めのキッチンを使ってきた方は、高ければ高いほど良いと思いがちなんです。でも、その考えは危険。低すぎると腰を痛めますが、高すぎると肩がこりやすくなるんです。1センチの違いがその後のくらしを大きく左右するので、手は抜けません。
また、机やテーブルなど座って使う物は、高さ70センチが基準。椅子は40センチ。つまり、椅子の座面とテーブルとの距離は約30センチが基準です。そこから、使う人の体格によって下げたり上げたり微調整するんです。
ファストフード店やファミレスなどで測ってみると面白いですよ。お客さんの回転率を上げようと、わざと少し居心地を悪くするために、椅子とテーブルとの距離を25センチ以下に設定している所が多いはずです」
笑顔を絶やさず、いかにもおおらかそうに見える赤嶺さんだが、設計のこととなると徹底的に緻密になる。そのギャップには、施主である座喜味さんも驚いたと言う。
「初めてお会いした時からずっと、ニコニコキャラは変わらないんですよ。だけど、設計のことになると、とにかく細かくて真剣。施主である僕ら以上にこだわってくれて。
例えば、天井に埋め込む『ダウンライト』をいくつか取り付けたのですが、完成間際になって赤嶺さんが、『ライトを埋め込む穴を少し大きくできないか』と、電気屋さんに相談してるんですよ。理由を尋ねると、『光量を調節できないタイプの照明だから、後からもう少し明るい電球を入れたいと思ったときにちゃんと取り付けられるように』とのこと。僕らの考えが及ばないところまで考えてくれて、電気屋さんにも『すみません』と頭を下げていて…。
また、部屋を仕切る扉のサイズや枚数についても、綿密に計算してくれました。3部屋ある子供部屋は、子供たちが小さいうちは仕切り扉を収納し、一間として使うことは決めていました。赤嶺さんは、『扉の枚数や厚みによって、扉の収納スペースの幅が変わってくる。そのスペースも掃除しやすいように』と、『クイックルワイパーが入るには何センチ必要かな?』『掃除機はどうだろう?』と、職人さんと真剣に話し合ってるんですよ。僕らは、扉がきちんと収納できさえすれば良いと思っていたので、そこまで考えてくれるなんてびっくりしちゃいました。
設計を依頼したとき、『自分の家を造る気持ちでやります』と言ってくれたのですが、まさにその通りだなーと、何度も感心しましたね」
そうやって、細部までこだわり抜いた家の住み心地を問うと、座喜味さんは満足気に微笑んだ。
「住みやすさはイメージしていた以上! マイホームを建てた知り合いには、『住んでみると色んな不便や不具合が出てくる』という人が多いのですが、我が家は逆。住み始めてから『あ、赤嶺さんが言ってたのってこういうことだったんだー』と、設計の良さに気付かされることが多くて」
大きなキッチンと、テラスに面した開放的なリビングが心地良い座喜味さんの家。 「リビングだけでなくトイレや子供部屋も、日中は照明をつけなくても自然光だけで充分明るいんです」 季節によって変わる風向きを考慮して設計されており、夏でもクーラー無しで過ごせると言う。
人が集まる家にしたいという座喜味さんたっての希望で設けた、掘りごたつのある酒盛りスペース。「今週末は誰呼ぼうか?っていつも考えてますね(笑)」階段の手すりも、強度やつかみやすさ、子どもたちの安全性などを考慮して設計されている。
人の動きを注意深く観察しているという赤嶺さん。「人間工学を設計に活かしています。例えば玄関で靴を着脱するとき、人は必ずどこかに手をつきます。無意識にやっていて気づかないので、高齢者のいない家には、玄関の手すりは不必要だと思っている方が多いんですね。でも、手すりがないと壁に手をつくので、壁紙が手垢で汚れてしまう。そこで、靴箱を手がつきやすい高さにしたり、シンプルな平板の手すりを付けたりするよう提案します」
座喜味さんの奥さんのお気に入りは、トイレの横と廊下の突き当たりにある小さな坪庭だ。
「赤嶺さんから、採光と風通しをよくするために必要だと言われたのが作るきっかけ。でも、最初は1つで充分だと思っていたんです。すると赤嶺さんが、『ぜひ2つ作りましょう』とおっしゃって。2つも必要かな? と最初は疑問でした。見た目が良くなるだけなら、収納スペースにでもしたほうがいいんじゃないの? と思ったのですが、『長い廊下の奥まで風を通すには2つあった方がいい』と言われて。
住み始めてすぐ、赤嶺さんが言った通りだと実感しました。夏でもほとんどクーラーをつける必要がないくらい風通しが良いし、薄暗くなりがちな廊下がすごく明るくて開放感があるんです。坪庭1つだったら、きっと後悔していたと思います」
当時を思い出し、赤嶺さんも笑った。
「奥様が怪訝そうに『2つも必要なんですか?』と言ったのをよく覚えています。そして、『本当は3つ欲しいところですよ』と説得しました(笑)。
立地や方角にもよりますが、座喜味さんの家の長い廊下には、2つないと風が抜けないことはわかっていましたから。
また坪庭は、家の『遊び』の役割も担っています。住んでいる人が好きなように使えるし、暮らしや気持ちのゆとりにも繋がるんですよ」
マスブロックが印象的に使われてた外壁にも、赤嶺さんのこだわりが。「座喜味さん宅は公共施設に隣接しているので、向こうから丸見えだと困る。かといって普通の壁だと閉鎖的になりすぎてしまう。小さな穴の開いたマスブロックを使えば、陽の光も入るし、風通しも良くなります。また、座喜味さん宅に使用したマスブロックは、外側と内側でマスの大きさが若干違うんですよ。内側の方が少し小さくなっているので、家の中の様子が外から見えにくいんです。穴が小さめなので強度もあるし、利点が多いんですよ」
赤嶺さんは、自身が設計士を志すきっかけとなった、小学生時代のエピソードを鮮明に記憶している。
「小学6年生の時です。図工の課題でペン立てを作ることになったんですが、先生が『インスタントコーヒーとかブライトの空き瓶を、綺麗に洗って持ってきてね』って言ったんですよ。それに紙粘土をはりつけて作るからって。それに対して僕、すごい疑問を持っちゃって。なんで最初から決まってるんだ?って。実は、ペン立てを作ると聞いた瞬間、僕の頭に明確なイメージがポンって浮かんだんです。ちょうどその時期にはやっていた、コンバースのハイカット・スニーカーに見立てた木製のペン立てを作ろう!って。足首の部分がペン立てで、つま先部分は引き出しになっていて小物を入れられるっていう。そこまで細かくイメージができあがってた(笑)。
それを先生に話したら、『思うように作って良い』って言うので、急いで材料を準備しました。その材料をスケッチし、サイズを書き入れて、小学生なりに図面をひいてみたんです。準備した材料でおさめるには引き出しは小さく作らなきゃなとか、ペン立ての高さはこれくらい必要だなとか色々と計算して。僕が生まれて初めてひいた図面ですね。
実際に木を切って作る段階になると、図工の授業だけでは時間が足りず、家に持ち帰って削ったりもしてました。
みんなが紙粘土に色を塗ってそろそろ完成ってときに、僕のペン立ても接着剤が乾いてきていたので、つま先部分の引き出しを初めて入れてみることしたんです。図面通りに作ったつもりだけど、本当にちゃんと入るのかな? ってどきどきしながら。すると、『スーッ、ストン!』と綺麗に入って、奥行きもピッタリで。
その感覚が最高に嬉しくて、めちゃめちゃ感動しました。『うぉー、入ったー!』って(笑)。
こういうことを大人になってもやりたいなと、その時思ったんです。それがどんな職業なのか分からず親に訊いたら、『設計士じゃないか』と。
あの時コンバースのペン立てを作ってなければ、僕はたぶん設計士にはなってないですね」
高校卒業後、コンクリートを流し込む為の型枠職人として1年ほど働いた後、東京の建築学校へ進学。卒業後は、東京の建築事務所で経験を積み、沖縄に戻ると再度、型枠職人として2年間現場を渡り歩いたと言う。そして、建築事務所で働きながら建築士の資格を取得、2005年に独立して「一級建築士事務所 simple」を立ち上げた。
「事務所の名前はずっと前から決めていました。家事動線など、日々の暮らしで複雑になりがちな部分をできるだけシンプルにして、余った部分で楽しむ。ゆとりある生活ができる家になるように、という想いを込めました」
コンバースのペン立てが完成した時の感動は、今の仕事でも感じられますか? と尋ねると、赤嶺さんは満面の笑みを浮かべた。
「もちろんです。いや、今はさらに大きな感動をもらっていますよ」
どの家を設計するときでも、必ず心動かされる瞬間があると赤嶺さんは言う。
「座喜味さんと初めてお会いしたときもそうでした。 家作りに対する想いが人一倍強くて、自分で描いた理想の家のスケッチを持ってきてくれたんですよ。それを見た瞬間『おお!』って感動しちゃいました。自分の夢を絵に描いてきてくれる人はなかなかいないですから。
特にご主人がこだわっていたのが車庫。屋根付きにするのが夢だとおっしゃって。屋根付き車庫は人気なのですが、どうしてもコストがかさむので大体の方が諦めるんです。ご主人のスケッチを元に図面を描いて見積もりを出すと、やはりそれなりの金額になってしまって。
見積もりを座喜味さん夫妻に見せると、金額をじっと見た後にご主人が一言、『俺にまかしとけ』と。その次の瞬間、奥様が『私も半分頑張るからね』って言ってくれたんですよ。
一緒に頑張ろうとか、私も頑張るねというのではなく、『半分頑張る』という言葉は初めて聞きましたね。旦那さん一人に負担させるのではなく、家は二人で建てるものという奥様の考え方が垣間見えた気がしました。お二人の絆の強さを感じ、感動してウルウルきちゃいました(笑)。
家づくりって感動がたくさんあるんですよ。だから楽しい。施主様の言葉にグッときて、涙をこらえたことは数知れずあります」
座喜味さんの兄弟は自宅を建てる際、屋根つき車庫を諦めたと言う。「雨が降るとすごく不便らしくて。うちは絶対屋根付きにしたいと思いながらスケッチを描きました。そして、そこにハマーを停めたい。まだ持ってないですけど(笑)。それが僕の夢」と、ご主人。家の顔とも言える座喜味さん宅の車庫は、ご主人のスケッチをそのまま図面に起こして完成させた。
二世帯住宅の設計を依頼された際、90歳目前のおばあちゃんの言葉に胸を突かれたと、赤嶺さんは言う。
「たった一言、『私は、おじいちゃんがいる仏壇の近くにいたい』っておっしゃったんです。他には特に要望はないと」
おばあちゃんの唯一の望みを叶えるべく、赤嶺さんは試行錯誤した。
「最初は単純に、仏壇の裏におばあちゃんの部屋をつくろうと思ったんです。でも、それだと開放感に欠けた部屋になってしまう。
おばあちゃんは、もあい仲間やグランドゴルフ仲間などお友だちが多く、10名くらいで集まってお茶することも多い。それなら、お友だちが庭から直接行ける場所におばあちゃんの部屋をつくったらどうかな? と思ったんです。
その代わり、仏壇のある畳間に、おばあちゃんが腰かけやすい座椅子を置いてもらいました。朝はそこで、ゆっくり過ごしていらっしゃるみたいです」
仏壇の前におばあちゃんの居場所を作り、友だちと交流しやすい場所に部屋と縁側デッキを配置した。おばあちゃんの気持ちを大切にしつつ、今の暮らしを再優先に間取りを決めたのだ。
住む人の思いを叶えるだけでなく、さらにその先まで慮って提案する。
赤嶺さんはどの家を設計する際も、それを無意識にやっているのだ。
施主とのエピソードを語るとき、度々目を潤ませるその様子から、いかにも情に厚い赤嶺さん。
几帳面さだけでなく、生来の心根の優しさもしっかりと設計に反映されている。だからこそ、抜群に住み心地の良い家が生まれるのだ。
「赤嶺さんにお願いしてよかった」という声は広まり、simple のファンは確実に増え続けている。
写真・文 中井雅代
一級建築士事務所 simple
うるま市塩屋510-1 #105
098-974-2500
OPEN 火~金:10:00~20:00 土:10:00~18:00
CLOSE 日・月
HP http://simple2525.com
2013.11.29
ひっそりと上映していて、危うく見逃すところでした。
なんなの、この映画。泣ける~。
母が突然亡くなって、父がひとり住む実家に帰るというこのシチュエーションが自分とだぶるのでこの手のお話には弱いのね。
永作博美には、同じく母子ものの「八日目の蝉」で号泣させられましたが、本作でも彼女の泣きの演技が心を揺さぶる。
この作品においては父と娘、そして、義理ではあるが温かい母。
突然あらわれる、イモとハル。
母は突然心臓発作でなくなったというが、「四十九日のレシピ」が用意されている。
作品には描かれてないが、きっと何か予兆があったのであろう。
石橋蓮司は頑固で、怒ってないのに怒ったような話し方をする父、良平を好演。
うまい。うまいよね~。
とにかく温かい。
頑固なんだけど、そりゃ大事に育てた一人娘が、夫の浮気で戻ってくる。
娘との時間はもちろんうれしいんだろうけど、娘の夫にも話を聞こうと、夫の好物のイワナを持って東京にいくところなんか、もう私涙がとまりません。
このふざけた夫役を原田泰造。
私、この人大好きなのね。
最近は朝ドラにも出ているけど、非常に味がある。
「原田泰造」を話題にすると、私の周りの友人たちも口をそろえて「私、好きなんだよね~」という。
実に魅力的なひとだ。
で、このキャスティングは絶妙。
妻は夫の母の介護をしているのに、その間に浮気して、相手に子供ができてしまった、というトンデモナイひどい話なのに、この夫が憎めない。
なんか魔が差したんだろうな、と思わせる。
この浮気相手がもう嫌な女なのよ。絶対にこんな女とは一緒になりたくないと誰もが思うような。
おそらく、自分の子供はほしい夫。でも愛しているのは妻。。。。
勝手なんだよね~。
そんなこんな感じで、百合子は離婚届を残し、実家に帰り四十九日のレシピに従い、大宴会をするべく、父、イモ、ハルと準備をしていく。
それぞれのエピソードがうまく盛り込まれて、四十九日に向けて、観客の気持ちも盛り上がっていく。
いろんな人にたくさん感謝したくなるような映画。
キャスティングが本当に良い。
イモ役は二階堂ふみ。最初わからなくって、桐谷美鈴ちゃんかと思ったよ。
とってもかわいいです。
日系ブラジル人ハル役は岡田将生。これはちょっと微妙。あまりに外国人ぶりが不自然。
それでも、百合子も良平もこの二人に救われるんだよね。
二人だけじゃ、絶対にうまくいかなかった。
イモとハルもしかり。
すべての人物が、お互いに実は必要としていたときに周りにいたんだ、ということ。
それも亡くなった母、乙美さんの計らいだったのかな。
きっといろんなことを考えられる映画ですよ。温かくて泣ける。この時期にはぴったりの作品です。
是非。
KEE
<ストーリー>
熱田良平(石橋蓮司)が急に妻の乙美を亡くして2週間が過ぎたころ、派手な身なりのイモ(二階堂ふみ)が熱田家を訪問する。突然現われ、亡き妻から四十九日を無事に迎えるためのレシピを預かっていると言い彼女の存在に良平は目を白黒させる。そこへ夫(原田泰造)の不倫で、離婚届を突き付けてきた娘の百合子(永作博美)が東京から戻って来て……。
<キャスト>
百合子:永作博美
熱田良平:石橋蓮司
ハル:岡田将生
イモ:二階堂ふみ
浩之:原田泰造
<沖縄での上映劇場>
シネマパレット
那覇市久茂地1-1-1 パレットくもじ7F
098-867-1171
2013.11.26
「退去時の原状回復不要」という、貴重な賃貸物件に出会った S さん。
「震災を機に急に決めた移住だったので、とりあえず部屋を契約しなきゃ!と焦っていて。部屋の中の写真を見ることもなく、契約しちゃったんです。
初めて部屋を見たとき、正直ちょっとびっくりしちゃって…(笑)。
かなり古くて、想像以上に年季が入ってました。
でも、間取りは気に入ったんですよ。玄関側にも窓があって、ベランダと合わせて二方向から光が入るし。
それに、ダイニングとリビングの間のふすまを取ってしまえば、L字型のLDKとして広々と使えそうだなーって」
リノベを決めた S さん夫妻はまず、インターネットで情報を収集した。
「床の貼り方や壁の塗り方など、大抵のことはネットで調べましたね。細かいことは知り合いの大工さんに教えてもらって。
床板などの建材もネットで購入したんですよ。アウトレット品もあるので、かなり安く手に入りました。
床貼りなど大がかりな部分は夫にまかせて、私は主に壁やテーブルなどのペンキ塗りを担当。これがめちゃめちゃ楽しかったんですー! 仕事のストレスも溜まっていた時期だったので、ペンキ塗りで発散してた感じでした。無心になれるところがいいんですよね」
ふすまも白くペイント。そのふすまに囲まれた和室は寝室に。
ダイニングテーブルやキッチンカウンター、靴箱なども手作りだ。
「これまでも、オーディオ機器を乗せる棚とか、ちょっとした家具を作ったことはあったんです。部屋も家具もシンプルなのが好きなんだけど、市販のは気に入るものがあまりなくて。サイズが合わなかったり、予算オーバーだったり…。
DIY、おすすめですよ。ちょっとくらい歪んでても『かわいい!』って思えるし、好みのサイズぴったりに作れるし。キッチンカウンターは、夫が私の身長に合わせて作ってくれたので、すごく使いやすいです。
ナチュラルなインテリアが好きなので、お部屋のカラーは茶色と白をメインカラーにしました。そこに差し色で赤をちょこちょこっと入れてます」
リノベによって、中古アパートはすっかり様変わり。大家さんからも「あなた達が退去した後、この部屋だけ家賃上げようかな(笑)」と好評だそう。
「実は、まだまだ未完成なんです。作業しているうちに、あっちもこっちも手を付けたくなって。
これから玄関にタイルを貼り、トイレの床もフローリングにする予定です。
この部屋にすっかり愛着が湧いたので、しばらく引っ越すつもりはありません。
自分たちでお気に入り空間を作っていく『リノベ』、楽しいですよ〜」
写真 中井 雅代
※ Sさんは、自宅でネイルサロンを開いています。
Lico nail
open 平日12:00〜20:00/土日祝11:00〜19:00
close 火曜日
http://yayoinail.ti-da.net
※ご予約、お問い合わせはこちら※
◆Mail:yayoi.nail.okinawa@gmail.com
◆Phone:090-5599-3164
2013.11.20
Day2
ワンピ salus(ネット通販)
カーディガン 不明(ネット通販)
スニーカー NIKE(ネット通販)
Day3
ワンピ 古着屋で購入
カーデ 不明(ネット通販)
靴 不明
Day4
トップス 那覇ジャスコ
スカート 不明(フリマで購入)
靴 不明
Day5
ワンピ 不明(ネット通販)
靴 salus(ネット通販)
撮影 Maitoparta(マイトパルタ)
http://maito111.ti-da.net
洋服はもっぱら、インターネットショップで購入するという彼女。それはまた、どうして?
「おうちにいながら色んなお店の商品が見られるし、手軽に買えるからかな。洋服が好きなので、いっぱい見たいって思っちゃうんですよ。お店だと歩いて回らなきゃいけないけど、ネットだとクリック1つで色々見られて楽しい!
セールの時期には店頭で買うこともあるけど、ネットで購入する方がずっと多いですね」
とは言え、試着できないがために失敗した経験もあると言う。
「やっぱり、サイズの失敗は何度かありますねー。身長が高い私が着ると、膝丈スカートがワカメちゃんサイズになっちゃったり、ワンピースがチュニックっぽくなっちゃったり(笑)。
だから最近は、モデルさんの身長が書かれているネットショップで買うようにしてます。それ以来、ほとんど失敗しなくなりましたよ」
持っているアイテムにワンピが多い理由は、2つあるとのこと。
「まずは、ラクちんだから!コーデする必要がほとんど無いというか。
朝起きて、ぱっと一着身につけたら終わり〜っていうのが良い。あれこれ悩まないで済むのが魅力です。
もう1つの理由は、ワンピだと体型をカバーしやすいから。
私お尻が大きめなので、パンツスタイルが似合わないんですよー。絵本に出てくる『バーバ ママ』みたいになっちゃうんです、だるま系?(笑)。一応デニムも2本くらい持ってるけど、全然履かないですね…。
その点ワンピは有能。ウエストが少しきゅっとしていて、お尻の部分がふんわりしてるタイプだとばっちりですね。
より体型カバー力をアップさせるために、選ぶときには丈にも気をつけてます。ロングなら文句なし。ふくらはぎくらいの丈だと脚が太く見えちゃうから、足首とか膝とか、ちょっとくびれてる部分が出る丈を選びます」
ずっと好きなのは、はやりに振り回されないオーソドックスなスタイル。でも、最近気になるスタイルがあるとのこと。
「ゆるふわ系にチャレンジしてみたいんですよね。レース使いが素敵な服とか、いいなーと思うけどなかなか手が出なくて…。着こなせる自信がないんですよね。ああいう可愛らしい格好が似合う人を見るといつも羨ましかったんです。
とりあえず、得意のワンピからレースを取り入れてみようかな(笑)」
写真 中井 雅代
2013.11.17
インパクトのあるビジュアルに、まずノックアウトされた。
人気メニューの1つ、「アボカドチーズハンバーガー」だ。
パテやトマトの分厚さもさることながら、やはり目をひくのはワカモレ(=アボカドソース)の量!
上から蓋のようにかぶせるはずのバンズは、最初からそれを諦めて脇にちょこんと添えられている。
その豪快な見た目に思わず笑ってしまいながら、ごくりと生唾を飲み込んだ。というのも、具材のどれもが美味しそうだから。
両手でしっかり持ち、思いっきり大口を開けて豪快に頬張る。
ワカモレの味付けが、意外にも和風で驚いた。食感はまったりとクリーミー。これだけでも瓶詰めで購入したくなるほどの美味しさだ。
焼きたてのパテはふんわりと柔らかく、「じゅわわ〜っ」と肉汁が溢れてきた。また、分厚くカットされたトマトの酸味は、ワカモレのコクと抜群に合う。
「ハンバーガーはバランスが命ですから」
店主の岡勝(おか まさる)さんは語る。
「バンズ・パテ・野菜のバランスがとれていることが大事なんです。
ひとつひとつが主張しすぎず、しなさすぎず。これが全てですね。
ワカモレやトマトは、量が少なすぎるとパテに負けてしまうし、逆に玉ねぎは多すぎると辛味が強く出すぎてしまいます。
この辺は、何度も試作を重ねてベストバランスを見つけました」
もちろん、素材一つ一つへのこだわりも忘れてはいない。
ジューシーに焼きあがったパテを、これまたトーストしたばかりの熱々バンズに乗せる。
「ワカモレの味付けですか?…それだけは秘密にさせてください(笑)」パテの上にはオリジナルソースをたっぷりと。
これでもかとワカモレを盛る。「ワカモレは主役でありながら、個性的な素材たちを繋ぐまとめ役でもあるんです」
特にパテについては、ひき肉に使用する肉の割合にも工夫を凝らした。
「パテって、『ビーフ100%じゃなきゃ!』みたいなイメージがありませんか?
でも、それだとどうしてもパサつき感が出てしまうんです。実は、豚のひき肉を少し混ぜた方が柔らかくなって美味しいんですよ。だけど、ビーフ特有の食べごたえもキープしたい…。
そこで導き出した黄金比が、『牛:豚:牛脂=7:2:1』なんです。
また、豚肉には県産豚を使用し、食感を楽しんでもらうために全ての肉を粗挽きにしています」
たしかに、一般的なバーガーのパテと比べると、ふんわりとした柔らかさやジューシーさが加わり、とてもおいしい。パテというより、ハンバーグのような食感なのだ。
またバンズも、生地から作って店内で焼きあげていると言う。
「一般的なバンズよりも大きめに作っているのですが、生地を低温でじっくり発酵させているので軽いんです。
また、サクッとした食感になるよう、焼き上がったバンズをそのまま使うのではなく、カットしたあと再度トーストしています。
上から振りかけているゴマの風味もポイントですね」
今のバンズに行き着くまでは、レシピにも改良を重ねたと言う。
「最初はバンズの高さが出なかったり、だらーっとした生地になってしまったりと、思うようにいかず苦労しました。水分量を変えたり、発酵時間を調節したりと色々試し、やっと理想のバンズが完成しました」
ベーコンもまた、自家製にこだわっている。
こんなにたっぷり良いんですか? と訊きたくなってしまうほど厚切りにしたベーコンで作るのは、その名も「自家製厚切りベーコンバーガー」。
デンマーク産豚肉を仕入れ、毎週一度は自分で燻しているという。
「豚肉に下処理を施したら、塩漬けして数日置きます。その後、塩抜きして乾燥させ、最後に燻煙したらやっと完成。結構、手間ひまがかかるんですよ」
厚み1cm以上のベーコンが大胆に重なっていて、なんとも豪快な見た目。
自慢の自家製ベーコンは、塩・胡椒がぎゅっと染みこんだ濃厚な味わいで、ハンバーガー全体の味を引き締めている。
じっくり時間をかけて丁寧に作られているからこそ、うま味も凝縮しているのだろう。ついついお酒も頼みたくなる、大人な一品だ。
また、肉好きさんには何とも嬉しいことに、ベーコン入りだからとパテを抜かないのが Zooton’s 流。ベーコンとパテ、両方ともしっかり味わえる欲張りなメニューだ。
店内には、色とりどりの酒の瓶が並んでいる。
アルコール類は、昼間でもオーダーすることができると言う。
店内を照らす黄色い明かりと洋楽の BGM が、なんだか外国のバーに迷い込んだような気持ちにさせる。
岡さんは以前、横浜のバーで働いていた。
宮古島出身の奥様と結婚し、沖縄に店を開くことを決めたときも、最初はバー主体の店にしようと考えていたそうだ。
「メニューもたくさんあったんです。パスタ、ロコモコ、ピザ…、数えきれないくらい。僕たちが最初からハンバーガーを推していたわけじゃなくて。でも、ハンバーガーに人気が集中したので、他のメニューはどんどん削っていったらこうなっちゃった(笑)」
こうして、営業時間やメニューは、昼の営業を意識したものに変わっていった。
「ついこの間まで『うちはハンバーガー屋さんじゃないんだけどな…』と思っていましたが、今では完全にハンバーガー屋さんです(笑)」
今後はさらに、ハンバーガーへのこだわりを追求したいと岡さんは言う。
「ぜーんぶ自分でやりたい! と思うようになってきました。例えば、肉のかたまりを入れてひき肉を作る『ミートチョッパー』という機械があるのですが、それも手に入れたいんですよね。肉の挽き具合を自分で調整したくて」
冗談めかして、レタスも自分で植えちゃったり? と水を向けると、「そうそうそう、自家栽培もやりたい!」と、満面の笑みで返してくれた。
2013年11月には、首里に2号店がオープンする。
「2号店では、パンケーキにも力を入れています。
ハンバーガーのバンズのレシピは、調理師免許を持つ妻が考案したのですが、パンケーキも妻が作っているんです。
いろいろな店のパンケーキを食べ歩きましたが、妻が作るのが一番おいしいですね」
と、岡さんは照れながらも自信たっぷり。
バターミルクは北海道から取り寄せるなど、パンケーキにも岡夫妻のこだわりが詰まっているようだ。
岡さんは、新作の開発にも意欲的だ。
「魚を使ったハンバーガーを作りたいんですよ。でも、魚肉を叩いて成形し、衣つけて揚げたものをサンドするというような一般的なものではなく、ソテーした魚を使いたくて。
普段、肉を食べないお客様からのリクエストでもあるので、是非実現させたいですね」
ハンバーガーに対し、なんとなく不健康なイメージを抱いていた私の価値観を、Zooton’s は覆してくれた。罪悪感を抱かせるどころか、「良いものを食べたなぁ」と思わせてくれるハンバーガーがあるなんて。
ハンバーガーってすごい。岡さんのこだわりを聞いた上で、もう一度その姿をしげしげと眺めてみると、まるで皿の上の小宇宙のように見えてくる。
奥が深く、こだわろうと思えばどこまでもこだわる事ができ、各素材が絶妙な加減で主張しあって味のバランスを保つ料理。
軽食と呼ぶのもはばかられる気がするほどだが、Zooton’s は街の「ハンバーガー屋さん」として、気さくに私たちを迎え入れてくれる。
文 青木舞子/写真 中井 雅代
Zooton’s
那覇市久茂地3-4-9
098-861-0231
open
11:00-22:00(ラストオーダー21:00)
火曜のみ 11:00-17:00(ラストオーダー16:30)
無休
HP http://www1.ocn.ne.jp/~zootons
ブログ http://zootons0717.ti-da.net
Zooton’s 首里
那覇市首里山川町3-61-9-3F
090-4546-4234
open
月 11:00 – 16:00
水 – 金 11:00 – 16:00
土 – 日 10:00 – 16:00
close 火
ブログ http://zootons2.ti-da.net
2013.11.13