NAKAI

アルゴ
 
これは、かなりおすすめ!!
 
ベン・アフレック、天才的です。
 
緊張感が、途切れず、もうドキドキですよ。
 
最近、史実で、わかっているのに、ハラハラするっていう映画を立て続けにみてますが、こりゃまたお見事ですね。
 
この作戦、奇想天外です。
 
アルゴ
 
アルゴ
 
アルゴ
 
実話だというから本当にすごい。

こんな作戦があったことももちろん知らなかったし、ずっと機密事項だったんだけど、クリントンの時代に解禁になったことも知らなかった。

脚本も、演出も素晴らしいんだけど、キャスティングもよい。

この映画の中で、名台詞がいろいろ出てきて笑ってしまう。

“Argo fuck yourself. ” (くたばれ、アルゴ!)

“If I’m going to make a fake movies, it’s going to be a fake hit. “(俺がニセ映画を作れば、ニセヒット確実だ)
 
など、レスター・シーゲル役のアラン・アーキンが飛ばしまくってるんだけど(笑)
 
アルゴ
 
アルゴ
 
私は、 トニーの上司役のブライアン・クランストンの、”do your fuckin job!” (やるべきことをやれ!or てめえの仕事をしやがれ!)にそうだ、そうだ、と拍手してしまった。
 
アルゴ
 
トニーも大活躍だったけど、ほかのいろんな人たちの懸命な努力があって、この作戦は成功する。
映画界のジョン・チェンバーズとか、参加してたのね。びっくりです。
 
またこの役の ジョン・グッドマンとプロデューサー役の名優アラン・アーキンもさすが!
 
6人のために、アメリカがこんなに動くのか?って驚いたけど、カナダ大使夫妻が素晴らしい。
 
ベン・アフレック、、とにかくお見事。
エンドクレジットで、当時の写真なども出てきますが、かなり忠実につくってあって、主役のトニー以外はかなり似てました。
 
是非、ご覧ください。

KEE

 

 
<ストーリー>
1979年11月4日、テヘラン。イラン革命が激しさを募らせ、その果てにアメリカ大使館を過激派グループが占拠し、52人もの人質を取るという事件が起きる。パニックの中、アメリカ人6名が大使館から逃げ出してカナダ大使の自宅に潜伏。救出作戦のエキスパートとして名をはせるCIAエージェントのトニー・メンデス(ベン・アフレック)は、6名が過激派たちに発見され、殺害されるのも時間の問題だと判断。彼らを混乱するテヘランから救出する作戦を立案する。しかし、それは前代未聞で大胆不敵、そして無数の危険が伴うものだった……。
 
<キャスト>
ベン・アフレック
アラン・アーキン
ブライアン・クランストン
ジョン・グッドマン
ケリー・ビシェ
カイル・チャンドラー
ロリー・コクレイン
クリストファー・デナム

 
<沖縄での上映劇場>
MIHAMA 7 PLEX+ONE
098-936-7600
中頭郡北谷町美浜8-7
HP:http://www.startheaters.jp/mihama7plex

NAKAI

 
 
耳をすますと確かに聞こえる冬の足音。
足元に冷えを感じるあたり
秋のそれと入り混ざってこの町にも一緒にやってきたようです。
 
 
tous les jours
ALDINトートバッグ
 
 
肌寒さを感じるようになってきた朝晩。
そんなときはホットミルク、カフェオレ、ミルクティー。
寒くなるとミルクの入った飲み物に手がのびるのは私だけ?
少しだけ丁寧に空間づくり。自分の時間に浸るのも大切。
 
 
tous les jours
長峰菜穂子(器)・ALDIN(クロス)
 
 
足元が冷えるなあ。
そんなときはもこもこソックス。
フィンランド製の暖かな室内用靴下は
柄がかわいいのでサイズ大きめのスニーカーや長靴に合わせれば外出にも。
その足取りはきっと軽やかに違いない。
 
 
tous les jours
もこもこソックス
 
 
体が温まったら今度は街へ出かけよう。
この秋一番に手に入れたあのお洋服を身にまとって。
早くブーツが履きたいなあとこの日のコーディネートをみて頭の中でつぶやく。
鏡に映る自分、今日の私はどうかな?
 
 
tous les jours
R&D.M.Co(ワンピース)・ALDIN(ストール)
 
 
愛すべき師走を迎える前の日々の断片たち。
一息入れたらまた日常を懸命に暮らそう。
 
写真・文 占部 由佳理(tous les jours店主)


 
tous les jours(トレジュール)
那覇市首里儀保町2-19
098-882-3850
open:水~土
12:00-18:00
(変更あり。毎月の営業日をブログでお知らせしております。)
blog:http://touslesjours.ti-da.net


関連記事:ひとつ先のくらしを提案するtous les jours(トレジュール)

NAKAI

guitarra
 
2012年12月5日(水)~ 2013年1月7日(月)
11:30~22:00
@カフェ ユニゾン
宜野湾市新城2-39-8
MIX life-style 2F
(※2012年12月31日(月)~2013年1月3日(木)はお休みをいただきます。ご了承ください。)
入場無料
(※12/5のオープニングパーティは有料)
 
Guitarra y Cebada
 

本展覧会開催に向けた、お二人のコメントです。
 
音楽家・アルベルト城間と器人(うつわびと)・仲間功が出会い、ジャンルを超えたコラボレーション!
展覧会のタイトル「Guittara y Cebada」とは、スペイン語で「ギターと大麦」。アルベルトさんのペインティング作品の多くは、ギターや麦の穂がモチーフ。仲間さんが造形し、アルベルトさんが絵付けをした陶器も、ギターや音符が描かれています。麦香る大地に響き渡る楽しいギターの音色が聞こえてくるような展覧会です。
二人のコラボ陶器のほか、仲間さんの大皿をはじめとする器や、アルベルトさんの今年の「沖展」の入賞作品「謝恩」を含むペインティング作品も展示。
 
Guitarra y Cebada
 
Guitarra y Cebada
 
☆Reception Party @ CAFE UNIZON☆
日時:2012年12月5日(水)START:19:30
料金:1,000円(1ドリンク+オードブル付)
出演:アルベルト城間、仲間功
 
展覧会「Guitarra y Cebada(ギターラ イ セバダ)」のスタートを記念して、オープニングパーティを開催!
コラボ作品の制作秘話などを語るトークショーや、ドキュメント映像の上映など盛りだくさん!
どなたでもご入場できますので、どうぞこの機会に作品をご覧いただきながら、作家との気軽な団欒の場をお楽しみください。
※駐車場には限りがございます。なるべく公共交通機関をご利用の上ご来場くださいますよう、ご協力よろしくお願い致します。
 
【会場・お問合せ】
カフェ ユニゾン
TEL&FAX :098-896-1060
http://www.cafe-unizon.jp
http://cafeunizon.ti-da.net
twitter:@cafeunizon
Facebook:https://www.facebook.com/cafeunizon
 
Guitarra y Cebada
 
アルベルト城間(アルベルト しろま)
ペルー生まれの日系三世。中南米歌謡コンテスト優勝をきっかけに87年来日。91年にラテン・ロック・バンド「DIAMANTES(ディアマンテス)」を結成。93年にメジャーデビュー。
数々のヒット曲を生み出し、沖縄を拠点に全国各地でライブ・コンサートを展開。2011年には、DIAMANTES 結成20周年を記念したアルバム『CONTIGO』をリリース。2012 年7月には、オリオンビール「麦職人」のCMソングとして書き下ろされ話題になった「Cebada」を収録した両A 面シングル「Cebada, Amigo」を沖縄限定で発売。
また、今年の「沖展」グラフィック部門にて「謝恩」が初出品で入選するなど、音楽以外でも積極的にアート活動を開始。
 
仲間 功(なかま いさお)
1972年生まれ。沖縄県読谷村出身。高校2 年の時、学校に「陶芸部」を作り、部長に就任。卒業後は読谷村在住の陶芸家でペルー3世の糸数ホルヘ氏の元で5年間の修行を積む。その後、陶芸家・山田真萬氏の元で腕を磨く。2001年独立。2002年9月、第24回現代沖縄陶芸展・自由作品の部、県知事賞(金賞)受賞。21歳での受賞に続く2度目の受賞となる。

仲間さんが造形して、アルベルトさんが絵付けしたコラボの陶器、
仲間さんの大皿をはじめとする器や、
アルベルトさんの今年の「沖展」の入賞作品「謝恩」を含む、
ペインティング作品を展示いたします。

初日の12月5日には、オープニングパーティも開催します。
コラボ作品の制作秘話を語るトークショーや、そのドキュメント映像の上映など。
どなたでもご入場いただけ、作家と気軽にトークできる団欒の場です。
 

NAKAI

e.co room
 
ホームシアター、高い天井、広々としたテラスにはバスケットリンクにハンモック、さらには露天風呂まで…。
 
「やりたいことはすべてやりました!」
と言う平良さんの自宅兼e.co room(エコルーム)のオープンハウスは建坪なんと15坪。
 
「小さくても工夫次第で面白い空間を作れる実例として参考にしていただけたら。
家の面積が小さいというのは、デメリットではありません。
風がよく通るので湿気に強い、家族の交流が盛んになるなど、意外なメリットもあるんですよ。
 
屋内部分が狭い分、みんなで遊べる広いテラスを作ったので、友だち呼んでワイワイしたり、日常的に外でご飯を食べることもできます」
 
家を造るなら子どものために広々とした個室を、と考えがちだが、「子どもにとって良すぎないように」というのもこだわりの一つだと言う。
 
「どこにいても家族が見える家なんです。ロフト下の子供部屋には、ドアもつけませんでした。
勉強机は一応置いてありますが、実際は事務所のロフトやリビングで宿題をしている姿をよく見かけます。家族がいるところのほうが落ち着くのかもしれませんね」
 
e.co room
 
e.co room
 
「自宅を設計する際に目指したのは『楽しい基地』。
子どもに喜んでもらおうと作ったつもりですが、自分が小さいときに欲しかったものを詰め込んだので、自分のためじゃないかと突っ込まれると否定できません…(笑)。
 
僕や妻はもちろん大満足ですが、子ども達もすごく嬉しそうで、家を建ててからずっとテンションが高いんです。
 
色んな場所で遊んでますよ、お客さんのお子さんも一緒になって(笑)」
 
e.co room(エコルーム)代表の平良安高さん・智子さん夫妻は、念願だった事務所兼住居を設計・建築し、オープンハウスとして開放している。
 
e.co room
e.co room
上はロフトになっているが、大きな建具のように作ってあり、子どもが独立したらロフトごと取り外せるようになっている。
 
e.co room
洗面所などで使われることの多い光沢のある「ガラスタイル」を玄関にも。「キラキラ光って夜は特に綺麗なんです」。
 
現在は設計士として活動している平良さんだが、以前は建築ではなくインテリアに興味があったという。
 
「インテリアや家具の仕事をするには図面を読む力が必要なので、そのために建築の勉強を始めたんです。学んでいるうちにだんだん面白くなってきて、建築の方に流れてきちゃった。
設計にはモノづくりと似た楽しさがあります。二次元で描いたものが実際に形になっていくのがすごく面白くて」
 
大阪や東京で勉強した後沖縄に戻り、設計事務所に就職した。
 
「そこで学んだことが今もベースにあります。
所長のモットーは、
『同じ敷地は存在しない。だから、同じ建物を建てるべきではない』。
 
敷地の形状に限らず、方角が違えば風の吹き方も違いますし、施主の家族構成もそれぞれですから、唯一無二、オンリーワンの家を建てるようにと言われていました」
 
事務所には8年間勤め、2001年に独立、夫婦で設計事務所を始めた。
 
e.co room
 
設計には、できる限り風水の理論を取り入れるようにしているという。
 
「お客様によっては気にしないという方もいらっしゃるのですが、家族や親戚などに気にする方がいらっしゃる場合もありますし、何より理にかなっている部分が多いので、住み良い家にするためにも活用しています」
 
沖縄の風水と中国の風水とでは、共通点もあれば相違点もあると言う。
 
「例えば、中国は北向きの玄関はよくないといった考え方がありますが、沖縄の伝統的住宅には玄関そのものがありませんから、玄関の向きに関しては特に気にする必要はないと考えることが多いようです。
沖縄の風水が最も重視しているのは水回り。北西の向きにまとめるといいと言われているのですが、排水関係をまとめると工費削減に繋がりますし、メンテナンスもラク。
逆に、排水をばらけさせると、トラブルが起こりやすくなってしまうんです。
 
風水にも関連するのですが、設計において最も気をつけているポイントの一つが『風通しの良さ』。湿度の高い沖縄はカビが発生しやすいので、家の中に風の通り道をつくるようにしています。
例えば、南に大きな開口部を確保したとしても、出口がなければ風は通りません。一枚一枚の窓を大きくするよりも、できるだけ多くの開口部をとるように気をつけています」
 
実際、平良さんの自宅には掃き出し窓が見当たらない。
代わりに、足もとや高い位置、天井にも小さめの窓がいくつも設けられ、家の中では常に心地よい風を感じることができる。
 
また、洗面所の明るさもとりわけ印象的だ。
 
e.co room
 
「リビングや寝室などの居室部分は、採光に有効な開口部の割合が建築基準法で定められているためたっぷりと光が入る家が多いのですが、洗面所や浴室、トイレについては法律で定められていないため、おろそかにされたり、あまり気にせず設計されたりしがちなんです。
 
例えば、アパートやマンションなどは特にリビングを優先的に広く明るく設計し、次は寝室や子ども部屋にも窓を設けて…という順に開口部を決められることが多く、必然的に水回りが奥の方へ追いやられたり、部屋と部屋に囲まれた窓なしのトイレになってまったりすることが多いんです。
 
でも湿気のことを考えると、水回りこそ開口をしっかり確保したい場所です」
 
e.co room
 
夫婦で設計に携わるからこそ、生まれる効果があると言う。
 
「男性だけの視線で家を建てるのではなく、主婦の目線含め、女性の意見をしっかり取り入れた設計ができていると思います。
普段家を守るのは女性であることが多いので、男性目線だけで建てちゃダメだと思うんです。
 
例えば、我が家はロボット掃除機『ルンバ』を使っているのですが、仕事をしている間に家の隅々まで掃除ができるよう、戸棚と床の間の隙間をルンバが通れる高さに設計しました」
 
e.co room
戸棚だけでなく、ウォークインクローゼットの隙間も同じ高さになっている。
 
奥様の智子さんが自他共に認める家電好きであるように、各家庭にもそれぞれこだわりたいポイントがある。
平良さんはそこを丁寧にヒアリングしてオンリーワンの住宅を設計しているが、会社としてはそれが非効率に繋がることもある。
 
「普通は利益重視で効率を追うので、設計もどんどんマニュアル化していくことが多いんです。同じような間取りにしたり、似たような素材ばかりを使ったりすれば、その分事務所としての経費は下がるし件数もこなせますから。
 
うちのように、各家庭と土地に合った家を完全オリジナルで作っていると、当然ですが効率は上がりません。
構造も鉄筋コンクリート、RC、木造とその都度変わります。
 
でも、家を自分たちの作品にするつもりもありませんし、あくまでもお客様の利便性を一番に設計したいと考えているんです」
 
e.co room
e.co room
同じ敷地内に建てた事務所。
 
平良さんの家を拝見したあとにその建設費用を聞くと、あまりの安さに驚く。
e.co room では、できるかぎり工費を抑えるローコスト住宅の相談にも応じている。
 
「ローコストっていうとやりたいことを我慢したり、理想をあきらめたりすることだと思っている方が多いと思うんですが、僕らはそうじゃないと思うんです。
効率をはかって設計し、こだわりを持った家作りをすれば、ローコスト自体を楽しむことができます。
 
間取りを考えるとき、『LDKは少なくとも◯畳は欲しいから…』という風に考えると、『じゃあ建坪は◯坪で…』と決まっていくので、自然と坪数が大きくなって建設費用も高くついてしまいます。
特に土地から購入しないといけない場合は、建物にかけられる金額も制限されるので、できるだけ低価格に抑えたいところ。
 
そこで自宅を設計する際、建物自体は小さくシンプルに建て、器具もできるだけ雰囲気はありながら安価なものを探し、浮いたお金で自分たちの好きなところにお金をかけることにしたんです。
 
その際、重要なのは住むひとの『こだわり』。
こだわりなく、ただがむしゃらに経費を削減するだけだと、寂しいだけのおうちになってしまう。
でも、施主のこだわりがしっかり反映されていれば、スタイルと雰囲気のある家になります」
 
特に照明器具には安価でも素敵なものが多く、工夫次第で劇的にコストを削減できるという。
逆に、智子さんがこだわったのはやはり家電製品だ。
 
e.co room
ワークスペースからはテラスを望める。
 
e.co room
e.co room
ちょっと一人になりたい時などに使えるロフト。子ども達が宿題をしに上がってくることもある人気のスペース。
 
e.co room
「この天窓一つで光の入り具合が全然違うんです。何より、室内にいながら空が見られるって素晴らしいでしょう?」
 
「ミキサーもコーヒーメーカーも掃除器具も、結構奮発して新調しました。
冷蔵庫もこだわって業務用を購入。背が高くて無機質な冷蔵庫をキッチンに置きたくなかったんです。ずっと憧れていて、今回思い切って踏み切ったのですが、作業台にもなるしすごく便利!
 
リビングを小さめにした代わりに、外でも食事できるように、テラスには簡単な流し場とバーベキュー用設備を備え付けました。
 
家具も、ソファーやテーブルを設計してオリジナルで作ったり、ペンキ塗りも楽しいので自分たちで。経費削減とともに思い出づくりまでできちゃう。
楽しみながらのローコスト、良いでしょう?」
 
e.co room
キッチンとテラスで直接やりとりできる間取りに。
 
e.co room
テラスのはしごを登ると、屋上にはシャワー設備が。
 
e.co room
 
また、住居兼事務所の利便性についても、オープンハウスを通じて実感してほしいと言う。
 
「以前は住まい用にアパートを、事務所用に別の物件をそれぞれ賃貸していたので、家賃も光熱費も二重払いしていました。それを一つにまとめたいとずっと考えていたんです。
実際建ててみてからわかったのですが、光熱費だけでなく食費も時間も節約できる。お腹が空いたらちゃちゃっと家でご飯を作って食べられますから。
 
また、気が向いたときや自宅にいるときに設計のアイディアがぱっと浮かんだとき、すぐに仕事にとりかかれるという点もありがたい。
資料もすべて揃えてあるので、時間が経ってひらめきが薄れてしまうこともありません。
僕ら自身が身をもって感じているので、住居兼仕事場の魅力を実感をもってお伝えできます。
 
すでに、美容室を営む方などからも設計のご依頼を頂いています」
 
職場と家が隣り合わせていると、子ども達と過ごす時間も必然的に増えたと言う。
 
「子ども達が事務所で宿題やってるくらいですから(笑)。
居心地が良いと感じてくれているのだと思うと、やはり建てて良かったと思います」
 
e.co room
 
2年近くかけて土地を探してまで建築したのは、実際の建物を通じて材質の質感などを体感してほしいからという理由もある。
 
「この家は、実験的な意味も込めて設計しました。
便器もINAXとTOTOの二種類を使っていますし、トップライトをつけたりハッチを設けたりと、色々冒険してるんです。
 
壁には一部『EM 珪藻土』を使っています。
珪藻土は多孔質なので調湿効果があり、壁が呼吸するので快適に過ごせるんです。
また、中でもEM 珪藻土には自浄効果もあるので、汚れた空気をきれいにしてくれます。新築のあの独特な匂いもすぐ浄化してくれるんですよ。ペンキを塗ったときも、翌日にはもうその匂いが消えていました。
 
これだけの効果がある素材なので、値段も安くはありません。
だからすべての壁に塗るのではなく、天井と南側の壁にだけ塗装しました。
日の入る南側と太陽が直接当たる天井部分を選んだのは、珪藻土が多孔質なので暑さ対策にもなるから。
他にも、匂いのこもりがちなベッドルームやクローゼットなどに使うと効果的です。
 
ローコスト住宅でありがちなのは、良い材質をあきらめて、質を落とすパターン。
 
あきらめるのではなく、面積を限定すればいい。それでも十分機能を果たすのだということを、このオープンハウスで実感してもらえると思います。
 
e.co room
オリジナルで制作したソファとテーブル。
 
e.co room
テーブルは用途に合わせ、様々な形に変えることができる。
 
「ご依頼を受けたら、できるだけ細かい所まで深く関わりたいなと思っています。
店舗だとお箸やお皿まで、住居だと家具の提案まで」
 
実際、平良さんが制作したグラフィックアートが飾られたカフェや、e.co roomオリジナルの家具を置いている家は数知れない。
 
「家ができてくると、住まい方のイメージも徐々に固まってきます。
でも、いざ『ここのサイズに合うソファーが欲しい』『テーブルが欲しい』と探してみると、大体見つからないんですよね。
 
見つからなければお作りできますが、モノにもよります。
作った方が安いときもあれば買った方が安いときもあるので」
 
e.co room
ソファを開けると座面裏に木材の枠が。「この状態で座面を少し奥にずらして閉めると、木枠の高さの分だけ座面が上がり、座りやすくなります」
 
e.co room
ホームシアターで映画鑑賞するときはこのように。
 
e.co room
テーブルにクッションを置けば来客用簡易ベッドにも。
 
店舗設計の経験が豊富なだけでなく、自身も飲食店を経営していたことがあるため、経営者の立場を踏まえた提案にも定評がある。

「住居でも店舗でも、効率の良さははずせません。
内装はある程度したら見慣れてくる部分も多いので、あとは動きやすい、過ごしやすい、生活しやすいということが一番大事になってきます。
店だともう一度来たくなる、家だとずっといたくなる。
そんな空間作りを目指しています。
 
完全に職業病だと思うんですが、外食するためにお店に行ってもつい壁を叩いて歩いちゃうんです(笑)。ドラマや映画を観ていても、間取りやスタイリングばかりに目がいっちゃったり。

こういうお店だったら従業員が働きやすそうだな、とか、もっとこうしたら効率よく料理ができるのに、というように色々と考えちゃう。
 
実は、事務所の長いテーブルも、とあるドラマを参考に作ったんです。
会議をしている社員達の隣りで、同じ机に備え付けられたコンロを使って社長が鍋を振って、できた料理をさっと社員たちに差し出すのがカッコ良くて。『これ、良いなー。こんなテーブルが欲しい!』って(笑)」
 
e.co room
 
e.co room の家作りに欠かせない要素として、「遊び心」もリストに入るだろう。
 
屋上に設けたシャワーとバスタブは、星を眺めながらお風呂に入りたいから。
バスケットリンクは、仕事の息抜きとしても使えるように。
この土地に出逢った瞬間、岩肌は大きな借景として使うことを先に決めてから設計に入った。
「夜になるとまた、雰囲気がでて良いんですよ」
 
暮らしを楽しむ。
そのために必要なのは多額の借金でも、広大な土地でもない。
e.co room は、15坪の自宅と事務所をもって、そのことを私たちに教えてくれる。
 

写真・文 中井 雅代

 
e.co room
eco.room(エコルーム)
TEL/FAX 098-989-6642
mail eco@room.sc
見学時間 13:00~19:00(ご相談に応じます)
HP http://eco.room.sc
blog http://ecoroom.blog57.fc2.com

 


 

NAKAI

フクロウ
デズモンド・モリス 著 白水社  ¥2,600 (税別)/OMAR BOOKS
 
― 夜の生きものフクロウ どれだけ知ってる?  ―
  
  冬に向けてどんどん日暮れが早くなっている。
日が落ちる時間は、つい最近聞いたところだと午後5時半ごろ。
でもそれも12月に入ればまた冬至を境に日の入りは遅くなっていく。
だから今は一年を通して夜の時間が一番長い時期。
こういうときに、たまにはこういう本はどうでしょう?
 
今回ご紹介するのはイギリスの著名な動物行動学者・デズモンド・モリスの『フクロウ その歴史・文化・生態』。
 
こちらを見つめるつぶらな黒い瞳のフクロウが表紙を飾る。
 
フクロウと聞いてまず何を思い浮かべるだろう?
夜に活動する鳥。賢者の象徴。ホーホーというあの鳴き声。
あるいは人に似た顔を持っているとか。
大体皆似たようなイメージを持っているように思う。
 
著者が子供たちに絵を描かせてみたら難なくフクロウの姿形をとらえた絵が描けたそうだ。でもだからと言って実のフクロウを自分の目で見たことのある人は少ないと言う。
それなのにこの鳥に何故か親近感をもってしまうのは私だけだろうか。
 
動物行動学者としてベストセラーの著作を持ち、動物園館長を務めた経歴もある著者が、ある子どもの頃の体験がきっかけで「フクロウ」について、また彼らと人の関係について興味を持ち、その謎と魅力を余すところなく解き明かした本書。
 
東西南北のフクロウが象徴してきたもの、まつわる神話など、よくこれだけ調べたなあと感心するほど、カラー・モノクロ図版多数収録されていてそれだけでも貴重な資料となるこの本。図版だけ見ているのも楽しい。
 
目次にはこんなタイトルが並ぶ。
 
「フクロウの薬効」「文学におけるフクロウ」「フクロウと芸術学」・・・。
 
古い洞窟に描かれた最古のフクロウの絵や象形文字で表されたフクロウ、シェイクスピアでは不吉な存在とされ、「くまのプーさん」では木のむろに住む頼れる博識な賢者。また、ピカソはペットとしてフクロウを飼っていた、なんてのも。
読みやすい文章なのでこれ一冊でフクロウ博士になれそうだ。
 
これはぜひ見てみたい!と思ったのは「サボテンフクロウ」。なんてかわいい響き。メキシコ・南米などのサボテンの内部に生息する世界最小(身長14センチ程度)の種。
この写真(大きく縦に伸びたサボテンの穴から小さな顔をのぞかせる)がまた胸をくすぐる~。
 
フクロウと人間の関係はとても古く、そして深い、ということがよく分かる。
 
知的好奇心を満たしてくれるこの本。
眠れない夜にどうぞ。


OMAR BOOKS 川端明美




OMAR BOOKS(オマーブックス)
北中城村島袋309 1F tel.098-933-2585
open:14:00~20:00/close:月
駐車場有り
blog:http://omar.exblog.jp
 

NAKAI

サンゴジン
 
11月21日〜11月26日
@アトリエ「旧・若松薬品」
那覇市壺屋1丁目4-4
 
11月21、22、26日→13:00〜18:00
11月23、24、25日→10:00〜19:00
※23日(金)15:00〜 パーティー 
 
お問い合わせ:098-836-9011(珊瑚舎スコーレ)
http://www.sangosya.com
 

 

NAKAI

Mika の場合
ビルケンシュトック 沖縄
 
昔から靴が好きなんだけど、大人になってからは素材に凝るようになった。
そのきっかけになったのが、20代のときに買ったビルケンシュトックのサンダル。名前は忘れちゃったけど、ずっと履いてたな。一番の理由は、革の質の良さ。履き心地が良いのはもちろんだけど、見た目にも高級感があるでしょ。
 
この「Wild Wood(ワイルドウッド)」は、最初履いたときにインナーのボアが肌触りよくてびっくり! 私、ウールが苦手なんだよね、チクチクするから。でも、これはやわらかくて気持ち良い。ずっと履いておきたくなる。
 
まだ小さい子どもが二人いるから、靴はペタンコであることが必須条件なんだけど、かといってあまりにカジュアルすぎるのは寂しい。Wild Wood(ワイルドウッド)はほどよく綺麗目のカジュアルブーツって感じで、これ一足あるとすごく便利! 
 
まず、これくらいの丈のブーツって服に合わせやすい。ロングスカートでもいいし、短いスカートにタイツ合わせて履いてもかわいいんじゃない? もちろんデニムにもぴったりだよね、裾をちょいロールアップさせて、トップスは少しガーリーなのつけて…考えるだけでも楽しい!
 
それにね、ネイビーって結構使い勝手がいいの。黒だと重たくなりがちだけど、ネイビーは適度にコーデを引き締められる。 ネイビーのブーツって珍しい気がするけど、すごく上品なんだよね。
今年の冬の着こなし考えるのが、いつも以上に楽しみ!
子どもがいても、オシャレはあきらめたくないからさ。
 
ビルケンシュトック 沖縄
Wild Wood(ワイルドウッド):ナイトブルー(スエードレザー)¥30,450 
※今季の新登場モデル。
 
 
Kyoko の場合
ビルケンシュトック 沖縄
 
私とビルケンシュトックのお付き合い歴は長いよ〜(笑)。
 
高校生の頃、雑誌で見た「MONTANA(モンタナ)」に一目惚れしてからずっと憧れの靴。
当時はスニーカーが流行った時代、周りは NIKE 派かローファー派に分かれていて、私はみんなと違うのほしい! と。でも、学校には白い靴しか履いて行けないので、最初に買ったのが白の「KENT(ケント)」。ウィングチップでカッコ良いんだけど、かたちが可愛らしくて。バイトで貯めたお金で買ったのが懐かしいな。もちろん、その後MONTANA(モンタナ)もゲット。
それからParis(パリ)やBoston(ボストン)など次々と入手、今のところ全部で7足ぐらい持ってるよ。
 
Boston(ボストン)は、スエードレザーの質感が大好きなの。光沢がある素材の靴よりも、マットな方が私の服には合わせやすくて。
秋冬って茶、紺、グレー、黒とダークな色のお洋服が多いでしょ。オリーブ色って、そのすべての色にバッチリ合う万能カラーなんだよね。
 
コーデとしては、ワンピに合わせるのがおすすめ。靴の持つ雰囲気がカジュアルだから、ちょっとおしゃれしたときや可愛い服を着るときに履くと、バランスよくまとまる。

 
実は…すでに次狙ってるモデルがあって(笑)。ビルケンって、一足買うとどんどん他のモデルが欲しくなっちゃう。高校時代からずっと、夢中です。
 
ビルケンシュトック 沖縄Boston(ボストン):オリーブ(スエードレザー)¥19,950
※今季復刻の限定カラー。
 
Yuri の場合
ビルケンシュトック 沖縄
 
うちのクローゼット開けるとね、ナチュラル系の服ばっかりズラーって並んでるの。ちょっと前にビルケンのサンダルを買ったんだけど、結構ボリュームがあって男前な感じでしょ。手持ちアイテムとどうやって合わせたらいいかな〜って考えてたところだったんだ。
 
この「Salzburg(ザルツブルグ)」は、フリンジが格好よくて一見カッチリしたデザインだけど、フロント部分はコロンと丸いし、全体的には可愛らしい雰囲気もあって一目惚れ。
しかも、いつも着てる花柄ワンピにレギンス合わせて履いてみたら意外と合う! 普段はね、ワンピにはだいたいバレエシューズを合わせてるの。でも、それだと甘×甘になるでしょ。まとまりはいいけど、ちょっと遊び心が欲しいな〜って思ってたから、「コレだ〜!」って。
 
それに私、ちょっと外反母趾気味だから、いつも靴を選ぶのに苦労してるの。バレエシューズも固い素材だと履けないし、好きなデザインの靴があっても、足の甲の高さや幅が合わなくて泣く泣くあきらめたことも…。
でも、Salzburg(ザルツブルグ)は注文の多い私の足にぴったりでびっくり。足のどこにも当たらなくて、すぽっ!て入る。ずっと履きこんできた一足みたいにすぐに馴染んでくれるの。
みんなが「ビルケンはラクチンだよ」っていう気持ち、私も実感しました。
 
Salzburg(ザルツブルグ)のおかげで、先に買ったサンダルのコーデの幅も広がりそう。
ナチュラル・フェミニン系の洋服とも相性ばっちりだって教えてもらったから。
 
ビルケンシュトック 沖縄Salzburg(ザルツブルグ):モカ×ハバナ(スエードレザー) ¥26,250

 

 
 
Shono の場合
ビルケンシュトック 沖縄
 
職場用にも購入して毎日履いてるくらいビルケン大好きなんだけど、ブーツはあまり履かなくてこれまで目がいかなったの。でも、ロングにもミドルにもなる2WAY仕様のブーツってすごいお得感!
 
どちらの丈もスカート・パンツ両方のコーデいけちゃうし、同じ服でもブーツの折り方を変えるだけで違う表情になりそうだし、着こなしの幅広がりまくり! もう、一石二鳥どころじゃないよね。
 
さすがビルケンだなーと思ったのが、ブーツって大体最初は足が痛くなるんだけど、この「 UTAH (ユタ)」はそれがまったくないの。
職場で愛用してるのもそれが理由。パティシエなのでジャブジャブ洗える「PROFI Birki(プロフィ ビルキー)」をずっと履いてるんだけど、立ち仕事がつらくないのはそのおかげ。ほんと、重宝してます。
 
ビルケンシュトック 沖縄
UTAH (ユタ):エスプレッソ(ワキシーレザー) ¥44,100 

 
ビルケンシュトック 沖縄
 
靴でカジュアルダウンさせる着こなしが好きなので、大体シンプルな服か可愛らしい雰囲気のものを合わせます。ビルケンは作りがしっかりしてるし、いい素材を使ってるから、「ちゃんと感」が出るのも嬉しい。
 
ブーツとは長らくご無沙汰だったけど、UTAH (ユタ)のおかげでブーツコーデの楽しさ思い出しちゃった。
これからは職場だけでなくオフの日も、ビルケンの靴にお世話になります。
 

写真 中井雅代

 
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ビルケンシュトックでは、11月12日(月)から12月25日(火)まで、お得なキャンペーンを実施しています。
 
ビルケンシュトック クーポンチケット
 
二足以上同時に購入すれば、その場でクーポンを使うことも可能。お友達や家族と一緒に買うのもおすすめ。あなたの一足を見つけに出かけませんか?
 
ビルケンシュトック 沖縄
那覇市牧志2-1-1 プランタビル1F
098-941-8121
年中無休 
open:11:00〜22:00
 
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BIRKENSTOCKコーデ 6DAYS

 

NAKAI

リストランテの夜
 
この映画。
 
私がアメリカ在住のときに公開されているけど全然知らなかった。
 
大変評判がいいので借りてみたが、観てみてビックリ。
 
お話も素晴らしいがキャストが豪華。
 
最初、1996年製作の作品と知らず観ていたので、スタンリー・トゥッチはヅラをかぶっているのかと思った。
 
リストランテの夜
 
リストランテの夜
 
で、いきなりラテンのカリスマシンガー、 マーク・アンソニーの若い頃が登場して、このイタリアンレストランの従業員を演じていたのに仰天。
えらく若いので、はじめて10年以上前の映画と気がついた。
 
リストランテの夜
 
マーク・アンソニー、こんなに可愛らしかったなんて!!!
 
 
監督はこの映画にも登場しているキャンベル・スコット 。
キャンベル・スコットは、スタンリー・トゥッチと高校の同級生で彼を抜擢、スタンリー・トゥッチはこの映画で一躍脚光を浴びる。
 
それだけ素晴らしいのよ、スタンリー・トゥッチも兄 を演じたトニー・シャローブも。
 
リストランテの夜
 
リストランテの夜
 
リストランテの夜
 
とにかくイタリア料理が物凄くおいしそうである。

特に、なんだかよくわからないラザニアと詰め物みたいな料理、ティンパーノ!
 
リストランテの夜
 
ミートパイみたいな外見なんだけど、卵とかも入っているよね。
あれは一度食べてみたい!!!
 
 
原題はBIG Night 。
 
まさにまさに。
 
一世一代の大勝負なんだよね。
兄弟ふたりで、力を合わせて、お客もみんな最高の料理に至福のときを過ごす。
 
リストランテの夜
 
リストランテの夜
 
リストランテの夜
 
おいしいもの大好きな私はこの気持ちはよくわかる。
 
この映画はジャージーのお話なんだけど、ニューヨークとかジャージーとかはやはり特にイタリア移民も多いし、おいしいイタリアンも食べれそう。
ニューヨークのリトル・イタリーにはよく通ったけど、そこまで絶賛するような店には私は出会えなかったけど。
こういう、個人の小さな店のほうが、素晴らしいシェフがいそう。
 
やっぱり料理に妥協はしてほしくないけど、お金に余裕がないと店が潰れちゃおしまいだしね。
難しいなあ。
最初はどっかの店でスターシェフで働いて、お金をためて自分の店を出したりとかのがいいのかな。
 
それにしてもスタンリー・トゥッチが、モテモテな役でびっくり。
セコンドとフィリスの会話。
 
リストランテの夜
 
なんかはっきりしないというか、逃げているというか、言葉を濁すというか、ほんとこのシチュエーションよくわかる。
ミニー・ドライヴァーがそのあたりを見事に演じています。
女性なら、あ~わかるわかる、と思う人も多いんじゃないんでしょうか?
 
やはり素晴らしいのはエンディング。
すごい長まわしですが、3人が実に素晴らしい。
 
余韻を残した終わり方で、これからのことも少し明るい未来が期待できます。
 
家族って素晴らしい。

KEE

 

 
<ストーリー>
イタリア移民の二人の兄弟プリモとセコンドは、ニュージャージーの田舎町で“パラダイス”というレストランを営んでいる。
職人肌のコックの兄と、経営のセコンドはケンカばかりしているが、伝統のレシピで大成功するのが共通の夢だった。
ライバル店からも買収を持ちかけられていたが、二人は有名な音楽家がこの町に来ることを聞きつけ、宣伝のためにと貯金をはたいて豪華な晩餐会の準備を始めるが……。
 
<キャスト>
スタンリー・トゥッチ
トニー・シャローブ
ミニ・ドライヴァー
イザベラ・ロッセリーニ
イアン・ホルム
マーク・アンソニー
キャンベル・スコット
アリソン・ジャネイ
 
☆DVDでどうぞ☆
リストランテの夜
 

NAKAI

UNIZON 三枝克之
 
「基本的に、プレゼントを作りたいと思っているんです。人が喜ぶような」
 
作本家の三枝克之さんは、「CAFE UNIZON」店主、編集者・著述家、出版レーベル・音楽レーベルのプロデューサー、芸術大学の非常勤講師など、一枚の名刺には収めきれないほど多くの肩書きを持つ。
 
「でも、どれも流れに身をまかせてやってきたという感じなんです。
まず声をかけて頂き、それが多くの人に喜んでもらえることであれば『やってもいいかな』って(笑)。
どんなことでも『自分がやりたい!』って思ってやったことがあんまりないんですよね。だから、ぜんぜん能動的じゃない。
  
自分が作ったものを喜んでもらったり、『救われた』『人生が変わった』と言ってもらったり、作品を介して見ず知らずの方にそういう風に感じてもらえることって、本当に一番素敵なことだと思うんですよ。お金に換えられない素晴らしいこと」
 
三枝さんが企画・編集したベストセラー「空の名前」シリーズの売り上げは100万部を超え、様々なドラマ、映画、邦楽の歌詞にも登場するなど、多くのアーティスやクリエイターにも影響を与えた。
 
「自分がやりたいからというよりは、人が望むことをやりたいと昔から考えていて、それは今も変わりません。
 
CAFE UNIZON を始めたのもなりゆきのような感じでした。それまでカフェを営もうと思ったことはなかったんです」
 
ユニゾン
 
– – – 空間自体が、カフェになりたがっていると感じた。 
 
沖縄に移住して二年ほど経った頃、でいご通り沿いに事務所を構えようと物件を探していました。
 
その頃、MIX life-style(ミックスライフスタイル)・オーナーの比嘉さんから「個展期間中だけちょっとしたカフェをやりたい」と相談を受けてお手伝いしたんです。
その際、この辺りに事務所向きの物件はないかと尋ねたところ、このビルの一室が空いていると。それで見せてもらったのがここ。あまりの広さに驚いて、「事務所には広すぎますよ!」と(笑)。
 
当時このスペースは一面に畳が敷かれ、がれきの山が至る所にあって手つかずの廃屋のような状態になっていましたが、見た瞬間に感じたんです。「空間自体がカフェになりたがっている」って。
 
比嘉さんも、かねてから MIX life-style の中にカフェがあったらと思っていたということもあり、僕がここでカフェをプロデュースすることになりました。
この場所がカフェになりたがっているからそうしたというだけで、僕自身がカフェをやりたかったというわけではないんです。
 
 
– – – 価値観が異なるひとたちが集える店に。
 
UNIZON を作るときに意識したのは、「専門書ではなく、雑誌のようなカフェにしよう」ということ。どんな人が来ても楽しめる店にしたいと考えました。
 
オープン時、すでに沖縄にもカフェブームの波が訪れていましたが、いわゆるおうちカフェスタイルが多かったんです。つまり、オーナーさんのテイストやセンスが店の随所に表れていて、それが個性であり売りとなっているお店です。
そういうカフェにはオーナーの価値観に共感するお客さんが訪れるわけですが、それはそれでもちろん素晴らしい。でも、自分がやるならその逆にしようと考えました。
 
つまり、価値観を共有しないひとたちが集まれる場所。
価値観を共有する人たちが集まるのは簡単ですが、これからの世の中を作っていくには、異なる価値観を持つ人どうしが共通のベースをどうにかして見つけることが大事なんじゃないかと思うんです。
 
そこで、UNIZON はある意味とても大雑把に作りました。
暮らしをテーマにしながら、ベースとなる骨組みとクオリティだけをある程度キープして、あとはどんな人が来ても受け入れられる店にしたんです。個性がないことが個性のような店に。
 
メニューは野菜をベースに、できるだけオーガニックで。観光客も沖縄の人も同時に楽しめるように考えています。
外国のカフェのように色んなひとが気軽に利用してもらえたら嬉しいですね。境界をとっぱらいたいという思いが常にあるので。
 
 
こうして、流れに身をまかせて飲食店を経営することになったわけですが、以前は歌手のプロモーションビデオなどを作る映像の仕事に就いていました。
 
ユニゾン
 
– – – 映像の仕事を楽しむために、映画会社でなくレコード会社に。 
 
もともと、映画を作りたくて大学に進学したんです。美学・芸術学を専攻し、アート全般について学びながら自主映画をずっと作っていました。
でも、当時の日本映画は斜陽も斜陽、このままなくなっちゃうんじゃないかというほど低迷していて、就職先としてまともに考えれれるような状況じゃありませんでした。
そこで、レコード会社への就職を検討するようになったんです。
 
僕が大学生の頃はMTVがとても人気で、日本でもプロモーションビデオを作るようになっていました。映像表現するなら低迷している映画業界でじゃなく、レコード会社のほうがより楽しくできるんじゃないかなーと思ったんです。もちろん、音楽も大好きでしたから。
 
レコード会社に就職し、最初に配属されたのは営業の仕事。
CDへと移り変わる過渡期だったので、レコード屋さんを回ったり、他業種のお店に通って営業戦略を練ったりしていました。
 
自分が本来やりたいこととは全然違う仕事内容ですから、始めたころはいやでいやでしょうがなかったのですが、徐々に面白いと感じるようになりました。
音楽を含むカルチャーをどうやってプロモーションし、販売していくのかというプロセスを眺めることができましたから、とてもいい勉強になりましたし、その経験は今にもしっかりと繋がっています。
 
このままこの仕事を続けようかと思っていたら、当初の希望だった部署「ビデオ制作室」に異動になったんです。
 
でも異動になってすぐ、「こりゃだめだ」と思いました。
 
– – – 自分の実力を知りたくて転職。
 
ビデオ制作室では主に演歌歌手とアイドルを担当していたので、テレビの仕事やプロモーションビデオの制作など、まさしく「THE・芸能」な仕事をしていました。
宮沢りえちゃんのデビュー曲のプロモーションビデオも作りました。
当時の宮沢りえちゃんは、クリエイターだったら誰もが彼女と仕事をしたい、彼女を使った仕事に関わりたい、そう思うほど魅力的なアーティスト。
芸能界の中でも、傍から見たらきっと一番面白い仕事だと思うんですよね。それ以上面白い仕事ってそんなにないんじゃないかな、といういくらい。
 
でも、それって結局はすべて会社の看板でやっていたことなんですよね。
自分ひとりで何ができるのかという部分がまったく見えない。自分にどれだけの実力があるのかを知りたいと思うようになったんです。
 
会社に属して上から下りてくる仕事をこなしていくというのは、大きな仕事ができるという良さもあるけれど、自分の性格上向いてないなと。
 
それと、僕は産業化されたロックより、「ロックンロール」がいいなって。人工的に感動をこしらえるのではなく、根源的な感動を伝えたいという想いもありました。
 
結局、自分とは全然合わない世界だったんだと思います、今考えると。
 
ユニゾン
 
– – – 朝日を見るくらしをするために沖縄か、京都か…。 
 
レコード会社を辞めるとき、ずいぶん青臭いことを上司に言ったんですよ(笑)。
 
「朝日や夕日をまともに見られない生活はいやだ、何かが違う気がする」って。
 
東京での生活は、洗濯機の中でぐるぐる回され続けているようなイメージでした。電車に揺られて朝から晩まで色々なところに行って、ひたすら回り続ける。
これは自分がしたい暮らしとは違う、ここから抜け出したい、といつも思っていました。
そのとき、沖縄に行くか、京都に行くかで悩んだんです。
沖縄が選択肢に上がった理由は、母親が沖永良部島(おきのえらぶじま)出身だったから。
 
沖永良部は鹿児島県といえど、基本的には琉球文化圏の島です。
僕が子どもの頃、夏休みに何度か訪れたことがあるんですが、泳いだ海の美しさ、時間の流れ方、島のいたるところの風景が心から離れなくて。
 
でも、当時は沖縄に行ってもまず仕事はないし、親戚がいるわけでもないので住まわせてもらえるとも思えなかった。
それに、レコード会社に入るような人間なので、都会的なところもそれなりに好きなわけです。
大学時代を過ごした京都を懐かしく思うことも多く、まずは京都に行こうと。
 
– – – 二つの職業への憧れと現実。 
 
京都で新たに仕事を始めるにあたって、パン屋か植木屋になれたらなと考えていました。それこそ朝日を見るために(笑)。
 
植木屋になりたかったのは、朝日が見られること以外にも理由があって…。
実は僕、「バカボンのパパ」にすごく憧れていたんです(笑)。だって、あんなねえ、好き勝手しながら楽しく生きていて、美人の奥さんがいて、賢い子どもがいて、もうひとり楽しそうな子どももいて。すごく良いじゃないですか!
 
でも、植木屋さんは今とは違って徒弟制度が残っていましたし、パン屋も今のようなブームが起こる前だから雰囲気がまったく違っていて。
現実的にこの二つの職業に就くことを目指すのはなかなか難しい部分がありました。
 
 
それで、たまたま編集者募集の広告を見つけたので履歴書を送ってみたんです。本の編集は未経験でしたが、映画でも編集作業をするし、本も大好きだったので。
 
採用されて会社に行って初めて、編集について教えてくれる人が誰もいないことがわかりました。というのも、そこは出版会社じゃなくて印刷会社だったんです。
 
ユニゾン
 
– – – 編集者の道へ。最初の作品がベストセラーに。 
 
そこは印刷会社ではあるのですが、出版コードを持っていて、美術館のカタログや作家の作品集を作ったりもしている会社でした。でも、綿密な編集作業が必要な本は作っていなかったので、編集部もなかったんです。
若い後継ぎに代わったばかりで色々やってみたいと考えていたようで、「とりあえず何か企画して」と言われて。
 
本づくりについて教えてくれるひとは誰もいなかったけれど、面白そうなので「やってみよう」と。
モノ作りのプロセスや考え方自体は何をやろうとそれほど大きくは変わらないので、レコード会社で学んだノウハウを生かすこともできました。
営業面でも、レコード会社で行っていたプロモーションや販路開拓の方法を採りいれたんです。
 
また、僕がこれまでに繋がってきた音楽ベースのビジュアルを扱う人、写真家やグラフィックデザイナーの方々にも仕事を依頼したことで、ジャンルの垣根を飛び越えて様々な業界の人と共に本作りに取り組むことができました。
一つの業界の中だけでモノ作りをするとどうしても視野が狭くなりがちですが、様々な分野で活躍する人が集まると新しい可能性が見えてくるわけです。
 
そうやって最初に作ったのが、「空の名前」という本でした。
 
ああいうスタイルの本はそれまでなかったので、できあがるまでは僕以外の誰もどんな本になるのかわからなくて。できた本を見た著者でさえ「あ、こういう本になるんですね」と(笑)。
 
その本がありがたいことに多くの人に受け入れられて、メディアやユーザーの反応もすごく良かった。それで自ずと、この仕事をやっていくことになったんです。
 
それから結婚を機にフリーランスに。
その後、子どもができて沖縄に移住し、そして専業主夫になったんです。
 
ユニゾン
 
– – – 人生で最も大変だった主夫業専念期間。 
 
最初は京都で子育てしていたのですが、沖縄の海が忘れられず移住を決意しました。
 
インターネットで繋がっているので、フリーランスでそれまでと変わらず本の仕事を続けることもできたのですが、「主婦の仕事ってどういう感じなんだろう?」ということに興味を感じていたので、主夫になることにしたんです。
同じく主夫をしたジョンレノンに憧れていたと言うのもあります。
 
それで妻が仕事に出かけ、その間僕は子育てに専念しました。
 
約2年間の主夫期間は、今思うと人生の中で一番大変でしたね。
 
僕らは基本的に資本主義しか知らずに育っているので、仕事とプライベートが分かれていて当たり前だと思っています。
でも、主夫業をしていると、その2つを分けること自体が生き方として違うんじゃないかなーと強く感じるようになったんです。
暮らしというのは仕事だし、仕事というのは暮らしだと。両方の価値観がうまく溶け合うのが、一番素敵な生き方なんじゃないかなって。
 
それを実践するのはもちろん大変なことだけど、今の時代、発展と利益追求が人をしあわせにするわけじゃないとみんな気づいていますよね。でも、だからといって貧乏に耐えられるのかというとそれも難しい。
ある程度豊かな環境で育ってきているから、心身ともについていかない。
 
また、景気が衰退してきた頃から「プライベートを大事にしよう」という風潮にもなってきたけれど、それもなんだか違う気がする。
 
実際にやってみてわかったのですが、主夫(主婦)の仕事って誰からも認められないんですよ。やって当たり前のことだと思われてる。やっても褒められないし、やらなかったから怒られる。お金ももらえないし、第三者が注目してくれることもない。でも、それをやらなければ家は崩壊するし子どもも死んでしまう。
ああ、これはなんて大変な仕事だろうと思いました。
学生時代も含め、自分がやったことを他者に評価されながら送る生活に慣れていましたから。
 
よく考えると、ジョン・レノンの主夫生活って、家政婦もコックもベビーシッターも、あと愛人さえいたんですよね。ジョン、あんたはずるい!って思いました(笑)。
 
ユニゾン

 
主夫の経験がなければ、カフェの経営でももっと自分を前に出したり、表に出て一から指示したり、ヘタしたらワンマンになったりしていたんじゃないかと思います。
 
スタッフとどういう関係をつくっていくか、スタッフの生活をどうしていくか、お客様にどういう価値観を提案できるか…。主夫業を経験したからこそ、あらゆる面で視野がより緩く、広くなったと思います。やっていることは表面的には同じなんだけど、土台の滑らかさが変わったというか。それまでただ漠然と感じていたことが、実体験を経て確信に変わったんですね。
 
仕事を再開するときに出した案内状に、「仕事という暮らし、暮らしという仕事」というコピーを書きました。
仕事とプライベートという垣根をなくして遊びを仕事にしたり、お茶を飲みながら喋っていることが仕事になったり、そういうほうが楽しいし自然だと考えるようになったんです。
 
ユニゾン
 
– – – 一つのことに特化するのではなく、何でも屋に。
 
店内に本を多く置いているのは、人とのつながりやカフェの持つポテンシャルを生かしたいと思ったから。
友だちのクリエイターやアーティストが、気軽にうちのカフェで個展やったり商品並べたりできたら、お客さんも喜んでくれるんじゃないかと思ったんです。
 
本のセレクト含め、店のことはすべてスタッフが考えてやっています。僕は完全に裏方。動かすのは現場です。
 
スタッフの子たちが、一人で生きていくためのノウハウをここで身につけられたらいいなと思っているんです。
 
本の販売や展覧会の企画・実施というのは、カフェ運営においては本来やらなくてもいいことですよね。
だけど、飲食店って単に料理がおいしいからといって流行るわけじゃない。ビジネスのノウハウ、人とのやりとり、企画の考え方、プロモーションのやり方…店をやるときはそういう諸々が絶対に必要になりますから。
 
一つのことに特化することに対して、ものすごく抵抗感があるんです。だからスタッフにも「なんでも屋」になってもらいたいなーって。
 
もともと「百姓(百の『姓』:かばね=職業・能力)」というくらいですから、人間が暮らしていくにはいくつもの仕事をしないといけない。
農家って畑仕事だけじゃなくて道具の手入れも自分でやるし、収穫した野菜を売りにも行かないといけない、夜は機織りをして、もちろん子育ても。
つまり全部自分でやる。それが本来の人間の暮らしだと思うんです。まさに、暮らしと仕事が混ざっているんですよね。
 
資本主義が衰えて来た今となっては、そこを見直さないといけないと僕は思うんです。昔の人は何でもできたけど、そういうのがなくなってきてるのはよくないなと。
 
僕は自分のことを文化系百姓だと思っていて、あえてなんでもやろうと考えています。
本も作る、音楽も映像もやる、カフェも経営するスイーツの販売も。結果的にですがノンジャンル、オールジャンルに近い感じで、中にはそういう人も必要なんじゃないかな〜と。
 
ユニゾン
 
 
ユニゾン
 
– – – 101勝100敗でいい。
 
面白いことが好きで、これからも楽しいことをやっていきたいと思っています。それが儲かろうが儲かるまいが、自分が楽しくて人もそれが楽しいと思えることであればいいなって。
 
でも、楽しいことやるのってラクじゃないんですよね、逆にしんどいですよ(笑)。ラクだったことなんて一瞬もない。
だけど人生ってそういうものでしょう。ずっと矛盾を抱えてやっていくしかないと思うんです。
 
暮らしって、生きていくって、基本的にはしんどいこと。
しんどいからこそ、少しでも自分がイヤだなと思うことはやりたくない。
 
死ぬときまで自分の人生がどうだったかなんて判断できないと思うんです。
極端に言うと、101勝100敗で終われればいいなーって(笑)。最後の最後に一つ勝って終われたら。
そんなものでしょう、多分。これがネガティブなのかポジティブなのかわからないけれど(笑)。
人生なんて、良いものと悪いものの詰め合わせですから。
 
今後は、UNIZON を始めた当初の想いを実現していきたいですね。
 
いろんな価値観を持った人が、年代や性別に関係なく集まって、できたらここで何かが生まれたらいいなと。
それが何かということまではわからないし、僕がコントロールすることでもないので、自然に何かが生まれたらいいな。そう考えています。
 

写真・インタビュー 中井 雅代

 
ユニゾン
CAFE UNIZON
宜野湾市新城2-39-8 MIX life-style 2F
open 11:30-22:00
close 第一火曜日
TEL/FAX:098-896-1060
HP http://www.cafe-unizon.jp
ブログ http://cafeunizon.ti-da.net

 

NAKAI

cafe ハコニワ

 

旅の途中、知らず知らず入り込んだ小径を進むと、
思いがけず素敵な店に遭遇した。

 

そんな思い出をきっと多くの人に残しているカフェが、本部(もとぶ)町にある。

 

ハコニワ

 

ハコニワ

 

ハコニワ

 

ハコニワ

 

古民家を改装した店内でいただけるのは、沖縄の食材をふんだんに使った料理。

 

「店のメニューはどれも、私が小さい時から食べてきた野菜や味に由来しています」
と、オーナーの谷口かおりさん。

 

「たとえばジビランの酢醤油。モロヘイヤに似た粘り気のあるジビランは祖母が作っていて、昔から慣れ親しんだ野菜なんです。
お吸い物はしいたけだしで。うちの中身汁はかつおとしいたけで取っただしを使うんです。あっさりしているところが大好きなので、参考にしました」

 

野菜はできるだけ地のものをと、祖母手づくりの野菜を使ったり、名護のファーマーズまで買いに行ったりすることが多いという。

 

「自分たちが食べて育った料理をアレンジしている、という感じですが、調理法はシンプルなものが多いんです」

 

もっちりとした食感が魅力のバナナケーキは、
「バナナ、クルミ、バター、卵を混ぜて焼いただけ。簡単ですよ」

 

素材にこだわっているから、シンプルな調理法でもごちそうになる。

 

とはいえ、もちろんすべてのメニューが簡単でシンプルなレシピという訳ではない。
人気の定番メニューのカレーは、2時間かけてじっくり炒めたたまねぎがおいしさの立役者。

 

ハコニワ

 

ハコニワ

 

恩納村出身のかおりさんは、23歳から5年間、東京のカフェで働いていた。
沖縄で飲食店をオープンさせる夢を実現するために東京を後にし、物件を探し始めた。

 

かおりさん細い小径を見つけては分け入り、めぼしい古民家があると家主を探して直接交渉していたと言う。

 

「改装も必要なので、かならず家主さんとお話するようにしていたんです。
ある日、この家に続く道をたまたま発見して」

 

本部町伊豆味の緑に囲まれた場所。
落ち葉に覆われた川沿いの道は、森のように生い茂る木が落とす影で暗く、独特の雰囲気がある。

 

「まるで森のトンネルみたいでしょ。進みながらワクワクしたのを覚えています」

 

トンネルを抜けたところには、まさに理想通りの家が佇んでいた。

 

「それまで見たどの物件とも違っていて、素敵さが別格だったんです。家主さんに連絡をとると最初はダメだと断られたんですが、あきらめきれずに手紙を書きました。それも3枚も(笑)。どういう店をやるかという計画と、自分たちの想いを綴ったんです。
そうしたらすぐに電話をかけてきて下さって、快く承諾してくださいました」

 

改装前の写真を見ると現状とのあまりの違いに驚くが、改装費を伺い、破格とも思える金額にさらに目が丸くなる。

 

「大工さんを一人お願いし、あとはやり方を教えて頂いて自分たちでやりました。壁をぬったり釘を打ったり」

 

新たな姿に生まれ変わっても、変わらず「家」としての温もりを感じるのは、かおりさんたちが愛情を込め、自らの手で改装したからに違いない。

 

ハコニワ

 

ハコニワ

 

 

料理を引き立てる皿は、「室生窯」で作られているやちむんだ。
作家の谷口室生さんはかおりさんのご主人でもある。

 

「沖縄の食材はやっぱり沖縄の器だとさらに映える気がします。
こちらで料理を召し上がったことがきっかけとなって、やちむんにも興味を持っていただけるようになったら嬉しいですね」

 

店内にはいくつかの作品が並べられ、料理を待つ間にじっくりと物色する人々の姿も。

 

 

ハコニワ

 

ハコニワ

 

ハコニワ

 

「今後は、ライブや個展などのイベントもやっていきたい」
と、かおりさんは生き生きした面持ちで語ってくれた。

 

 

緑深い静かな場所にひっそりとあるハコニワ。
そこに続く小径は、私たちを異空間へと導く秘密の道のようにも思える。

 

窓の外に広がる自然を眺め、不思議な時間の流れの中に身を置いていると、隣りに座った女性が
「いつものをください」
と注文する声が聞こえた。

 

最初は偶然かもしれない。
でも、一度来るとまた訪れたくなる場所。
そしていつの間にか、そこは多くの人々が憩う安らぎの空間となり、
今日も小径に誘われてやってくる誰かを温かく迎え入れている。

 

 

写真・文 中井 雅代

 

ハコニワ
Cafe ハコニワ
国頭郡本部町字伊豆味2566
0980-47-6717
open 11:30~17:30
close 水 木

 

NAKAI

オリーブ・キタリッジの生活
エリザベス・ストラウト・著 早川書房  ¥940(税別)/OMAR BOOKS 
 
― 人の「こころ」の不思議  ―
 
忙しい日々が続くと、ちょっと待って!と息をつきたくなるときがある。
そんなときは時間に余裕がなくとも無理にでも小説を手にするようにしている。
それも遠く離れた場所の物語だとなおいい。
その世界に入っていけば、またいつもの調子を取り戻す。
またせわしない日常を続けていく燃料補給のようなもの。
 
今回紹介する本『オリーブ・キタリッジの生活』もちゃんとその小説の役割を果たしてくれた。
  
ストーリーは、小さな港町クロズビーを舞台に、キタリッジ夫妻を中心にしてその町の住人たちの生活や人生が描かれる。
ささやかな暮らしを営む人々に一見大きなことは起こらない。
でも彼らはみな、あるときは心の内で嵐が吹き荒れ、またあるときは人生の岐路に立ち、大きな選択を迫られる。
 
その背景にいつもあるのは海と入り江。
 
「薬局」という短編は、長らく薬局を営んでいたヘンリー・キトリッジが家から店へ通い慣れた道の描写から始まる。
その風景がとても美しい。
毎日毎日、代り映えのしない生活だと思っていたのがあとになってあの平凡な日々が幸福だったと晩年の彼は回想する。
 
そう、その最中(さなか)にいると気づかないものなんだよなあ、と共感しながら読んでいくと話は意外な展開を見せ、どの短編の結末も思わず唸ってしまうもの。
これこそ、小説の醍醐味。
油断していたら目の前に熊が!というくらいすごいものを読んでしまった余韻がなかなか消えなかった。
  
派手さははっきり言ってない。
ただ著者は冬の空気を思わせる静謐な文章と、鮮やかな方法でもって、本人さえ気付かない心の奥底で眠っている感情を丁寧に浮かび上がらせる。
 
主人公が入れ替わる連作短編集になっていて、他人の人生を遠くから見下ろしている瞬間があるかと思えば、目の前の鏡に写る自分を覗きこんでいるような気分になる。
 
人の「こころ」の不思議さ。
それはまた他人の心をふるわせる。
その不思議を見事に描ききった本書。
 
酸いも甘いもかみ分けた大人のための良質な小説です。
 

OMAR BOOKS 川端明美




OMAR BOOKS(オマーブックス)
北中城村島袋309 1F tel.098-933-2585
open:14:00~20:00/close:月
駐車場有り
blog:http://omar.exblog.jp
 

NAKAI

タム
 
12月14日(金)〜 24日(月)
13時〜19時
 
@GALLERY point-1
那覇市松尾2-7-8
050-1122-4516
http://gallery-point-1.com
 
そろそろ巳が忍び寄り辰年も果てるこの 12 月、那覇の Gallery point-1 で辰年に生まれたタイと沖縄のアーティストの作品が出会います。
 
シンガポール・ビエンナーレ 2013 のキュレーションメンバーでもあるアンクリット・アシャチャリヤーソーポンは縁あって沖縄には2度訪れています。
日の入り直後に石垣島の御神崎灯台から見た、海と空が濃い蒼色に染まりゆく景色をインスピレーションに、タイ北部のアトリエで仕上げた絵を郵送してくれました。
 
zakka tuktuk のライブのために沖縄には一度だけ訪れたことのあるタムくんことウィスット・ポンニミットは、辰年生まれの友人やリスペクトするアーティスト。
沖縄のメディアとインターネットによって呼びかけた辰年生まれのひとたちの写真を集め、バンコクのアトリエで似顔絵を描いてくれます。
※辰年生まれのモデルさん大募集! タムくんに写真を送って似顔絵を描いてもらいませんか? 詳しくはコチラ→
 
Gallery point-1のオーナーでもある儀間朝龍は、今年自身のプロジェクトで訪問したタイでアーティストたちに会い、その旅から生まれた作品を発表します。
 
沖縄のことは何も知らない、今年からタイのチェンマイで婦人警官と写真家を両立する若いドラゴン、ディム・ディームも、印刷物の写真で参加してくれます。
 
この展覧会の企画をする澤文也は、タルヴィン・シンやマイケル・ナイマン、ネーネーズなどとの音楽プロジェクトや、映画「ナビィの恋」のテーマ曲や英字幕などで沖縄をヨーロッパに紹介してきました。
タムくんとは日本のみならず、タイやフランスでの展覧会を企画し、アンクリットとは Open Museum Nanglae という私設美術館を運営しています。ディム・ディームとは一昨年 facebook で出会い、儀間朝龍とは宜野湾でのプロジェクト、裏庭集会所で活動する仲間です。
 
沖縄が琉球と呼ばれていた 15 世紀、当時シャムと呼ばれたタイは琉球にとって最大の貿易相手で、活発な交流が行われていたそうです。
600年後の21 世紀前半、たまたまが重なってつながりはじめた小さな交流会のような展覧会です。