NAKAI

何を見ても何かを思いだす ヘミングウェイ未発表短編集
アーネスト・ヘミングウェイ著 高見浩・訳 新潮社 ¥1,700/OMAR BOOKS
 
― 父と息子にしか分からないもの ―
 
まだ梅雨の明けない6月も半ば。もうすぐ父の日です。
今回はそれに合わせて父と息子の関係を描いた短編小説をご紹介します。
 
誰でも名前を聞いたことのある文豪アーネスト・ヘミングウェイ。
「老人と海」や「日はまた昇る」などの作品が有名。
マッチョやハードボイルドな印象が強いのですが『何を見ても何かを思いだす』はそれらとは一線を画す作品です。
 
ヘミングウェイ自身の実人生と重なることの多いこの短編集。
というのも「パパヘミングウェイ」という言葉のある通り、彼(生涯に4人の妻を得た)には3人の息子がいて一生を通して彼らと交流を持ち続けたそう。この作品にそのことが大きく反映されている。
 
表題作の「何を見ても何かを思いだす」というタイトルが勝っている。
何に?と聞かれても困るけれど、このタイトルに魅かれて内容は全然知らなくとも面白いに違いないと手にしてみた。そして期待を裏切られることなく7編の短編を読み終えた。
  
父と息子が住み慣れた家を出、新しい場所へ向かう短編「汽車の旅」「ポーター」。
まだ夜の明けないうちに起きだして小屋の中のキッチンや森に囲まれた見慣れた風景を忘れずにいようと目に焼き付けようとする少年がいる。そしてそれを無言の内に見守る父親。乗りこんだ汽車の中では父親が息子に現実の厳しさを教えようとする。その方法がこれぞハードボイルド!といったヘミングウェイならではの方法。
  
「何を見ても何かを思いだす」では、冒頭から何か不穏な雰囲気が流れている。
何だろうこれ?と違和感を感じながら読んでいくと最後にその理由が明らかにされる。息子の本性を見抜いている父親のどうすることも出来ない悲しみと苦悩が読む人の心に響く。
  
この短編集の中では父と息子が多くの、意味深な会話を淡々と交わす。
感情を一切消したその乾いた感じとその奥に隠されたものに想像が膨らむ。
実際の父と息子はこういう会話をするんだろうか。
父と息子にしか分からないやりとりに思いを巡らしながら本を閉じた。
  
このワイルドな作家の、父親としての意外な一面を知ることの出来るこの本。
ヘミングウェイ初心者にもおすすめの一冊です。

OMAR BOOKS 川端明美

 
*OMAR BOOKSでは「Oyaji展」を開催中
 
Oyaji展
 
眞榮田文子、高安イクミ、宜壽次美智による「おやじ」をテーマにしたグループ展。
立体、平面作品、グッズ販売。
sobelabo、フクロク亭によるおやじをテーマにしたお菓子の販売もあり。
 
期間:6月5日(火)〜6月17日(日・父の日)
場所:OMAR BOOKS
OPEN 14:00~20:00
http://www.facebook.com/events/390577954322061/



OMAR BOOKS(オマーブックス)
北中城村島袋309 1F tel.098-933-2585
open:14:00~20:00/close:月
駐車場有り
blog:http://omar.exblog.jp
 

NAKAI

Day1
沖縄スナップ
ワンピース:Gymboree(ジンボリー)
 
沖縄スナップ
 
 
Day2
沖縄スナップ
ワンピース:3can4on (サンカンシオン)
サンダル:ampersand(アンパサンド)
 
沖縄スナップ
沖縄スナップ
 
 
Day3
沖縄スナップ
Tシャツ:メインプレイス
パンツ:GLOBAL WORK(グローバルワーク)
 
 
Day4
沖縄スナップ
 
沖縄スナップ
 
沖縄スナップ
ワンピースともに:GLOBAL WORK
 
 
Day5
沖縄スナップ
Tシャツ、パンツともに:CHEROKEE(西松屋)
 
 
Day6
沖縄スナップ
ワンピース:ラマヤナ
 
沖縄スナップ
Tシャツ、パンツともに:GLOBAL WORK
 
沖縄スナップ
 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

 
ふたり以上の子どもがいたら、やっぱりあこがれる「おそろい」コーデ。
 
「おそろい服しか買わないわけじゃなく、基本的にはDay6のコーデみたいにそれぞれに購入することが多いよ。
でも可愛いデザインで二人のサイズがそろってるの見つけちゃうと、ついおそろいで買いたくなるよね」
 
と、8歳、5歳の姉妹のお母さん。
 
洋服選びのこだわりは
「自然素材であること。たいがい綿だね。
チクチクしたりすると可愛くても絶対着ないから、素材は必ずチェック。
あとは、子どもたちにちゃんと着るか確認してから買うこと。
だから洋服を買う時は大抵いっしょにおでかけ。
せっかく買ったのに着てもらえないと悲しいもんね。
それに毎日何を着るか、選ぶのは子どもたちだし」
 
価格条件は「汚しても悔いのない値段」であること。
「おそろい服なら一人3000円以下でないと買わない。
だから、汚れることを気にせずにいつでも自由に遊ばせてるよ」
 
子どもたちにとっての好きな服の傾向は
スカート。そして着やすいアイテム。
はやりのキラキラ系やちょいギャルテイストの洋服も大好きだと言う。
 
「学校に着て行く服は自由に選ばせてるけど、お出かけのときはやっぱりかわいくコーデしたいから、
『ふたりでおそろいにすれば〜? かわいいさぁ〜』
としかして(おだてて)その気にさせる(笑)。
実際おそろい着用でおでかけすると、知らない人にも『可愛いね〜』って声をかけられたりするから、本人たちも嬉しいみたい。
子どものキラキラ欲を満足させるために、肌着はラインストーン入りやキャラ物を買ったりしてるよ(笑)」
 
しかし、2〜3歳のころは自分が好きな服を着ると譲らないことも多かったと言う。
それでも、親の好みを無理強いすることはしなかった。
 
「一意見として私が良いと思う服を一応勧めてはみるけど、子どもは聞かんときは聞かんからね〜。毎日長靴デーとかあったよ(笑)みんなそういう時期はあるんじゃないかな? 特に女の子は」
 
時が経ち、徐々にTPOに合わせられるようになった。  

「『今日行くところにはこの服が似合うと思うよ〜』と言うと、すんなり受け入れることが多くなったよ。
お出かけなのにカジュアルすぎる服を選んできたら
『それは明日学校に着けていったら良いんじゃない?』
って言えば大丈夫。
ふたりとも基本は自分でコーディネートするけど、長女なんてたまに
『これとこれは似合うと思う?』
って私に意見を求めてくることも。
一緒に服を買いに行くのも好きだし、二人ともすっかり女子になって楽しい!」
 
 
子どもだってひとりの人間。
自分が素敵だと思った服やコーデを
「変」「おかしい」
と否定されて、悲しいきもちにならないわけがない。
かといってすべてを肯定するのではなく
「これも素敵だけど、お母さんはこっちの方が好きかな」
「今日は公園で遊ぶから、もう少し動きやすい服がいいかもね」
と、意見は述べつつも個を大切に。
実際、ある程度TPOが守れてさえいれば、コーデに間違いなんてない。
おしゃれ心の芽を摘み取らぬよう、小さなファッショニスタたちに寄り添って。
 
そうすればきっと、ママみたいにステキなおしゃれ大好き女子になる。
 

写真・文 中井 雅代

 

NAKAI

幸せへのキセキ
 
この「幸せ」っつ~の邦題につけとけばいいや、みたいの、いい加減に何とかならないですかねえ。
 
幸せへのキセキ
 
映画は素晴らしかったです。
 
さすがはキャメロン・クロウ、お見事です。
 
キャスティングも良いので、文句なしの映画に仕上がってます。
 
幸せへのキセキ
 
実話をもとにつくられている映画ですが、押しつけがましくない感じがやっぱり良いのです。
 
マット・デイモンかっこいいしね。こんなお父さんほしいなあ。
というより、こんな旦那がほしい。
 
幸せへのキセキ
 
子供たちも良いのよ。
 
ナイーヴな感じで反抗期の息子、ディランをコリン・フォード。
「スーパーナチュラル」の子役だった男の子ね。大きくなりました。
 
なんといってもかわいくて賢い娘ロージー役、マギー・エリザベス・ジョーンズ。
この子の一言一言がすごい。
 
幸せへのキセキ
 
幸せへのキセキ
 
子供って時々びっくりするような名言をいうけど、この子はすごいぞ。
 
天才的なかわいさ。
 
 
スカーレット・ヨハンソンがでてますが、いつもの露出度はなく、すごくナチュラルな感じなのに、やっぱりセクシー。
 
幸せへのキセキ
 
この人が出てくるだけで、なんかロマンスの予感がしますが、そこは脇道にそれることなく、みんなで動物園の開園まで奮闘する姿が大変よろしい。
 
がむしゃらで熱血、みたいな感じでないところがなおいい。
 
エル・ファニングちゃんも出てますよ。また大きくなってます。
 
 
音楽もいいんだけど、やっぱりセリフが抜群にいいね。
 
ラストシーンも実にあっぱれ。セリフが活きてます。
 
すべての人におすすめできる映画です。
 

KEE


 
<ストーリー>
半年前に愛する妻を失ったベンジャミン(マット・デイモン)は仕事を辞め、悲しみの渦中にいる14歳の息子と7歳の娘と共に郊外へ引っ越す。そこは閉鎖中の動物園で、敷地内には動物が暮らしていた。ベンジャミンは動物園の再建を決意するも、資金難が発生するなど悪戦苦闘の日々が続く。しかし飼育員や地域の人々に支えられ、少しずつ再建は進んでいき……。
 
<キャスト>
マット・デイモン
スカーレット・ヨハンソン
トーマス・ヘイデン・チャーチ
パトリック・フュジット
エル・ファニング
ジョン・マイケル・ヒギンズ
 
<沖縄での上映劇場>
シネマQ
098-951-0011
那覇市おもろまち4-4-9 那覇メインプレイス2F
HP:http://www.startheaters.jp/cinemasq
サザンプレックス
098-835-6600
島尻郡南風原町字宮城371-1
HP:http://www.startheaters.jp/southernplex
 

 

NAKAI

ブエノチキン

 

「丸焼きひとつを一人でぺろり平らげる方もいらっしゃいますよ」

 

という言葉はにわかには信じがたい。ぽとぽとと脂をしたたらせて焼かれるその姿に、こってりテイストを想像してしまうからだ。しかし一口食べれば、その言葉にさもありなんと納得する。脂っこさとは無縁のさっぱりとした味わい。たっぷりのにんにくと特製のタレで味付けされた香ばしい肉は、この上なくジューシー。

 

「オーブンで2時間回し焼くあいだに余計な脂はすべて落ちますし、特製タレの主成分はお酢と玉ねぎ。丸焼きというとジャンクなイメージがあるかもしれませんが、うちのチキンは肉もタレも焼き方もすべてがヘルシー志向なんです」

 

その確かな味にやみつきになるひとも多く、毎週必ず買いにくる人もいるほど。

 

「パーティー専用ではなく、日常的に召し上がってくださる方が多いですね。食べ方のアレンジをお客様から教えていただくこともよくあります。カレーやシチューに入れて煮込む、チャーハンなどに入れて炒める、ほぐしたチキンにホワイトソースをかけてグラタンに、野菜とはさんでサンドイッチに、キャンプ好きな方は生で買って野菜と一緒にダッチオーブンで焼いたり・・・そうそう、中に詰めているにんにくも、チキンの旨味ですごくおいしいと好評で。ご飯ににんにくだけ乗せて食べるという方も多いんです(笑)」

 

クリスマスが控える12月は予約が殺到、1日から予約を受けつけて10日には閉め切り、23日〜25日の3日間は毎朝4時に起きてチキンを焼き続けると言う。今では多くのファンを持つブエノチキン。しかし、オープン当初を振り返って店主の幸喜さんは

 

「最初の9年間はとても苦労したよ」

 

と語る。

 

ブエノチキン
「材料以外に加えるのはバターのみ。チキンそのものがおいしいので調味料も必要ないんです」

 

ブエノチキン

 

幸喜さんは以前、那覇市でフライドチキン屋を営んでいた。

 

「僕は根っからの商売好き、そしてもともとチキンの販売にも興味があったんです。でもフライドチキンはなかなか売れませんでした。大手チェーン店にはどうしてもかなわなかったわけ。フライドチキンではなく丸焼きも良いな〜と思っていたとき、アルゼンチンから戻られた方が普天間で丸焼きのお店を開いていると知って」

 

「ブエノチキン普天間店」の門をたたき、丸焼きのノウハウやタレの調合を学んだ。

 

「ちょうど浦添に店舗があったので、のれん分けのような形で引き継ぎいんだんです」

 

フライドチキンと比べると売り行きはよかったが、店だけではやっていけず仕事をかけもちする日々が9年間続いた。幸喜さんが途中であきらめなかったのは、売り上げが伸びるという確信があったから。

 

「沖縄の人は肉が好きだし実際に売り上げは少しずつですが上昇していました。きっといずれは人気がでると信じていたんです」

 

オープンから約10年経ったころ、ブエノチキン浦添店の名は多くの人に浸透、幸喜さんはかけもちしていた仕事をやめた。

 

ブエノチキン
豆乳で煮込んだスープ

 

ブエノチキン
「うん、なかなかいいね!」と幸喜さん。

 

特製タレは少しずつ改良を重ね、30年を経て独自の調合に。使用するにわとりは県産のやんばる若鶏、中に詰めるにんにくは大粒タイプ。にんにくの量はオープン当初と比べると倍量にまで増えた。しかし、味付けは昔からできるだけ控えめに。

 

「チキンそのものの味とにんにくで十分おいしい。だからアジクーターにはしない、あくまでもヘルシーに。また、にんにくの粒の大きさにもこだわっています。食べごたえが感じられるように手間ひまかけてちょうどいい大きさに切っているので、料理人さんからも『絶妙の大きさ』と褒めて頂いています」

 

常連客が「独特の味付けが病みつきになる」「無性に食べたくなる」と口をそろえるように、脂っぽさとは無縁なのに濃厚な味わいがクセになる不思議なチキンだ。

 

多くの人に愛されるこの味を受け継ぐべく、娘の朝子さんが二代目として昨年から修業を始めた。

 

ブエノチキン
「チキンのアレンジレシピをもっと増やしたいですね」と朝子さん

 

ブエノチキン
慣れた手つきで素早くチキンをさばくのは妻のさちこさん

 

ブエノチキン

 

ブエノチキン
一羽(約4人分)で1,500円、半分で750円という価格も嬉しい

 

大手広告代理店に勤め、コピーライター、CMプランナーとして活躍してきた朝子さんだが、仕事をやめることに抵抗も迷いもなかったという。

 

「私自身がブエノチキンの大ファン! この味は絶対に受け継ぎたいと思っていました。両親が元気なので継ぐのはもう少し先かなと思っていたのですが、最近父が膝を痛めてしまって。ちょうど私も30歳になるし、そのタイミングで会社に置いていた自分用のお茶っぱもコーヒーも切れ、ハンドクリームもなくなり…(笑)これはいいタイミングだなって。

 

会社でクライアントのためにやっていたことをブエノチキンのためにできるわけですから、やりたいこと、実現させたい夢が沢山あってわくわくしています」

 

朝子さんにとって仕事を辞めて家業を継ぐことは、自己実現と挑戦の好機でもあるのだ。

 

ブエノチキン
ブエノチキン

 

ブエノチキン
サンドイッチには特製カレーソースをプラス

 

ブエノチキン
「男の子が来てるから一つあげたら?」とさちこさん。朝子さんが手づくりのサンドイッチを手渡すと…

 

ブエノチキン
帰宅を待てずその場でパクリ。「おいしい〜!」

 

「家族の時間やおいしくご飯を食べる時間を大切にしてもらうきっかけ作りをしたいんです。会社勤めをしていた時、仕事はとても楽しかったのですが家族とゆっくり過ごす時間がなかなか持てなくて。みんなで食卓を囲む機会も減っていました。沖縄では子ども達の孤食率も高く問題になっています。

 

チキンの丸焼きって家族みんなで食べるイメージがありませんか?一つのチキンを囲んでそれぞれ取り分けて……。ブエノチキンがそうやって家族を繋ぐチキンになったらいいなーって思うんです」

 

家族で安心して食べられるよう、安全性にも気を配っている。

 

「健康志向の丸焼きチキンを目指しています。沖縄の安全食材の一つとしても、多くのひとに知ってもらえたら嬉しい。通販もあるので、ぜひ本土の方にも食べて頂きたいです」

 

 

ブエノチキン

 

朝子さんの言葉からもうかがい知れるように、幸喜さん一家は本当に仲がいい。

 

「私が大学で内地にいったのをきっかけに、父が折にふれて手紙やメッセージを送ってくれるようになりました。中でも一番印象的だったのが『商売は笑売』という言葉。本当の豊かさとは儲けや利益ではなく、温かい人との出会い。不思議なんですけど、ブエノチキンを訪れる人はみな笑顔なんですよ。また、買うのは一人なのに大勢でいらっしゃったり。『あ!お客さんいっぱいいらした!』と思ったら、買うのは一羽(笑)でも、そういうのってすごくありがたいな〜って。父と母が築き上げたものをしっかり受け継いで、さらに多くの人を笑顔にすることができたら最高ですね」

 

 

親孝行な娘さんですねと言うと、「本当にそうなんですよ」と目を細めるご両親。一方朝子さんは、「うちのチキンは両親の人柄で売れているのかもしれません」。

 

思わず、三人がチキンの丸焼きを囲んでいる温かな食卓の様子が浮かぶ。ブエノチキンはそう、一家団欒のしあわせの味。朝子さんという若い原動力を得て、これからも進化し続ける。

 

写真・文 中井 雅代

 

ブエノチキン
ブエノチキン浦添店
浦添市内間1丁目14−2
098-876-0452
open 昼12時〜夜8時ごろ(売り切れ次第終了)
close 月、1月1日〜5日

 

*丸焼きチキン
・一羽(約4人分)1,500円
・半分 750円
ブログ:http://bueno.ti-da.net
お取り寄せ:http://buenourasoe.com

 

NAKAI

浮島ガーデン 甘酒スコーン 
 
浮島ガーデンでは西表島の那良伊孫一さんが作っている『ヤマネコ印西表安心米』をいつも食べさせてもらっています。
安心米は25年間、無農薬・無肥料。
木村秋則さんの“奇跡のリンゴ”と同じ、自然栽培で作られた奇跡のお米です。
 
もともと西表島は500年の稲作文化を持ち、お米は無農薬で作られてきたそうです。
ところが昭和61年にお米の買い上げ制度が導入され、
きれいなお米の方が高く買い上げてもらえることがわかると、
農家さんたちは一斉に農薬をまき始めたそう。
 
そんな中、孫一さんは農薬をまかず、
アイガモを放つことで害虫からお米を護るアイガモ農法をはじめました。
「すべての生き物とすべての人々のお互いの共存共栄を大切にする生き方をしたい」。
稲作を通して西表の自然環境を護っています。
 
同時に、お米を作ることで培われていった祈りの心、
ユイマール、感謝を込めて神々に捧げる歌や芸能、
そういった文化風習も同時に守っているのだと思います。
 
間もなく西表島では日本一早いお米の収穫がはじまります。
新米、ほんとにありがたく、楽しみです。
 
 
さて、今回もまた玄米甘酒でお菓子を作ってみました。
おやつもなるべくお米を摂ると、
理想的な8割穀物食ができるようになります。
そして甘酒の一番いいところはお砂糖を使わずにおやつができるとこ。
クーラーで冷えやすい季節です。
お砂糖は体を冷やすので、夏こそ控えめに。
 
 
 
 
「玄米甘酒の塩スコーン」

<材料>
玄米甘酒 70g(前回の作り方参照)
豆乳 20g (無い時は代わりに甘酒を増やしても)
菜種油 60g
全粒粉 50g
薄力粉 50g
炒りおから 50g
オートミール 適量(なくてもオッケー)
カシューナッツ 粗く刻んだもの(なくてもオッケー)
塩 小さじ1/2
ベーキングパウダー 小さじ1
 
<作り方>
1 ボールに甘酒、豆乳、菜種油を入れかき混ぜる。
 
浮島ガーデン 甘酒スコーン
 
2 粉類をふるいにかける。
 
浮島ガーデン 甘酒スコーン
 
3 ②にナッツ、オートミール、おから、塩を入れて軽く混ぜたら、①を注ぎ入れ、さっくりと混ぜ合わせる。
 
浮島ガーデン 甘酒スコーン
 
浮島ガーデン 甘酒スコーン
 
4 生地をまとめたら、冷蔵庫で30分休ませる。(時間がなければすぐオーブンでも大丈夫)
 
浮島ガーデン 甘酒スコーン 
 
5 170度に温めておいたオーブンに入れ、15分~20分焼く。
 
浮島ガーデン 甘酒スコーン
 
浮島ガーデン 甘酒スコーン
 

Text by 中曽根直子(浮島ガーデン フードデザイン)




浮島ガーデン
那覇市松尾2-12-3
098-943-2100
open:14:00~24:00
close:火
HP:http://ukishima-garden.com
ブログ:http://ukishima.ti-da.net

NAKAI

bookstore
リン・ティルマン・著 晶文社 ¥2,500(税別)/OMAR BOOKS
 
― 小さな書店で生まれるもの ―
 
本屋って実際やってみてどうですか?と、仕事柄聞かれることが多い。
大抵、楽しいけれど大変ですよ、とありきたりな事しか答えられないけれど、もっと具体的に知りたい方にはこの本を読むことをお薦めします。
 
今回ご紹介する本はその名も『ブックストア』。
「ブックス・アンド・カンパニー」というニューヨークに実在した独立系書店の軌跡を追った物語。
女性店主のジャネット・ワトソンと店員、常連客、作家や著名人たちの言葉をもとに構成されたノンフィクションだ。
 
友人のリビングルームのような家庭的な雰囲気と文学作品と詩に重点を置いた品揃えで地元民はもちろん作家たちにも愛されたこの本屋。
冒頭には作家ポール・オースター、序文にはウディ・アレンがこの本屋に言葉を寄せている(映画「世界中からアイ・ラブ・ユー」にこの本屋が出てくるそう)ことからも、ブックス・アンド・カンパニーがその街の人々にとって大切な場所だったことが分かる。
店の誕生から店の裏側まで20年の歴史を余すことなく綴った本書。
 
時代錯誤と言われながらもジャネットと店員の長年に渡る奮闘と個性的な客たちとの温かな交流が胸を打つ。
トルーマン・カポーティやマイケル・ジャクソン、スーザン・ソンタグなどの有名人のエピソードも面白いけれど、アメリカの書店業や出版業に関することがよく分かるのもこの本の魅力。
本が日本と違うシステムで作られていることやリーディング(本を出した作家は営業で自作を朗読して各地の書店をまわる)の様子も垣間見れる。
小さな書店の抱える問題や苦労がどこも同じなのだと共感するところも多くとても励まされた。
本に関わる仕事をする人たちに対する、大変な想いをしてなぜそこまでするのか、という問いへこの本が全て答えてくれる。 
また一人の女性の人生記として読むことが出来るのもおすすめ。
 
この本を読んで、本屋というのは特別な空間だとつくづく思う。
特に本を愛する人にとって本屋は聖域のような場所なのは万国共通。
たくさんの本に囲まれた中に身を置くと何故か神聖な気持ちになる。
また一度お互いの好きな本について話をしたら秘密を共有した気持ちになるから不思議。
ブックス・アンド・カンパニーが愛されていたその大きな理由の一つは本を通して生まれていたその親密感だったに違いない。
それはその場所で出会う人々の過去も現在も、そして未来も含んでいるから。
 
ある一書店の物語。読み終わると今までとは本屋の見方がきっと変わるはずです。

OMAR BOOKS 川端明美

 
*OMAR BOOKSでは6月5日より「Oyaji展」を開催
 
Oyaji展
 
眞榮田文子、高安イクミ、宜壽次美智による「おやじ」をテーマにしたグループ展。
立体、平面作品、グッズ販売。
sobelabo、フクロク亭によるおやじをテーマにしたお菓子の販売もあり。
 
期間:6月5日(火)〜6月17日(日・父の日)
場所:OMAR BOOKS
OPEN 14:00~20:00
http://www.facebook.com/events/390577954322061/



OMAR BOOKS(オマーブックス)
北中城村島袋309 1F tel.098-933-2585
open:14:00~20:00/close:月
駐車場有り
blog:http://omar.exblog.jp
 

NAKAI

ばーすぬ家

 

「うちのピザの特長は、惜しみなくチーズを使っていること!」

 

1ピース持ち上げれば、オーナーの恵子さんの言葉にきっと納得する。ふんだんに乗せられたチーズがとろけ、具が流されてこぼれ落ちそうになるのを、もう片方の手で受け止めて口に運ばなければならないから。チーズの濃厚な味わいだけではなく、ふんわりとボリュームのある生地も魅力。

 

「生地はもちろん手づくり。東村大国林道の天然水を使用しています」

 

一口食べたら忘れられないその味わいに、本部町の人気店「花人逢 (かじんほう)」を思い出す人は少なくないだろう。

 

「花人逢は義姉が始めた店。私も4年ほど働いていました」

 

東シナ海を見渡せる高台にある花人逢。緑に囲まれた自然豊かな環境ではたらきながら、「こんなに素晴らしい景色や空気は、都会に住んでいる人にこそ味わってもらいたい」と、恵子さんは毎日考えていた。

 

「じゃあ、あなたが那覇にお店を開いたらいいさ!」

 

義姉に言われた一言に、

 

「・・・そうかなぁ? ・・・そうねぇ」

 

それまではまさか、自分がピザ屋をやることになるとは思いもよらなかったと恵子さんは笑う。

 

ばーすぬ家
花人逢にはないが「私ぜんざいが大好きなのよ!」。氷が溶けても味が薄まらないようにと濃いめに味付けされたぜんざいとふわふわの氷、せんべいのしょっぱさとのバランスが絶妙。「ぜんざいだけ食べにくるお客様もいるくらいよ」

 

恵子さんは自身が経営する美容室で20年間美容師として働いていたが、ともに美容師である長男夫婦に店を譲った。

 

「親としてはとても嬉しかったですね。自分の店を子どもが継いでくれのは最高のしあわせ」

 

そうして、すでに人気店となっていた花人逢を手伝いに行くようになった。

 

「本当に素晴らしい場所にあるんですよね。海も緑もあってすごく癒される。観光客の方で近くに宿をとっていればすぐに来られるけど、那覇のひとたちはそうは行かないでしょう。いつもコンクリートに囲まれて生活している都会の人たちにこそ、気軽にこの雰囲気とピザを楽しんでもらえたら良いのになと思うようになって」

 

5年前の2月、那覇市与儀の自宅一階を改装してに店をオープンさせた。

 

ばーすぬ家

 

ばーすぬ家

 

水だけでなく素材すべてにこだわり、手づくりを心がけている。

 

「できるだけたくさん野菜が摂れるようにサラダはたっぷり。使っている野菜の種類も多いですよ。また、ドレッシング、ピザ、ひらやーちーのタレにはにんにくを使っています。その方が味もいいしヘルシー。みんなに健康でいてほしいからね。もちろん、私もずっと元気で長生きしたいさ(笑)」

 

オリジナルメニューの開発にも余念がない。 
サラダの種類を増やすべく、今年登場したのが「そばサラダ」。

 

ばーすぬ家

 

「サラダに麺類を合わせたくて、うどんやそうめんなど色々やってみたんだけどそばが一番おいしかった。中でもよもぎそばは色合いも綺麗だし、クセもないからサラダにぴったり。湯通しして油もしっかり抜いているから、さっぱりして食べやすいですよ」

 

つるりとしたよもぎそばに、ばーすぬ家特製ゴマドレッシングがマッチ。野菜も山盛りでこれだけで一食分はあろうかというボリュームだ。

 

「アボカドとキウイを足し、まろやかさと甘さを出しました」
ヵい
ばーすぬ家

 

広々とした縁側と庭の緑も見事だ。

 

「お客様を緑で癒してあげたいので、庭づくりや花の世話にも力を入れています」

 

ばーすぬ家

 

「ピザはテイクアウトもできるから、いうなればばどこでも食べられるでしょ?でも、緑を見ながらぼーっとする時間が特に女性にはとても必要だと思うわけ。私もそうだったけれど、みんな色々と大変なことがありますよね。仕事、育児、嫁姑問題、ご主人との関係…。毎日忙しいしつらいことも沢山ある。そういう時にうちにきて、庭を眺めながらおいしいピザを食べて欲しい。ちょっと息抜きをして、また元気になって明日から頑張れるように。だから、ピザはもちろんだけど庭作りにもこだわっているんです。休みの日には日がな一日庭いじりしていますよ」

 

ばーすぬ家
ばーすぬ家

 

「花は必ずいつか枯れるでしょう?その時はいつも声をかけるようにしているんですよ。『ご苦労さんねぇ。長い間私たちを、みんなを癒してくれてありがとうねぇ』って」

 

笑顔が印象的で、まさに花のように明るい恵子さんにもつらい時期があった。ちょうどその頃、仕事の研修でメンタルケアについて学ぶチャンスがあった。

 

「子どもが小学3年生と5年生の時でした。美容室を従業員にまかせて、本土へ1年間勉強しに行ったんです。『子どももまだ小学生なのに、今行くんですか?』とも言われたけれど、今やらなきゃだめだ!って」

 

そこで学んだことが、家庭でも店づくりでも生かされている。

 

「一番大事なのは感謝の気持ち。昔はわじわじーすることも多かったけどね。今はすべてがありがたいと思うようになりましたよ。だから今はとても幸せ。

 

うちの店名は、次男が小学生の頃に野球のコーチに『お前は左利きだから(元阪神の外国人選手の)バースに似てるな』と言われていたので『ばーすぬ家(=バースの家)』と付けました。その次男がいずれこの店を継ぐと言ってくれていて。食品を扱う仕事で全国を飛び回っている次男が継いでくれれば、新メニューも色々できそうですね。これから楽しみです。私は陶芸でもやろうかしらね(笑)」 

 

ばーすぬ家
那覇の住宅街に位置。一歩入ると沢山の花や緑が出迎えてくれる 

 

ばーすぬ家
仲がいいのでいつもお嫁さんと間違われるというスタッフのようこさん(左)と。「本当に良い子で大好きなのよ、息子の嫁にしたいくらい。息子達もようこさんも既婚者だから無理だけどね(笑)もちろん息子のお嫁さん達もとっても良い子よ!」

 

料理の撮影後、おいしさの理由を尋ねてメモをとっていると、

 

「あい! ぜんざいも溶けてきているさ。どうぞ先に召し上がってください、できたてのうちに。しゃべるのはいつでも大丈夫ですから、食べ終わったら声をかけて!」

 

もあい場所として店を利用するひとも多いというが、

 

「うちはラストオーダーが夜8時までなんですけど、夜のもあいだと7時くらいからしか始まらないでしょう?だからそういう時は延長して10時くらいまで開けたりするんですよ」

 

感謝だけでなく、思いやりにもあふれた店。だから居心地が良い、だからひとが集まる。庭の緑だけではない。恵子さんの思いやりに、そして優しさのこもった料理に私たちは癒される。

 

写真・文 中井 雅代

 

ばーすぬ家
那覇市与儀2-12-19
098-855-7097
open 11:00~21:00(ラストオーダー20:00)
close 火曜、第4月曜

 

NAKAI

ガール
 
これは、いいです。
 
このキラキラしたポスターからして、「恋も仕事も頑張って女子力UP!!」とかいう映画だったら、正直げんなりだなあ、などとネガティブな気持ちいっぱいで臨みましたが(だったら見るな、って感じだよねww)
 
本当にこれは、「そうなの、そうなの」と言いたくなるような、珠玉のセリフがあちら、こちらに出てきます。
 
みんな一生懸命もがきながら生きていく、それでも前に進んでいくのだ。
 
確かにみんな美女ばっかりで何の苦労もないんじゃないの???って感じはあるんですが、それぞれのエピソードが、本当によくわかる。
 
ガール
 
働く女子(女子という言葉の乱用は私もあまり好きではないが、ここはあえてつかわせてもらう)は、誰もがいつも不安なんだと思う。
 
結婚していようが、子供がいようが、いまいが。
専業主婦だって、そりゃみんなブルーにもなる。
 
いつも楽しい、うれしい、ばっかりがあればいいけど、つらくて、もうどうしようもない不安な日があるからこそ、うれしい、楽しいがとても幸せに感じられるんだと思う。
 
映画なんだけど「あ~、みんな同じなんだ」と私は思った。
 
きっと、みんな同じなんだよ。
 
この映画は4人の「ガール」ズ、のお話である。
 
何歳まで「ガール」なのか??と思うが、私は今でも英語で言えば、「Girl」と呼ばれているし、「Boy」じゃないから「Girl」でいいじゃないか。
 
みんな頑張ってる。頑張るしかないから。
 
この4人のエピソード。もともとは短編小説を一つにまとめているので、個々のエピソードがちゃんとしている。
 
私は、シングルマザーの板谷由夏の演技に何度も涙した。この息子役の子供がいいのよ。
頑張りすぎるな、とまわりから言われる。
父親役も母親役も、こなさなくてはいけない、と彼女は必死だ。
 
ガール
 
「頑張るって決めたんだから、頑張らせてよ!」
 
あ~、私はシングルマザーじゃないし、まずは、マザーでもないけど、なんかわかるなあ。
 
麻生久美子演じる、平井孝子。女性でありながら管理職に昇進。
まわりの男性の風当たりも強い。
 
ガール
 
要潤演じる今井。も~、いやなやつなんだ。
 
ガール
 
女だって頑張って仕事をしたっていいじゃないか。真剣に身体張って、仕事をする。
 
私は根性なしなので、もっとゆるくやりたいけど、やるときは、やってきた。
なんか少し、いろいろ思い出して、ここにも感情移入。
 
吉瀬美智子、このひとやっぱりきれいねえ。
 
ガール
 
一回りしたの新入社員に心奪われるんだけど、こんだけきれいだったら、ひとまわりでもふたまわりでもどんどんいっちゃえよ、と思うんだけどね。
 
香里奈は、とりあえず、なにやってもかわいい。足がかっこいいんだなあ。
 
ガール
 
服が年相応ではない、といわれる役なんだけど、この人も、これだけかわいいんだからずっとそれでいってちょうだいとは思ったが、さすがにちょっと微妙なのもあったよね。
 
この映画、驚くべきは檀れい。
このひと、ひとりでいろいろかっさらっていっちゃってます。
痛い人かと思いきや、なんとまあ、かっこいい。
 
ガール
 
ガール
 
「きっとあなたがここにいる」
 
というキャッチフレーズのこの映画ですが、本当にいますよ。
あなたも、きっとあなたの、大好きな女友達も。
 
前を向いて、さあ、行こう。
女子として、頑張って、迷いながら、それでも、幸せでいたいから。
女子ってやっぱり素敵☆
 
you go girl!!!
 

KEE


 
<ストーリー>
大手広告代理店勤務の29歳シングルの由紀子(香里奈)は、恋人(向井理)はいるもののどうもしっくりいかず、仕事も不調だった。30歳を目前にして焦りばかりが日々募っていく。だが、不動産会社に勤める友人の聖子(麻生久美子)や、文具メーカー勤務の容子(吉瀬美智子)、シングルマザーの孝子(板谷由夏)らも同じように悩んでいた。
 
<キャスト>
香里奈(滝川由紀子)
麻生久美子(武田聖子)・・・由紀子の大学の先輩
吉瀬美智子(小坂容子)・・・由紀子の友達
板谷由夏(平井孝子)・・・由紀子の友達。バツイチ、子持ち。
上地雄輔(武田博樹)・・・聖子の夫
要潤(今井哲夫)・・・聖子の部下。聖子と対立。
林遣都(和田慎太郎)・・・容子の会社の後輩。
波瑠(北村裕子)・・・聖子の部下
加藤ローサ(安西博子)・・・由紀子の取引先
向井理(森本蒼太)・・・由紀子の恋人
檀れい(光山晴美)・・・由紀子の会社の先輩
 
<沖縄での上映劇場>
シネマQ
098-951-0011
那覇市おもろまち4-4-9 那覇メインプレイス2F
HP:http://www.startheaters.jp/cinemasq