NAKAI

ライフ・オブ・パイ
 
私は好きです。この世界観。
 
全体を通して、色がとにかく美しく、おとぎ話の絵本を、映画で観ているようでした。
 
ライフ・オブ・パイ
 
ライフ・オブ・パイ
 
前半は、インドのシーン。
 
パイの子供時代なども、非常にユーモアにあふれていて、なかなか笑えます。
 
パイ役は無名のスラージ・シャルマ。この子は実際、空手が得意らしく、身体が鍛えられててなかなか良かった。
目がきれいだよね。かわいい。
たくましいパイ役にぴったり。
 
ライフ・オブ・パイ
 
ライフ・オブ・パイ
 
ライフ・オブ・パイ
 
パイのお母さん役、タブー。きれいだよね~。
 
ライフ・オブ・パイ
 
パイのガールフレンドのアナンディを演じた Shravanthi Sainath も相当かわいい。
 
ライフ・オブ・パイ
 
私は、このヤン・マーテルのベストセラー小説「パイの物語」を読んだことがないのですが、読んでみようと思いました。
 
 
あんな嵐の中を生き延びることも、トラと一緒に漂流することもとっても現実離れしているけど、これが物語や映画の醍醐味。
ファンタジーですね。
 
ライフ・オブ・パイ
 
ライフ・オブ・パイ
 
ライフ・オブ・パイ
 
この映画は、宗教の話とか、動物との共存とかいろんなことを盛り込んでいます。
押しつけがましいのはとっても勘弁だけど、この映画は、そんなことはないです。
 
人間界、動物界、生きとし生けるもの、what’s the difference? (何の違いがある?)
 
3Dで観ましたが、これは3Dで正解。
 
ベンガルタイガーのリチャード・パーカー、この名前が笑える。
しかも、なぜわざわざフルネームで呼ぶのか?(笑)
 
エンディングで、この物語の真実はどこにあるのか? が観客にゆだねられます。
 
結構衝撃的でした。
 
私は、いまだに、どう受け止めていいかわかりません。
 
なんだか、教えがいっぱいある映画であり、センスがいい映画です。これは劇場で、是非。

KEE

 

 
<ストーリー>
1976年、インドで動物園を経営するパイ(スラージ・シャルマ)の一家はカナダへ移住するため太平洋上を航行中に、嵐に襲われ船が難破してしまう。家族の中で唯一生き残ったパイが命からがら乗り込んだ小さな救命ボートには、シマウマ、ハイエナ、オランウータン、ベンガルトラが乗っていた。ほどなくシマウマたちが死んでいき、ボートにはパイとベンガルトラだけが残る。残り少ない非常食、肉親を失った絶望的な状況に加え、空腹のトラがパイの命を狙っていて……。
 
<キャスト>
キャスト
スラージ・シャルマ
イルファン・カーン
ジェラール・ドパルデュー

 
<沖縄での上映劇場>
シネマQ
098-951-0011
那覇市おもろまち4-4-9 那覇メインプレイス2F
HP:http://www.startheaters.jp/cinemasq
サザンプレックス
098-835-6600
島尻郡南風原町字宮城371-1
HP:http://www.startheaters.jp/southernplex
 

NAKAI

オーケストラは未来をつくる
潮 博恵・著 アルテスパブリッシング ¥1900(税別) 
 
― 音楽が終わったあとで残るもの ―
 
どうやら巷は学芸会シーズンらしい。
小学校の記憶でかろうじて残っているのがこの学芸会のこと。
あの日常と非日常へ変わる、わくわく感をよく覚えている。
 
劇『ベニスの商人』やグレンミラーの合奏をやった年もあった。
見慣れない明かりの点いた夜の校舎に、遅くまで残って何かをみんなで作り上げる過程が好きだった。
 
最近知人が言っていたのは、大人になって好きでやっていることは子供の頃好きだったことと同じだったりするという話。
ほんとにそうだなあと思う。スケールや内容の違いさえあれ。
考えてみると仕事で今やっていることもそれに近い。
そんなことを考えているときに出会ったのがこの本。
 
クラッシック音楽の世界がまるっきり分からない人にも面白く読める本書。
独自の活動が他と一線を画すサンフランシスコ交響楽団の30年の道のりを、感銘を受けた日本人著者がウェブサイトで紹介したところからこの本も世に出ることになったそう。
 
サンフランシスコといえば、グーグル、アップルを生んだベイエリア。
その自由な空気に満ちた場所で、街や人々を巻き込んでマイケル・ティルソン・トーマスという人物を中心にオーケストラはドラマティックに成長していく。
 
この本、いろんな角度から楽しめる。オーケストラを率いる孤高のイノベーター、ティルソン・トーマスの人となりだけでも充分魅力的な上に、オーケストラ(特にアメリカ)のしくみから歴史や経営、運営、
楽しみ方まで初心者にもよく分かるように紹介されていて読みやすい。
 
音楽教育にも大きく貢献し、その場所を活かしてのインターネットを駆使した演出やコミュニティ・ハブの役割としても街の人々に愛される現代のオーケストラの存在はとても刺激的だ。
 
天性のパフォーマー、ティルソン・トーマスの、既成概念にとらわれない発想とそれを具現化しようとする周りの演奏家、スタッフ、ボランティアたちの試みは読む人に元気を与える。
 
そこにはいろいろな要素が絡まりあってオーケストラはまるで進化し続ける生き物のよう。
その生き物の糧は関わる人々や応援する一人一人の情熱。
オーケストラはただ単に古典音楽を再現するものではないんだなと、読みながらつくづくとそう思った。今に生きる私たちが楽しめる音楽を追求し、最高の時間を提供しようとするその姿勢に胸を打たれるはず。
 
ティルソン・トーマスいわく
 
―もっとも関心があるのは音楽が終ったあとで心に残るもの―
 
聴いた人の一年後、十年後、その先に何が残り、どんな変化が起きるのか。
 
この本が生まれたのもその答えの一つ。
読み終わる頃はきっと遠かったクラッシック音楽が身近に感じられる一冊です。
 

OMAR BOOKS 川端明美




OMAR BOOKS(オマーブックス)
北中城村島袋309 1F tel.098-933-2585
open:14:00~20:00/close:月
駐車場有り
blog:http://omar.exblog.jp
 

NAKAI

 

クリームチーズベースのアイシングがかかったキャロットケーキ。
しっとりとやわらかな生地を口にすると、シナモンとナツメグのスパイシーな香りがぶわっと鼻を抜ける。
程よい甘みとぴりっとした刺激。
クルミとレーズンの歯触りも楽しい。

 

「日本では洋菓子を作るとき、ベーキングパウダーを使うことが多いのですが、うちのキャロットケーキはベーキングソーダを使っています。
アメリカではそれが普通で、アメリカらしい味になる大切な要素の一つ。
ニンジンは北海道産。1月から春までは津堅島産に変わる予定です」

 

さくらさんは、地産地消をできる限り取り入れ、季節の素材を使うことを心がけている。
もちろん、看板商品の一つ、レモンケーキを作るときにも。

 

kinostore

 

 

「レモンは現在、可能な限りうるま市の伊波さんから仕入れたものを使っています。
果汁はもちろん、皮も使っているんですよ」

 

レモンチョコをコーティングした、しっとりとした質感のスポンジ生地。
中にはレモンクリームが詰まっていて、濃厚な酸味と甘み、爽やかな香りが全体を引き締めている。

 

kinostore
ハワイアンコーンブレッドはココナッツとパイナップルの甘い香りが魅力。ハワイのローカルケーキ、バター餅をアレンジしたココナッツもちは、独特のもちもち感がたまらない

 

kinostore
かぼちゃをたっぷり練り込んだマフィン

 

気取りがなく、親しみやすい雰囲気が漂う、さくらさんの焼き菓子。
しかし、そのシンプルな見た目からはちょっと想像できないほど、細部までこだわって作り込まれている。

 

例えばレモンケーキの表面に、流れるように描かれたホワイトチョコのライン。その一部がほんの少しよれただけでも、店頭には決して並べないという。

 

「夫から『味にも品質にも問題ないし、気にしなくていいんじゃない?』と言われることもよくあるんですけど、いや、やっぱり見逃せない! と押し切るので毎回あきれられています(笑)」

 

kinostore
ストアードーナッツ。この日はオールドファッション、ケーキタイプの2種類がお目見え

 

素朴なフォルムにも理由がある。

 

「それぞれのお菓子に対してお客様が抱くイメージを、できるだけ再現するように心がけています。

 

例えばドーナツだと、誰もがドーナツと聞いたときに頭にほわっと浮かぶような味や形にするために、素材や作り方を選んでいきます。
それをベースにした上で、アレンジを少しだけ加えて仕上げていくんです。

 

レモンケーキも、懐かしさと新しさの良い合わせ方を探すために時間がかかりました。
以前は表面にレモン果汁を使った砂糖衣をかけていたんです。
でもオープン日が近づくにつれ、やっぱりチョコがかかってなきゃレモンケーキじゃない! と思い、一から作り直して。

 

また、一般的なレモンケーキにはクリームが入っていませんが、そこが私なりのアレンジ。新鮮なレモンの皮も捨てずにいかしたかったので、砂糖漬けしたレモンの果汁と皮、玉子でクリームを作ることを考えつきました」

 

そう聞いたとき、お店のテーマである “ちょっと懐かしいけど、ちょっと新しい” という言葉の意味が理解できた気がした。

 

各地に根づき、時代を超えて愛されてきた菓子。
奇をてらうことなく、その基本となる要素を最も大事にしているからこそ、さくらさんの “小さな主張” も生き生きと輝いているのではないだろうか。

 

kinostore

 

オリジナリティに溢れ、また、一度食べたら病み付きになるkinostoreのお菓子たち。

 

「どこでお菓子作りを習ったのか訊かれることも多いのですが、学校に通ったことはありません。すべて独学なんです」と、さくらさんは笑う。

 

「なんでもまずはやってみます。
それでうまくいかなければ試行錯誤して、おいしくできる方法を模索する。その過程も楽しんでいる気がします。

 

例えばレモンケーキに入れるクリームも、最初はおいしくできなくて。
何度の試作を重ねる中で、果汁と皮を一緒に砂糖漬けすると、皮の苦みが強く出てしまうことに気づいたんです。それで別々に漬けてからシロップを作り、クリームにしてみたらとてもおいしくできて。
完成したときはすごく嬉しかったですね」

 

さくらさんは子どもの頃から大のお菓子好き。
長年に渡り、主に海外のレシピを参考にしながらお菓子作りを楽しんでいたという。

 

「昔から食に対する好奇心が旺盛で、小学生の頃にはお菓子や料理を作るようになっていました。母が家でパンを焼いてくれるほど料理好きだったので、その影響も大きかったと思います。
海外のお菓子の本を見ながら、『どんな味なんだろ〜』って想像しながら作るのが楽しくて。
英語はほとんどしゃべれないのに、料理用語はだいたいわかるという(笑)」

 

見慣れない英単語を調べながら、お菓子を作っていた幼い頃のさくらさん。
その姿を想像すると、実に微笑ましい気持ちになる。

 

kinostore

 

千葉県出身で、沖縄に移住する前は東京でコピーライターの仕事をしていた。

 

「中学生のとき、雑誌でキャッチコピーの募集をしていて、送ったら大賞をとったんです。
それがきっかけで広告の仕事につきたいと思いました。
広告って、まず文章と写真ありきじゃないですか。
文章は自分でなんとかできそうだけど、写真はしっかり学ぶ必要があるだろうと思って日大の芸術学部に入ったんです」

 

卒業してすぐに広告制作会社に入社。
毎日目が回るほど忙しく、朝帰りもしばしば。
5年勤めた後、辞める決意した。

 

「私も夫も、仕事に比重を置かず、生活そのものを大切にしたいと考えるようになっていました。そこで何ができるかを探っていたら、会社の近くにおいしい弁当屋さんがないことに気づいたんです。
それで、イタリア料理店に勤めていた夫と2人で弁当屋を始めました。

 

冷凍食品は一切使わず、おかずは全てイチから手作り。
日替り弁当と唐揚げ弁当の2種類だけだったのですが、ありがたいことに整理券を配るくらい人気が出て、平日150食から200食近く出ていました」

 

kinostore

 

開業して3年が過ぎる頃、今一度生活を見つめ直した。

 

「気づけば休む間もないくらい働いて、共倒れ寸前でした。
これでは以前の働き方とほとんど変わらない。
今度こそ生活を変えよう! と思い、父の故郷の沖縄で暮らすことにしたんです」

 

夫の洋介さんの就職先が決まり、沖縄に引っ越してきたのが2005年。
さくらさんは家事や子育てなどの主婦業に専念しながら、お菓子作りはずっと続けていたという。

 

お店をオープンした大きなきっかけとなったのは、子どものひと言。

 

「『お父さんは次いつ来るの〜?』と言われたんです。
夫の仕事は夜勤も多く、子ども達と顔を合わす機会も少なかったから、別のところに住んでいると思われていたのかもしれません。
その言葉に私も夫もすごくショックを受けて」

 

家族で過ごす時間を増やすために洋介さんは会社を辞め、2012年10月にさくらさんは店をオープンさせた。

 

kinostore

 

レモンケーキをメインの一つにすることは、早い段階で決めていたという。

 

「沖縄に来るまでは、レモンケーキって食べたことがなかったんです。

 

ものすごくおいしいというわけではなかったけど、自分でも不思議なくらい心が惹かれました。
しばらくして、正月やお盆などのお供えものとして使われることが多いと知って。
それはとても素晴らしいことだけど、日常で好んで食べているという人に会ったことがなかったんです。

 

沖縄の文化にこんなに根づいているお菓子なんだから、私がもう少し表舞台に出してあげたい! と火が付きましたね。

 

近所の人や親戚にレモンケーキのお店をしたいって話したら『誰も食べないはずよ』『流行らんよー』と言われましたけど(笑)」

 

kinostore
さくらさんの実家でいつも飲んでいた「ヨシモトコーヒー」から取り寄せた豆を、丁寧にハンドドリップで。

 

店頭に並ぶお菓子は、ほとんどのものが100円台。
リーズナブルな価格設定に気持ちが舞い上がったが、材料費や手間が価格に反映されているとは思えない。

 

「私が目指しているのは、特別な日だけでなく日常で食べられるお菓子。
毎日気軽に食べてほしいから、値段はあげたくないんです。

 

お店を始めたことで、地域の方々と以前より深く関われるようになりましたね。

 

このあたりはお店も少ないから、部活帰りの高校生の子たちも家から遠いのにわざわざ寄ってくれて。
向かいのおばあちゃんもよく来てくださるんですよ。
それがものすごく嬉しいですね。

 

東京にいた頃、お金を貯めては何度もイタリアを訪れたんですよ。
私も夫も食べるのが大好きだから、観光や買い物には脇目も振らず、ひたすら食べ歩いていたんですけど、とある食堂のおばちゃんでとても素敵な方がいたんです。

 

会計をお願いすると、にこにこしながらやってきて同じテーブルの椅子に腰かけるんですよ。
それから、私たちが食べたメニューをおしゃべりしながら一緒に確認しました。ふとおばちゃんの手元を見ると、敷いていたクロスにサラサラと値段を書いて、伝票替わりとして使われていて。
またその動作も自然で全く気取りがなくて、仕事そのものが目的ではなく、みんなに喜んでもらうため、楽しく生きるために働いているという雰囲気に感動しました。

 

お店を出て後も、人生で大事なことってこれだよね! と2人で話し合って(笑)。
その頃から徐々に価値観も変わったと思います。

 

ここもそういうお店にしたいんです。村のなかの小さな商店。
ふらっと立ち寄ってもらえて、みんなが世間話したり、のんびりできるような場所に」

 

kinostore

 

そう話していた矢先に、向かいのおばあちゃんがタイミングよく顔を出す。

 

「正月の準備どうですか?」
「忙しくて大変。にーぶいすっさー(眠たいさー)」

 

次に入ってきたのは、なんとお孫さんとその友達。
「あ、おばあちゃん。ここにいたんだ〜」

 

何気ない会話から、店内の空気がほこほこと温まっていくのが伝わる。

 

イタリアの食堂で気づかされた人生で大事なこと。
それを体現しているさくらさんのお店は、身近でちょっと特別な存在に早くもなっている。

 

 

 

文・仲原綾子 写真・中井雅代

 

kinostore
kino store(キノストアー)
宜野座村宜野座443
098-968-6036
open 10:00~17:00(木〜土)
close 日〜水
http://www.kino-store.com

 


 

 

NAKAI

日々 hibi 29号
アトリエ・ヴィ・編/発行    ¥1,155/OMAR BOOKS 
 
― 文化が生活に根付くと ―
 
2013年の幕開け。
気持ちを新たにしている人も多いことでしょう。
こういう一年の始まりには、今までとちょっと違うところに目を向けて自分の中に新しい風を入れる作業をしてみるのもいいのでは。
普段なら手に取らないものに触れたり、行ったことのない場所へ出向いたり。
 
今年は本をたくさん読もう、と思っている人も今までとはちょっと違うジャンルに挑戦するのもまた良し。
 
そこで、いつもここでは「本」を取り上げていますが、今回は『日々』という本と雑誌の中間のような冊子をご紹介します。
 
「アトリエ・ヴィ」さんという小さな出版社から3~4か月ごとに発行されているこの『日々』。タイトルどおり、毎回日々の暮らしをいつもよりちょっと豊かにしてくれる内容。
どちらかというと書籍、というより雑誌扱いながら広告が一切ないことに、作り手の情熱が伝わってくる。
 
毎回テーマを絞って丁寧に作っていることに共感をおぼえて、お店開店以来わずかながら取り扱わせて頂いている。
 
で、今回は創刊8年目の番外編ということで、通常よりページが厚め。それも「台湾」特集!台湾というと何故かおめでたいイメージがあるのでお正月気分もあって楽しくページを捲った。
料理・雑貨のスタイリスト、伊藤まさこさんの現地の人との交流が日記風に綴られている。
 
日々
 
いわゆる観光地ではないところ、その土地で生活している人の暮らしぶりが見ていて楽しい。
私自身、旅をするときどうしてもそういう部分に目がいってしまう。
原色がまぶしいちょっと傾いた郵便ポストだとか、商店街につるされた飾りだとか、古びたアパートの鉄柵の形だとか。
もちろん食べ物も。
朝の市場の汚れた屋台で湯気を上げるお粥なんてたまらない。
  
日々
 
それにしても写真のせいもあるけれど、台湾の人はハイセンスだなあと毎回感じる。
ある特定の分野の中で突出した才能をあちらこちらで目にする。文化というものがちゃんと生活に根付いているからだろう。
そして何より街も人もエネルギーに溢れている。
 
i phoneで撮影された写真も豊富なので、特に食べ物や身の回りのものを魅力的に撮るにはどうしたらいいんだろう?という人には撮影の仕方の参考になりそう。
 
旅する気分が膨らんでくる一冊です。



OMAR BOOKS(オマーブックス)
北中城村島袋309 1F tel.098-933-2585
open:14:00~20:00/close:月
駐車場有り
blog:http://omar.exblog.jp
 

NAKAI

いなむどぅち 沖縄 料理教室
 
お正月だけじゃなく、一年通してうちではよく食べるいなむどぅち。
具沢山で栄養たっぷり。しかも、肉さえ下準備しておけばすぐできる便利な一品。
 
いなむどぅち 沖縄 料理教室
 
今回の材料はちょっと多め。うちは大家族だからね。
3〜5名の普通のご家庭なら、こんなに沢山用意しなくて大丈夫よ。
 
豚肉、沖縄かまぼこ、しいたけ、こんにゃく、かつおぶし。
こんにゃくは、いなむどぅち用じゃなく、板こんにゃくを自分で刻んでもいいよ。
 
ちなみに、肉、かまぼこ、しいたけ、かつおぶしはすべて冷凍保存してます。
 
いなむどぅち 沖縄 料理教室
 
味噌は、できればいなむどぅち専用のものを用意してね。普通の白みそだと甘みが足りないから。
中でも私は「チョーコー」の味噌が気に入ってるよ。
 
いなむどぅち 沖縄 料理教室
 
干し椎茸は水でもどしておいてね。
 
いなむどぅち 沖縄 料理教室
 
かつおぶしでダシをとります。
 
いなむどぅち 沖縄 料理教室
 
かまぼこは千切りに。
 
冷凍しておくと、やわらかい食材が切りやすくなるよ。
 
いなむどぅち 沖縄 料理教室
 
沸騰してしばらくしたら、かつおぶしを取り出します。
このかつおぶしは捨てないでね。
おいしい自家製ふりかけが作れるから。
 
かつおぶしの水を切って冷凍庫へ。凍ったらバリバリと手で砕き、残り野菜を刻んだものと炒め、みりんと醤油で味付けして水分を飛ばせばできあがり!
捨てるのはもったいないさー。 
かつおぶしを砕く作業は、子どもたちが喜んでやってくれるはずよ。
 
いなむどぅち 沖縄 料理教室
 
水で戻したしいたけも千切りにね。
 
小さい子がいる家なら、具材はどれもできるだけ細く切ったほうがいいよ。
じゃないと、口のなかが具でいっぱいになってなかなか飲み込めないみたい。
 
いなむどぅち 沖縄 料理教室
 
さ、お鍋に具を入れていきましょう。
 
いなむどぅち 沖縄 料理教室
 
本当は入れる順番があるのかもしれないけど、うちは適当(笑)。
大丈夫、それでもおいしくできるよ。
 
いなむどぅち 沖縄 料理教室
 
肉は、正月の時に多めに茹でて、千切りにして冷凍していたもの。
溶かしながら煮込めば大丈夫よ。
 
うちは、できるものはなんでも冷凍保存。
共働きだし子どもは5名もいるし、夕飯の準備は時間との戦いだからね。
下処理して冷凍しておけば、調理時間が短縮できるでしょ。
 
いなむどぅち 沖縄 料理教室
 
6年生の長男が、料理もよく手伝ってくれる。
私が仕事で帰りが遅くなりそうなときは、長男に電話して一言。
「お願い、お米研いで水に浸けておいてー」
そうすれば、私が家についたとき丁度いい具合に米が吸水してるのよ。
 
うちは炊飯ジャーじゃなく圧力鍋で炊くから、ものの15分でできあがるよ。
 
圧力鍋といえば、ちょうど三枚肉を塩漬けしてあるから、今から圧力鍋で蒸してスーチカーを作ろうか。
すぐできるよ。
 
いなむどぅち 沖縄 料理教室
 
スーチカーはお酒のつまみにもなるし、子どもたちにとっては最高のご飯の友。
 
三枚肉は一昼夜以上塩に漬けてね。
今回は二週間ほど漬けていたかな。
 
いなむどぅち 沖縄 料理教室
 
うちはヨネマース使ってるけど、どんな塩でも大丈夫だはず。
漬けているうちに少しずつ水が出てくるから、気づいたらその都度水を捨てたほうがいいね。
 
塩漬けした肉を流水で洗います。
 
いなむどぅち 沖縄 料理教室
 
ここからがポイント。
三枚肉をサンニンの葉で包むの。
こうすると、肉の生臭さがなくなるのよ。
 
そして、茹でるのではなく、蒸す!
その方が柔らかく仕上がるのでおすすめ。
茹でると肉が固くなってしまうのよね。
 
いなむどぅち 沖縄 料理教室
 
圧力鍋を火にかけます。
シュンシュン音がするようになってから30分後に火を止めます。
圧力が自然に下がるまで待ったらできあがり。簡単でしょ?
 
いなむどぅち 沖縄 料理教室
 
いなむどぅち 沖縄 料理教室
 
薄く切るときは、しばらく置いて冷ましてからのほうが切りやすいよ。
 
いなむどぅち 沖縄 料理教室
 
今回は漬けた期間が長めだったから、かなりしっかり塩味がついたね。
そばに乗せたり、カリカリに炒めてパスタに使ってもいいよ。
 
いなむどぅちは、具材が柔らかくなったら味噌を加えてできあがり。
 
いなむどぅち 沖縄 料理教室
 
いなむどぅち用味噌が手に入らなかったら、普通の白味噌を使い、隠し味でピーナッツバターを入れるといいよ。コクと甘みが増すの。
 
いなむどぅち 沖縄 料理教室
 
味噌の量を加減して、夏は薄めに、冬はこってりめに作るのがお勧め。
寒い日にはからだがぽかぽかする、お勧めの沖縄料理。
子どもたちも大好きよ。
ほら、できたそばからみんなお椀持ってやってくるさ(笑)。
 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

 
城間邦子
 
料理上手で明るい肝っ玉母さんの城間さんは、フリーランスのガイドさんでもあります。
 
「世界遺産の勝連城、色々な来歴を聞きながら登りたい!」
「首里城って行ったことはあるけど…。詳しいことについては意外と何も知らないな…」
 
沖縄の魅力をプロのガイドで楽しみたい方、どうぞご連絡ください。
何名様からでも承っています。
 
城間邦子:myzookey-kayto@ezweb.ne.jp

 

NAKAI

レ・ミゼラブル
 
素晴らしい!!
舞台を何度かブロードウェイで観ました。
若干、お話が舞台とは違うところもありますが、舞台もプロデューサーによって、変わるので、そこは本当に楽しめました。
ヒュー・ジャックマンがジャン・バルジャンを演じてますが、さすが、トニー賞俳優、抜群の歌唱力と演技力です。
 
レ・ミゼラブル
 
レ・ミゼラブル
 
レ・ミゼラブル
 
役者はみんな超一流どころなので、どれだけ歌えるのか、というのが楽しみでした。
エポニーヌ役が二転、三転、と配役変更があり、サマンサ・バークスに落ち着きましたが、お見事ですよ。
 
レ・ミゼラブル
 
テイラー・スイフトから逆転して配役決定しただけある。
しかもこの役一番おいしい役だよね。
アマンダ・セイフライドがかすんでみえた。
 
レ・ミゼラブル
 
アマンダ・セイフライド、今回歌唱力があまり発揮できなかったように思う。
売れっ子になると違うのか、とさえ思った。

エディ・レッドメインもこんなに歌えるとは。
顔もますます好きになるわ~。
 
レ・ミゼラブル
 
アン・ハサウェイも頑張ってます。
 
レ・ミゼラブル
 
レ・ミゼラブル
 
レ・ミゼラブル
 
歌に関しては、ラッセル・クロウと並んで微妙だった。
もちろんうまいんだけど、ちょっと、微妙。
 
サシャ・バロン・コーエンとヘレナ・ボナム=カーター、お笑いパート担当でいいんだけど、この宿屋のシーンもなが~い
 
衣装も素敵です。途中だるくなったところもありますが、見ごたえある一本です。根底にあるのは「愛」ですよ。
 
レ・ミゼラブル 

KEE

 

 
<ストーリー>
1815年、ジャン・バルジャン(ヒュー・ジャックマン)は、19年も刑務所にいたが仮釈放されることに。老司教の銀食器を盗むが、司教の慈悲に触れ改心する。1823年、工場主として成功を収め市長になった彼は、以前自分の工場で働いていて、娘を養うため極貧生活を送るファンテーヌ(アン・ハサウェイ)と知り合い、幼い娘の面倒を見ると約束。そんなある日、バルジャン逮捕の知らせを耳にした彼は、法廷で自分の正体を明かし再び追われることになってしまい……。
 
<キャスト>
ヒュー・ジャックマン
ラッセル・クロウ
アン・ハサウェイ
アマンダ・セイフライド
エディ・レッドメイン
アーロン・トゥヴェイ
サマンサ・バークス
ヘレナ・ボナム=カーター
サシャ・バロン・コーエン

 
<沖縄での上映劇場>
シネマQ
098-951-0011
那覇市おもろまち4-4-9 那覇メインプレイス2F
HP:http://www.startheaters.jp/cinemasq
サザンプレックス
098-835-6600
島尻郡南風原町字宮城371-1
HP:http://www.startheaters.jp/southernplex
MIHAMA 7 PLEX+ONE
098-936-7600
中頭郡北谷町美浜8-7
HP:http://www.startheaters.jp/mihama7plex
リウボウホール
那覇市久茂地1-1-1 パレットくもじ7F
098-867-1171
 

 

NAKAI

growthring factory
 
「使っていてストレスがかからない家具を目指しています。
僕は、快適にくらすための道具として家具を捉えているんです」
 
店内に置かれたダイニングテーブルには、一見してわからない工夫が随所に施されている。
 
テーブルの幕板は、脚を組んでも当たらない厚さに設定。
「食事をとるスペースを1人分40~50センチ、余裕をもってプラス20センチとっています」
と、オーナーの當眞嗣尚さんは語る。
 
テーブルの脚につけた角度にもこだわりが。
「脚の角度によっては、天板から脚の下部がはみ出してしまうことも。そうなると、テーブルの周りを歩いた時に足の指が当たることもあります。使う方の動線を考え、最も使いやすい角度を導き出しました」

 
growthring factory
 
天板の厚みにも仕掛けがある。
「天板の裏側を縁に向かって斜めに切り出しているので、実際の厚さは3センチあるんですが、縁の部分は15ミリしかないんです。タイトなフォルムにしたいけれど強度は保ちたい。それでこの形に」
 
全体的な大きさもしっかり計算されている。
「六畳一間のスペースに置いても圧迫感が出ないようにしました。『上等=大きい』じゃないと僕は思うんです」
 
重量も、ダイニングテーブルとしては驚くほど軽い。
「気軽に動かせますから、掃除もしやすいんです。どっしりしたテーブルにはまた別のよさがありますが、掃除のストレスを軽減したくて。
どの家具を作るときもそうですが『こうなったらラクだなー』という願望を叶えられるように心がけています」
 
growthring factory
 
growthring factory
 
growthring factory
 
GROWTHRING FACTORY(グロースリングファクトリー)の家具はいずれも、個人の身長や体格、家族構成などによってサイズもデザインも決められる、フルオーダーメイドが可能だ。
 
「店に置いている家具を参考に、『この椅子の背をもう少し高くしたいな』とか『テーブルの脚を折り畳めるようにできる?』というように、お客様の要望をとりいれてオリジナルを作ることも多いです」
 
自分の家にどんな家具が合うのかわからない、寸法が決まらないという場合は自宅まで出向くことも。
 
「実際の空間を拝見してから、サイズやデザインを決めることもできます」
 
店に訪れる人の年齢層が幅広いように、家具が置かれる空間もさまざまだと言う。
 
「20代〜60、70代とお客さまの年齢層は幅広いのですが、一人暮らしでもインテリアをあきらめてほしくなくて。空間とのバランスには注意を払ってデザインしています」
 
growthring factory
 
growthring factory
 
growthring factory
 
家具をデザインする際、當眞さんが特に注意を払う箇所がある。
 
「脚の見た目です。家具の見栄えを左右する、最も重要な部分だと思うんです。
太さが5ミリ違うだけで、全体的な見た目がガラリと変わってしまう」
 
普段は南城市にある工房で制作に携わっている當眞さんは、いかにも職人気質なこだわりをよどみなく語ってくれたが、家具職人の道を選んだ時期は早くはなかった。
 
growthring factory
 
growthring factory
 
「県内の工房で修業を始めたのが28歳のとき。
それまでは色々な職業を転々としていました。
もともとインテリアが好きだったので、『どうせなら自分で作りたい』と思うようになって」
 
当初から独立を視野に入れており、自分の店に対するイメージもあったと言う。
 
「アメリカ家具が好きだったので、そういう雰囲気を持った家具を作りたいと思っていました。
また、家具のリメイクにも興味があったんです」
 
修業を終えて2008年2月に独立、与儀に店舗を構えた。
 
growthring factory
 
growthring factory
鍋敷きやまな板といったキッチンツールも。
 
growthring factory
 
growthring factory
 
growthring factory
 
當眞さんは家具の製作だけでなく、修理やお直し、リメイクもおこなってる。
他店で購入した家具の修理も、喜んで引き受けていると言う。
 
「どこで買ったかは関係ありません。
色や素材を変えたり、壊れた部分を直したり。
また、古くなったダイニングテーブルを小さな椅子に作り変えたりと、家具の種類そのものを変えることも可能です」
 
長く大事に使ってほしい。
家具に詰まった思い出を手放さないで欲しい。
そんな気持ちの表れだろう。
 
こだわりが強く、家具に対しては妥協しない姿勢が伺えるが、當眞さん自身はとても柔らかい人だ。
笑顔を絶やさぬ素朴な人柄は多くの人をひきつけるらしく、友人らと企画した合同展示会が行われていた取材当日も、多くの人で賑わっていた。
 
BROOKFIELD
「枠にとらわれない、異業種同士の合同展示会って面白いんじゃないかという話になって。當眞さんの活動は周囲も巻き込んでますよ」とBROOKFIELD代表のカズマさん。
 
double'h
「女性が着てもかっこいいユニセックスのワーク系アイテムを作っています。今日はそれぞれの店のお客様がいらしているので初めてお会いする方も。すごくいい機会になりました」と、double’h(ダブルエイチ)の比嘉さん。
 
growthring factory
GROWTHRING FACTORY代表・當眞さん
 
「娘に勧められて」「友だちの紹介で」と来店する人が多い。
機能性と美しさを兼ね備えた家具と、當眞さんの実直な仕事ぶりの評判が口コミで広がっているのだ。
 
「人生において楽しむことを何より大切にしているので、これからも楽しい気持ちで家具を作っていけたらと思っています。
合同展示会もまたぜひやりたいですね。
普段は家具ばかりが置かれているこの店に、洋服やバッグが置かれていると、本当に誰かの家みたいじゃないですか?
そういう自然な空間で自分たちが作ったものを見ていただくと、お客様もより楽しめる気がして」
 
楽しさは外せないという當眞さんのこだわりが、関係するたくさんの人々を幸せにしている。
 

写真・文 中井 雅代

 
growthring factory
GROWTHRING FACTORY
那覇市与儀1-8-15-1F
tel/fax 098-833-0865
open 11:00~17:00 土日11:00~19:00
close 木 
mail growth_ring_factory@ yahoo.co.jp
blog http://growthringf2008.ti-da.net

 

NAKAI

着物
 
着物が特別なものになったのは、7年前。
 
子供の保育園のママ友に「一緒に卒園式で着物着ない?」と誘われた。
 
「面白そう」と思って、着付けを習っている彼女に着せてもらって式に参列すると、
周りの大人も子供もとても喜んでくれた。
 
その周りの人達の反応にはとても驚いた。
洋服でいくらお洒落したつもりでも、そこまで褒められたことはない。
着物を着たら褒められる?
それだけでウキウキといい気持ちになってしまったのだと思う。
 
 
すぐに自分で着られるようになりたいと、友達と一緒に着付けを習った。
 
練習用に送ってもらった実家の着物は、母の若い頃のもので幅が細すぎて着崩れる。
それを自分で直したくて専門学校で和裁を習い始めた。
 
着物
 
小さい頃からの手芸好き魂に火が付いて、今度は和裁に夢中になり修業に励むこと5年。
大好きな着物に囲まれて着物を学び、縫う仕事をさせてもらえるようになった幸せな時間。
 
それからは自分で布を織ってみたくて琉球がすりの工房に体験入門させてもらったり、
もっと着物を着たくて着物屋に勤めたり、お茶を習ったり。
 

着物を知れば知るほど、沖縄の職人の技に触れれば触れるほど
次々に新しい興味がわいてきて、さらに着物の奥深い世界に惹きこまれていく日々。
 
 
着物の素敵さを誰かに伝えたい、沖縄の染織の素晴らしさをもっと色々な人に知ってほしい。
そんな、着物に恋をした私の日常をちょっとご紹介したいと思います。
 
着物
 
 
<木綿の着物>
 
着付けを始めた頃は、絹の柔らかくてとろんとした優しい肌触りや雰囲気が好きで、
小紋といわれる染めの着物を着たかった。
洋服でいうとよそ行きのワンピース感覚。特に花柄が好み。
 
着物
 
幼い頃、毎日着物で過ごしていた母のおぼろげなイメージを追いかけているのかもしれない。
または学生の頃からいつもジーンズやパンツで過ごしてきたから、真逆の雰囲気に憧れたのかもしれない。 
 
でも元々がガサツな私はそのうち、よそ行き着物より普段に着られる着物に好みが移り、
一番着ていて楽な着物は木綿の着物だと行き着いた。
 
着物
 
何が楽かといえば、汚れても気にならないこと。
 
私はよくうっかり着物を汚す。
ものを食べればこぼす、出掛ければ気付かないうちにシミを付けてしまう。
雨コートを忘れて水シミを作ったり、動きすぎて襟元にファンデーションの色が移るのは、着方がまずいからだと言われながら未だにやってしまう。
 
もっと準備をして優雅に動けばいいのにと思うけれど、なかなかそそっかしさは直らない。
そんな私が一番安心できる着物が木綿着物だ。
 
 
木綿の着物を着ていると、絹の着物の時にどんなに気を遣っていたかに気付く。
着るものなので当たり前だけど、着物は着たら汚れる。汗も吸う。
でも汚した瞬間に「ああ、クリーニング!」と思うのと「洗濯機で洗おう」と思えるのとでは、
着ている時の気持ちの余裕が違ってくる。
 
とはいえ、絹の着物の手入れをすることも実は楽しかったり、汚さないような身のこなしも私には必要なことだと思っているのだけれど。
 
 
もう一つ木綿着物の良い所は、冬には意外と暖かいこと。
お腹周りを帯でしっかり包むから、着物はもともと冷えにくいはずだけれど、
木綿でできた布のふっくらした肌触りや柔らかさが体に馴染むからかもしれない。
 
 
よく着るのはチェックの会津木綿。素朴な織味や、なんだかモダンに感じるチェックやストライプが好きで、夫の着物や角帯まで作ってしまったくらい気に入っている福島県の織物だ。
 
着物
 
ざっくりしていて風も通す ので、袖口や裾周りが寒い時もある。
その時は長襦袢の下にヒートテックやレギンスを着る。
見えないところは洋服と変わらない。
 
 
綺麗な色のデニム着物は冬のお出掛けにもOK。
デニム生地だけあって、裏地なしでも風を通さない。
沖縄では真冬限定で。ただしちょっと重い。
 
着物
 
ショールを羽織って、ネル裏の足袋を履いて
クリスマスプレゼントを探しに。
 
着物 
 
師走に入って風が冷たさを増し、家にいてもなんだか冷える。
そんな時にも洋服より木綿の着物を着る。
この日着たおうち着物は和裁のお稽古で作った木綿の洋服地の着物。
裏地も木綿の袷(あわせ)仕立て。
 
着物
 
生地は薄手なのだけれど、2枚重ねなので思った以上に暖かい。
何と言っても風を通さないところが優秀。
 
家事も平気だ。
袂(たもと)が邪魔なのでタスキをかけて、帯に手拭いを挟んで。
前から思うけれど、こんな時には割烹着が欲しい。きっともっと暖かい。
この格好に割烹着なんて昭和のお母さんみたいだなあ。
いや、たすき掛けだって今どきする人はめったにいないだろう。
そんなことを考えながら、台所に立つ。
 
着物 
 
着物で家事をしているとなんだか気持ちがのんびりに。
洋服と同じように動くこともできるけれど、あんまりバタバタしなくなってくる。
 
早目に晩御飯を作って今夜はゆっくり家族と過ごそう。
何かと忙しい師走の週末、木綿のおうち着物で暖かく心穏やかに
家族と過ごす週末もいい。
 

写真・文 武田道子