NAKAI

 
中国人が「ごめんなさい」と言っているのを耳にしたことがあるひとはきっと少ない。
実は、私も記憶にあるのは1回だけ。
待ち合わせの時間から40分遅れでやって来た中国人女性に言われたのだ。
 
謝罪に対する意識の違いはさておき、
中国語でごめんなさいは
对不起 duì bu qǐ
 

 
对 duìの間には本来eが入っていますので、
dueìと言う気持ちで、隠されたeを意識して発音すると、ネイティブ発音に近づけます。
 

 
しかしこの对不起、滅多なことがない限り耳にすることはできません。
もし言われたら、相手は相当申し訳なく思っているということになります。
 
じゃあ、自分に非があると認めた上で、
“ 对不起 ” というまでもないと判断した場合、
中国人はなんというのか。
 
不好意思 bù hǎo yì si
不好:良くない
意思:気持ち
ですから、「きまりが悪い、心苦しい、恐縮だ、申し訳ない」というような意味。
自分の言動に対して謝罪する 对不起 duì bu qǐ とは違い、
状況に対して「いや〜、こんなことになっちゃって、悪いね!私も心苦しいよ。」
という、少し軽い雰囲気があります。
 

 
ですから、私に対して唯一謝罪してくれた中国人女性も、
遅れたのが40分でなく10分とか20分程度だったら、
“ 对不起 duì bu qǐ ” ではなく “ 不好意思 bùhǎoyìsi ” どまりだったのではないかと推測。
 
しかし、だからといって私たちがいちいち
「ここは对不起 duì bu qǐ を使うべき?
それとも 不好意思 bùhǎoyìsi ??」
と、シチュエーションごとで思い悩む必要はないのです。
自分が悪かったと思ったら、日本語同様、素直に
对不起 duì bu qǐ(ごめんなさい)
と謝ればいいのです。
 
とはいえ、気をつけなければいけない点もあります。
日本人はとかく謝ることに長けた(?)人々。
謝罪の必要がない場面でも「すみません」「ごめんなさい」を使いがち。
たとえば、仕事関係の知り合いとバッタリ出くわし、世間話をして別れるとき、
「ではまたー、すみませーん。失礼します〜。」
ここで、不好意思 bùhǎoyìsi や 对不起 duì bu qǐ を使うのはおかしい。
 
また、「ごめんなさい」と「すみません」の混同使用にも注意が必要。
たとえば人に呼びかける時の「すみません」に、不好意思 bùhǎoyìsi や 对不起 duì bu qǐ を当てるのはおかしいし、
日本語でもそうだけれど、「すみません」よりも「ありがとう」が気持ちの良い場面も多い。(人に何かをしてもらった時など。)
 
落としたものをさっと拾ってもらったとき、
ドアを開けてもらったとき、
「すみません」じゃなく「ありがとう」。
 

 
中国語教室の生徒さんが、仕事で中国人の同僚と会話したときのこと。
日本ではよく使われる「お手数をおかけします」、
中国語では
麻烦你了má fan nǐ le
 

 
麻烦má fan:面倒、迷惑
なので、「あなたにご迷惑をおかけします」という意味になりますが、
これを日本語の「お手数おかけします」と同じ感覚で多用していると
「今、ここでこの言葉を使うのはおかしいよ」
と指摘されたのだとか。
つまり、その中国人の同僚にとっては当然やるべき仕事であって、
それは「面倒」でも「迷惑」でもないのだから、と。
 
外国語学習は、それが何語であっても必ず母国語の見直しに繋がります。
普段決まり文句のように使っている日本語が、
外国語に訳すとちぐはぐな印象を与えることは多いのです。
 
不好意思 bùhǎoyìsi 、对不起 duì bu qǐ 、麻烦你了má fan nǐ le
のどれでもなく、
谢谢!
がピッタリくるという場面は、結構多いのです。 
 
那,今天到此为止了。
(今日はここまで。)
下周见!!
(また来週!!)
 
 
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担当:中井(お問い合わせ:080-1763-6144)
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NAKAI


 
日時:11月19(土)〜11月23日(水、祝日)
10:00〜22:00
会場:ZUK
(沖縄三越隣りの3階ギャラリースペースです)
 
コウサカワタルのプロデュースする三線、
一弦琴やカスタムサロッドやヴァイオリンなどを展示。
一部販売もいたします。
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NAKAI


 
大人のデニムスタイルは、
カジュアルに留まらず、どこかにエレガントさを添えたい。
 

 
組み合わせるのはフリルいっぱいのカーデ。
ホワイトだと可愛らしすぎる。
落ち着いたベージュを選んで。 
 

 
キーアイテムはビーズのクラッチバッグ。
 

Day8
 
デニムスタイルでもこんなにきちんと感を出せる。
「パーティー用に」と買ったクラッチバッグが、
クローゼットに眠っていないだろうか?
華やかなワンピースとだけでなく、
こうしてデニムに合わせたって良い。
それが逆に、カジュアル×エレガントの個性的なミックススタイルを生む。
パンプスは、バッグと同じゴールドで合わせて。
 

 
「こんなコーデもアリかなぁ?」
 
と、楽しげにチョイスしたのはグレーのシンプルカットソーと上品なワンピース。
 
トップス不要のワンピにカットソー?
 

some other day
 
ワンピの上半身を中に折りこんでスカートとして着用。
美しいプリーツが際立つ着こなし。
 
「スカート折っちゃうなんて、高校生みたい(笑)!」
 
 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

  
7着のアイテムで8つ(+1)のコーデを披露してくれた彼女は、
いつだってこうして笑顔でおしゃれを楽しんでいる。
 
初めてお会いしたときに驚いたのは、彼女が一般の主婦であるという事実。
子供が3人(長男は小学校4年生!)いて、家事と育児をこなし、
毎日忙しくしている普通の女性だということ。
 
「日々の仕事や家事に追われておしゃれどころじゃない」
という人もいるだろう。
でも、「忙しい」が口ぐせの女性こそ、
たまった家事に慌ただしくとりかかる前に、
明日も早いからとベッドに入る前に、
クローゼットの前に笑顔で立ってみてほしい。
せわしい朝には試す暇がない、普段とは違う組み合わせで遊んでみて。
一枚で着ていた短めワンピースに細身のデニムを合わせてみたり、
スカートとしか着たことがない上品なカーディガンをワークパンツに合わせてみたり。
「これはナイな・・・」「お!意外と可愛いじゃん!」
と、鏡の前で一人ファッションショー。
手持ちアイテムで新たなコーデを発見したらしめたもの。 
 
いつもはつらい朝、起きるのが楽しみになる。
いままでとは違う一日になる気がする。
そんな小さなハッピーが、心にゆとりを作る。
多少おうちが散らかっていたって鼻歌が出てくる。
仕事もなんだかスムーズに片付く気がする。
 

 
「何かと入り用で、自分の服にはお金をかけられない」
という声には、大きくうなづける。
でも、自分にぴったりマッチする服なら、高価でなくても素敵にキマる。
数年前に買った時は気分に合わず箪笥の肥やしになっていたけれど、
今着てみると「結構イイかも・・・」なんてこともある。
 
ワードローブを増やしたくなったら、
いつもの自分なら選ばない一着を、選択肢の中に残してみて。
それこそが、
「今のあなたの魅力を最大限に引き出す攻めの一着」
かもしれないから。
 
歳を重ねるといい加減なコーデはできなくなる。
何を着ても、若さと勢いでカバーしていた頃とは違う。
しかし、その事実は逆に真のおしゃれを追求するきっかけにもなる。
 

 
私は、自分よりも年上の女性がおしゃれを楽しんでいる姿を見るのが大好きだ。
自分にも明るい未来が開けるような気持ちになるからだけではなく、
若い人々よりもずっと多くの現実問題を乗り越えていることを知っているから。
 
身体のラインが変わる、
着たくても着られないデザインの服が増える、
おしゃれにかける時間もお金も制限される。
 
それでも彼女はおしゃれでいる。
 
そのことは、様々な人にハッピーを与える。
 
少し年下の女性に未来も明るいのだと伝え、
子供にとっては綺麗なママ、夫にとってはいつまでも美しい妻として輝き、
同年代には「自分だっておしゃれを楽しんで良いんだ」という勇気を与え、
あらゆる世代の男性に、ただいるだけで喜びを与える。
 
だから、おしゃれな大人女子はエラい!
そして、おしゃれになろうと努力する大人女子は、この上なく魅力的なんだ。
 

写真・文 中井 雅代

 

NAKAI


 
相変わらず、テリー・ギリアムの世界はよくわからないのですが、ヒース・レジャーの遺作として、観れて満足です。
 

 
私はなんの情報もなくこの映画を観たのですが、未完成部分を親友であるジョニー・デップ、ジュード・ロウ、コリン・ファレルがヒースの代役として演じたということを知りました。
 
それでもまったく違和感なく、この映画は進んでいくのが、さすがです。

ヒースへの深い愛情を感じます。
 
この3人の出演料は、ヒースの娘へ贈与されたそうです。
 
この代役に、トム・クルーズも立候補したらしいけど、あまりヒースと親交がない、との理由で、テリー・ギリアムに断られたそうです。
 
改めて、ヒース。
 

 

 
本当に素晴らしい役者だな、と。今回も大変、チャーミングでした。

鏡の中の世界で、ヒースからジョニー・デップに変わるシーンがありますが、彼らは意外と似てるんだな、と思いました。
 

 
あまりに違和感がなく、最初、一瞬気がつかなかったくらい。
 
コリン・ファレルに至っては、このひとはやはり圧倒的な個性で、素晴らしかったです。
トニーの裏の顔を見事に演じてました。
 

 
ちょっと気の毒だったのが、ジュード・ロウ。
この髪型は彼には酷だよね(笑)
 

 
この映画は、キャストがかなり豪華。
 
アンドリュー・ガーフィールドが出てます。「BOY A」の主演俳優ですが、このひとは、演じるたびに印象が変わる。
今後楽しみな役者です。
 

 
あと、この映画の紅一点、リリー・コール。
 

 

 
モデルとして大成功した彼女だけど、演技もできてびっくりです。

この幻想的な映画は彼女なしでは、ありえないでしょう。

見た目ちょっと、デヴォン青木に感じが似てる。

テリー・ギリアムが苦手な私でも、この映画は見やすかったです。

ヒース・レジャーとその仲間たちの映画を是非、堪能ください。
 

  

KEE




 
<キャスト>
ヒース・レジャー
ジョニー・デップ
ジュード・ロウ
コリン・ファレル
クリストファー・プラマー
リリー・コール
トム・ウェイツ
 
<ストーリー>
2007年、ロンドン。パルナサス博士が率いる旅芸人の一座が街にやってきた。博士の出し物は、人が密かに心に隠し持つ欲望の世界を鏡の向こうで形にして見せる「イマジナリウム」。博士の鏡をくぐりぬけると、そこにはどんな願いも叶う摩訶不思議な迷宮が待っている。
しかし、1000歳になるという博士には悲しい秘密があった。それは、たった一人の娘が16歳になったときに悪魔に差し出すという約束をしたこと。タイムリミットは、3日後に迫った娘の誕生日。一座に加わった記憶喪失の青年トニーとともに、博士は鏡の迷宮で最後の賭けに出る。彼らは娘を守ることができるのか?
 

 

NAKAI


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事務所のドアを叩く相談者の8割が、
既に施工して引き渡し済みのお客様からの紹介だという。
つまり、完成した家に対する施主の満足度がそれだけ高いということ。
 
「ここにお願いして本当に良かった。だからみんなに勧めたい。」
 
そう思われているということ。
 

 

 
お客様の満足度が高い所以を訊くと、
 
「とにかく、しっかり話をするからでしょうか。」
 
と、代表の儀間さんは控えめに話し出した。
 
「図面の内容すべてを理解し、納得してもらうことが重要だと思っているので、
ひとつひとつ細かく施主に説明します。
完成図の具体的なイメージをしっかり共有するために話をするので、
会う回数も多いし、かける時間も長いと思います。
 
だから、クレームというクレームはこれまで殆どありません。
あらゆることをちゃんと説明した上でお引き渡しするので、
『こんなことは聞いてない』というような問題も発生しません。」
 
完成した家に何らかの不都合が生じたり、不満を感じたりして、
「あのときああしていれば・・・」と悔やんだとしても、
その最終決定を自分で下したのであれば、しょうがないとあきらめもつく。
しかし、それが第三者によって決定されたものであれば、
どうしても遺恨を生むし、満足には繋がりづらい。
 

 

 
腰が低くいかにも穏やかな儀間さんだが、
 
「現場に対しては厳しいです。」
 
と断言する。
 
「施主の希望を履行するのが僕の務めですから。
よく知っている施工業者さんなら問題ないのですが、
沖縄だと施主の横の繋がりで『どうしてもこの業者に頼まないといけない』なんてことも多いですからね。
そういう場合は特に気をつけます。
 
施工業者さんだって最後に
『こちらの要望に応えてくれて本当にありがとう』
と施主さんから言ってもらえた時に初めて報われるだろうし、
頑張った甲斐があったと思うんじゃないでしょうか。
 
予算や技術など完成までには様々な問題が生じると思いますが、
途中で妥協してしまったら、施主だけでなく僕も施工業者も後味が悪い。
ということはみんなが不幸になってしまう。
施主、設計士、施工業者の三者全員が最後に心から喜び合える家を建てたいんです。」
 

 

 

 

 
施主の希望を叶えるためなら、進んで自分が悪者になると儀間さんは言う。
 
「工事中は本当に厳しいですし、何でも言います。
途中まで進んだものをやり直させるとあまり良い方向に進まないので、
やり直しせざるを得なくなる前にイメージを再度確認します。
再確認した上で間違った方向に進んでいたら、やり直してもらいますね。」
 
設計段階では施主との間に認識の差が生じないようとことん話し合い、
施工段階に入ったら、今度は施工業者との間でイメージを共有する。
 
「当たり前のことではありますが、
そこで少しでも手を抜いてしまうと、全員が満足を得る結果には結びつきません。」
 
施工業者から「あの設計士、難しいヤツだったな」と思われても、
施工業者と施主の関係は良好に保たれる。
 
「僕も、引き渡したあとも堂々とその家の前を歩けるようでいたい。
後ろめたいところがあってこそこそ隠れるのは嫌ですからね。
通ったときはあいさつできるように、というのが目標。
でも、現実的にはいかんせん時間がなくて・・・(笑)。
見られちゃうとどうしても1時間とか話し込んじゃうし、
忙しいので見つからないようにサーっと通ることが多いかな(笑)。」
 
引き渡し後、ほとんどの施主が家に招いてくれるという。
 
「普通の友達みたいになることも多いですね。」
 
完成したからそこで終わる、という脆弱な関係ではない。
ベストのゴールを目指すにはそれなりの時間がかかる。
毎回が選択の連続。
どんな細かなことも全て施主に提示し、検討してもらう。
後悔がないよう他の選択肢も提案し、意向を確かめる。
その誠実で念のいったやりとりが、厚い信頼関係を生む。
 

 

 

 
那覇や浦添の小さな土地に建てる狭小住宅や
変形地や高低差がある土地など、一風変わった土地に建てたいという施主の依頼が増えているという。
 
「普通の四角形で広々とした土地になら誰でも建てられますが、
変わった土地でハウスメーカーなどに設計を断られた方がいらっしゃるのです。」
 
土地の特質を生かし、短所を長所に変えるためには
設計の手間を惜しまない。
 
「これは38坪の土地に建築を依頼されたときのものです。」
 
そう言ってみせてくれたのはいくつもの設計プラン。
施主にとってベストの家を模索するために、あらゆる可能性を視野に入れて比較検討する。
ここでも
「あの部分をこうするというアイディアもあったのでは・・・」
と、釈然としない思いを施主に抱かせないよう心を砕く。
 
一戸建てを建築するならば、
機能性はもちろん重視したいが、デザインもゆずれない。
誰しもがそう思うのではないだろうか。
 
「逆に、デザインや機能性ではなくコスト面を何よりも優先させたいのであれば注文住宅を建てる必要はなく、
ハウスメーカーで建てた方が施主の幸せに繋がります。
何がベストの選択肢であるかは、施主それぞれによって違うのです。
 
だからといって、潤沢な資金がなければ注文住宅は建てられないというわけではありません。
こだわりたい所にはしっかりコストをかけ、
それほど重要でないと施主が判断した部分は材料のグレードを落としたりして安くあげる。
壁一枚造るか造らないかで、値段は大きく変わりますから。」
 

 
家を一軒完成させるには、
膨大な選択肢を一つ一つ全てチェックしなければならない。
床の素材や色、窓枠の種類、タイルの大きさ、コンセントの数と位置・・・
 
この気が遠くなるような提案、検討、確認の繰り返しを、
儀間さんは決していとわない。
引き渡した家の前を胸を張って通れるように。
施主とバッタリ顔をあわせても「その後どうですか?」と楽しく語り合えるように。
 
そして、儀間さんが施主と良好な関係を保ちつつも「時間がなくてつい素通りしてしまう」という家は、
県内各地に増え続けている。
 

文 中井雅代

 

間+impression(まアンドインプレッション)
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NAKAI


 
波のない静かな夜の海のような、
もしくは
雲のない冴えわたる夜空のようなグラデーション。
 
その色彩の魅力にひきこまれたあとに、
素材がニットであることを思い出し、少し戸惑う。
どんな糸をどのように編めば、この軽やかさが生まれるのだろう?
 
「重厚」というニットのイメージを覆して風になびく生地に、
思わず手を伸ばして触れたくなる。
 
色と色を跨いで浮かび上がるのは
見たことのない不可思議な幾何学模様。
 

 
プラザハウス社長 平良由乃さんは、
Catherine ANDRE(カトリーヌ・アンドレ)が描き出す色の世界にひきこまれた一人。
沖縄の人々にも直に見て欲しいと買い付けに行ったが、
コレクションの素晴らしさに圧倒され、
その中から服を選ぶことがどうしてもできなかった。
持ち帰る手荷物の重量には制限があるし、予算も限られている。
 
由乃さんはあきらめきれず、カトリーヌさん本人に
沖縄でコレクションを開いてくれないかと依頼した。
 
2006年をかわきりに、カトリーヌさんは毎年プラザハウスでショーを行っている。
それは「トランクショー」と呼ばれる、デザイナー自らが会場に出向いて新作コレクションを紹介するというスタイルだ。
年に1回だったのが去年からは2回に増えた。

10月にショーを行ったばかりのカトリーヌさんにお話を伺った。
 

 
——– トランクショーがよく行われるアメリカとは違い、ヨーロッパでは主流ではないとのこと。フランス人であるカトリーヌさんが、積極的にトランクショーを行うのはなぜでしょう?
 
「実際に洋服を着てくれるお客様と直にお会いするのは
私にとっても非常に重要なことだからです。
 
ショップのバイヤーは私のコレクション全てではなく、
その一部を購入してくれるわけですが、
その時に基準になるのはバイヤーの好みであって、
必ずしもお客様の好みすべてを考慮して選ぶことはできませんよね。
服の好みは人それぞれですから。
 
ショップスタッフがどれだけ『売り上げが良い』と満足していても、
お客様ご自身が本当に満足しているかというのは
お会いしなければわからない。
そして、それこそが何よりも重要なことでしょう?
 
パリでトランクショーをする必要はないんです。
自分のショールームがありますから、シーズンの始めにメインカスタマーをお招きし、お披露目会をします。
そこでは特別料金で新作をご提供し、
私はお客様がどういう着こなしをするのかチェックできるんです。」
 

 
——– エンドユーザーと直接会う機会は、カトリーヌさんに新たなインスピレーションを与えることもありますか?
 
「もちろんです。
というのも、会場にいらっしゃる方は最新のコレクションばかりを身につけているわけではなく、
数年前のものや、他のブランドの服など、
年代もブランドも超えたとミックスコーディネートをなさっていて、
それがとても興味深いし、また驚かされることもあります。
 
例えば数年前、コレクション会場で女性が着ているセーターにふと目がとまったんです。
『あのセーターは一体どこのブランドのかしら?』
不思議に思って訊いてみたら、
実は私のファーストコレクションのものだった(笑)。
自分が忘れちゃうなんて・・・と少し恥ずかしかったけれど、
同時にすごく嬉しかった。
だって、それはそれは素敵に着こなしてくださっていたから。」 
 
——– 亜熱帯の沖縄においてニットという選択肢は浮かんできづらいと思いますが、カトリーヌさんのコレクションは好調で、売り上げも年々伸びていると聞きました。
 
「沖縄の人々は色に対してとても繊細な感覚を持っていますし、
自然とも密着した生活を送っていますから、
私のインスピレーションやフィーリングを
同じように感じ取っていただけるんじゃないでしょうか。
私は東京にも足を運ぶけれど、東京の人々とは違う印象を受けます。
 
例えば、先日の沖縄での受注会で紅型作家の方とお会いしたのですが、
彼が持参した珊瑚や海の写真をまとめたフォトブックを見せてくださいました。
彼は私のコレクションをご覧になったあと、
『この服、まるで僕の写真のようだね!』
とおっしゃりながら、波のようなメランジ模様のワンピースを指差したんです。
言われてみると本当に、そのワンピースは海のように見えました。 
 
こういう出逢いがあるにつけ、
沖縄にはやはり特別な何かを感じますね。
 
また、ニットが重いというのは間違ったイメージなんです。
フランスの自宅近くに17世紀に建てられた美術館があるのですが
そこで高位の神父さんが手編みした、驚くほど編み目が細かく薄いニットを見たことがあります。
編みかたや編み目の細かさ、糸の選び方次第で、
ニットは軽くもなるし、風も通すのです。」
 

 
——– 次のコレクションに向けて、具体的なイメージはなにかできあがっていますか?
 
「実はね・・・私、サムライに興味があるの(笑)。
サムライのことを考えるとき、私はいつもフランシスコ・デ・ケベード(スペインの詩人・小説家。スペイン-バロックを代表する大家)の書いた古いオペラを思い出すんです。
主人公が白昼夢を見る物語。
白昼夢を長く見過ぎると、それが現実になる、そんなお話。
 
サムライは強くてハードな人々だったと思います。
でも、最初は可愛い男の子だったはずですよね。
そして小さいうちに母親と引き離され、
沢山の血が流れるのを目の当たりにし、
食べられるのは梅干しとご飯だけ。
 
サムライは見た目こそいかめしいけれど、
その鎧の内側には優しく繊細な心を持っていると思うんです。
私はその見た目と内面のコントラストがとても興味深いと思うし、
そういう対比を表現できたらと思っています。」
 

 
深く穏やかな湖のような瞳をまっすぐ相手に向けながら、
小さな声でささやくように話す人だ。
コーヒーにミルクを入れてかき混ぜる動作、
「どういったら良いのかしら・・・」
と質問に対する答えを求めて思案する時の首の傾け方、
そのすべてがたおやかで、非日常的な雰囲気をまとっている。
カトリーヌさんの周りだけ、空気の色もなんだか違って見える。
 
そんな彼女の口から「サムライ」という言葉が出てきたのは意外だったが、
「白昼夢」「内面」「優しい心」
とキーワードを結びつけていくと、
カトリーヌさんご自身が放つ日常から少し距離を置いたムードにも重なり、
その新たな世界感が目の前に開けていく気がした。
 
Catherine ANDRE を販売している Roger’s JARDIN(ロージャース ジャルダン)のスタッフたちは
みな少なくとも一着は自分の Catherine ANDRE を持っていて
取材当日はそろって着用していた。
「まずは一度着てみてください。
着ることでその真の魅力が伝わりますから。」
 
トランクショーの為に持参する服はすべてサンプル。
今回は来年の春夏もの。
受注会期間どなたでもいち早く最新コレクションを実際に身につけ、お気に入りを発注できる上に、割り引き価格が適用される。
(今回の受注会は終了済み)
 
Roger’s JARDIN には、今年の秋冬ものも揃っている。
触れるだけではなく、ぜひ一度袖を通してみて。
それがこの上なく上質であること、
そして、自分がスペシャルな存在であることに気づく。
 

写真・文 中井 雅代

 
 
Roger’s JARDIN(ロージャース ジャルダン)
プラザハウス1F
沖縄市久保田3丁目1−12
098-933-1141
open 10:00〜20:00

 

NAKAI

 
 
11/11(金) @大宜味村喜如嘉公民館
午後7時より
 
大人500円
高校生以下無料!
 
主催:2011コウサカワタル音楽会実行委員会
お問い合わせ 喜如嘉公民館 0980-44-3809
 

NAKAI

 
エイミー・ベンダー著  角川文庫   ¥740/OMAR BOOKS
 
― 誰かと関わって気付くこと ―
 
秋も深まり、そろそろ冬支度といきたいところだけれど、
いっこうに寒くならない。
それどころか蒸し暑いぐらいのこの数日間。
こういうのって読書にも影響する。
秋の夜長が涼しくないとなるとなかなか本も進まない、
なんて思いながら読み始めたのが
エイミー・ベンダーの長編小説『私自身の見えない徴』。
気付くとすっかりストーリーに引き込まれページが進む進む。
暑いのもなんのその、結局その日で読み切ってしまった。
 
主人公は二十歳のモナ。
彼女は10歳の頃に父親が原因不明の病になったときから、
いろいろなことを「止めること」を始めた。
唯一止めなかったのが「木をノックすること」と「数学」。
 
その彼女が、小学校で子供たちに数学を教えることになるところからストーリーは始まる。
その若さで何かを諦めてしまったような彼女が、
子供たちと触れ合うことで灰色の世界に色を取り戻していくようなお話。
  
この本の登場人物は皆、ぎりぎりのところにいる。
「止めること」、「木をノックすること」
でどうにかバランスをとっているモナ。
末期の癌に冒された母親が弱っていくのを側で見ることしかできない教え子のリサ。
数学の教師を辞めて金物店を営む孤独な店主、
個性的な傷つきやすい子供たち。
 
モナの思惑に反して物語は平和な状況から一転、
息を飲むような痛々しい場面を迎える(映画だったら絶対手で目を覆っているはず)。
 
この小説の魅力を例えるのは難しい。
重いテーマを扱っていながら決してじめっとした暗さはない。
作品の大部分はひりひりとした痛みと刹那が占めるのに、軽やかささえ感じる。
それがエイミーの新しさだと思う。
 
モナの父親が彼女の幼い頃に話して聞かせた最初のお話と、
公園でモナがレーズンアイスクリームを食べるリサに話して聞かせる最後のお話には胸を締め付けられた。
 
理不尽な、抗えない現実。
大人も子供もなくみんな歯を食いしばり、
かろうじて倒れずにいられるのは、
似た痛みを抱えた者同士がいたわり合うから。
 
「私自身の見えない徴」は自分だけではきっと気付けないもの。
誰かと関わって初めて見えるようになるもの。
 
アメリカでも人気の高い今後が期待される作家、
エイミー・ベンダーの切なく美しい物語。
ぜひご一読を。

OMAR BOOKS 川端明美




OMAR BOOKS(オマーブックス)
北中城村島袋309 1F tel.098-933-2585
open:14:00~20:00/close:月
駐車場有り
blog:http://omar.exblog.jp 
 
 

NAKAI


 
日時:11月12日(土)
17:30~ 篠宮龍三 トークライブ
19:00~ 篠宮龍三を囲んでのディナータイム 
オーガニック・ワイン&スペシャル・ディナー・コース 
料金:3800円
ご予約:浮島ガーデン TEL 098-943-2100
 
浮島ガーデンSpecial Presents
ジャック・マイヨールを超えた唯一人の日本人
『プロ フリーダイバー・篠宮龍三 トークライブ&ディナー』

 
酸素ボンベもつけず、海に素潜りするフリーダイビング。
人類史上たった5人しか達していない水深115メートルという極限の世界を知る
プロ フリーダイバーの篠宮龍三氏が浮島ガーデンに来てくれることになりました!
 
死と隣り合わせのスポーツ フリーダイビングを通して命がけでつかんだ
みんなに伝えたいメッセージ「One Ocean」について
フリーダイビングの映像を見ながら、お話をしていただきます。
 
深い海へ潜るには肉体だけでなく精神的にも鍛錬が必要。
心と体を良い状態に保つには良い食事しかないと語る篠宮さん。
食べものの重要性を誰よりもよく知る彼と、
心にも体にも良い浮島ガーデンのお料理を一緒に楽しんでいただきます。
 
篠宮龍三氏ブログ:http://ryuzo.number-blog.bunshun.jp
浮島ガーデンHP:http://ukishima.ti-da.net/e3667442.html