NAKAI

浮島ガーデン
 
空前の麹ブームですね。
塩麹はうまく作れないけど、甘酒は誰でも簡単に作れます。
浮島ガーデンでも西表安心米の玄米ごはんで店長自ら甘酒を仕込んでいます。
 
甘酒は冬の飲み物というイメージがあるけれど、
江戸時代には梅雨のころになると「甘酒いらんかね~」と
甘酒売りが町を練り歩いていたそう。
 
食べ物が腐りやすくお腹を壊しやすいこの時期、
昔の人は発酵ドリンクである甘酒を飲んで整腸していたんですね。
甘酒の成分は点滴と同じだそうで、
夏バテ防止の意味でも飲まれていたようです。
 
ちなみに
甘酒には『酒粕』を溶いて砂糖を加えて作るものと、
ごはんに『麹』を入れて発酵させたアルコール分のないものと2種類あります。
浮島ガーデンで仕込んでいるのは麹を使う後者の方。
 
玄米の甘酒なら食物繊維もいっぱいな上に
ビタミン類もたっぷり入っているので
細胞も若返りアンチエイジングにもなっちゃう。
野草や果物を入れてスムージーにすればさらに栄養バランスも良くなるので、
断食や小食にしたいとき最高です。
 
間もなく梅雨入りする沖縄エリア。
甘酒で梅雨を元気に、
そしてこれからやってくる猛烈サマーに耐えられる体作り、
今からしておきたいですね。
 
 
「甘酒と野草のスムージー」
 
<甘酒の材料>
 
玄米ごはん
麹 

 
<作り方>
1) 残った玄米ごはんに水を加え、おかゆにする。
*この時、必ず鍋に入れて沸騰させて下さい。腐りにくくなります。
 
浮島ガーデン
 
2) 60度以下になったら玄米の量と見た目同量の麹を入れる。
*高い温度で入れると麹菌が死んでしまいます。
 
浮島ガーデン
 
3) 炊飯ジャーを空けっぱなしで保温ボタンを押します。時々かき混ぜ愛を送りながら12~20時間。甘くなったら出来上がり~☆
 
浮島ガーデン
 
浮島ガーデン
 
麹の量ですが、たくさん入れると短時間で甘くできます。少なくすると経済的ですが、甘くなるのに時間がかかる上、腐敗しやすくなります。玄米ごはんで作る場合、白米の時よりもかなり多めに麹を入れています。見た目同量くらい入れないと甘くなってくれません。
それから
甘酒が出来上がった後、発酵を止める、腐りにくくする意味で火入れ(沸騰させる)をする人もいますが、しなくても1ヶ月は十分持ちますよ。しない方が菌もいっぱい残ってカラダにはいいはず~☆
 
 
<スムージーの材料>
 
玄米甘酒
そのへんにある野草
たまたま冷蔵庫にある果物 
豆乳

塩 少々
 
<作り方>
すべての材料をジューサーに入れて回すだけ。ドロっと飲みたい人は豆乳や水の量を減らして。サッパリ飲みたければ水分を増やして。
 
浮島ガーデン
 
浮島ガーデン
 
浮島ガーデン
 
浮島ガーデン
 
今回は、根菜であるビーツ、庭の葉物、39ファームさんからいただいたバナナを入れて作りました。色がキレイだとテンション上がりますね☆
 

Text by 中曽根直子(浮島ガーデン フードデザイン)




浮島ガーデン
那覇市松尾2-12-3
098-943-2100
open:14:00~24:00
close:火
HP:http://ukishima-garden.com
ブログ:http://ukishima.ti-da.net
 

NAKAI

ASAKA
 
「あっちに行けば何かがあって楽しいよって思わせるような場所を作りたいと、中学生の頃には思っていました。
でも、何の仕事に就けばそういうことができるのかはわからなかったんです」
 
3人兄弟の末っ子。
10以上歳が離れた兄ふたりはそれぞれ県外と国外に住み、
不動産業とブティックを営む忙しい両親が昼間家にいることはあまりなく、
学校帰りには友達を何人も連れ帰って家で遊んでいた。
 
「遊びって限られてるからワンパターン化してきて。
でも、『あっちに行こう』って言える場所がその時はなかったんです」
 
人が喜ぶ場所をつくりたい、
幼い頃から漠然と抱いていた夢を、
高野さんは分譲マンションという形で実現させた。
 
ASAKA
 
ASAKA
 
ASAKA
 
高野さんは父親の会社を継ごうと最初から決めていたわけではなかった。
東京の大学に進学し、ファッションビルを展開する企業の就職試験を受けた。
 
「良いところまでいったのですが受からなかった。
実際、自分にも迷いがあったんです。沖縄に帰るべきか否かって。
父親が当時75歳と高齢だったし、兄達はそれぞれ別の仕事に就いていましたから
沖縄に戻って父を手伝いたいという気持ちもありました。
父に訊くと『お前が決めろ』と。
帰って来てほしい気持ち半分、本土にいたほうが色々と勉強になるという気持ち半分だったのだと思います。
就職活動をしていてもそんな自分の迷いが出ていたんですね」
 
迷った末に帰郷を決意、
父親と一緒に働く日々が始まったが、
5年後、父親が急逝した。
 
ASAKA
 
ASAKA
企画・販売で協力した「ITSUKI不動産」の樹さん
 
「仕事中に倒れ、その日に亡くなりました。
病気をしていたわけでもなく、なんの前触れもなかったんです。
継ぐのはまだ先だと思っていましたし、心の準備もできていませんでした」
 
時を同じくして景気も急激に冷え込み、
高野さんに強烈な逆風となって吹き付けた。
 
「父が亡くなったとき、沖縄の地価はちょうどミニバブル状態でした。
2007~8年の頃です。
国際通りを筆頭に県内の地価が高騰、そのため相続税も高く、株価も同様でした。
でも、その半年後にリーマンショックが起きて株価は暴落、
土地も一気に売れなくなって銀行も貸ししぶり、途端に首が回らなくなって…。
来月の社員の給料はどうしようか?というくらいひどい状況でした。
父が亡くなって精神的に辛い時期だったので、余計こたえました。
なぜこのタイミングで…という感じでしたね」
 
父親と共に働いた5年間が、高野さんの支えになったという。
 
「もちろんすべてを引き継げたとは思いませんが、
それでも父の仕事に対する価値観、考え方をある程度は理解できたと思うので、
何をするにしても『父だったらどうするかな』と考えるようにしています。
僕にとっては父の生き方が指針になっているんですね。
どうにか持ち直せたのも、父との5年間があったからだと思います。
 
実は、沖縄に戻って最初の2年くらいは
『本土にいた方が良かったかな』と思うこともあったんです。
でも、亡くなってからはやっぱり帰ってきて良かったなと。
父の遺志を継ぐことができたわけですから」
 
それまでの事業は土地売買がメインだったが、
高野さんは新たな分野にも挑戦を始めた。
分譲マンションa.suo(アスオ)シリーズの立ち上げだ。
 
ASAKA
同じく企画・販売で協力した「ディ・スペック」の古謝さんと 
 
ASAKA
 
「土地売買だけじゃなく、もっと面白いことをしたいと思ったんです。
自分が描いた絵を売るように、
建物という作品を気に入って購入してもらえたら嬉しいだろうなと。
規模として一番大きな芸術は建物じゃないかと思うんです。
でも、大きい分リスクは高い。売れなかったら終わりですから」
 
初めての分譲マンション建築、
設計コンペで出した条件は
全室角部屋で3LDKか4LDKのファミリータイプであること、そして
「シンプルであること」。
 
「外観に沢山の色を使うのではなく形で雰囲気を出して、
個性はエントランスや部屋で出すマンションにしたいと思っていました。
デザインにはどうしても流行りすたりがあるので、
長く心地よく住むには見た目はシンプルな方が良いと思ったんです。
そして外壁は白。
沖縄のように日射しの強い地域では
濃い色の外壁だと色あせが早いし、
メキシコ、ギリシャ、スペインなど海に面した国には白壁の家が多い。
海や空の青を背景にすると映える色だと思います。
また、色だけではなくて質感で個性を出せたら最高だなと思っています」
 
ぱっと目をひくようなデザインではなく、
至ってシンプルな外観の a.suo 。
しかし、各部屋は自分で壁の色を塗ることができるなど、
住む人が自分の好みを追求し、センスを生かせるようなオプションも豊富だ。
 
「どうやったらリビングが広く見えるか、
外の風景を楽しむには?
キッチンに開放感を出すにはどうしたら良いか、
自分達なりに工夫して完成した空間に満足していますが、
最初から完成図が見えていたわけではありません」
 
高野さんは何かを決定するとき、
最初から自分の意見を主張するのではなく、
多方面の意見を聞くようにしているという。
 
「自分の考えを覆すような良いアイディアがあればすぐに採用しますし、
広く意見を伺うためにアンケートもとっています。
今はまだ、何が正しいということがすべてにおいて明確ではなく、
やりながら考えるという感じなんです。
幸い、僕はまわりの人や新たな出会いに恵まれています。
多くの人のアドバイスやサポートがあったからこそ、
a.suo sakashita が完成したんです」
 
独断はしない。
自分の考えと異なっていても、優れた意見であれば尊重する。
そのフレキシブルな姿勢が、a.suo という新しいスタイルの分譲マンションを生み出した。
 
ASAKA
 
a.suoシリーズの第一弾「a.suo sakashita(坂下)」は予想を大幅に上回って早期完売、高野さんはすでに、第二弾に向けて動き始めている。
 
「同じa.suoシリーズであっても、
毎回がらりと雰囲気が変わっても良いんじゃないかなと思うんです。
だから、次はどんなマンションになるのか僕自身楽しみですね」
 
その意欲の発露は分譲マンションにとどまらない。
 
「土地をそのまま売るのではなく、
その上に何らかの付加価値をつけて販売するのも面白そうだし、
現代版九龍(クーロン)城みたいな雑居ビルを作るのもいいかなって。
保育園やデイサービス、商店などを入れた、昔の団地のようなマンションを建てることにも興味があります。
子供たちにとってもおじいちゃん、おばあちゃんと過ごせる時間は貴重だし、
親は保育園への送り迎えの時間を短縮できますし、あとは……」
 
夢を語るとき、その話が尽きることはない。 
 
建物という形をとった高野さんの作品は、
そこに住む人々の暮らしが描かれたときに初めて完成するのだろう。
これからどんな新しいキャンバスを私たちに提示してくれるのか。
それらはどれも、幼かった高野さんが
「あっちに行こう、面白いところがあるから」
と、友達に教えたくなるような建物になるのだろう、きっと。
 

写真・文 中井 雅代

 
 

ずっと心地よく住んで欲しいから、高野さんは住まいづくりのアンケートに寄せられる意見をとても大切にする。
「こんなところに住みたい」「もっとこうだったら買いたくなるのに」そんな私たちの思いを実現したマンションができたらステキ!
あなたの理想のマンション、教えてください。
https://calend.sakura.ne.jp/asuoenquete1

 
株式会社ASAKA
那覇市松尾1丁目12−13
TEL:098-866-6636/FAX:098-862-3500
open 9:00~18:00
close 土日祝(連絡時休日案内可)
HP http://www.asakajs.com
 

NAKAI

新進舞踊家の会
クリックで拡大します 
 
今回の「新進舞踊家の会」では、今年が沖縄が本土復帰40周年の節目であることを祝い、復帰前後に誕生し、現在活躍目覚ましい復帰世代といえる若手舞踊家らを起用した舞台をお届けいたします。先達の教えを受け、激動の歴史の中で脈々と受け継がれてきた、舞踊の技芸を磨き、次世代へと伝えていく、新進気鋭の舞踊家らによる、華々しく清冽な舞踊の数々を古典、雑踊り、創作とバラエティに富んだ番組でお楽しみいただきます。
 
新進舞踊家の会
 

NAKAI

Hair Salon Boyfriend
 
ふんわり風をふくんだようなショートスタイル。
襟足を残し、サイドにボリュームをもたせるひし形シルエットはクールな印象になりがちだが、
まるみを帯びたライン、くるんとした毛先でかわいらしい印象に。
 
Hair Salon Boyfriend
 
「はねやすいのが悩み」という毛質を生かしてカット、
毛先を遊ばせることで動きが出て華やかに。
 
Hair Salon Boyfriend
 
バックスタイルもエアリー感を重視。
首筋に沿うようにカットされた襟足が、
うなじを美しく演出。
 
Hair Salon Boyfriend
 
風が吹いてセットが乱れてもまた、良い。
 
「カッコイイというよりは、
どこか可愛らしさのあるスタイルが好きなんです」
 
と、担当の島袋至史(ちかし)さん。
 
そのカットの腕前だけでなく、シャンプーの技術にも定評があり、
「シャンプーのご指名」を頂くことも多いと言う。
 
Hair Salon Boyfriend
 
「特に変わったことをしているわけではないんです。
普通、頭が痒いと感じてかくところは、
頭のてっぺん付近よりもこめかみや襟足といった生え際が多い。
だからそこを丁寧に洗うとか…そういうことだけ」
 
本人はごく普通のこととしてやっていることが、
なかなか人にはできないことだったりする。
 
女性スタッフが少ないヘアサロン。オーナーの友男(ともお)さんは
「女性が少ないと大変じゃないですか?」
と言われることが多いというが。
 
「それがね、至史(ちかし)はたぶん女性以上に細やかだと思うんですよ。
気づかいが素晴らしい。だから特に困ることもなくて。
今は女性スタッフがどうしても必要だとは思わなくなりましたね」
 
Hair Salon Boyfriend
「普段は人見知りする」という女性の表情もすぐにやわらぐ
 
Hair Salon Boyfriend
 
「カットするときに最も気をつけているのは、
話し合いながら切り進めていくということ。
お客様もどうなるかわからない状態でどんどん短くされるのは不安ですから、
相談しながら、方向性を一緒に決めていきます。
だから僕が一人で仕上げるというのではなく、
一緒につくりあげるという感じでしょうか」
 
不安感を抱かせないように…
常に心配りを忘れない至史さんらしい答えだ。
 
 
県内屈指の進学校の出身で、
同級生たちがみな大学を受験する中、ひとり美容学校を受験した。
当時は美容師ブーム。
カリスマ美容師をとりあげる番組に夢中になった。
 
「単純に『カッコイイ!』って思っちゃって(笑)
でも、実際入ったらそんな華やかな雰囲気じゃない。
美容師を目指す人はみなそうだと思いますが、
アシスタント時代は何度も辞めたいと思いました」
 
それでも辞めなかったのは
 
「意地、ですかね。
途中で投げ出すのだけはイヤなんです、どんなことでも」
 
どんなに厳しい店でも、すぐに辞めることはなかった。
人当たりの柔らかさに加え、
芯の強さも兼ね備えている。
 
Hair Salon Boyfriend
 
Hair Salon Boyfriend
 
至史さんは2人の姉をもつ3人姉弟の末っ子だ。
 
「だからかな、私にとっては本当の弟みたい。
うちも姉弟構成がまったく同じなの」
 
と、スタイリストの麻紀子さん。
 
「至史はお姉さんが二人いるからね、女性への接し方がすごく上手。
話し方も優しいし、育ちの良さがにじみ出てる。
バリッバリのハードな美容師っていうタイプじゃないから、
お客様も至史が相手だと緊張しないみたい」
 
「そうそう、お客様のお子さんの塾の話題とかでもよく盛り上がってるよな!
『あっちの塾は上等ですよ〜』みたいな感じで。
お客様も至史と話してるとめちゃめちゃ楽しそうでさ、
そういうところ、俺は絶対かなわないんだよ」
 
と、友男さん。
 
Hair Salon Boyfriend
「マリンスポーツをするので前髪はいずれまとめられるように伸ばしたい」という言葉から趣味の話題へ。その顔にはもう緊張感はない 
 
長く辛いアシスタント時代を経て、スタイリストとして活躍する今、
仕事は楽しいですか?と訊くと、満面の笑みでうなずいた。
 
「一番嬉しいのはカット後にお客様の笑顔が見られたとき。
ご満足いただけた時にはやはりお顔に出ますから。
それは僕一人の力ではなく、お客様とともに達成した結果なので、
『一緒にやり遂げた!』
っていう喜びを分かち合える。
続けてきて良かったなって心から思える瞬間ですね。
何日か経ってから
『髪型、まわりからの評判もいいですよ』
なんて言われたらもう、最高です」
 
同級生との酒の席では、仕事の話になることも多い。
 
「医療関係の現場で働く友人が多いのですが、
お客様に一対一で向かい合うという点では美容師の仕事も同じ。
担う責任の重さを考えると、僕も負けていられないなと思います」
 
Hair Salon Boyfriend
セットをする至史さんの手つきを麻紀子さんが優しく見守る
 
Hair Salon Boyfriend
 
襟足をまとめたアレンジ。
サイドもバレッタで留め、すっきりと。
 
Hair Salon Boyfriend
 
全体的にコテで巻いて華やかさをプラス、
前髪はゆるく編みこんで。
お出かけにもフォーマルにも使えるアレンジ。
 
Hair Salon Boyfriend
 
Hair Salon Boyfriend
ヘアアクセサリー:LunyA(ルーニャ)
 
「今日は楽しかった! またお願いします」
と、彼女は笑顔で店をあとにした。
 
 
「近所のお兄さん的な美容師がいてもいいんじゃないかなって思うんです」
と、至史さんは言う。
今後の展望を訊いた質問に対する答えだ。
カットやパーマ、カラーといった技術面に関する抱負や意気込みを予測していたが、その答えのやわらかさ、屈託のなさに思わずほほえんでしまう。
「お店を出た後出かけたくなるような、
『カワイくなった、変わった』そう思えるスタイル提案をしていきたいですね」
改めてそう語ったが、その目標はすでに達成できているのかもしれない。
笑顔を残して去って行った彼女の後ろ姿を見送りながらそう思う。
 
指導の厳しさを自認する友男さん曰く、
「至史を叱ること…今はもうほとんどないけど、あるとしたら
『もっとグイグイ来いよ! 来ていいんだよ!』 ってことぐらい」
「至史は優しいからね、控えめだし。
でも、そこが良いところでもあるから」
と麻紀子さん。 
 
柔らかさと芯の強さを兼ね備えているだけでなく、
努力の人でもある。
撮影当日、鏡の前には至史さんが描いたヘアスタイルのラフ案が何枚も束ねられて置かれていた。
「昨日はすごく緊張して…あまり眠れなかったんです(笑)」
 
頼れるアニキ的な友男さんとは対照的に、
優しい弟的な至史さんだが、
磨き抜かれた技術とセンスの良さに加え、天性の優しく穏やかな人柄、
誰に対しても等しく誠実な対応。
沢山のファンがいて、至史さんを指名するというのも納得できる。
 
同級生たちのように医者になっていたとしても、きっと人気だったろう。
 
「この人にならまかせられる」
 
そんな安心感を、至史さんは与えてくれるから。
 

写真・文 中井 雅代

 

Hair Salon Boyfriend ボーイフレンド
住所: 沖縄県那覇市久茂地1-3-6  MAP
電話:098-861-1393  
定休日:火曜
営業時間:平日11:00~21:00 
     土曜10:00~20:00 
     日曜.祝日10:00~19:00
HP:http://boyfriend-naha.com
ブログ:http://boyfriend.ti-da.net
 
関連記事:Hair Salon Boyfriend「青山にあっても下町の親密さがいいじゃない」
 

NAKAI

りるけ屋『くつ展』
 
りるけ屋 ブログ:http://nao0228.ti-da.net
 
「沖縄の風」
那覇市牧志2-5-2
098-943-0244
営業時間 11:00~22:00
定休日  年中無休
駐車場  無し(隣にコインパーキング有り)
 
子供用からレディース、メンズサイズまで
一足一足染め上げた靴を並べてみようと思います。
カスタマイズできるように考えてます。
 

NAKAI

夏のクリスマスローズ
大野八生 絵・文  アートン  ¥1,575/OMAR BOOKS
 
― 美しい花が咲くには  ―
 
いつもより遅く店を閉め車で帰宅すると、
近所の住宅の明かりはまばらでしんと静まりかえっている。
庭の方へ回り込むと外灯の消えた暗闇の中、
静かに植物たちが息づいているのが分かる。
周囲は甘く、瑞々しい空気で満たされていて、
家の中に入る前に大きく一つ深呼吸するのが私の密やかな楽しみ。
そうすると美味しいものを食べたときのように、
何かいいものが身体に巡るのを感じるから。
 
人が植物から受ける影響は意識はせずともけっこう大きい。
そんなことを考えていたときにちょうど出会ったのがこの本。
 
フリーで園芸や庭の仕事と同時に、
書籍の表紙などの絵の仕事を手掛ける著者による植物にまつわるエッセイ集。
ガーデニング雑誌『BISES』に連載されていたのを単行本化したものです。
 
見開き片側に絵、もう片側に文章が添えられ、見て読んで楽しい一冊。
 
人間よりもその足元にある植物を中心に描かれたこれらは、
雑草と呼ばれるものから園芸店に並ぶ苗木まで身近なものがほとんど。
水彩画のような優しい色合い。描かれる花や木や人もどこか軽やか。
写実的ではないのにその植物本来の持つ魅力と著者の愛情が伝わってくる。
 
植物に触れる、というのは心の機微に触れることに似ているようだと思うのは私の思い込みだろうか。
育てる、慈しむということには優しさと厳しさが必要。
 
幼い頃から植物に親しみ、学生の頃は彫刻を学んだあと
長年花屋や園芸店、個人の庭の手入れなどの仕事をしてきた著者。
彼女もまた植物たちに育てられてきたのだろう。
 
彼女にとっては絵を描くことも植物と関わることもどちらも不可欠。
彼女の優しいまなざしはいつも
花屋の店先から街中の木々、道端や塀の隙間にまで注がれている。
 
思い出や日常の中に登場するのは
ヒヤシンス、スミレ、クリスマスローズ、ミツマタ、アーモンドの木。
そしていくつかのバラのエピソード。
 
―春に咲く花は、冬の寒さに遭わないと美しい花は見ることができないものがほとんどです。(「スイセン」の章より)
 
とは帯に書かれた言葉。
人にも例えられる素敵な言葉。
 
ちょうどこの時期、私たちが目にしている花々は、
この冬の厳しさを乗り越えてきたんだと思うといつもの水やりも変わりそう。
花はただ咲いているだけじゃない、とさりげなく大事なことを気付かせてくれる一冊です。

OMAR BOOKS 川端明美




OMAR BOOKS(オマーブックス)
北中城村島袋309 1F tel.098-933-2585
open:14:00~20:00/close:月
駐車場有り
blog:http://omar.exblog.jp
 

NAKAI

Day1
simple
ワンピース:COMME des GARÇONS
 
simple
 
simple
ネックレス:SERGE THORAVAL(セルジュ・トラヴァル)
 
Day2
simple
カーディガン:Vlas Blomme(ヴラスブラム)
キャミソール:COMME des GARÇONS(コム・デ・ギャルソン)
パンツ:手づくり ブーツ:vialis(ヴィアリス)
 
simple
コサージュ:友人の手づくり(アンティーク着物のシルク地で作ったもの) 
  
Day3
simple
カーディガン、ワンピース:Vlas Blomme(ヴラスブラム)
 
Day4
simple
トップス:ARTS&SCIENCE
パンツ:手づくり
靴:vialis(ヴィアリス)
 
Day5
simple
ワンピース:ADORE(アドーア)
靴:vialis(ヴィアリス)
 
simple
ブローチ:Maria calderara(マリアカルデラーラ)
指輪:SERGE THORAVAL
 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

 
ベージュやモノトーンといった落ち着いた色合いで、
上質素材のシンプルなワードローブが多いが、
 
「昔はもっとデコラティブな洋服が好きだったの。
でも、最近はどんどんシンプルになって」
 
引っ越しを機に、服や靴もたくさん処分した。
 
「靴なんてもう、今日履いたこの2足だけ。
ブーツとサンダル。どこにでもこれで行っちゃう。
あ、あと冠婚葬祭用のパンプス!(笑)」
 
少なく、豊かにくらす。
そんな生き方がコーデにも表れている。
 
しかし、本当に気に入ったアイテムなら大人買いも。
Day3で着たVlas Blomme(ヴラスブラム)のワンピースは、
 
「すごく好きで、黒と白とあるの。
どっちがいいかなぁ〜?」
 
迷った末に撮影では白をチョイス。
しかし、そのどちらもあつらえたようにピタリ彼女に似合っていた。
 
ラグジュアリーなジュエリーは、
デコラティブな服が好きだった頃からのお気に入り。
服がシンプルになった今、
コーデの中で一層映える。
 
センスや好みだけでなく、
人柄、価値観、生き方をも相手に伝える「服」。
 
普段何気なくクローゼットから取り出し、
組み合わせて身につけているけれど、
たまにはこう問うことも大切かも。
 
「この服は今の私が着るにふさわしい?」
 

写真・文 中井 雅代

 

 

NAKAI

文:幸喜 朝子 写真:大湾 朝太郎(※津波博美画像を除く)

 
 
あと数日に迫ったロンドンでの展示会LOOCHOO。
参加する作家さんを、実行委員会メンバーであるブエコこと幸喜朝子が紹介します。
今回は、現代美術家でロンドンを拠点に活動する津波博美さん、同じく現代美術家で沖縄で活動する平良亜弥さんです。
 
——————————————————
 LOOCHOO展
 日時:2012年4月25日〜30日
 場所:ロンドン クリプトギャラリー
 HP:http://loochoo.ti-da.net/
——————————————————
 
 
LONDON meets 津波博美
 
シンプルな空間にぶらーんと吊されたいろんな服たち。
2009年の博美さんの作品「Silver lining」を見て、
私はひとつの場所に住んではそれぞれの場所へと発っていった
たくさんの家族たちをイメージした。
 

 
作品は好きに解釈したらいいんだよ、と言う博美さん。
「Silver lining」は曇り空のうしろには太陽がある、という意味で
博美さんがロンドンで他人の家で転々と暮らした経験から生まれたのだそう。
 
「2009年にロンドンで3ヶ月、
人の家を転々とするプロジェクトをやったんですね。
要はいろんな家に居候してたってことなんだけど(笑)」
 
沖縄からロンドンに戻ったばかりで住むところがなかった博美さんは
「いかにお金を使わずに暮らせるか」考えて
友人宅を転々と居候することをプロジェクトにしてしまった。
その時に感じたのは、自分の居場所のなさ。
だからそのうちの一軒で友人がタンスの一部を使わせてくれた時、
わずか10cmでもスペースがある、つまり服があるという当たり前のことで
自分という存在の確認ができたようですごく嬉しかったという。
この経験が作品「Silver lining」につながった。
 
「これ、写真では見えないんですが下から見ると
袖がいっぱいぶら下がってるんですね。
私、展示の時に眠かったからそこに寝てて(笑)
それを見た友だちが『家を転々としてる私を
袖が救い上げようとしてる!』って解釈したり
作品と私を照らし合わせて
いろんな人がいろんなこと言ってましたね。ふふふ」
 
LOOCHOO
 
アートは作家個人の経験や思い出、
生きてきた軌跡をたどってアウトプットされる。
もちろん見る側だって自分の感覚や価値観をその作品に重ねる。
だから同じ感想なんて出るはずがない、自分なりの感じたままでいいんだ。
博美さんの話を聞きながら難しそうだからと敬遠してたアートが
ぐっと身近になるのを感じた。
 
私同様、2008年に沖縄で展示した「Speakers and Pink wall」への
沖縄の人々の反応もやっぱり、
作品をどう捉えていいか分からずとまどう人が多かったそう。
沖縄本島南部の空き家に展示した作品は
建設現場で使うショッキングピンクの紐を柱に巻き付けて壁を作り、
12個のスピーカーから様々な沖縄の会話を流すというもの。
 
LOOCHOO
 
「みんな作品見てもどうしていいか分からない感じ。
うちの叔父さんも見に来てずっと『意味分からん』って(笑)。
2回来て、3回来ても分からんって言うから
叔父さん、分からないってことも答えだよ〜って話してたんですね。
そうしたら最後、4回目に来た時に
『分かった、アートってなんでもいいんだな?』って(笑)。
そう、この紙をくしゃって丸めただけでも
作る側に想いがあればアートなんだよ」
 
LOOCHOO
※2010年南城市の佐敷で行われた「Perfect place」
 
そうやって見に来てくれた人の気持ちが
作品を通して変わるのを感じられたのもおもしろかったという博美さん。
今でこそ作品を制作する側も見る側も
自由で自然体でいいんだというスタンスですが
作風を見つけるまでに試行錯誤する日々が続いたそう。
ロンドンで芸術学校のプリントメイキングコースに受かったものの
やりたいのはこれじゃないという想いから最初の2ヶ月は登校拒否気味に。
そんな時、たまたま道路工事の作業員と
会話したことがきっかけで大工道具に目覚めた。
 
LOOCHOO
※作品にカンナも使う事も。
 
「宝石屋に行くより大工道屋行く方がどきどきしちゃう!
なにこれ、なにこれ!って大工道具にときめいて。
セメント買って学校に行ったりしてましたね(笑)」
 
そして1学期最後の作品展で
展示のために作った作品に納得がいかず、
それを包んでいたニュースペーパーを壁に貼り
木枠とラインを引く道具を置いてみた。
「自分のやりたいのはこれだ」、ピンときた。
自分らしい表現に出会った瞬間だった。
 
「そこからはプリントメイキングコースにいるけど
好きなの作ればいいや、気にしな〜いって。あはは」
 
おおらかに笑う博美さんはとても朗らかで
制作も日常も、楽しいことも苦しいことも過去も未来も、
ぜんぶ含めて楽しんでいるよう。
「心がけてるわけじゃないけど、どこか
ユーモアが入ってる作品を作れたらいいな」
そう言いながらLOOCHOOの作品コンセプトも
笑いと共に教えてくれました。
 
「私は40才すぎてて若くないので、時を止めたいって思うから
その想いを「中年女のあがき」っていうコンセプトで表現したいな(笑)。
時を止めたいと慌ててる自分に、時には勝てないから楽しもう、
あきらめていいさ、って落ち着かせてるみたいな。
モチーフは沖縄の冬の風物詩、電照菊」
 
LOOCHOO
 
タイトルは「Here comes the sun」。
ビートルズの曲名で「太陽が照ったよ」というニュアンス。
LOOCHOOも不安だよ〜と言いながら
ふふふ、と頬笑む博美さん。
電照菊が博美さんというフィルターを通してどう昇華されるのか、
そしてロンドンの人たちがどう自由に解釈するのか、
あと数日後に迫った本番が本当に楽しみだ。
 
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LONDON meets 平良亜弥
 
「アートって、派手なものはインパクトが強いじゃないですか。
でも自分の作品は地味なんですよ(笑)
だからこそ、あとからじんわりじんわり好きになってくれたり
生活してる時に思い出してくれるのかな、って」
 
LOOCHOO
 
そばに「いる」とか「ある」という感覚や
日常に置いてあるような雰囲気の展示が好きだという
現代美術家の平良亜弥さん。
取材は「夕ご飯を食べながらどうですか」という嬉しい申し出により
亜弥さんの暮らすアトリエで手作りカレーを食べながら。
おじゃましてすぐに亜弥さんの日常に包まれた。
 
LOOCHOO
 
その日常にもう一つ溶け込んでいたのが
2009年の「ほんぽんひらら展」で作った切絵の付箋。
安部公房の小説「壁」に小さな小さなフェンスや国旗が並んでいる。
小さな付箋の世界がとっても可愛くて思わず購入!
 
LOOCHOO
 
「『壁』を読み終えたらフェンスの向こうにいる、
というのが面白いかなって。
付箋で作品ができないかなって4年ぐらい前から考えてて、
言事堂(古書店)で展示をすることになったので
本を使って作品を作りたいなぁと思ったんです。
その点と点がつながって作品になりました」
 
そう話すように、亜弥さんの作品は
インスタレーションという場所も含めた空間芸術。
だから展示する場所がどんなところか、
どういう空間なのかが大事だと言う。
選ぶ基準は基本的に亜弥さん自身がゆっくりできる、
気持ちいいと感じる場所。
カフェ、雑貨屋さん、古書店、アパートの空き室。ジャンルはいろいろだけれど
亜弥さんの作品を置いたとたんに亜弥さんの空気が漂う。
 
時には光や影が作品の一部になることも。
2008年にcafeティーダでおこなった「日々是好日」展では、
時間によって移り変わる陽の光や陰を意識する作品「灯」を発表した。
 
「光とか影は好きですね。
時間によってかわっていく感じが好きで。
あと、触れないのに「いる」、そういう感覚が好きなんです。
昔おばあちゃんが、ご先祖様は光としてみんなを
照らしてくれてるんだよ、って話してくれたことがあって。
夕方の陽射しとか優しいじゃないですか。
一人でいても一人じゃないみたいな。
そのおばあちゃんの話の影響もあって光が好きなのかも」
 
LOOCHOO
 
亜弥さんから生み出される心地よい日常の中で、
見る人もまた心地よい日常へ包まれていく。
作品を見ながらぼーっとしてほしいと亜弥さん。
 
「展示にくるお客さんのことはこっそり見るようにしてます。
そしたら作品じゃないものとか何もないところを見てる人がいたり(笑)。
一番嬉しいのはそこでぼーっとしてる人。
空間の中でぼーっとしてもらうのが自分のコンセプトなので
そういう人がいると『よっしゃ!』と思います(笑)」
 
LOOCHOO
 
ぼーっとしてもらうというコンセプトは
のんびり自然体の亜弥さん自身を反映してるのかもしれない。
LOOCHOOに出す作品も、自分自身が空っぽになった時に生まれたという。
 
「LOOCHOOでは刺繍を黄色い糸でつないで
星座みたいにして、無限をあらわすスペースを作りたいです。
星空って見えるけどさわれないし
ここに届く光はすごく昔のもので実体がないっていうか…。
無限だけど空っぽ、みたいなイメージなんです。
それで刺繍の形を初めはブラックホールをイメージして
作り込んでたんですが、なんか違うなと思って。
しばらくぼーっとして空っぽになったら面白い形ができました」
 
空っぽにすることで現れてきた亜弥さんらしさ。
その表現はそのままの自分、自然体でいいんだよ、
そう言ってくれてるよう。
 
LOOCHOO
 
もう一つ、LOOCHOOで使うのはセミの抜け殻。
セミ自身がふ化して飛び立ったあとも
同じ形で同じ場所にある抜け殻。そこに星空と同じ
空っぽの無限というコンセプトを重ねあわせる。
そして亜弥さん、なんとセミを使うアイデアは4年前から持っていたそう。
ロンドンに亜弥さんが作る日常はどう溶け込むか。
きっとじわじわとあたたかい心地よさがクリプトギャラリーにも広がるはず。
 
 
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 LOOCHOO展
 日時:2012年4月25日〜30日
 場所:ロンドン クリプトギャラリー
 HP:http://loochoo.ti-da.net/
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■プロフィール
【平良亜弥】:現代美術家
琉球大学教育学部美術教育専修卒業。身近に当たり前にある、普段気に留めることなく流れて行く景色や現象を観察、レイヤーのように分離させることで新しい定点を加え、現代社会の抱える滑稽さと「ここ」「どこか」といった場面を起ち上がらせる作品を制作。06年に初の個展「みつける展」から11年の「on the Earth宇宙のひとかけら展」までコンスタントに作品を発表。グループ展やイヴェント・ワークショップにも多数参加。県内で最も注目される現代美術家のひとりである。那覇市出身
 
http://tairaraya.blogspot.com 平良亜弥ブログ
https://picasaweb.google.com/tairaaya 平良亜弥作品サイト
 
【津波博美】:現代美術家
96年渡英。 UALロンドン芸術大学院修士号修得後、04年から本格的な作家活動を開始。08年のワナキオ2008を皮切りに沖縄とロンドンでコンスタントに個展を開催。10年に県立美術館や他県内ギャラリーで開催された「HOME展」では平良亜弥と共同で企画とキュレイト。同年サロンアートプライズロンドン入選。11年6月「O*Levitate」で県服飾ブランドピクチャーズと現代美術家の野田結子氏とグループ展を開催。同年7月ダブリンで開催されたフォトフェスティバルアイルランド入選。また11月にはケンブリッジアングリアラスキン大学でレジデンシー作家としてグループ展「Really」参加。今回のLOOCHOOロンドン展ではアドバイザーを務める。 1970年 南城市佐敷出身 沖縄県キリスト教短期大学保育科卒。
 
http://www.hiromitsuha.com 津波博美HP
http://hiromitsuha.blogspot.com 津波博美ブログ
 

NAKAI

西島尚美
 
玄関を入ってすぐ目に飛び込んでくるのは、
大きな壁に取り付けられた2つのランプを結ぶ長いクリスマスリース。
 
「そう、季節はずれ(笑)
でも、遊びに来てくれる友人たちが
『このままで良いよ!』って言ってくれるから、
じゃあ、いいかな〜って」
 
一年中見ていたい。だからもう、インテリアに。
 
西島尚美
 
自宅でローフード教室を開く尚美さんのキッチンは
整然とした佇まい。
きちんと整理されているからというだけでなく、
メインカラーも重要なようだ。
 
「入居前にキッチンの板を張り替えるとのことだったので
好きな色、白を指定しました」
  
西島尚美
 
業務用のような男前の冷蔵庫。
 
「これ、いいでしょう?
だけど、教室の準備をするともういっぱいになっちゃう」
 
西島尚美
西島尚美
 
西島尚美
 
食器、収納グッズ、調理器具。
そのどれもが確かな審美眼によって選び抜かれていることがわかる。
どこにも「とりあえず」購入されたようなものが見当たらない。
 
西島尚美
 
インテリアは白が好きと言う尚美さん。
雑貨も、自分の好みをはっきりと把握しているから、
自然とテイストの似たものが集まり、
統一感が生まれる。
 

西島尚美
 
西島尚美
 
ここは外人住宅の集合住宅という変わった物件。
広いLDKの他に個室が3部屋、バスルームと屋外には洗濯室まで付いている。
 
「天井の高さも気に入ってここに決めました。
本土から移住する際に沢山の荷物を処分したので
だいぶすっきりしましたね」
 
好きなものだけに囲まれる、理想的なくらし。
 
西島尚美
西島尚美
 
西島尚美
 
廊下の突き当たりに置かれた鏡が、
さらに部屋を広く感じさせる。
 
西島尚美
 
外人住宅然としたバスルーム。
こちらも白でまとめてすっきりとした印象。
 
西島尚美
 
西島尚美
 
尚美さんが一言、
「お茶にしない〜?」
と声をかければ、家族が集う。
リビングではなく、ダイニングに。
 
椅子に腰かけるやいなや
「お腹すいたぁ〜!」
と訴える次男の声に、すぐにご飯をよそう。
 
西島尚美
 
「よかったらどうぞ。
すべてローフード(「RAW = 生の」食材)なんですよ」
 
なるほど、家族がダイニングに集う理由はこれなのだろう。
おいしい食べ物あるところに、家族あり。
そして、友達あり。
 
「この間なんて気づいたら15名くらい友達が来ていて(笑)
『はいた〜い』『来たよ〜』
って感じで、みんな(笑)」
 
尚美さんの自宅近くを通りかかると思わず立ち寄りたくなって、
そしてみんな結構長居しちゃう、そうでしょう?
その気持ち、わかるなぁ。
キッチンの真ん前に置かれたダイニングセットの椅子に一度座ってしまうと、
なんだか急に腰が重たくなって、椅子から立ち上がれなくなるんだもの。
そのあまりの居心地の良さに。
 
これって、あれだ。
学校から帰宅して、夕飯作るお母さんの背中を見ながら今日あったことを報告する感じ。
おいしいおやつをつまみながら。
 
洗練された空間に流れる超家庭的なムード。
そのアンバランスさがたまらなく心地いい、尚美さんの白の家。
 

写真・文 中井 雅代

 
西島尚美
西島尚美さんのローフードランチ@浮島ガーデン
・毎月第3土曜日
・20食限定
お電話にてご予約ください
098-943-2100
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Sence of Wonder
ローフード&イラスト&レイキ
HP:http://frogking.petit.cc
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