吉田


 
光に透ける麻布をつなぎ
暮らしに彩りをもたらす韓国のポジャギ。
お茶を飲みながら、
布の手仕事作品をご覧ください。
 
開催日と時間:11月11日(日)~23日(金・祝) 午後1時~5時
場所:陶房火風水(とうぼうひふみ)
住所:901-2422 沖縄県中城村新垣126
電話:098-995-7331
 
参加工房(友情参加)のご紹介
・ポジャギ教室「あん」(ポジャギ)
・T19☆LAB(布雑貨)
・紅型Lab邦(紅型)
・gauche(布小物)
・Yumi(フラワーデザイン)
・HATA(裂き織り)
 
ブログ:http://tobohifumi.exblog.jp
 

吉田

右手に「本」を 左手に「パン」を 心の真ン中に「愛」を持て!!

<出店>
古本:言事堂・ちはや書房・市場の古本屋ウララ
飲食:hal(パン・菓子)・楊香亭(肉たらしいパン)・めえみち(おむすび)・ひばり屋(珈琲)

今年は★お楽しみ抽選会★もあるヨ! 古本屋で1000円お買上ごとにくじを引いて豪華景品を当てよう!
 
開催日と時間
2012年11月3日(土/祝)
11:30~日暮れ17時頃迄
 
場所
珈琲屋台 ひばり屋
那覇市牧志1-2-12 理容たかまつ裏
*雨天時は、壷屋「KIYOKO SAKATAスタジオ」(壷屋児童館斜め向かい/「陶・よかりよ」隣)にて開催します。
 
http://hibariya.blog66.fc2.com
 

吉田


 
一般の方を対象とした実技講座です。
アクションペインティングを通して、いつもと違う自分に出会えるかもしれません。作品をつくりながら、自分の好きなように描くことの楽しさを感じてみましょう。
 
講師:桃原須賀子(画家)
日時:2012年11月23日/30日/12月7日*連続3回講座 金曜18:30~20:00
会場:県民子どもアトリエ
定員:12名
対象:一般
 
参加費:500円
参加方法
・全ての日程に参加可能な方が対象となります。
・参加希望の方は、事前申し込みが必要です。
・当館来館、またはお電話にて参加を受付けます。その際、お名前、連絡先(住所・電話番号)をお知らせください。
・応募者多数の場合は抽選にて当選者のみ後日、お葉書にてご通知いたします。
 
受付期間:
2012年11月8日(木)~15日(木)
 
HP:http://www.museums.pref.okinawa.jp/art/topics/detail.jsp?id=912
 

吉田

台湾カーニバル
 
台湾には現在14の原住民部族が公認されています。
台湾では先住民族という表記は滅びてしまった民族という意味となり、ここでは台湾方式で「原住民」と表記しました。その台湾の南部の台東県からその中のプユマ族の小学生32名が沖縄で来日公演を行います。
 
何故原住民がサンバなのか?
 
台湾ではここ数年、部族の伝統芸能離れが進み若い世代と伝統の継承が大きな課題となっていました。
そこで台北の文化財団「夢想社區文教發展基金會」の実験的試みで地域共同体の結び付きと年齢幅の広い参加者で構成されるブラジルのサンバを取り入れ部族の衣装で演奏。子供達は爆音の打楽器を叩き、部族の歌などを取り入れる試みがスタート。
年に一度台北で開催されるカーニバルには、サンバを練習している台湾全土の原住民の小中学校児童の演奏パレードが、大きな話題となっています。
 
 
その話題の原住民サンバ軍団の演奏が11月4日(日)に11時に平和通りをパレードします。プユマ族の民族衣装で子供達は演奏します。12時からは桜坂劇場で台北の今年のカーニバルの様子の上映。
そして子供達のサンバの演奏と、プユマ族の伝統芸能も披露します。
滅多にないこの機会にぜひ、隣国台湾のネイティブな芸能を体験しませんか?
 
前売りチケットは急いで桜坂劇場で!
(*とにかく驚きの美女ぞろい!)
  
 
開催日:2012年11月4日(日)
開場11:30 開演12:00
一般前売り 2000円
当日券 2500円
小中学生前売・当日共1200円
※各入場時別途300円の1ドリンクオーダーが必要
 
場所:桜坂劇場ホールA
 
http://www.deepbrabra.biz
http://sambabbb.ti-da.net
 
台湾カーニバル
 
台湾カーニバル
 
台湾カーニバル
 
台湾カーニバル
 

吉田

 
去年人気を博した、「サンマ皿講座」ご要望にお応えして今年も行います!
 
芸術の秋に、自分で作ったお皿で、プロの料理を盛り付けてもらって、お店の中で食べる!いつもと一味違った、ちょっとだけスペシャルな体験をご用意しました。
 
※講座の時間変更など、調整できる場合がございます。詳しくはご連絡ください。
  
 
開催日:11/3、10、17、24
時間:14:00~2時間程度
 
※最終日24日【サンマ実食会】18:00~
 
場所:陶芸体験…アバーン陶芸教室
   食事会……じまんや那覇店
HP:http://avurn.jp
 

吉田


 
チェンバロ生演奏によるフレンチバロック音楽を
聴きながら味わうボージョレ・ヌーボーパーティー
 
 
開催:2012年11月17日(土)
時間:18:30開場 19:00開演~22:00終演
  
那覇市大道在(チェンバロ奏者/宮城理恵子宅/参加者へ詳細通知)
 
チェンバロ&ボージョレ・ヌーボーのマリアージュ
チェンバロ生演奏によるフレンチバロック音楽を
聴きながら味わう
ボージョレ・ヌーボーパーティー
 
<申込先・問合先>070-5536-0177  famproject2012@gmail.com
  *お申込みされた方へパーティー会場の詳細をご案内致します*
<主  催>famproject / 企画広報 山城 静香
 
日  時 : 2012.11.17(sat)  18:30開場  19 : 00 開演
場  所 :那覇市大道在 宮城理恵子宅 沖縄ホテル近隣
   -お申込みいただいた方へ直接、詳細をご案内致します-  
 
 
  一  般 : 3,500 円 (ボージョレ・ヌーボー&フィンガーフード込み)
*ドレスコード/フレンチレストランへお出掛けするような装いでお越しください
  -座席数に限りがございますので、ご予約はお早めにお願いします-
♪- 2013初コンサートのお知らせ 2013.2.2(sat)開催予定-♪ 
15:00~子ども向けチェンバロホームコンサート(~中学生)  
19:00~バロック音楽とワインに恋するコンサート(一般)
 
~時空をはるかに超え、五感まるごとフランスへいざなうアダルティナイト~
かのマリー・アントワネットが愛した
チェンバロによるフレンチバロックと
選りすぐりのボージョレ・ヌーボーを味わいつつ
ホームパーティーならではのラグジュアリーなひと時をご堪能ください
チェンバリスト/宮城 理恵子  那覇市出身
ピアノを永山哲男氏に師事。東京音楽大学チェンバロ科を卒業後、ベルギー王位
ブルッセル音楽院に留学。
 
チェンバロ独奏、古楽室内楽の両科においてプルミエブリを取得。
現在、バロック音楽解説を交えたホームパーティー形式のワインとのマリアージュ
コンサートを中心に活動。
現在、主宰する音楽教室ミュゼットでピアノ・ソルフェージュを指導。
西大学院にて音楽概論の非常勤講師、那覇西高校においてフランス語の非常勤講
師をつとめる。
 

吉田

 

長かった沖縄の夏もようやく終わり、朝夕涼しくなって、
空は高くて清々しくて、どこまでも歩いていけそうな秋の一日。
 
『HADANAの秋の植木市』の準備にもせいが出ます。
HADANA
 
とても良い香の白い花が咲くホワイトジンジャー。
 
 
HADANA
 
育てて食べれるバジルとローズマリーはフェルトのバッグへ。
 
 
HADANA
 
ビロード状のアメジストセージの花
 
 
HADANA
 
まあるい葉っぱがかわいいウォーターコイン
 
 
HADANA
 
沖縄ではなかなか実をつけないオリーブに実がなるとすごく良いことがあったような気がします。
 
 
HADANA
 
秋になって水やりもラクチン!(涼しくなったので)
 
 
HADANA
 
秋の光を感じる畑。
 
 
HADANA
 
本日も快晴!
 
 
HADANA
 
『HADANAの秋の植木市』@MIX life-styleのお知らせ
 
秋の訪れに晴れた空は高く澄み渡り、すがすがしい新鮮な空気を胸いっぱいに吸い込むと体の中から元気になる気がします。
夏の暑さをしのいだ植物達もこころなしかほっとしているようにも見えます。
 
宜野湾市のMIX life-styleにてご好評いただいている『HADANAの秋の植木市』を開催いたします。散歩がてらにかわいい植物たちに会いにきませんか。
 
オリーブ、ウエストリンギア、果樹などいろんなお庭の植物がならびます。
開催中はHADANAも店頭にて皆様をお待ちしております。
お庭のこと、植物のこと、お気軽にご相談くださいませ。
 
HADANAへようこそ。
 
 
文 葉棚達也 
写真 葉棚由真
 
http://www.hadana-g.com
 
関連記事:HADANA(ハダナ)・葉棚達也 沖縄のくらしに合う「引き算の造園」を提案。

 

吉田


 
君のまわりにはどんなモノがあるかな?土・紙・ひもや段ボール…たくさんあるね。
それを使って、先生と一緒に作品をつくろう!
  
小学校高学年(小4~小6)
「身近な素材にふれよう!」
ひもや段ボールを使って版をつくろう。どんな版画ができるかな?
 
講師:比嘉良徳氏
日時:11月11日(日)10時~12時
場所:県民・子どもアトリエ
定員:15名 参加費:500円程度
申込期間:10/27(土)まで ※引き続き募集中!定員に達し次第終了します。
■先生からのコメント
自分の周りにある色々な物が簡単な方法で版画に利用できます。ただ、物の形を移すだけでなく、色々と工夫することで魔法のようにビックリする作品になります。そんなワクワクするような版画を作りましょう。
 
小学校低学年(小1~小3)
「紙をさわろう!」
紙の種類をいくつ知ってるかな?手をうごかしながら、変化を楽しもう。
講師:児玉 美咲氏(アーティスト)
日時:12月9日(日)10時~12時
場所:県民・子どもアトリエ
定員:15名 参加費:300円
申込期間:11/24(土)まで
■先生からのコメント
身近にある紙。折ったり、ちぎったり、貼り付けたり、少し工夫するだけでいろんなことができます。 紙の種類もたくさんあります。紙を使って世界を広げてみよう。
 
参加方法
・参加希望の方は、事前申し込みが必要です。
 プログラムによって申込み期限が異なりますのでお気を付けください。
・受付は、当館来館、またはFAX・郵送。*お電話における受付はできません。
 その際、希望する教室(番号)、お名前、年齢、連絡先(住所・電話番号)をお知らせください。
・応募者多数の場合は抽選にて当選者のみにおハガキにて開催1週間前までにご通知致します。
 
HP:http://www.museums.pref.okinawa.jp/art/topics/detail.jsp?id=892
 

吉田


 
孫本長は、何を求めて黄土高原に向かったのでしょうか。
そこで見たものは何だったのか。
孤高のアーティスト孫本長の残した作品の魅力に迫ります。
 
講師:安永 幸一氏(福岡アジア美術館顧問)
日時:11月10日(土) 15:00~16:00
会場:県立博物館・美術館 コレクションギャラリー1
※当日有効の観覧券が必要です。
 
HP:http://www.museums.pref.okinawa.jp/art/topics/detail.jsp?id=908
 

吉田


 
あなたが知っているのは、真実だと、言えますか?
 
女は、一晩で恋に落ちた。
男が愛したのは女の財産だった。
 
繰り返される夫からの暴力に、ようやく目を覚ました妻。
 
そして暴かれる、ウソとホント。
たくさんのウソから、見えてくるホントのこと。
 
秋の夜長の、男と女の物語。
「だましてあげる」。
   
 
 
開催日:2012年11月17日(土)
時間:開場19:30/開演20:00
場所:ハリジャンカフェ
住所:那覇市真嘉比339-6
   興南高校近く
   中山外科胃腸科医院裏 
電話:877-3999
ブログ:http://himitsukessha.ti-da.net
 

吉田


 
開催日:10月27(土)・28(日)
開催場所:沖宮境内
出店時間:12時 〜 夜8時
 

吉田

写真と文  田原 あゆみ

 
 
木漆工とけし
 
 
木地職人の渡慶次弘幸さんと、漆職人の渡慶次愛さん。
夫婦でもあり、仕事の上でもかけがえの無いパートナーである二人。
 
木漆工とけしのうつわはこの2人の魅力が形になっている。
 
木漆工とけし
 
 
 
二人の住まい兼仕事場はとてもシンプル。
好きなものを吟味して置いている空間には二人の美意識が静かに広がっている。
 
清潔で簡潔。
両方の言葉の中にある「潔さ」が空間に充ちていて、とても初々しくてさわやかだ。
 
きっと二人に出会った人は心から応援したくなるだろう、そんな魅力に溢れている。
 
 
木漆工とけし
 
彼らが作っている漆器にも、その簡潔さが顕われている。
 
作られたものをじっくりと見て感じていると、作り手の世界観がより色濃く伝わってくることがある。
人柄や、自分が知っていると思っていた作り手の知らない姿。
素っ気ないほど簡潔なものの背景から、感覚的に分厚く揺るぎないものを受け取ることがある。
静かだけれど、脈々と流れている時間の層を感じるような。
 
 
木漆工とけしの漆器からはそんなことを感じる。
 
 
 
 
木漆工とけし
 
木地師である渡慶次弘幸さんの使っている工具たち。
 
作り手が使っている道具と、その置き方から人柄や個性が見える。
渡慶次君の中には、かなりのご高齢のおじいさんが隠れているのではないか?と思うこともしばしば。
 
古くて、使い込まれたような味わいのある道具たちが新旧交え、まるでずっとそこに居たかのように収まっている。
 
 
 
 
 
木漆工とけし
 
仕事場にも生活空間にも、所々に彼らがうつくしいと感じるものがそっと展示されている。
自分たちの為に並べられているその展示物は、大概が個人的に価値を見いだしたもの。
自分が自分の生活と、ものづくりの為に戻る場所を思い出す為の展示のようだ。
 
 
弘幸さんはものをじっくりと眺めて吟味するタイプ。
自分の感覚で味わって、自分ならどう関わるかということを落とし込んでから言葉にする。
 
 
 
「木漆工とけしの作品を見ていると、とても簡潔で老成したようなうつくしさを感じるんだけれど、若いのにどうしてなのでしょうか?」
 
 
「目の前にものがあって、僕がいまそれを見ているのに、ここに在ってここに無いような、
時空が歪んでいるような感覚になるほどきれいだなって思うものとたまに出会うことがあります。
そう感じさせる要素ってなんだろうと考え探り続けながら、自分たちが作る普段使う器にも
そんな要素をそっと纏わせたいなと思っています。」
 
木漆工とけし
 
 
なるほど。
それで、木漆工とけしの漆器は自己主張しないうつくしさと、老成したような簡潔さがあるのだ、と私は納得。
 
「二人でやっていることも良いんだと思います。お互いの尖ったところや、自己主張が相手がいることでうまく押さえられているんだと思う。二人で一つの形にして行く過程で、お互いの我のようなものが取れてゆくんです。」
 
 
木漆工とけし
 
手前は弘幸さんが作ったうつわ。
その木地に愛さんが漆を塗って漆器が完成する。
 
 
弘幸さんと愛さんは、沖縄の工芸に関わるショップで働いている時に出会った。
今から13年前のこと。
 
弘幸さんはインテリアが好きで、空間にどういう家具を置くのかで全く雰囲気が変わることに興味を持ち、家具職人になろうと思い立ち、2000年から沖縄県工芸指導所(現 沖縄工芸技術支援センター)へ1年間通う。
 
そこから木地職人の道へと導かれるように進んでゆく。
 
 
 
木漆工とけし
 
弘幸君のろくろを挽く為の場所。
道具だけがあると、一体どのように使われているのか私には分からなかった。
座布団の前に置いてある木の枕のような道具は特に。
 
 
 
木漆工とけし
 
ろくろで挽いたうつわは左右対称の、一本軸が通った形だ。
それは作り手の軸そのものから生まれてくる形。
 
この道具は身体の軸を足で支える為のもの。
このために存在する道具の一つ一つにうつくしさを感じる。
用と美を兼ね備えた形。
 
 
木漆工とけし
 
そして私たちに与えられた手足が、しっかりとその役割の一つ「生み出す」という作業を支えているのが分かる。
頭も、感覚もすべて総動員して漆器の受け皿となる形が生まれる。
 
 
 
木漆工とけし
 
暑かったこの日、扇風機は回り、ろくろをまわす機械音と外を走り去る車の騒音、様々な音に囲まれているのに心はしんとして静かだ。
弘幸さんの集中と、ぶれない軸が場を整えているのだ。
 
 
 
木漆工とけし
 
 
自然界で時間をかけて育った木。
その木をうつわにして、人の生活の中で生かす。
その間につなぎ手のように存在するのが弘幸さんの仕事。
 
木の命が形を変えて、誰かの生活の中で末永く生きるように。
 
 
この材質はどんな形にするとその特性が生きるのだろうか?
どのようなフォルムが人の手や、唇にしっくりくるのだろうか?
自分がこの素材を使う意味ってなんなのだろう?
 
弘幸さんは哲学者のように自問しながら考え続ける。
 
ゆっくりと、けれど確実な手応えを体感するまで、その問いかけは繰り返される。
 
 
 
 
木漆工とけし
 
作業を見守る愛さん。
二人は兄弟のようにぴったりだと感じる。
雰囲気が似ているから兄弟という言葉を使ったが、二人がいてこの木漆工とけしという世界ができ上がるようなしっくりとした空気。
 
 
 
弘幸さんの作った木地に愛さんが漆を塗ることで、形の際がより濃くなってゆく。
漆を塗ることで、より確実な形の中に包まれ完成へと向かう。
 
 
そして愛さんの漆を塗る作業は輪をかけて淡々と繰り返され、より静けさに充ちている。
 
木漆工とけし
 
漆を塗る仕事場。
奥の方にあるのでより静かだ。
鳥のさえずりと、風がゆらす森の音が聴こえてくる。
 
 
 
木漆工とけし
 
 
 
漆は埃を嫌う。
塗師は埃が立たないように仕事場の掃除には細心の注意を払うという。
 
一通り目に見える埃を取り払った後、使っている漆を漉す所から一連の作業が始まる。
 
猫ちゃんも静かに協力、見守っているのか。
 
 
 
 
木漆工とけし
 
 
 
木漆工とけし
 
うつわの上の漉し紙の上に丁寧に漆を移してゆく。
うつわに残った漆は、ヘラできれいにへずり取ってゆく。
 
漆は「漆の木」の精。
漆を取ると、その木は枯れてしまう。
木のうつわを保護し、材質を安定させ長く保存することが出来る漆。
まるで漆の木がその姿を変えて、うつわとともに生きているような気がすることがあるほど、本漆には有機的で独特のうつくしさが宿っている。
 
 
 
木漆工とけし
 
漆は最後の一滴までとても大切に使われる。
 
 
木漆工とけし
 
 
漆の中の埃を漉き紙できれいに漉き取った後には、刷毛の中に入った埃を取る作業が待っている。
 
木漆工とけし
 
 
それらの行程を終えて初めて、漆を木地に塗る準備が整う。
 
 
 
木漆工とけし
 
 
愛ちゃんはとても丁寧に漆に触れる。
漆という不思議な物質に魅せられ、漆と共に生きることを選んだ人のたたずまい。
友人の中に、塗師(漆を塗る職人の名称)の姿を初めて見た。
 
華奢な彼女の身体とは対照的なもの、その中に宿っている道の定まった人の持つ強さやたくましさが伝わってくる。
 
木漆工とけし
 
 
漆は塗ったあと乾かされ、表面に漆が付着しやすいように研がれた後に再度塗り重ねられてゆく。
でき上がるまでの行程は、大体20~30ほど。
 
 
 
行事の時に使うピカピカに磨かれた特別の日の漆器とは違う、普段使いのための漆器。
一見地味だけれど、料理を持った時に盛りつけられた料理も、うつわも共に生きる容れ物。
 
その肌合いは、既に長く使われたような味わいがある。
 
 
 
「木や金属などのさまざまな素材が、自然と風化していく時の肌の表情に何ともいえないうつくしさを感じます。
時間の経過や、風や水や湿度等の自然の力が介在することででき上がる肌合いには、私たち人間の意図を越えたうつくしさがある。
 
外部の力を借りることで出来てゆくうつくしさを自分たちの仕事の中に取り入れることが出来ないか、二人で話し合っていろいろと試してみました。」
 
 
そうして、二人で話し合い、工夫し合って出来たのが現在の作品たち。
一見すると漆とは分からないような独特の肌合いを持つうつわたちだ。
 
木漆工とけし
 
中央にあるのが私も使っている風化した鉄の表面のような肌合いのうつわ。
 
乾燥の過程を調整することで、二人の意図を越えた風合いができ上がるそうだ。
じっと見つめていると一つ一つ全く違う味わいがあり、何とも引き込まれてゆく景色が広がっている。
 
触ったり眺めたりしながら、さまざまな感覚を楽しむことが出来る。
 
 
 
木漆工とけしのうつわもそうだが、普段使い用の漆器は質感がマットなものが多い。
それを使い込んでいくうちに、独特の艶が出てくるのが使い手にはとても愉しい。
 
中性洗剤を薄めて、普通に柔らかな布やスポンジで洗い、すすいだ後布で拭いて乾かす。
 
 
それを日々重ねることで、何とも言えない柔らかな輝きが漆器に宿ってゆくのだ。
製品となった後も、その景色はそれぞれに変化し続ける。
 
 
木漆工とけし
 
この日いただいた八重岳ベーカリーのクッキーを、6寸の皿にのせて。
楽しく会話し、笑い合いながらクッキーをいただく。
たまにクッキーたちを受け止めているうつわの肌や形を感じながら。
 
 
 
特別の日の晴れやかさは格別だけど、毎日の暮らしの中にこそしあわせがある。
好きなものを大切に使う。
長くつきあうことで、その変化を愛でる。
 
大切なものが、古びてゆく中にうつくしさを見いだせたら、私たちは時間を重ねることに抱く恐れからも開放されるのかもしれない。
 
 
 
木漆工とけしのうつわは修繕可能だ。
欠けたり割れたり、漆がはげたりした時にも時間はかかるが無償で修繕してくれる。
 
 
そこには人との関わりや、ものごとを通して様々なことを受け入れた心意気を感じる。
この仕事が、人生そのものへの信頼に根ざしているから出来ることなのかもしれない。
 
 
 
木と親しんで来た日本の文化の中で、漆器がその数千年の歴史に根ざしたものであるということ。
この夫婦が30代という若さで、その流れの中に根をおろして現代の生活の中に提案する普段使いのうつわたち。
 
 
「木漆工とけしが作る普段使いのうつわはどのようなものでありたいのですか?」
最後に私は聞いた。
 
 
「うつわはごく自然に生活の中に溶け込んでゆくものでありたいと思う。シンプルなんだけれど、何だか気になる、そんな感じが良いと思う。」
 
 
 
 
そんな二人が丁寧に作ったうつわたちがShoka:の常設になりました。
 
木漆工とけし
 
 
日々の時間の中で育ってゆくうつわ。
 
写真のうつわの殆どが、センダンの木で出来ている。
センダンは昔は女の子が生まれると庭に植えられて、その子がお嫁に行く時に倒されてタンスを作ったという木だ。
 
沖縄に育つ木で漆器を作りたい、そう思っていた二人はそのセンダンの木で普段使いのうつわを作ることにした。
軽く柔らかな木地を漆で固め、形を安定させる。
 
センダンの木は、沖縄に暮らす私たちの生活に寄り添う木として戻って来た。
昔の習わしには長い時間が培って来た理由がある。
二人がセンダンの木にその役割を再度与えたことにも、私は喜びを感じる。
 
それが一過性のものになるのか、これからどのような流れになってゆくのか、それは私には分からない。
けれどここに暮らす意味や、ものを作る意味を自問しながら、ものづくりを続けているこの2人の職人を私は心から応援している。
 
 
 
 
Shoka:の常設空間で、是非二人の仕事に触れてください。
 
 
 
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暮らしを楽しをものとこと
 
Shoka:
12:30~19:00
定休日 月火
 
http://shoka-wind.com

吉田


 
Webshopクラフト館では11月2日(金)~4日(日)の3日間 だけの実店舗をOpenいたします。
和紙の雑貨や月桃商品など日常で使える良質の商品を取り揃えました。
また、クリスマス・正月に向けてのグッズ、ウェディングペーパーグッズなど特別な日のアイテムをいろいろとご用意してお待ちしています。
 
 
開催日:平成24年11月2日(金)~4日(土)
場所:琉球和紙のクラフト館
住所:那覇市首里赤田町1-39
クラフト館HP:http://www.kraft-kg.com
クラフト館ブログ:http://y3kinrei.ti-da.net