NAKAI


 
– – – プロダクトにも、語るべき言葉はある 
 
当店では家具と文具を主に扱っていますが、
文具に関してはメーカーが作ってる製品、つまり「プロダクト」が多いんです。
作家ものは今の所あまりなくて・・・作家ものを否定しているわけではないのですが。
 
品質が良い割りに価格が安いから、という理由もあるんですが、
メーカーの営業や企画の方とお話する機会が多くて、
当たり前なんですけどみんなすごく真剣なんですね。
製品一個作るために、企画担当がまず企画出して、営業の人が「これはダメだよ」ってダメだしして、みんなで「ああしなきゃこうしなきゃ」って煮詰めて・・・すごい沢山の人が関わってる。
良い大人が一つの便せんのデザインについてあれこれ言い合ったり(笑)。
そうしてやっと商品としてできあがったら、次は一生懸命売りに歩くわけです。
 
そして、関わっている全員がこれで食ってるわけです、家族を養ってる。
だから真剣度が違うというか。
そういう想いの強さをプロダクトに対して私は感じるんです。
 
作家ものだったら作家さんがダイレクトに想いを伝えられるけれど、
プロダクトは普通に買われていくだけ。
それは違うんじゃないかなって。
プロダクトにも、語るべき言葉はあるんです。
 


 
– – – 日本製品の使い勝手は最高峰、デザインとの間で妥協点が見出せればOK
 
実は私、以前雑貨メーカーの営業してたんです。
だから、自分の経験も関係してるのかもしれませんね。
 
メーカーにいたので、どうやって一つの製品ができるかをリアルに見ていて、
物ってそう簡単にできるものじゃないって知ってるんです。
お金もかかるし、失敗できないから。
様々な過程を経て淘汰されて、最終的に残ったものだけがこうして商品になって流通しているのだから、プロダクトって本当にすごい物なんだって思う。
だから、最終段階の手前にいる小売店がそれをお客さんに伝えなきゃって。
 
文具なんて特にそうですが、日本人の技術たるや、まさに世界最高峰だと思います。
フランス、イギリス、ドイツ等の製品はさすがにデザインは素晴らしい。
でも、ここまで使い勝手を追求して作っている国はありません。
とはいえ、日本の製品はデザインがイマイチの物も多い。
そこに妥協点が見つけられるかどうかってことなんです。
「これは無いわ」というデザインなら、どんなに便利でも当店で扱えないけれど、
「これだったら許せるわ」というラインであれば販売しています。
 


 

 
– – – 使い勝手も兼ね備えていないと、デザインとは呼べない
 
プロダクトだって、どれもデザイナーがデザインしてるんです、
それが「社内デザイナー」だってだけで。
でも、有名なデザイナーだから偉いというのではないと思うんです。
 
13年くらい前、ある世界的デザイナーがコンビニエンスストアと共同でステーショナリーシリーズを開発して売り出したことがありました。
それが文句なくカッコいいんですよ、でも使えない。
はさみはすぐ切れなくなる、テープカッターはテープが切れない。
どんなに見た目が素敵でも、使えないんじゃしょうがない。
 
結局、そのプロジェクトは2年くらいで終了、
製品も店頭からも消えちゃいました。
 
美しさと使い勝手のバランスを考えてデザインしたものでないと、
デザインとは呼べないんじゃないかと思うんです。
そういう要素を全てクリアして一つのものを完成させるのは実はすごく難しいこと、
だって、こんな有名なデザイナーも苦戦したわけですから。
 
私もデザインが優れたものはもちろん大好き。
でも、機能や使い勝手がある程度の基準まで達してない場合は販売しません。
そこはシビアに選り分けしています 
 

 

 
– – – オープン当初、品揃えも悪かったのにお客様は大喜びで
 
12年前、東京から主人のふるさとである久米島に移住し、
その2年後に本島に移り、すぐに主人とともに店を始めました。
最初はハーバービューホテルの近くにオープンさせたんです。
 
東京にいた頃、
「いずれは沖縄に行かないといけないんじゃないかな」
という想いは、漠然とありました。
 
15年前くらいに、東京で「第一次沖縄ブーム」があったんです。
喜納昌吉さんやりんけんバンドさんが大人気になって。
当時、「uruma」という雑誌も大きな書店に置かれてました。
その中で「マルチメディアアイランド構想」という計画が沖縄で行われると書かれていて。
「これからIT化が進んでどこでも仕事ができるようになるから、
沖縄のような人件費の安い場所に多くの『サテライトオフィス』ができるだろう。」
というようなことが書いてありました。
だから、
「こういうことに携わる人たちをターゲットにすれば良いのでは?」
と思ったんです。
先進的な分野で働く人たちが使う机や家具と、
文具を中心とする雑貨を販売しようと店を始めたんです。
 
でも、結局そのマルチメディアアイランド構想は言われていたほど進まなかったし、
ターゲットにしようと思っていた人々もこだわりどころが違うというのが、オープンして1ヶ月くらいでわかったんです(笑)。
 

 

 
また、オープン当初は品揃えも良くなかった。
というのも、仕入れ段階で「沖縄の店です」っていうだけでメーカーさんが3歩くらい後ずさりする時代だったんですよ。
沖縄には雑貨屋さんがそんなに多くなかったし、
その上「個人で始める」って言うと、代金を回収できないんじゃないかと怖がるんですね。
その頃、実際にメーカーさんが回収できなかった雑貨屋さんも結構あったらしくて。
店の規模も大きくなかったし、自分たちが思うような仕入れができてなかった。
 
でも、来てくださるお客さんはなぜか大喜びだったんですね。
なんでだろう?って思うくらい。
変な場所にあるし広告も出したことなかったのでごった返すことはなかったけど、
来たお客さんはとても喜んで帰って行く。
 
この手の店が当時はあまりなかったんですよ。
じゃあそれぞれ雑貨と家具のニーズをもう少し冷静に見極めて伸ばしていこうということになって。
 

 
– – – 男性のお客様が30分いても面白いと思えるように
 
家具については、問い合わせのほとんどがオフィス家具ではなく家で使うものでしたから、そういう物を多く置くようにしました。
 
雑貨は、「足りないのは文具だ」って私自身が感じてたんです。
文具って、子供から大人まで自分専用を持っていますよね。
自分の好みを一番反映するもので、価値観もそれぞれ。
デザイン重視、使い勝手重視、100円均一でオッケー・・・。
じゃあもっと選択の幅を広げても良いんじゃないかな?と。
 
また、男性って何でもこだわりを持って買うイメージがあったので、
男性のお客様が30分いても面白いと思えるようなお店が良いなと。
「男の人は裏切らないわ」とも思っていました(笑)。
女性は切り替えが早いので新しいお店に移ってしまいがちですが、
男性は一度気に入ってくれたら長くお付き合いして頂けると確信していました。
じゃあ男性が楽しめる分野は何かというと、文具かなと。
それで文具に特化していったんです。
 

 

 

 
– – – 「自分のお気に入り集めました」というのは違うんじゃないかと
 
特化する分野の決定理由は、自分の好き嫌いではないですね。
 
私、自分が好きだというだけで商品として売るのは違うんじゃないかと思ってるんです。
嫌いなわけじゃありません、もちろん。
ある程度の基準で好きな物ではありますが、
「自分のお気に入り集めました、これ買ってください」っていうような立場ではないと思っています。
そんなことは言えません、お金払って使うのはお客さんですから。
 
自分の目で見たり実際に使ったりして、
これだったら価格と使い勝手とデザインのバランスがとれている、
これだったらうちに来てくれるお客さんだったら使ってくれる、
という物を選びます。
 
お客様についてのイメージが明確にあって、
ものを使ってて「楽しいな」って思える人が良いんです、何でも良い人じゃなくて。
「これを使ってるオレってちょっと良いな」とか、
「このソファーを使えて私毎日幸せだわ」とか。
そういう方々が好きかどうか、使ってくださるかどうかを想像するんです。
 

 

 
– – – 「大きな店」の意識では動いてないんです
 
最初の店をオープンさせてから4年経った頃、
インテリアの問い合わせが増えてきたので別の店舗にわけたんです。
住宅地の奥深く、人知れずな場所に。
 
そうしたら、「こちらに移転してこないか」というお話を頂いたので
また一つの店舗に戻りました。

店が大きいので、
「もしかして金持ちがやってるんじゃないの?」とか
「もともと何か大きな仕事をやってたひとがやってるんじゃないか」って勘違いされがちなんですけど、全然そうじゃないんです。
つても友達もいないところで個人事業として始めて、
今の場所に移ったのはご縁があっただけ。
だから、大規模店の意識では動いてないんです。
 
沖縄にも、個人でやっていて雰囲気の良いお店がありますよね?
それと同じことをこのお店の規模でやりたいと思っているんです。
 
でも、その誤解がプラスに働くこともあって。
例えばメーカーさんが親切になりました(笑)。
 
以前は「これのサンプルください」って言ってもまずくれなかったし、
そもそも営業マンなんて来なかった。
もちろん、私たちのやりたいことを理解してくれて昔から協力してくださっているメーカーさんもいらっしゃいますが、
移転してきてから増えましたね。
 
そうなると、結局お客様のためになることが多いんです。
筆記具に名前をいれるのもお金がかかるんですけど、
「じゃあこの期間はキャンペーンということで無料になるように協力しましょう」
なんていう風に。
お客様にもメリットがあるし、
こっちに来て始めてできるようになったことも沢山あるから、
お店を広くして良かったなって今は思いますね。
 

 
 
– – – 家具を買うときはメリハリをつけて。気に入ったものは妥協しない、他の部分で削れば良い。
 
家具を購入なさる方は、新築や引っ越しを控えた方が多いので、
図面を頂いて、テーブル、椅子、カーテン、ソファー、テレビボード、という感じでトータルでご相談を受けて、予算をふまえて提案して行くことが多いです。
例えばカーテンなんかは特にスタイルや値段があまりにもピンキリなので、
お客様も自分がどういうものを求めているのか、はっきり把握している方は少ない。
なのでお話を伺ってこちらでピックアップしてご提案することもあります。
トータル予算がこれくらいだから、と、予算に応じて購入できるようご協力します。
 
とは言っても、椅子一脚からでももちろん販売していますし、
デザインは気に入っているけれど予算が合わないという場合は
似たような雰囲気で他の商品を提案させて頂くことも可能です。
 
当店にはデザイナーものでない家具もあります。
もともと主人の実家が家具屋をしていますから、
家具屋が扱う商品もご提供できるんです。
 
良い家具を長く使ってもらいたいという思いはありますが、
予算に合わない方をお断りするのではなく、色々な方向からご提案させていただいてます。
 
でも、こだわりどころはこだわって、メリハリをつけた買い方をお勧めすることが多いかもしれません。
好きな物をあきらめて妥協してしまうよりは、
気に入ったものは頑張って買って他のところで削る、という感じ。
 
「これが良い!」と納得したら買うという買い方、
私にも経験があります。
昔、1万5千円の洗濯機を買いにいったのに、
日本初上陸のイタリアメーカーのドラム式洗濯機を30万払って買った事があります(笑)。
店員さんの説明を聞いていたら
「洗濯機は絶対これが良い!」
って思っちゃったんですね。
 

 

 
– – – 10年前のソファが捨てられない。じゃあ張り替えたら良いんじゃないかな?って。
 
主人がメンテナンンスの技術も習得したので、
ソファやテーブルの傷の補習もお受けしています。
 
10年前くらいに買ったソファを買い替えようか悩んで来るひと多かったんですね。
その頃にある程度の金額を支払って買われたソファって
土台もしっかりして結構良いものが多いんです。
それを捨てるのも惜しい。でもへたってるし・・・って踏み切れない人が多くて。
 
だったら張り替えたら良いんじゃないかな?と思ったんですよね。
うちはお店だから新しい物を売った方が良いではあるけれど、
そんなに悩むということは今のソファーがお気に入りなんじゃないかな?って。
 
それで何度か張り替えをお受けしたんですけど、
お客様の満足度が非常に高くて。
好きで買ったソファが新品になって帰って来て、しかも捨てないですむから無駄にならないし、張り地が変わるからイメージも変わるし。
それで「嬉しい~!」って。
 
そうやって喜んで頂けると、やっぱり私たちも嬉しいですよね。
やってよかったなって。
 

 

 
– – – 何でも良いではなく、自分の基準で物を選ぶ
 
インテリアも文具も売っているけれど、売り方はだいぶ違います。
でも「使う物」という点は共通しているので、感覚は同じ。
そして、今後はオリジナルを増やしていきたいと思っています。
 
家具は、主人が図面を引いて作るソファやテーブルを既に販売しているので、
もっと数を増やしていきたい。
 
文具は、これまで相当数の商品に触れてきて、
「これがもうちょっとああだったらな~」って思う商品もあるし、
結局仕入れたい商品がないから扱ってないカテゴリーもあるので、
オリジナル商品でそこを埋めていけたら良いなと。 
 
店名の「module(モジュール)」は「基本単位」という意味。
その基本単位をお客様ご自身にしてはどうでしょう、という想いを込めました。
何でも良いではなく、自分の基準で物を選ぶ。
使っていて気持ちの良い物を、自分に似合う物を。
 

写真・文 中井 雅代

 
 
module(モジュール)
那覇市旭町116-37沖縄県南部合同庁舎1F
(「ゆいレール」旭橋駅から徒歩2分
バスターミナルから徒歩0分)
Tel 098-988-0865
Fax 098-869-6117
Mail info@module-okinawa.com
open 平日 10:00-20:30 / 日曜 12:00-20:30
close 第1日曜日
 
HP:http://www.module-okinawa.com
ブログ:http://module1.exblog.jp

 

NAKAI

Day1

ワンピース:COVER
パンツ:フレンチコネクション
スニーカー:コム・デ・ギャルソン × H&M
 

スカーフ:agnès b.
 
Day2

ワンピース:PICTURES
サンダル:GUCCI
 
Day3

トップス:LIUJI KINJO
バッグ:ベルギーにて購入
パンプス:サンエー
 
Day4

ワンピース:LEQUIO
パンツ:フレンチコネクション
靴:ノーブランド(ロンドンのビンテージマーケットで)
 
Day5

シャツ:LEQUIOSIAN
ジーンズ:ヴィンテージ
靴:GEORGE COX
 
Day6

ジャケット:中村洋装。
インナー:PICTURES
パンツ:ZARA
パンプス:サンエー
 
Day7

ワンピース:YOKANG
サンダル:GUCCI
  

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

 
「今までは沖縄ブランドにほとんど興味なかったんです。
でも、帰国した時見てたら『へ〜、カッコいいじゃん!』って。」
 
ロンドン在住の恵美子さん、
行きつけの首里のショップ「VIVACE」の服に
ロンドンで購入したヴィンテージアイテムを合わせるのが彼女流。
 
ブランドイメージをちょっと崩して着るのが好きだと言う。
 
「シンプルでシックな『COVER』のワンピは、
脚を出してヒールのパンプス合わせる人がきっと多いでしょ?
それも素敵だけど、私はスニーカー合わせたいな〜。」
 
LEQUIOSIANのシャツは、
ラバーソールの靴にサングラスでロックに。
YOKANGのワンピも、靴下を合わせてカジュアルダウン。
 
そういえば、ブランドイメージって着る側が無意識に作り出した部分も多い。
デザイナーのお友達も多い恵美子さん、
ブランドの可能性を狭めず、新たな魅力を引き出す着こなしはさすが。
 
「ブランド」というだけで、
つい敷居が高いと感じてしまいかねないが、
恵美子さんの着こなしテクが、その存在をぐっと身近なものに引き寄せてくれる。
 
サングラスやスカーフ、バッグなどの小物類にヴィンテージアイテムを使用すれば、
「沖縄ブランド」×「ロンドンヴィンテージ」のコラボコーデが出来上がり。
ロンドンのマーケットに行く機会が得られなくても、
古着や手持ちのカジュアルアイテム、プチプラ小物を合わせたらきっと面白い。

個性の強いアイテムも、
シンプルなパンツやデニムを合わせると、
一張羅から日常着に。
 
恵美子さんのように、自分スタイルで沖縄ブランドを楽しんでみては。
 

写真・文 中井 雅代

 
VIVACE
那覇市首里石嶺町4-318
HP:http://www.vivace-life.jp/index.html

 

NAKAI


 
「このカフェ行きたい!」「どこ?!」
とのお問い合わせが多かったカフェ。
「HADANA」さんの取材でお世話になった「cafe aura」は、恩納村にあります。
 
ランチのパスタ。
ほのかな辛味が効いていて、海の幸がトマトソースに合う☆
 

 
造りはシンプルでモダン。
でも、かっちりし過ぎないようにと、
床や壁の塗装はご自分でなさったそう。
 
家の後ろには木々、目の前には川(!)という立地も面白い。
 

 
大きなテラスから明るい日差しが射し込むので、
店内どこにいても屋外にいるみたいに気持ち良い。
でも、コンクリだからか中はひんやりで言うこと無し。
 

 
カフェの奥へと続く廊下沿いにあるお部屋は自室。
そう、お店と自宅が一緒になっているのです。
食事はあの気持ちの良いカフェスペースでとるとのこと。
羨ましい〜!
 

 
一番奥のお部屋はなんと、
エステのスタッフ山田さんによるアロマサロン。
茶色ベースでバリのスパのような雰囲気も。
「アロマを終えてそのままカフェでランチ」なんて流れ、最高〜☆ 
 

 
カフェオーナーのNさん、
とにかく明るい!
葉棚さんご夫妻とも仲良しで、
葉棚さんとNさんの豪快な笑い声につられて私も爆笑!
 

 
ご飯も美味しいし、目の前は川、すぐそこには海。
那覇で見る景色とは全く違う異空間。
時間の流れも違うような不思議な場所で、
テラスに座ってると永遠に「ぼー」っとしていられそう。
 
ご自宅が併設されているだけあって、
店全体の雰囲気がすごく親密な感じ。
スタイリッシュな外観と、
「やあやあ、いらっしゃい」という気さくさのミスマッチが素敵。
 
また必ず、「ぼ〜〜」っとしに行きます☆
 

写真・文 中井 雅代

 

cafe aura(カフェ アウラ)
沖縄県国頭郡恩納村字真栄田2253-3
098-989-9001
open ランチ:12:00〜15:00
カフェ&バー:18:00〜23:00
(15:00〜18:00の間はドリンクのみオーダー可能)
close 月
 
aroma salon Ruhe *
(アロマサロン ルーエ)
12:00〜19:00(最終受付)
ブログ:http://aromaruhe.ti-da.net
 
 

NAKAI

生活工芸プロジェクト・著 2,100円 リトルモア/OMAR BOOKS  
 
― 普通にいいもの ―
 
頭を使わず、お茶を飲みながらぼーっと眺めていたい本を一冊ご紹介します。
 
この本は金沢21世紀美術館で開催された『生活工芸』展に合わせて制作されたもの。
暮らしの目利きたちが選んだ生活工芸品が、淡い色合いを背景に収められている。
 
ポイントはそれらが全て生活の中で身近にあるものだということ。
木のボウル、ハンガー、ほうき、無地のトートバッグ、亀の子たわし、ボタンなど魅力的な品の数々。でもこれって普段私たちが毎日目にしているものだったりする。
 
ただ目利き(三谷龍二・深澤直人・高橋みどり・平松洋子、他14名)が選んだからとあって、選ばれた工芸品は皆、シンプルで使い勝手が良さそうで過剰な装飾がなく美しい。
  
「生活工芸」という言葉があるのかなあ、と思っていたらそれに答えるごとく、冒頭にガラス作家の辻和美さんの言葉があった。実際にそういう言葉はなく、「生活」と「工芸」を辞書で調べて合わせるとこういう意味になるそうだ
 
―暮らしの中の実用性と美的価値を備えた工作物―。
 
うーん。
でもこの展覧会のディレクションをした辻さん自身も分からないなりにやっていく中で焦点があってきたという。
この本をぱらぱらと捲っていくうちにその輪郭がなんとなく掴めてくるような気もする。
  
美術品のようにただ眺めているだけでは生活工芸品の価値は半分。
生活の中で長く使い続けて初めて本当の美しさを実感できる。
そう、美を実感出来るってことが一番大きいのでは、と思う。
 
この本のページを開いてみて、普通にいいものがこんなにある、と気付かされた。
100ものアイテムが並ぶこの本、目の保養になるのと同時に、
物の見方が変わる一冊です。
 
生活の中にお気に入りのものがひとつあるだけできっと毎日が全然違う。
自分のベスト生活工芸品をあげてみるのも面白いかもしれない。 
 
まずは身の周りにある小さなものの良さを見直して、大事にすることから始めてみよう。

OMAR BOOKS 川端明美




OMAR BOOKS(オマーブックス)
北中城村島袋309 1F tel.098-933-2585
open:14:00~20:00/close:月
駐車場有り
blog:http://omar.exblog.jp 
 
 
 

NAKAI


クリックで拡大します 
 
那覇の街中に散らばるアート系店舗が19会場(参加20店舗)の点(展)と点(展)を結んで、アートのカケラを拾い集める2週間です。
この期間中は、那覇の街にアートが溢れます。
 
 

                        

NAKAI

 
いろいろ好きなものってありますが、
理屈抜きで好きなもののひとつに長峰菜穂子さんの器があります。
これはもう無条件なものなのでなぜ?と聞かれてもいい返しが思いつかないのです。
しいていうなら、ずどーんと心にストレートが入ったとでも表現しましょうか。
(余計意味不明でしょうか・・)
 
長峰さんの器との出逢いは、数年前に訪ねた神戸の器屋さんでした。
たまたま拝見したのですがそのたたずまいに時間を忘れ、
「ああ、これ私逃げられない・・
といういい意味での囚われ感に浸ったものです。
 

 
こちらが当時私がトラップにかかった豆皿。
(多くの方はこの豆皿から長峰さんお器の魅力にとりつかれるようです。)
柿渋(白)やブロンズ釉(黒)で染められた豆皿は、
新しいものながらも、時を経てきたような落ち着いた空気はなっております。
 
こちらは大き目のプレート。
 

 
20cmと使い勝手のいい大きさのこのプレートは、
毎日使うので乾く暇がないほど我が家で大活躍しております。
さりげないふちの飾りがとても使いやすいです。
貫入の目立つもの、目立たないものありますが、これも手仕事ならではですね。
個人的には少し貫入のある方が、新品感が少なくて好みです。
 
大きめのオーバルプレート(約31cm)。
おもてなしにピッタリです。
普段はピッチャーやドライと合わせてお気に入りのシーンづくりをしても。
 

 
ピッチャーの美しさもまた絶品であります。
すぐに使うのはもったいなくって、花器として用いたり。
生花もドライフラワーも映えます。
 

 
現在私はお店屋さんをしておりますが、
お店を始める際、一番にお願いしたのがこの方でした。
店主をしていると目線が変わっていくのも否めないところではありますが、
この方の器を見ると理屈抜きの好きの大切さを思い出します。
「どこがどうだから」っていう理由づけは特にない大切な感覚なのです。

写真・文 占部 由佳理(tous les jours店主)

 
tous les jours(トレジュール)
那覇市首里儀保町2-19
098-882-3850
open:水~土
12:00-18:00
(変更あり。毎月の営業日をブログでお知らせしております。)
blog:http://touslesjours.ti-da.net




関連記事:ひとつ先のくらしを提案するtous les jours(トレジュール)



NAKAI


 
中国語の語彙が増えると、
 
可愛い
面白い
綺麗だ
 
など、簡単な一言を使いたくなりますが、
その時につい、それぞれの単語を単独で発音してしまいがち。
でもそれは、実は間違いです。
・・・厳密にいうと間違い、とは言い切れないのですが、
(例外もあるので。)
原則として、形容詞が単独で用いられることはありません。
 
その理由の一つとして、中国語は単語そのものの母音が少ないので、
単独で発音すると聞きとれない可能性が出てくるのです。
 
例えば日本語で「大きい」は
o-o-ki-i
と、4つの母音が含まれますが、
中国語の “ ” だと
da
という母音1つ。
 
「難しい」は mu-zu-ka-shi-i で5つだけど、
中国語の “ ” は nan で1つ。
 
だから、形容詞が単独で文中に使われてしまうと
話す側としては「これだけで聞き取ってもらえるかな?」と少し心もとないし、
聞く側としても聞き取りにくい状況に陥りがちなのです。
 
文の内容として
「『とても』可愛い」
「『少し』寒い」
など、「とても」や「少し」といった副詞の意味が含まれていれば、
それぞれ
 
「とても」:
非常 fēi cháng
太 tài
特別 tèbié

 
「少し」:
有点儿 yǒu diǎnr
 
などの副詞を形容詞の前に付け加えるので、
形容詞が孤立することもありません。
 
問題は、特に副詞が必要でない時、例えば
「この魚は美味しい」
とか
「あの子は可愛い」
という場合に登場する副詞があります。
それが、
很 hěn
という単語。
 
意味は「とても」と訳される場合もありますが、
「とても」の意味はありません。
もし、
很好吃 hěn hǎo chī
と言うと、それは「とても美味しい」という強調表現ではなく、
「(普通に)美味しい」という程度の意味に留まります。
 

很好吃 hěn hǎo chī

  
つまり、
形容詞を修飾するどんな副詞も必要でない場合に、
“ 很 hěn ”を組み合わせる
のです。
 
形容詞が単独で用いられる場合もありますが、稀です。
 

 
海外旅行するときに、
 
・おいしい(&おいしそう&おいしかった)
・とても(いろんな形容詞・形容動詞に足せるので便利)
・疲れた
 
という3語を現地の言葉で覚えてから行くと
旅行がぐんと楽しくなる、ということと、
 
好吃 hǎo chī
(美味しい)
 
の発音について、先週勉強しましたが、では
 
「とても美味しい」
 
はどう言ったらいいのでしょう?
 
“ 很 hěn ” に「とても」の意味はありませんので、 
先述の
非常 fēi cháng/太 tài/特別 tèbié
などと組み合わせるのです。
 

非常好吃 fēi cháng hǎo chī
 
「可愛い」、「きれい」、「面白い」
といった簡単な形容詞表現を使う際、
それ単独で
“ 可爱 ” , “ 漂亮 ” , “ 有意思 ”
などと言わず、
“ 很 hěn ” をつけるのをお忘れなく。
 
これがないと、急に中国語のたどたどしさが出てしまいますが、
逆にこの一語を付け加えるだけで一気に「こなれ感」が出る、
なかなかお得な単語なのです。
 
 
来週も、すぐに使える一言を
発音のコツを織り交ぜてご紹介するのでお楽しみに☆
 
那,今天到此为止了。
(今日はここまで。)
下周见!!
(また来週!!)
 
 
*毎週木曜に激安中国語教室やってます♪
無料体験レッスンも受付中☆


中国語教室「笑容(シャオロン)」
豊見城市宜保17 3F(宜保公民館近く) MAP
担当:中井(お問い合わせ:080-1763-6144)
☆レッスン料:2,500円/月4回
(1時間のみの参加でも2時間の参加でも料金は同じです。
初心者の方の中級者クラス受講も大歓迎。
無料体験レッスン受付中☆お電話ください。)
 
<初心者クラス>
毎週木曜日
19:30~20:30
*テキスト「読めて話せる中国語」を使用。
発音に力を入れた授業を行う。
基本的な日常会話の習得を目指す。
<中級者クラス>
初心者クラス終了後
20:30~21:30
*2~3名のグループによるミニ中国語劇スタイルの授業。
会話文を学習、暗記し、テキスト無しの会話劇を行う。
実際の会話シーンに近い状況を作り出し、実践に役立つ授業を目指す。
 

NAKAI



 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 
「ぴかぴか〜って感じはあんまり好きじゃなくて。
使い込まれた、味のあるテイストが好み。」
 
と語るのは、インテリア関連の仕事に長く従事している奥様の由真さん。
 
共通の趣味であるサーフィンをきっかけに出逢ったご主人と、
「いつでも波に乗れるところに」
と沖縄に移住。
最初は土地勘もなくアパートを転々としたが、
ご主人の起業をきっかけに
倉庫兼住居になる物件を探した。
 
「最初ここに案内されたときは、ほんっとにぼろっぼろ(笑)。
木製の壁をひっぺがす所から始めて、
出てきたコンクリに自分たちでペンキを塗って・・・。」
 
改造前の写真を見せてもらうと、その古びた姿に唖然。
それがこんなに素敵な空間に変わるのなら、
中古物件のリノベーションも悪くない、と思える。
 
由真さんのセンスの良さが随所に光り、
「HADANA」関連記事:HADANA(ハダナ)・葉棚達也 沖縄のくらしに合う「引き算の造園」を提案
のオーナーであるご主人、達也さんが配置したグリーンが最高のアクセントになっているが、
 
「お金は全くかかってないんですよ。
改造費も格安で済んだし、インテリア自体にも。
ソファーはお友達に作ってもらったものだし、
テーブルは主人の手製。」
 
そう言われて改めて仔細に検分してみると、
デザイナー家具など、高価そうなインテリアは見当たらない。
しかし、ご覧の通りのハイセンスな空間。
一体どうして?
 
「物は増やさないようにしています。
可愛い雑貨やインテリアってもう、無限にあるでしょう?
買ってるときりがなくなっちゃう。
もちろん好きなんですけどね、我慢してます。
 
今置いてあるのは、本当に気に入って買って、昔から大事にしている物だけ。
持ち物からその人の歴史や背景が伺い知れるような空間が好きなんです。
だから、大量生産系のお店でインテリアや雑貨を買う事もないですね。」
 
部屋に通された瞬間に、
葉棚夫妻との距離がいきなりゼロになった気がしたのは、
まさにご夫婦二人の「今」を完全に具現化した空間だからなのかもしれない。
 
 
「とりあえず」「適当に」「そこそこの」
 
が、どこにも見当たらない家。
かと言って、
 
「贅沢な」「ぴかぴかの」「高級感あふれる」
 
も皆無。
 
なのに、最高に居心地がよく、ハイクオリティなおうち。
 
「いずれは、主人と組んでインテリアコーディネートのお仕事もできたらいいな〜って。」
 
早く始めてください!私、客になります。
だって、葉棚さんちに住みたいくらいだもん。
 

写真・文 中井 雅代

 
 
HADANA(ハダナ) 
宜野湾市赤道1-4-8
080-5339-7014
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NAKAI

 
とりあえず、松ケンは素敵である。
 
なんだかとっても素敵な話であるが、いろいろ突っ込みどころも満載であった。
 

 
ダイキチ、、、27歳で一軒家に住んでいる。借家なのか?
やっぱり松ケン、とってもかっこいいが、どうやら彼女はいないらしい。
 
仕事もバリバリこなしているので、給料もいいのかも、しれないが、子供一人をいきなり育てることになっても、お金の心配は皆無らしい。
 
私は、自分一人を養うのにも大変なのに、ああ、大人ってこれくらいの経済力が必要なのね、としみじみ考える。
 
自分の子供でもないのに、この父性は一体どこからくるのか?
 

 
27歳、まだまだ遊びたい盛りではなかろうか?

イクメンブームとはいえども、こんな人っていないだろ?
 
など、など。
 
芦田愛菜 ちゃんは文句なくかわいい。
しかし、若干、最近、見飽きた(失礼)感じもしなくもない。
ほかに子役はいないのか?
彼女は大スターなのでやっぱり、集客にはかかせないのだろうなあ。
 
個人的には、ダイキチの妄想シーンがツボである。
急にダンスを踊りだしたりする。
 
香里奈 は職業モデルのシングルマザー役。
ショボイモデルではなく、ちゃんとした雑誌のモデルのようだ。
この人、いつもハイヒールで全力疾走するが、すごい。
あんなにかっこよくヒールで走りたいものだ。
 

 
この中で唯一、リアルな感じがするのが高畑淳子。
松ケンとの車中での言い合いはなかなかみものである。
 
松ケンは、「デトロイト・メタル・シティ」のクラちゃん以来のコメディアンぶりも発揮。
このひと器用だわ~。
りんの実母にメールしたり、電話かかってくるところがかなりおもろいです。
 

 
温かい話なんだよね。りんがこうたといなくなった時は、仕事仲間は、集荷が間に合わない!!とかいってたくせに、全員職場放棄か?というほど町中捜索。
仕事はいいのか?
 
みんないい人ばっかりで、ちょっと現実的ではないんだけど、こんな世界って素敵だな、と思えます。
 
「世の中の人はみんな出逢って結婚して、子供が生まれて、、、、」
 
という最後のくだりは、未婚の私としては「・・・?」な感じはありましたが(笑)
まあ、これからに期待するということで。
 
原作は読んでないけど、原作では結局この二人には血縁関係はなく、最後は結ばれるらしい。
ちょっと、そこはげんなり。
いや、げんなりだろ。。。。
いい話なのか?源氏物語か?
 
とりあえず、松ケンかっこいいし、芦田愛菜ちゃんかわいいし。
二人のファンであればどうぞ。

  

KEE


 

 
<ストーリー> 
子どもと女性が苦手なサラリーマン・河地大吉(松山ケンイチ)が、亡くなったおじいちゃんのお葬式で出会ったのは、彼の6歳の隠し子・鹿賀りん(芦田愛菜)。親戚中がりんをお荷物扱いし、世話を押しつけ合う中、そのやりとりに腹を立てたダイキチは思わず、りんに声をかけてしまう。
「俺ん家くるか?」
おじいちゃんにそっくりなダイキチのスーツの裾をしっかりと握るりん。ダイキチの父・河地実(中村梅雀)は唖然とし、母・河地良恵(風吹ジュン)、妹のカズミ(桐谷美玲)らが止めるも、後にひけないダイキチはりんを連れて帰る……。
 
<キャスト>
河地ダイキチ – 松山ケンイチ
二谷ゆかり(コウキのママ) – 香里奈
鹿賀りん – 芦田愛菜
河地カズミ(ダイキチの妹) – 桐谷美玲
吉井正子(りんの実母) – キタキマユ
二谷コウキ – 佐藤瑠生亮
キョウイチ(カズミの恋人) – 綾野剛
鈴木雄一 – 木村了
杉山由美子 – 高畑淳子
後藤由起 – 池脇千鶴
河地良恵(ダイキチの母親) – 風吹ジュン
河地実(ダイキチの父親) – 中村梅雀

<沖縄での上映劇場>
シネマパレット
HP:http://www.startheaters.jp/cinemapalette
 
 

NAKAI


 
– – – クラシックだけど柔らかい、そんな服が作りたくて。
 
今シーズンは「クラシック」をテーマにしました。
今までやったことのないテーマでもあったし、
ちょうど古い物に興味がわいた時期で。
「クラシック」と言っても、人によって解釈はそれぞれだと思うんですが、
新しく作っていくほうのクラシックを追求してみようと。
洋服の線の入りかただったり、布の地の目が伸びるようにバイアスを下の方へもっていったり、
昔の服の優れた部分を生かし、
でも古いままだと今は着られないので、
気軽に着られてリラックスできる服ってできないかな?と思って作りました。
だから、ジャケットもウールのかっちりしたタイプじゃなく、
逆に昔のスカーフの素材を探してきて、それを使って作ったり、
裾に分量をもっていって揺れるようにしたり。
「クラシック」という言葉が持つかっちりしたイメージとは逆に
リラックス感のある柔らかい雰囲気の服作りを目指しました。
 

 

 

 
– – – この世界に入ったのは、たまたま。
 
ショップをオープンさせて、今年の6月で2年。
服は自分がデザインしたオリジナルのものを中心に、
アクセサリーや小物類は海外ブランドが多いです。
 
洋服の業界に入ったのはたまたま。
高校卒業したとき、
「働きたくないなー」と思って専門学校に入りました。
特別やりたいことはなかったし、
当時から洋服は好きだったから、こういう方向で良いかなーって。
 
もちろん、その時は服作りのことなんて全く知りませんでした。
学校での勉強自体は大変だったけど、
面白かった部分もありました。
僕、絵を描くのは割と好きで、デザインのコンテストが結構沢山あって賞金も大きかったので
「よっしゃ!」って応募するようになったんです。
遊び半分でやりはじめたんですけど、賞もいくつかとったりして。
そういうことしているうちに、いつの間にか逃げられなくなったというか(笑)。
 
専門学校卒業してからアパレルメーカーで働いてたんです。
県内にある、東京コレクションにも出たりするコレクションブランドで。
 
もとは、学校の研修で行ったブランドでした。
当時、そのブランドが人手が足りなかったみたいで、
担任の先生に「ちょっと研修行かないか?」と言われて。
それで行ったんですけど、研修期間が終わってもバイトしたりしてたので、今も仲良くさせてもらってます。
 
卒業してまた別のメーカーに入ったんですけど、
そこがまた忙しくて。
コレクション期間中は毎日徹夜だし、
そこで3年くらい働きました。
 
それから独立したんです。
 

 

  
– – – 服が出来上がると、最初は一旦幻滅する(笑)。そこからの作業が楽しい。 
 
服作りの中で一番楽しいのは、
コンセプトを決めてイメージ膨らませて、
「こういう服ができたら良いな〜」
とデザインしている時。
で、実際できあがると一旦幻滅するんですよ(笑)。
「これちょっと違うな」ってなって、
そこから理想に近づけるように修正していくんです。

頭の中に描いていた理想とは違うところで完成して終わることもあります。
理想通りにできるときと、割合的には半々くらいかな。
想像と違ったり、逆に想像超えてくる場合もあるし。
最初は、自分一人で作ってたので大体満足してたんですけど、
今は自分ができない部分を人に任せてるんで、一緒に作り上げるという感じ。
パタンナーさんや作り手さんと話し合いながら作業を進めるんですが、
僕のアイディアを相手なりに解釈してレスポンス返してくれる、
その時の想像を超えてくる感じも好きなんです。
「こういうの、どうかー?」
って提案してくれて、
「あ、それ良いっすね!」
って、コミュニケーションしながら膨らんでくる時が面白い。
 


 

 
– – – 理想ばかり追い求めて作ると、エゴの固まりに仕上がっちゃう
 
洋服はレディースが約9割。
どうしても自分はど男だから、デザインしてる段階では
「これ、本当に実際着てもらえるかな?」
っていう点がわからないときがあるので、
最終的には女性に意見をきくこともあります。
理想ばかり追い求めてると、エゴの固まりに仕上がっちゃう。
「実際はこんな服着ないよな」
みたいな。
自分で判断できるときもあるけど、できない時もある。
そういう時は、女性の意見を元に、現実のニーズに歩み寄って行くようにしています。
 
というのも、昔はまさに「エゴの固まり」を作っちゃってたんです(笑)。
店を出す前はフリーのデザイナーやりながらオリジナルを作って、
色んな店に卸してたんです。
でも、その時は接客もやらないもんだからお客さんの顔は全然見えてなくて。
ある日、どんな人が自分の服買ってくれてるのかなっていうことに興味がわいたんです。
 
当時はただ「自分の服、面白いでしょう?」みたいなことしか言ってなかったと思います。
「何がどう面白いのか」ってきかれたことがなかったから。
最近は、そういう部分をもっと突き詰めた方が面白いと思うし、
どんどん違うことをやっていこうとも思うようになりました。
見えない物から自分達の解釈で見える物へとつくりあげていきたいなって。
 

 

 

 

 
– – – ニーズを意識するだけではなく、こちらからの提案も。
 
お客さんの顔が見えるようになって、服作りの意識も変わりました。
一回買ってもらって終わり、じゃなくて、長いお付き合いにもなるし。
「期待されてる」っていうのがダイレクトに伝わってくる。
卸でやってた時は無かった感覚ですね。
「新しいの出た?」って聞いてもらえたりとか、
あと、お金を出して買うかどうかっていう最終判断も目の前で下されるので、
そういうシビアな部分もしっかり見えるのは良いと思います。
そのおかげで、
「もっと面白いことやるにはどうしたらいいかな」
って毎日探すようになりました。
 
お客さんからの反応は自分にとってはかなりプラスになってます。
昔は本当にエゴの固まりみたいな感じだったんで(笑)。
お客さんの声や反応の良さを意識しながらつくっている部分もありますけど、
でもそればっかりだと面白くないので、
プラス「こういうのどうですか?」っていう提案を含めてデザインするようになりましたね。
 


 

 
– – – 服は自分とお客様の間にあるコミュニケーションツール。だからこそメッセージ性を持たせたい。
 
ブランドを立ち上げて3シーズン目なので、まだまだこれからです。
行き着くラインはこれなのかなっていうのが、なんとなく見えて来た感じ。
ベーシックなのも好きなんだけど、
実際に作るのはちょっと崩れてて完成されてないような雰囲気の服。
 
これまではモノトーンが多かったんですが、
最近から少し他の色が入って来るようになりました。
今は来年の春夏を考えてるんですけど、ちょっと土臭くいこうかなって。
去年から藍染めも研究してて・・・。
日本ぽいものもやってみたいなって、ぱっと浮かんだんです。
 
これからは、シーズンごとにちゃんと自分のメッセージを打ち出していけるコレクションを目指しています。
モノを介してお客様とコミュニケーションをするわけだから、
そこには何かしらメッセージがあったほうが良いんじゃないかな、って。
そういうこと、卸やってた時の自分ならまず思いつかなかったでしょうね。
 

LEQUIO(レキオ)
宜野湾市喜友名2-28-23
TEL/FAX (098)893-5572
open 11:00~20:00
年中無休
駐車場有り 
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NAKAI

 
向田和子・編著  680円   文春文庫 文藝春秋/OMAR BOOKS  
 
― 手袋を探す 凝縮された人生 ―
 
こんな完璧な女性っているんだなあ。
読み終えてはーというため息が漏れたのは『向田邦子の青春』を一読したせい。
向田邦子本人が正面を凛と見つめる表紙に惹かれて手にした本。
読んでみてこれはぜひとも女性陣に読んでもらいたいと思いました。
  
編集者、放送ライター、脚本家として活躍した彼女の生涯を秘蔵写真100枚とともに妹・和子の視点から綴られた本書。
なんといっても写真が豊富で、
こんなにもきれいな人だったんだ、
という単純な驚き。
何枚もの白黒のポートレートはポーズも決まっていてまるで女優さんみたいだ。
 
さらに驚いたのは写真の中で来ている服や帽子のほとんどが彼女自身の手によるもの。
手製に見えないほどのクオリティ(クラシカルなコートまでもがお手製!)と彼女独特のセンスが際だっていてとてもおしゃれ。
堅実な家庭に育った彼女は、編集者時代には仕事でどんな遅くなっても妹の服を縫ってあげたり、兄弟のために徹夜で編み物をしていたという。
 
テレビ業界で華々しく活躍をしている勝手なイメージがあったので、
てっきり自分を強く出していくタイプの女性だと思っていたら、
全然そうじゃなかった。
 
この本で知る限りは古風な女性だったんだということ。
女性が仕事に生きることに理解があまりない当時、
長女だった彼女は家族の中でしっかりと自分のやるべきことをやったうえで、好きな仕事をめいいっぱい頑張っていた。
彼女の筋の通った家族や人に対する姿勢を目の当たりにすると
背筋がぴんと伸びる気がする。
 
彼女は自分を大切にする人だった。
自分に与えられたものを大切にして、
だから他人をも大切にして生きた。
人の悪口を言わない優しい姉だったと語る著者の和子さんは、
また姉にはツキがあったと言っている。
自分が夢中になるものを誠実にやっているうちに、
どんどん転がってシナリオを書くようになっていったと。
 
この本を読んで、30年前の夏に飛行機事故で逝ってしまった後も、
なお根強い向田邦子の人気の秘密が分かった気がした。
 
本の中で引用されている彼女の「手袋を探す」というエッセイが印象深い。
気にいった手袋が見つかるまでひと冬を手袋なしで過ごした自分の、
たったひとつの財産は手袋を探すということ。
そしていまだに手袋を探している、という内容。
この世の去り方も凝縮された人生を生きた彼女らしいと言えば彼女らしいのかもしれない。
 
秋の気配が感じられる、しっとりとした夜にぴったりな心にじんと沁み入る一冊です。


OMAR BOOKS 川端明美




OMAR BOOKS(オマーブックス)
北中城村島袋309 1F tel.098-933-2585
open:14:00~20:00/close:月
駐車場有り
blog:http://omar.exblog.jp
 
 

NAKAI


 
震災のちょうど1週間後に浮島ガーデンはオープンしました。
県産の無農薬・有機野菜でお料理しているからなのか、しばらくすると、店には放射能汚染から逃れてきた方がたくさん訪れるようになり、県産の安全な野菜やお米はどこで買えるのか、そういった相談を受けるようになりました。
 
でも福島から遠く離れていれば安全なんでしょうか?
汚染牛肉で学んだように「距離」の問題でないことは明らかですよね。
沖縄にも汚染された腐葉土がすでに入って来ています。
「どこの地域の何を食べるか」も大事ですが、私はむしろ「汚染されない体」になる方が重要なんじゃないかと思っています。

汚染されない体、汚染物質を掃き出す体にバージョン・アップするにはどうしたらいいのか?
その答えとも言える内容が、長崎で被爆した秋月辰一郎医師が書き遺した「体質と食物」の中に記されています。
当時29歳の秋月医師は爆心地から1.4キロ“死の同心円”で被爆したにもかかわらず、わかめの味噌汁と塩を多く摂ることで原爆症を発症せず、被爆者の治療をし続けることができた…。
彼は著書の中で日本が誇る発酵食品・味噌はすごい。味噌をたくさん食べたお陰で原爆症を発症しなかったと書いています。
 
私はこれを読んでものすごく勇気が湧いてきました。
皆が避難できるわけじゃないし、皆が沖縄の安全な野菜を食べられるわけじゃない。沖縄にいるからって、放射能汚染と無縁なわけじゃない。
だけど味噌や塩、海藻の力で体を変えれば汚染社会を生き抜くことができるんです。さぁ今日から本醸造味噌で体バージョン・アップ計画、一緒にはじめましょう!
  
 
「アンダンスーの豆腐カツ」

材料
・ゴーヤのアンダンスー(前回のレシピ参照) 適量
・島豆腐 (1センチにスライスして凍らせ、解凍したもの)
・パン粉 適量
・小麦粉 適量
・塩 適量
・揚げ油 適量
 
 
1 解凍した島豆腐を形が崩れないようやさしく水気を絞る。

 

 

 
2 島豆腐にアンダンスーを塗って、サンドウィッチする。

 

 
3 小麦粉に同量の水と塩少々を入れた溶き粉に、②を絡め、パン粉をつける。

 

 

 
4 180度の油で揚げれば出来上がり~☆(一番搾り菜種油がオススメです)

 

 
 
島豆腐は水気がほとんどないので、内地の木綿豆腐を使う場合はよく水気を切ってからスライスして凍らせるのがポイント。豆腐は凍らせるとしっかり食べ応えのある即席高野豆腐に変貌してくれて、お肉好きの人にも喜ばれる一品に。
アンダンスーは豆腐に挟まずに、ソースにするのもアリ。1gの葛、大さじ1のバジル・アンダンスー(前回のレシピ参照)、大さじ2~3の水をよく混ぜ合わせ、塩で味を調節し、強火で沸騰させればソースの出来上がり。既製のソースとは違って、見た目もちょっぴり手間がかかってますという感じで、家族にもウケるはず~☆
 

Text by 中曽根直子(浮島ガーデン フードデザイン)




浮島ガーデン
那覇市松尾2-12-3
098-943-2100
open:14:00~24:00
close:火
HP:http://ukishima-garden.com
ブログ:http://ukishima.ti-da.net
 
 

NAKAI


 
海外旅行するときに、
事前に覚えておくと楽しい現地の言葉、
私的ベスト3(こんにちは、ありがとう等あいさつは除く)
 
・おいしい(&おいしそう&おいしかった)
・とても(いろんな形容詞・形容動詞に足せるので便利)
・疲れた
 
「疲れた」に関しては、基本的に外国人による片言のことばに出てくるような表現ではないので、
現地の人のウケが良いのです。
観光して色々回って
「は~、超疲れた〜」
というと、ホテルの人や食堂のおばさんやその辺の人にウケてもらえるので
意外とお勧めなワードです。
 
でもやっぱりベスト1は
「おいしい」
ですね。
 
中国語の「おいしい」は、
「ハオツー」
だと思っている人が多いのでは??
 
漢字に直すと
 
好吃
 
中華料理系のお店の看板でも
「ハオツー」とよみがなをふってあるところも。 
 
・・・だけど、
う~ん、北京で「ハオツー」と言って果たして通じるのだろうか。。
言ったことがないのでわからないのだけれど。
 
カタカナ表記は中国語にはタブー、
というわけでピンイン書きしてみると
好吃
のピンインは
hǎochī

hǎoは「ハオ」ですが、
chīは、舌をそらせて「チー」と言う音。
声調は第1声なので、発音するとこんな感じ。
 

 
では、どうして「ハオツー」という言い方が広まったのか?
それは恐らく、南方の訛りが由来。
中国南方では
zhi・chi・shi・ri
といった、舌をそらせて発音する音(=卷舌音:けんぜつおん)を
いずれも舌をそらせないで発音する訛りがあるのです。
なので、
上海、広東省、台湾など、南方出身の方が
好吃
というのを聞くと、舌をそらせてないために、確かに
「ハオツー」
と聞こえます。
 
が、日本人がそのまま「ツー」と発音すると、
これまた違う音になってしまうので注意。
耳には「ツー」と聞こえていても、
ピンインは、変わらず
chī
であって、
舌をそらせないことだけが理由で「ツー」と聞こえるだけなので、
日本語の「ツ」のように口をすぼめて発音すると、chiではなく他の音、
「cu」と聞こえてしまい、
好粗
hǎo cū
(とても大雑把)
 
と、解釈されてしまいかねないのです。
(前後の文脈から聞き間違われる事はないとは思いますが。)
 
では、どう発音すればいいのか?
「チ」と発音する口の形のままで「ツー」と言えば、
南方訛りの「おいしい」の出来上がり。


 
その際、声調(好は3声、吃は1声)はしっかり守って発音しましょう。
 
来週も、すぐに使える一言を
発音のコツを織り交ぜてご紹介するのでお楽しみに☆
 
那,今天到此为止了。
(今日はここまで。)
下周见!!
(また来週!!)
 
 
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<初心者クラス>
毎週木曜日
19:30~20:30
*テキスト「読めて話せる中国語」を使用。
発音に力を入れた授業を行う。
基本的な日常会話の習得を目指す。
<中級者クラス>
初心者クラス終了後
20:30~21:30
*2~3名のグループによるミニ中国語劇スタイルの授業。
会話文を学習、暗記し、テキスト無しの会話劇を行う。
実際の会話シーンに近い状況を作り出し、実践に役立つ授業を目指す。