NAKAI


 
花柄は、幼少時代から大人になってもずっと大好きな女子が多いモチーフの一つ。
 
小花柄なら着る人を選ばないしコーデも難しくないけれど、
大きめの花柄はインパクトも強く、難しいと感じる人もいるのでは。
そのぶん、着こなせたら素敵感もひとしお。
大人女子だからこそキマるスタイルがある。 
 

Day off
 
SOU・SOUのロングワンピースは、
今年購入したばかりのお気に入りアイテム。
 
ウエスト位置が高めなので、
妊婦さんでも問題なし。
 
一枚で十分華やかなアイテムを身につけるなら、
他はすべて控えめに。
ウエストの黒と合わせてインナーは黒のキャミソール、
足元はグレーと茶系で重くなりすぎないようにまとめて。
 

 
「見て〜、袖も可愛いってばー。
前身ごろも袖も、着物みたいだよね。」
 
歩くと腕がふられるので袖がゆれて表情がでる。
 
細部までこだわってつくられた服は、
自分がスペシャルな存在だと思わせてくれる。
見ている人にだけでなく、着ている自分に作用する。
 

 
ワンピースの主張がしっかりしているので、
他のアイテムは無地を選ぶのが無難。
もし柄ものをもってくるのなら、
色合いを青、紺、黒などの同系色でまとめて。
 
 

Working day
 
グレー地に青いバラがプリントされたブラウスが主役のコーデ。 
 
無印で買ったマタニティパンツを合わせてシックに。 
 
小物の色を合わせてまとめるセオリー通り、 
バッグと靴は白で統一。
 
白、青、黒と寒色トーンだと、
花柄でもガーリーなだけじゃない、落ち着いた雰囲気に仕上がる。
 

 
プリーツが入っているのでフォーマル感もあり、
仕事着にも、お呼ばれのときも使えるブラウス。
 
ラインがゆったりめなら、どんなトップスもマタニティ用として応用できる。
わざわざ特別に買い足す必要はない。 
 

 
「このバッグはパレットの◯◯で買った〜。」
 
コンサバ系ブランドのかごバッグ。
彼女のクローゼットにコンサバ系ワードローブはほとんど見当たらないが、
お店の好き嫌いをはっきり分けないのが彼女流。
意外な掘り出し物や、好みど真ん中のアイテムが見つかることもある。
 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

 
おしゃれの可能性の枠を狭めてしまうのは、
自分自身であることが多いようだ。
 
個性的な服は似合わないから・・・
良い歳して脚を出すのはちょっと・・・
ピンクって派手すぎない?
 
そして
 
「妊婦だから、おしゃれは我慢しなきゃね。」
 
という風に。
 
おしゃれって一体誰のためにするんだろう。
綺麗にしているとパートナーが喜んでくれるから?
きちんとしてないと職場で同僚に白い目で見られるから?
ダサイおばさんと思われないように?
 
可愛い妊婦スタイルを見せてくれた彼女曰く、
 
「だって、可愛い服着てたら自分のテンションあがるさ!」
 
そう。
何よりも大切なのはあなたがハッピーでいること。
人の目など気にしたことが(多分)ない彼女がこんなに素敵に輝いて私たちの目に映るのは、
自分の幸せ、可愛いものを身につける喜びを最も大事にしているから。
 
考えてみたら、私よりも私を大事にできる人っていないのかも。
 
このジャケット可愛い!
これ、私に似合いそう☆
こんなネックレス欲しかったんだ〜。
 
ワクワクする気持ちや自分自身をないがしろにしないで。
スペシャルなあなたを過小評価しないで。
おしゃれアンテナが「ピピッ」と反応したら、是非あなたのチームに迎え入れよう。 
そうして集まってきたワードローブなら、どんな時でもあなたを全力で応援してくれる。
おしゃれが「しなきゃいけない」事項ではなく、
楽しむことに変わる。
 
楽しむ気持ちにおやすみ期間はない。
 
仕事でトラブっても、彼氏とケンカしても、育児のストレスがたまっても、そして妊娠中も。
 
服を味方に。
そうすれば、もっときっと輝ける。
 

写真・文 中井 雅代

 

 
 

NAKAI


 
I LOVE NYC!!!!
 
待っていたよ、こんな映画を!
 
ここのところなんかイマイチな映画が続いていたので自分の感性が鈍っているのか不安になってしまっていたが、これは良かった。
 
最近この手の豪華キャスト映画が多いし、
もうめちゃめちゃ甘すぎてホットチョコレートみたいな話だったらちょっといやだな、と思っていましたが、このホリデイシーズンは、甘ったるいホットココアにマシュマロ入れるくらい甘い話がいいものです。
 
一年ももう終わり、ここでほんとに1年を振り返らなくては、一向に成長もしないな、と今年は強く思ってみたりもします。
 
アメリカのニューヨークのニューイヤーズイヴは、本当に特別も特別。
タイムズスクエアのカウントダウンは、1回しか行ったことないんじゃなかろうか?と最近怪しくなってきた記憶をたどってみる。
 
it’s just another day(別に普段と変わらない日)なんて言ってみたりもするけれど、
年に一度くらい皆で新しい年を迎えるっていうのも本当に素敵なこと。
 
この映画はキャストがとにかく脇まで主役級が固めていて、
カメオも多いし見逃せないシーンもいっぱいあります。
 
私はやっぱり、ゲイリー・マーシャルの映画は台詞が好きだったりする。

甘いよ、確かに。なんともCornyな(使い古したような)台詞もあるよ、
でもいい事いうんだよ。
 
それぞれのお話が進んでいくなかで、
新年を迎える瞬間に是非会わなくてはいけない相手がいるのね。
 
これが、誰と誰が、その組み合わせなのか?っていうのも全くわからなくて、
観客はGuess(推測)しながら観ていくのね。
そこがこの映画の予告編はうまいこと作ったなあ、と感心するところ。
 
実際、最後になってやっと、「ああ、やっぱり」なのか「ああ、そうだったんだ」もあるしね。
 
そこら辺は、ネタばれになっちゃうので書かないけど、
私は、今回ヒラリー・スワンクがとてもよかった。
あのスカーフも素敵なんだよね、気になってしょうがなかった。
 

 

 
音楽もよくて、「Glee」のリー・ミシェルと、我らがジョン・ボンジョヴィのセッションもあります。
この二人の歌がまたよろしい。
 

 

 
離婚したてのアシュトン・カッチャーは
なんかリアルに重なっちゃってなんともイタイ感じはあります。
 

 

 
イタイと言えばミシェル・ファイファー、老けたよね~。
役柄ももちろんあると思うけど。
また、相手がザック・エフロンだしね。
 

 

 

 
サラ・ジェシカ・パーカーは、すっかり成長したアビゲイル・ブレスリンちゃんのお母さん。、
彼女も老けた感じはあるけど、そこはさすがSATCのキャリー、
ニューヨークを舞台にしては、やっぱ地味なままでは終わらない。
 

 

 
 
 
で、彼女の実生活の夫、マシュー・ブロデリック もカメオで出演。
 
キャサリン・ハイグルの宇宙服を思わせるようなあのドレスは一体なんなんだろ?
共演のセクシー ラティーナ、ソフィア・ヴェルガラくらい鮮やかなドレスを着てほしかった。
 

 
最近の私のお気に入りは、ジョシュ・デュアメルなんだけど、
彼の運命の相手は誰なのか?そこも気になる。
実生活ではファーギーのご主人でございますが、ここのところ結構活躍しております
 

 
久々に観るハル・ベリーも地味な感じかと思いきや、
綺麗なドレス姿を見せてくれます。
 

 

 
まだまだいろいろあるんだけど、やっぱりシングルの私としては、
”serendipity”(偶然舞い込む幸運、またはそれをうまく見つけ出す能力)を期待したい。
 
ニューイヤーズイヴには奇跡が起こる。そんなことも本当に信じたりできる。
 
来年はきっと素晴らしい年になる。そんな気分にさせられますよ。
 

 

 

 
恐れずに飛び出そう!
そんなメッセージを今年は特に映画からたくさんもらった気がします。
 
まだまだ今年中に観たい映画は何本かあるんだけど、
これを今年の最後にしたいくらい幸せな気持ちでいっぱいになる映画でした。
 
新年の抱負とかって意外と馬鹿にできません。
私はしっかり2012年までに抱負をリストにしようと思います。
 
Happy Holidays you guys!!! I love you!

 

KEE



 
 
<ストーリー>
誰にとっても特別な日である大晦日のニューヨーク。ビジネスマンのサム(ジョシュ・デュアメル)は、妹の結婚式や仲間とのパーティーなど楽しい予定が詰まっているのに、去年の大晦日に出会った女性と交わした約束が気にかかっていた。かつて恋人同士だったが、別れたおかげで大成功を収めた男女は、偶然再会してしまう。死期の迫った孤独で頑固な老人(ロバート・デ・ニーロ)は、娘とすごした幸せな大晦日のことを密かに思い出していた。25年間、仕事に明け暮れていたイングリッド(ミシェル・ファイファー)は突然会社を辞めて、“今年の目標リスト”を開始する。心配性の母親(サラ・ジェシカ・パーカー)と二人暮らしをしている15歳の少女(アビゲイル・ブレスリン)は、大晦日にある夢を叶えようとしていた。大晦日が嫌いな男ランディ(アシュトン・カッチャー)は、一人の女性(リー・ミッシェル)とエレベーターに閉じ込められてしまう。そして、大晦日に出産を予定している妊婦(ジェシカ・ビール)……。ニューヨークを舞台に、失われた絆を取り戻そうとする8組の人々。はたして彼らは、幸せな新年を迎えることができるのか?
 
<キャスト>
ハル・ベリー
ジェシカ・ビール
ジョン・ボン・ジョヴィ
アビゲイル・ブレスリン
クリス・“リュダクリス”ブリッジス
ロバート・デ・ニーロ
ジョシュ・デュアメル
ザック・エフロン
ヘクター・エリゾンド
キャサリン・ハイグル
アシュトン・カッチャー
セス・マイヤーズ
リー・ミッシェル
サラ・ジェシカ・パーカー
ミシェル・ファイファー
ティル・シュヴァイガー
ヒラリー・スワンク
ソフィア・ヴェルガラ
 
<沖縄での上映劇場>
シネマQ
098-951-0011
那覇市おもろまち4-4-9 那覇メインプレイス2F
HP:http://www.startheaters.jp/cinemasq
MIHAMA 7 PLEX+ONE
098-936-7600
中頭郡北谷町美浜8-7
HP:http://www.startheaters.jp/mihama7plex

NAKAI


 
クリスマスが終わると一気に年末モード。
親族が集う当日にばたばたとコンビニへ買いに走るのではなく、
今のうちに素敵なぽち袋を手元に準備しておきたいところ。
 

 
桜坂劇場内「ふくら舎」のポチ袋は
古典的な和柄が可愛い。
 
冬に赤ちゃんが生まれた友人に、
出産祝いを包んでもきっと喜ばれる。
 

 
来年の干支、辰にちなんでタツノオトシゴがあしらわれたもの。
「実はひそかに」感が技アリ。
 

 
みかん、梅の花をあしらったお椀、
冬の風物詩を描いた、温かみ溢れるぽち袋。
 
両親や祖父母に、日頃の感謝をこめてお年玉を贈っては。
 

 
個性的な色の組み合わせとデザインが目を引くのは、
グラフィックユニット「コチャエ( cochae )」が和染工芸の型染和紙からセレクトした折紙セット。
 
好みの大きさの袋状に整えれば、
自分だけのぽち袋のできあがり。
 
ふくら舎
那覇市牧志3-6-10 桜坂劇場内
098-860-9555
ブログ:http://panafukura.ti-da.net
 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

 

 
「ぽち袋ならあそこに可愛いのが入ってるよ〜」
と、色んな人がお勧めしてくれた「雑貨屋[そ]sso
」。
 
手ぬぐいで知られる「かまわぬ」のぽち袋は、
手ぬぐい同様、素朴でレトロな味わい。
 

 
岐阜県の美濃和紙で作られたぽち袋。
和紙の質感に心和む。
 

 
星燈社のこけしのぽち袋。
落ち着いた朱色地に雅やかなこけしが映える。
 
お正月感を全面に打ち出していないデザインなら、
したためたメッセージを入れたり、
小さなお土産を入れて渡したりと用途も広がる。
 
雑貨屋[そ]sso

宜野湾市大謝名1-24-18
098-898-4689

OPEN: 12:30-19:30 (CLOSE/Wed & Thu)[臨休あり]

HP:http://sso.shop-pro.jp

ブログ:http://sso.ti-da.net
 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

 
 

 
プラザハウス内「Click!」には、
個性的な和柄が揃う。
 
龍もご覧の愛嬌ぶり。 
 

 


 
花柄は、幅広い年齢層の女子に受ける定番柄。
心のこもったメッセージを添えてレター風に。
 

 
「Acute」には、インドから届いたエキゾチックなエンベロープが。
もらったあとも捨てずにとっておきたくなるゴージャスさ。
ウェディング等のお祝儀にも。


 

 
プラザハウス
沖縄市久保田3丁目1−12
098-933-1141
open 10:00〜20:00
HP:http://www.plazahouse.co.jp
 
 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

 
 
幼い頃、お年玉を受け取って最初に気になるのは中身よりもぽち袋の柄だった。
キャラクターものだったり、渋い和柄だったり。
贈る人の年代や個性がしっかり表れるのもおもしろい。
気に入ったぽち袋は大事に机の中にしまったりして・・・。
 
大人になってあげる側になると、
その存在感が一挙に薄れてしまい、
適当に間に合わせで買ってしまうことも。
そのくせ、友達が気の利いたぽち袋を使っていると俄然気になったりして。
 
つまり、
 
「たかがぽち袋、されどぽち袋」
 
である。
 
お年玉のぶんより多めに買って、是非普段使いに。
 
心付けを渡すとき。
メッセージを伝えるとき。
小さな忘れ物を返すとき。
 
何気ない普段のやりとりにこそ、
その人本来の空気感が出るから。
 

写真・文 中井 雅代

 

NAKAI


 
内地出身である私は、沖縄の長男に嫁いだ。
つまり私は長男嫁。
沖縄には伝統料理が沢山あるものの、
私が嫁いだ時に「これが我が家の味だから覚えてね」と姑から言われたのは
なかみ汁でもおそばでもソーキブニーでもなく、
「グレイビーソース」
だった。
 

ターキーは、オーブンで何時間もかけてじっくりと焼く 
 
グレイビーソースというのは、
クリスマスやサンクスギビングデイに食べるターキーやマッシュポテトにかけるソースのこと。
本土のど田舎で生まれ育った私は
「まぁ、さすが沖縄! 徹底してアメリカナイズされてるのね!」
と感心し、沖縄ではどこの家庭でもこうしてターキーを食べるものだと思い込んでいたが、
じつはそういう家庭は少ないらしい。
 

切り分けるのは男性陣の役目
 

身をそぎ切りにし、
 

皿に盛っていく。盛り方に夫の几帳面さが出ている気がする。
 
夫の実家は祖父母の代からとてもアメリカナイズされていて、
夫が小さい頃からクリスマスは叔父叔母や従弟妹達と集い、こうしてターキーを食べているため、
従弟妹たちもみな
「クリスマスになるとターキーが食べたくなる〜」
と口をそろえ、また、
「昔は友達の家もみんなこうして食べてると思ってたけど、実は違うんだよね〜」
と私同様の勘違いをしていたというほど、
ごく自然に、クリスマスにターキーを食べてきたよう。
 

巨大なハムもなかなか好評。
 

今年はカウンターに並べビュッフェスタイルに。
 

奥がグレイビーソース、手前はクランベリーソース。どちらもターキーにつける。 
 

 
焼いた食パンの上にターキーを置き、
その上から好みのソースをかける。
サイドにはマッシュポテトとサラダ。
時にはスタッフィング(ターキーの中に詰める、玉ねぎやハーブなどのみじん切りをローストしたもの)も。
 
これが我が家の定番プレート。
 
そもそも、家庭の食卓でナイフとフォークで食事をしたことがなかった私は、
なんのためらいもなくカチャカチャとカトラリーを操るみんなの姿にもびっくりしたものでした。
 

 
みんな大好きなのでパンも常に焼き続け、
どんどんおかわりしていきます。
 
パンの回転も速いし、
親族全員合わせると相当数になるため、
みんなが集まるのを待たずに来た順に席について食べ、
食べ終わったら後から来たチームに席を譲るという連携プレー。
 

 
食後のケーキがブルーシールのアイスケーキなのもお決まり。
 

 
本人のたっての希望で急遽バースデー仕様に。
クリスマスなのになぜかバースデーソングを歌う私たち。
 

 
これで満足かと思いきや、
 

 
色違いでもう一種類アイスケーキがあることも見逃していなかった・・・
 

 
やっとろうそくタイムが終了したところで・・・
 

 
サンタさん登場!
去年同様、サンタに怯える。  
 

 
でも、もらうものはきちんともらう。
 
この場では言わなかったものの、今朝になって
「あのサンタさんにせものだよ。
◯◯お兄ちゃんが入ってるんだよ。」
と冷めたことを真顔で言う三歳児。
・・・その場で言わないところは、少しは気を遣っているのか。。。
 

 
ブルーシールのアイスケーキ、
中に入ってるアイスの種類が場所によって違う。
 
「ミントのやつは好きじゃないからそっちちょうだい」
など、好みで選ぶ。
 

 
口の周りを真っ黒にしながら、
二種類のアイスケーキも完食。
 
今年は各家庭それぞれ用事があって忙しく、
みんなが集まったのはだいぶ遅い時間になってしまったけれど、
今年もこうして親族みんなで集まれて幸せ。
 
みなさんはどんなクリスマスを過ごしましたか?
 
さて。
気分を年末モードに切り替えて、
少しずつ掃除や片付けを終わらせたい。
身も心もすっきりと、新年を迎えられますように☆
 

写真・文 中井 雅代

 

NAKAI

 

 
「らしさ」って食わせ物だと思っていたのは昔のこと。
世の中に反抗し始めた中学生の頃でしょうか。
「中学生らしくしなさい」とか「男らしくない」とか言われると、
「らしく」っていったい何だよって思ってました。
「らしさ」って一筋縄では行かないものだと別の意味で思いはじめたのは、それから何年か経ってからのこと。
自分らしさって何だろうって、鏡の向こうの自分に向かって放つようになったのは。
 
それからさらに時が流れて大人になって、
「言葉でだったら『らしさ』を描くことって、そう難しいことではないけれど、
同じそれをデザインで、っていわれると、とても大変なことだと思うのは、自分が言葉系の人間だからなのだろう」と考えてしまう今日この頃に「地デジ入門講座」なるものに参加することになりました。
 
「地デジ」とは、もちろんそうです推測通り、あの地デジとは似て非なるもの。
地上波デジタル放送のことではありません。地酒や地鶏ってあるでしょう。おいしいものの数々が。そうその「地」のこと。
地元ならではのご当地料理があるようにご当地デザイナー、つまり地デザイナーがいてもいいじゃない、そんな感じ。
らしさをデザインに落とし込む地デザイナーがそれぞれの地域に一人いればこの世の中も今よりもっと楽しくなるんじゃないだろうか。
行く先々でいろんならしさがカタチになってて、訪れる者を楽しませてくれる。
住んでる人も自分たちのらしさが他所でも認められれば幸せな気持ちになれる。
そういうわけで地デザイナーの考えを日本中に広めよう、
そのスタート地点が縁あってここ沖縄になったのです。
 

升が二つと一升の半分んで「ますます繁盛」。升は生活の基本の道具。それをデザインとコピーの基本に据えたそうです。
 
那覇を代表する商店街、平和通りで11月に開催されたこの講座。
主催したのは(社)なはマチグヮーとNPOエクスブリッジ。
90年代あたりから国を挙げての取り組みが始まったデザイン×伝統工芸品、デザイン+地域ブランドの動きと少し似てはいますが、ちょっと違う。
その違いをひと言で表せば「おもしろい!」や「すごい!」といったもともと地域にすでにある、価値を掘り出しデザイン化しようという点です。
言い換えるなら、「らしさをデザインしよう」ということで、
大都会に住んでいるデザイナーやプロデューサーの感性に頼ることなく、
自分たちが持っている資源に光を当て、輝かせよう。
そういう考えが根底にあるのです。
なので今回は、地域資源を活かした商品開発にすでに取り組んでいる方と
これから開発に携わろうとしている方や
地域に根ざした表現を目指している沖縄在住のデザイナーを対象に、
講師だけでなく参加者自身の事例をもとに、参加型で楽しめる講座となるよう企画しました。
 
講師を務めてくれたのは、川マニアなら知らない人がいないはずの四万十川の中流域の、旧西土佐村に住み着いたグラフィックデザイナーの迫田司氏。
日本を代表する印刷会社に3年ほど勤務。
グラフィックデザイナーとしてそれなりの仕事をしてきた彼は、
バブルの終わり頃、「このままでいいのだろうか」、
みなさんも思ったことがあるように、自分らしく生きるってどんな事なのだろう、と自らに問いかけたに違いない。そう思われる節があるのです。
そして彼はカヌー好き。さらには古いものや村落共同体に目がないのだから、都会での暮らしを捨てて山間にある小さな村で暮らしていくことに決めたのは実に迫田氏「らしい」生き方チョイスだったのでしょう。
 

ナショナルブランド商品なら使われることのないリアリティのあるネーミング。原液とか、キダチとか奮い立つ朝とか。かえっていやらしさがないのがいいです。
 
この講座の中で語られたことは多々ありますが
その中のエッセンス的なポイントをお伝えすることにいたしましょう。
 
まず手始めに地域の「らしさ」をカタチにする上で、迫田氏が大切にしてることから。
それは3つのL。
ローカル、ローテク、ローインパクト。
溢れるばかりの地域性、昔から語り継がれてきたゆっくりした技術、自然と仲の良い関係。
都会になくて田舎にはある価値の代表選手が三つのLなのです。
 
自然と仲がいい関係といえば、もう一つ、迫田氏が力説していたことがありました。
風景、習わし、生き方、食べもの。四つのエレメントからなる完結した世界。
こんどは三つではなく四つです。
日本らしい風景は色々あるけど例えば田んぼのある風景。
習わしといえば風土に寄り添う物事の道理。
生き方とは人の暮らし。
食べ物は口から入る。
四つの要素が織りなす世界。田+人+土+口で象られるもの。つまりは田舎。
田舎にこそ「らしさ」が宿る。
その考えが「地デザイナー」のものの見方のベースをなしているのです。
 
でもここで、?マークが浮かんできます。田舎らしさって何だろうって。
個性的な人も、洒落た店も、気の利いたカフェもない。
代わりにあるのはおいしい空気、牧歌的な田園風景、ゆったりとした時の流れ。澄み渡る空、きらめく海、透明なせせらぎ、瞬く星々。
「ああ、地球に包まれているこの幸せ感」、そう呟きたくなる癒しの力が田舎の持ち味。
そうそうそう。そうなんだけど、でもそれってどんな田舎にもあてはまる「らしさ」なんじゃないのだろうかって。
そして、そういうらしさをデザインするのはたぶんそれほどむずかしくはないのかもしれません。
でもそれじゃあ、九州の田舎らしさと四国の田舎らしさをどう表現できる、って問われるとそれは結構ハードルが高い。
もっと言えば、同じやんばるの、大宜味らしさと国頭らしさをどう際立たせるか、違いをどんな感じに見える化できますかって訊かれると答えはたぶん雲の上。
 
その難題にどう取り組んでくか。
今回の講座に参加した多くの人が持ち帰る事ができたように思えまる大きなヒント。
それはどんなヒントなのか。
先ほど話した地域らしさの鍵になる三つのLと四つのエレメント。
それらの価値を見出す一番の近道はまずよそ者がそこに住む事。
もしくは一度よそに移り住んだ事のある地元の人。
ポイントは外の世界を知っていて、内と外とを行ったり来たりできること。
そんな人が地域の魅力を掘り当てるキーマンなのです。
 
人間には生まれつき適応力という物凄い能力が備わっています。
環境変化に対応できるこの能力は反面、
物事に慣れて親しんでしまうがために刺激が刺激でなくなるという副作用があるのです。
本当は素晴らしい価値を持つ習慣とか自然なんかが
ずっとそこに暮らしていると当たり前の空気のようなものでしかなくなってしまう。
だからです、Uターン組とかよそ者がキーマンなのは。
 

干せるものが季節とかその日によって違うのでこんなラベルになってます 
 
こんどは別のヒントです。
キーマンが見つけたらしさ地域の価値をどうカタチにするか。
何を使って「らしさ」をどう表現するか。
その答えは外にはたぶん転がってはいない。
答えがあるのは内側です。
地域の中にこそ「らしさ」を表現できる何かがあるのです。
もっと言えばキーマンの頭の中にはそれはなく、
その場所に普通に生きてるおばさんとか、お兄さんとか子どもとか、
そんな普通の人の暮らしの中にあるそうです。
地元の人っていってもね、偉い人の頭の中にはないことが多いそうです。
だから地元の人と酒を飲む、
交わって同じ朱に染まってみる。一緒に汗を流してみる。
そういう事をじっくりやると
「おおーっ、これって使えるぞ」
っていうものが見つかるそうなのです。
 

スライドを撮影したので上等ではありませんが、地デザインの最高の事例です。山間米の純米吟醸に使ったポスターのメインビジュアルは地元の飲み会。この楽しそうな雰囲気はディレクションでは絶対に出せません。現場の暮らしに張り付くことでできることです。 
 
これって実は…、何だろうか、
意識することはないけれど、人と親密になりたい時に、
例えば好きになった人、そういう人に近づきたいとき、
例えば尊敬する人と同じように世界の物事を眺めてみたい、そう思ったとき、
自然にやってることなんじゃないだろうか。
 
人と何かをシェアする。人と時間を共有する。
そんな当たり前のことを自分はなんだか忘れていたなあ。
東京よりも沖縄のほうが生きてる感じがとてもするって移り住んで来た自分なのに、なんでだろう、大切なことを忘れてた。
そういうことを思い出させてくれたのが実は「地デジ入門講座」だったんだ。
カレンド沖縄の中井さんから話があって書き始められたお陰でもって「棚からぼたもち」。
こうしてこの記事を書くことがなかったならば、
行間から何か大切なものを読み取ったときのように
講座から自分らしい収穫物を掘り当てることはできなかったかもしれません。
やっぱり人のつながりっていいなって、
そう思えた今日があるのも高三のとき同じクラスの同級だった迫田君のお陰です。
どうもありがとう。最後にお礼を言わせてください。
 
《参考サイト》
「不便の中に潜むデザイン」財団法人高知県産業振興センター
HP:http://www.joho-kochi.or.jp/johosi/0908/design03.html
「四万十中流域山間米」山間屋
HP:http://www.sankanya.com/shohin_masubukuro.html
 
写真・文 福田展也(猫の手商会 店主兼考える人)
 

NAKAI

エウゲーニー・M・ラチョフ 著 うちだりさこ・訳 福音館書店 ¥1,050/OMAR BOOKS
 
― 凍える寒さにはぬくぬくと暖めてくれる一冊を ―
  
寒くなってくると舞台が寒い国の話を読みたくなる。
ちょうど今読んでいる長編小説もロシアが舞台の物語。
それと同じ頃、たまたま手にしたのがこの『てぶくろ』。
この絵本を懐かしい!と思う人も多いはず。冬のお話の定番だ。
ウクライナ民話が元になっているというのは大人になってから知った。
 
ストーリーはいたってシンプル。
雪の降り積もった地面にぽつんと落ちている手袋一つ。
この手袋に住むことにしたねずみに続いて次々と動物たちが「(ぼくも、わたしも)中に入れて」とやってくるというもの。
寒そうな、一面雪景色の森の中、
ふさふさの毛が付いた手袋の中のあったかそうなこと。
ぎゅうぎゅう詰めになりながらもぬくぬくとした動物たちの表情が何だか滑稽で笑ってしまう。
うさぎたちに交じって一緒に中にもぐり込みたくなってくる。
 
本当に短いお話なのに、何度もページを捲っているうちに
あっという間に小さい頃の自分に戻っていく気がした。
そうそう。子どもってこんな風に視点が地面に近いんだった。
子どもってやたらアリの観察とかしてるものね。
 
物語の中で唯一、この手袋を落とした人間のおじいさんが出てくるのだけど、膝から下しか登場しない。
この絵本はまさに子どもの目線で描かれている。
 
大人になると今まで見えていた世界が見えなくなるんだなあ。
大人になれば世界が広がると思いがちだけれど、
実は逆なんじゃないだろうか。
 
こうやって絵本を読むとはっと忘れていた感覚を思い出させてくれる。
そして本当は目の前の現実だけではなくて、
もしかしたらもっと別の世界がどこかにあるのかもしれない、
と想像することでほっとしたりする。絵本の効用だ。
 
温かみのあるオレンジ色に、刺繍の模様にありそうな花の図柄の囲みの表紙なのもこの絵本が好きな理由。
この表紙を目にすると自然と心が暖まっていく、
この本自体が手袋のような一冊。
 
クリスマス一色の今週。
ずっとこれからも読まれ続けるだろう子ども、大人関係なくプレゼントにもおすすめの絵本です。

OMAR BOOKS 川端明美




OMAR BOOKS(オマーブックス)
北中城村島袋309 1F tel.098-933-2585
open:14:00~20:00/close:月
駐車場有り
blog:http://omar.exblog.jp
 

NAKAI


 
deccoの糸巻きオーナメントは今年も健在☆
ボディは焼物だから、長く愛用できるお勧めの品。
 
「この白いツリー、なんと100均のなんだよ〜。
100均ってほんとスゴイよね。」
 
なんて奥様の聡子さんは言うが、
いやいや、本当にすごいのは100円のツリーさえ格上げしちゃう、
decco の白いポットとオーナメントでしょう。
 

 
糸は好きな色に変えてもオッケー。
我が家の定番カラーを決めるもよし、
その年によって変えるもよし、
色とりどりでツリーに飾るもよし。
 

 
スプーン型のオーナメントは、繋げてつるしても可愛い☆
白と白の組み合わせって、こんなにゴージャスになるんですね〜。
 

 
こちらは勝手に私イチオシのボトル型花器。
 

 
ボトルの周囲をステッチしたような模様もサイコーに可愛い!
「ぷぅっ」と空気を入れて膨らませたような形も秀逸。
decco の作品、アイディアのおもしろさと洗練されたフォルム、確かな技術に毎回脱帽です。
 

 
割れ目からひよこが出てきそうなこちらの作品は 
 

 
「egg」と名付けられた花器。
水をいれることで安定感も生まれるため、
バランスをとるのが難しそうな葉ものも
倒れることなくこんなにしっかり生けられます。
 

 
カードホルダーには、
卓上カレンダーを乗せるのがお勧め。
 
壁掛けと卓上と、我が家ではカレンダーを二つ使用しているのだけど、
いつも困っておりました、上等な卓上カレンダーってなかなか無いなぁと。
予定を書き込むことが最大の目的なので、
実務的なものを選ぶと味気なくなって・・・。
 
素っ気ない卓上カレンダーも、
decco の器の上ではスペシャルな一枚に早変わり。
 

 
ピーナッツの殻のようなこちらは 
 

 
カトラリーレスト!
くぼみがあるので、薬味入れにもなるという優れもの。
まとめ買いする人も多いという人気商品。
 

 
首里近辺を通るとき、
ついつい decco に足をむけたくなるのは、
大人かわいい白の器たちに囲まれたいからだけでなく実は、
decco の仲村夫妻の笑顔に会いたいから。
 
「初めての取材って確か、去年の今頃だったよね〜」
 
「また来年も宜しくね! お互い元気で頑張ろうね〜」
 
と、年末の挨拶を交わしながら、
「まだ知り合って1年にしかならないのか・・・」
と内心びっくり。
 
扉を開けた瞬間から、旧知の友達のようにあたたかく迎えてくれる夫妻が作る器は、
人柄同様、やはりあたたかい。 
 
そのあたたかさに包まれて、新しい年を迎えたい。
 

写真・文 中井 雅代

 

decco(デコ)
那覇市首里鳥堀町4-89-5久場アパート中(赤嶺ミート隣り)
tel&fax 098-884-8587
open:14:00〜19:30
close:日・月・火
HP:http://www.decco.jp
blog:http://decco.ti-da.net/
 

NAKAI


 
疾走感はなくとも、12月は駆けぬけます。
 
この仕事を始めてから祝日や土日という感覚があまりなくなってきました。
たまに祝日の日にお店が休みで、いつものように外出すると
人の多さに平日なのに疑問がよぎり、ああ、祝日だからと、
思考を巡繰りさせることがしばしばあります。
子供の頃、台風の日に学校がお休みになるのが嬉しかったように、
祝日も指折り数える楽しみの一つでした。
 

 
フランス生まれのキャラクター「デゴリングス」。
子供も大人も魅了します。
 
「23日」
ちょうどクリスマスイブの前日に当たるこの祝日は、
明日、明後日の前夜祭のようなドキドキ感を感じます。
街はイベントがいっぱい、出かければどのお店もいつもより華やいで見える。
周りのワントーン明るい話声に、いつもよりたくさんの笑顔に、心が弾む。
この感覚は何とも代替えしがたいものです。
視線を横にやれば、年末に向けてデパートではお歳暮やお年賀の手配、
お正月を迎える準備等も同時進行。
うんうん、どちらも大事であります。
 

ドライフラワーが映える季節です。器:長峰菜穂子
 
「判断に責任を持つ」
先日、ミナペルホネンチーフデザイナー皆川明さんのトークイベントへ出席した際
たくさんの魅力的な言葉が発せられた中から私に降りてきたこの言葉。
くだした決断が正しいか否かではなく、その判断に責任を持つということ。
まさに心へストレート。深いところに決まりました。
おそらく私の場合はこれまで関わってきた環境からでしょうし、
会場にいた皆、十色に響いた言葉は違うでしょう。
人は自分に合うものをしっかりと手につかめるようにできているに違いない(と信じたい)。
そろそろ気分は今年の総括ムードであります。
 

部屋のお掃除がんばります。玄関もきれいにします。
だから風通しのよい家に人になりたいです。
ブラシ・靴べら:レデッカー社製品

 
「12月」
たくさんの注目事がほぼ同時にやってくるこの時期はとてもカオスで、
気持ちが予測しない方向へ揺れ動きます。
はやる気持ちを「動」と呼ぶなら、自分を棚卸そうとする気持ちは「静」。
この両極端の間を振り子のように動きます。
いつもとはまた違うこの感じ。
ならば、ここは素直に身をゆだねて
違うと感じる気持ちと向き合ってみるのもおもしろいかもしれない。
 
◇今月これからの対面事項:
・クリスマス
・仕事納め
・年賀状
・忘年会
・お世話になった方、親しい方々へのご挨拶
・大掃除
・年始の買い出し、準備
・大晦日
・おせちの準備
・紅白を見る
・年越しそばを食べる等 
 

おせちにおみくじ、紅白が終わってからも忙しい。
 
楽しいことも、骨が折れることもすべてが一緒にやってきます。
年末年始のお休みがある人も、頑張らないといけない人も、
みな自分だけが感じるこの時間に揺れながらゆく年を送り、来る年を迎え、
また新しい1年を始めるように思います。
 

寒い時期の緑の成長に勇気をもらいます。
 
どうぞ皆様が心地良いと感じるクリスマス、新年を迎えられますように。心より。

写真・文 占部 由佳理(tous les jours店主)


 
tous les jours(トレジュール)
那覇市首里儀保町2-19
098-882-3850
open:水~土
12:00-18:00
(変更あり。毎月の営業日をブログでお知らせしております。)
blog:http://touslesjours.ti-da.net


関連記事:ひとつ先のくらしを提案するtous les jours(トレジュール)

 

NAKAI


 
明日12月22日は冬至=トゥンジー。
沖縄では無事冬が越せますようにと「トゥンジーじゅーしー」を食べるのが習わしですね。
 
今年は大山で無農薬・有機栽培で田芋を栽培している『サンキューファーム』さんと出会い、有難くも上等田芋を分けていただいたので、
浮島ガーデンでは田芋とムジ(ズイキ)を使ってちょっぴりスパイシーな「トゥンジーじゅーしー」(冬至の日の夜限定メニュー)を作ることにしましたっ。
 
田芋は親芋に子芋、孫芋が連なってできることから
【子孫繁栄】の嘉例な食べ物として伝統行事には欠かせない食材。
1キロ約1000円と値段は高めですが、
出荷までの過程を知ると決して高いものではないことがわかります。
 
田芋は栽培期間が1年もかかる上、湧き水で泥を洗い、蒸してから販売されます。
というのも田芋は蒸してみないと食べられるかどうかわからないそうで、夏場は半分近く捨てることもあるそうです。
 
「田芋を蒸すと、上等ターンムは皮が割れる。
それを見てオバァはよく、ターンム、ワラトーミー(田芋が笑っている)と言ってました」。
サンキューファームの宮城優さんは田芋を栽培するようになってからこの言葉の意味がわかったそうです。
「田芋の皮が割れたとき、一年の重労働が報われて自分も笑う…ということなんだと」。
苦労して田芋を作っていることがこの一言で十分すぎるほど伝わって、ありがたくて胸がジ~ンとなりました。
 
そして田芋は割れ目のいっぱい入っているもの、
笑いジワの多いものほど美味しいんだそうです。
ほんとにおめでたい食材ですね。
そんな嘉例な田芋が入った「トゥンジーじゅーしー」、
浮島ガーデンのオーガニックワインに合うようにと島のウコンなど入れて、スパイシーに作ってみました。
季節の伝統料理を作ると自然と感謝の気持ちが湧いてきます。
今年も一年、無病息災ありがとう。
これからも健康でありますように。
願いを込めて、いただきま~す☆
 
「スパイシー・トゥンジーじゅーしー」
 
<材料>
田芋 300g (大き目にカット)
島にんじん 50g (5ミリ角にカット)
ムジ 100g (なくてもオッケー)
もちきび1/2カップ
米 2と1/2カップ
戻した干ししいたけ 3枚(8ミリ角にカット)
うこんパウダー 小さじ1/2
クミンシード 小さじ1
オリーブオイル 大さじ2
塩 小さじ2
白しょうゆ 大さじ1
みりん 大さじ1
生姜の絞り汁 小さじ1
出汁 550cc (昆布5センチ角3枚&干ししいたけ3枚)
トッピング コリアンダー、フェンネルなど
 
<作り方>
 
1) ムジ(ズイキ)は周りの薄い繊維をむき、鍋に入る大きさに切って茹で、冷水に浸してアクを取る。
*アクで手が真っ黒&痒くなるので、ビニールの手袋をした方がいいかも。
 

 
2) 鍋にオリーブオイル、うこんパウダー、クミンシードを入れ、弱火にかけ、香りが出たら、田芋、島にんじん、ムジ、干ししいたけ、塩小さじ1を入れ、軽く炒める。
 

 

 

 

 

 

 
3) 炊飯器に洗ったもちきびと米、出汁、白しょうゆ、みりん、塩小さじ1、生姜の絞り汁、②を入れて炊く。
 

 

 

 

 

 

 
4) 炊きあがったものにコリアンダーなどのハーブを散らせば出来上がり~☆
 

 

 

 

Text by 中曽根直子(浮島ガーデン フードデザイン)




浮島ガーデン
那覇市松尾2-12-3
098-943-2100
open:14:00~24:00
close:火
HP:http://ukishima-garden.com
ブログ:http://ukishima.ti-da.net
 

NAKAI

 

黄金色に焼き上がった丸いパイの上には、
このパイを食べるときに欠かせない紙製の王冠が乗せられて。

 

「良質のバターを使って2日間かけて作るので、本当に美味しいんですよ。自信作です」
と、pour vous(プール・ヴー)の源河さんが胸を張って勧めるのは、ガレット・デ・ロワ。 “ エピファニー ” と呼ばれるキリスト教の祝日(=1月6日)に食べる、フランスの伝統菓子だ。

 

 

 

幾重にも重ねられたパイ生地は、ざくっとした歯応えと香ばしさがたまらない。
中にはアーモンドクリームがぎっしり。
パイ生地とアーモンドクリームというシンプルな組み合わせなのに、食感は不思議なことにジューシーなことこの上ない。
アーモンドクリームのふくよかな香りとしっとりとした歯触り、そして自然でクセのない甘みがじんわりとしみわたる。

 

クリーム系のケーキだけでなく、焼き菓子の評判も高い pour vous の真骨頂とも言えるパイだ。

 

このパイ、食べる時に楽しいゲームが行われる。
家族が集まった時に切り分け、小さな子供が配膳。
パイの中には一つだけ「フェーヴ」と呼ばれる陶製の人形が入っており、当たった人は一年間の幸福が約束される。
また、新年の宴における王となって王冠をかぶり、女王も指名できる。

 

フランスではガレット・デ・ロワを食べなければ新年が始まらないというほど、生活に密着した焼き菓子だ。

 

 

その起源は古代ローマ時代にまでさかのぼるという由緒正しい伝統菓子だが、陶製のフェーヴを入れるようになったのは19世紀の半ばを過ぎてから。
本来は空豆を入れていたという。(「フェーヴ」は空豆の意)

 

陶製のフェーヴはデザインも様々で、「今年はどんなフェーヴが入ってるかな?」と想像するのも楽しいし、その可愛さからコレクターもいるんだとか。

 

 

pour vous では誤飲を防ぐためにフェーヴは中に入れず、パイに添えて渡している。
小さい子からおじいちゃんおばあちゃんまで、正月には親族一同が会することの多い沖縄では嬉しい心配り。

 

「この風習が、もっと沖縄に根付くと良いなーと。
クリームもフルーツもないシンプルなお菓子ではあるんですけど、新年を祝って家族でパイを食べるっていう習慣が素敵だなって。
何よりも、ガレット・デ・ロワが僕大好きなんです。この素朴な味わいがたまらなくて。
もちろん、我が家では毎年食べてますよ」

 

源河さんは「素朴な味」と形容するが、地味な味わいという意味ではない。
むしろ新年に食べるのにふさわしい、品の高い贅沢な味わい。

 

素材はシンプルだが、綺麗な丸い形に仕上げるには熟練した技と繊細な心配りが必要。
パイ生地を重ねるとき、生地を伸ばした方向が縦と横で垂直に交わるように重ねなければ、焼く時にちぢみが生まれ、形がゆがんでしまうという。

 

「ゆがみが生まれると味も少し変わってしまう気がして。
可愛らしい丸型に焼き上がるよう、心を配っています」

 

 

フランスでは、1月いっぱいガレット・デ・ロワの味とゲームを楽しむという。 
pour vous での販売期間は12月29日から1月22日まで。

 

元旦のデザートに、
おせち料理に飽きた頃に、
しんと冷える夜のお茶うけに。

 

「フランスではこうして新年をお祝いするんだって〜」
と、会話も弾むだろう。

 

ガレット・デ・ロワによって受け継がれる家族団らんの喜びを是非。
一度味わえばきっと、あなたの家の定番になる。

 

写真・文 中井 雅代

 


pour vous(プール・ヴー)
豊見城市字上田543-3
098-856-8007
open 10:00〜20:00
close 木(祝日の場合は営業)
http://pourvous.ti-da.net

 

ガレット・デ・ロワをご購入のお客様に
「カレンドを見ました」の一言で焼きドーナッツをプレゼント!!

 

NAKAI


 
良いです。
 
非常によかった。私、このポスター、好きだなあ。
 
ちょっと尺が長い気がしたけど、良かったよ。NYの夜の街が素敵です。
 
9・11で家族を失った男をアダム・サンドラーが演じてるんだけど、はあ~、つらい。
みんな死んじゃったんだよ。
立ち直れないよね。
 

 
ドン・チードル、いいねえ。
エリートなんだけど、彼もちょっと心に問題をかかえてるんだよね。
皆そうだよね、生きていくってそういうこと。
 
チャーリーを救いたい、アラン。
だけど、本当に救われていたのはどっちだったのか。
 
お互いを必要として、やはりお互い再会すべきだったんだよね。
 

 

 

 
チャーリーは、家族がいたことも、全て、心に鍵をかけちゃっているの。
 
そりゃそうだよ。
思い出したくないよね。
 
9・11の被害者、遺族。
こういう人は本当にいっぱいいるんだろうね。
 
チャーリーは生命保険やなんだかんだで、物凄く、お金を持っている。
だけど、彼にとってもみれば “ so what ??(だから何?)” なんだろうね。
でも、so what ? といいつつ、お金があってやっぱり良かったんだろうな、と傍からみると思うけどね。
多分、生きている実感すらなく、ただ苦しい時間をすごしているチャーリーには、大したことじゃないんだなあ。 
 

 
私も突然家族を亡くしていますが、本当に最後に交わした会話、って心に残ります。
 
「最後の会話だったのに、、」とチャーリーがいうんだけど、私も本当に同じ気持ちです。
もうちょっと違う会話を最後の会話にしたかった。
 
私の場合、母が突然亡くなったのだけれども、前の晩に、ちょっとした口論をして、次の日、私が仕事から帰ってきたら亡くなっていた。
 
はっきりいって、今も立ち直れない。
 
だから、やっぱり、どんなことがあってもいいように、愛する人たちにはちゃんとそれを伝えたい。
 
いつでも、I LOVE YOU を伝えて後悔のないようにしたい、と思う。
 

 
アランは「忘れろ」っていうんだけど、忘れられないと思う。
忘れなくてもいいと思う。
ただ、自分を責めるのはよくないよね。
それも、わかっていてもなかなかです。
 
世の中突然いろんな予期せぬ出来事がある。
 
つらいことも、いいことも。
 
それでも、生きている限りは、前を向かなきゃいけないのです。
 
コミュニケーションって本当に大事だなあ。
 
伝えなきゃ、伝わらないんだもの。
 
この映画で更に実感しました。
 

 
あ、アランの妻役で、私の天敵、 ジェイダ・ピンケット・スミスが出てましたが、この映画の彼女はなかなか素敵でした。
顔が嫌いなんだけど、最近めっきりフェミニン路線で、結構良いです。
 

 

 
ウィル・スミスファンとしてはつらいですが、認めます。 
 

 

KEE



<ストーリー>
ニューヨークで歯科医院を営むアラン(ドン・チードル)は妻子に恵まれ理想的な生活を送っていた。ある日アランは911で妻子を失った大学時代のルーム・メイト、チャーリー(アダム・サンドラー)と再会する。しかしチャーリーは未だに立ち直れず、心を閉ざしていた。そんな彼を立ち直らせようと、アランは行動をともにする。次第に彼らは互いを必要とする関係になっていく。
 
<キャスト>
アダム・サンドラー
ドン・チードル
ジェイダ・ピンケット=スミス
リヴ・タイラー
サフロン・バロウズ
ドナルド・サザーランド
マイク・バインダー