@読谷
2012.05.22
2012.05.22
茂木健一郎・著 講談社 ¥571(税別)/OMAR BOOKS
― 赤毛の少女のように、ひたむきに ―
先週末からまた雨続き。
夜遅くまで雨音を聞きながら読書するのは至福の時。
さあ、これから読もうとたくさん積んでいた中から取り出した一冊がこの本。
脳科学者の茂木さんと「赤毛のアン」が結びつかない。
彼がモンゴメリの名作「赤毛のアン」と11歳の時に出会って以来、現在に至るまで重要な本であることに変わりはないという(何でもつい最近までこの本の愛読者だということを隠していたそうだ)。
その意外性に興味を持って読み進めるとそんな話だったんだ!と児童文学として知られている「赤毛のアン」のイメージががらりと変わった。
「アン」シリーズを読み直してみようと思わせてくれる力を持っている。
とにかくこの本を読んでみると茂木さんにとって、すごおくなくてはならない本だということがよくわかった。
誰にでも理由は分からないけれど何故か心魅かれる本、というのがある。
運命の一冊、みたいな。
その理由を探しながら読むことは「自分を読む」ことだと同じことだと最近よく思う。
だから例えば、自分にとって何が幸福かってことを考えるときに好きな本に立ち還って読むことはとても役に立つ。
この茂木さんの本はそのことを分かりやすく伝えてくれる。
「赤毛のアン」には私たちにも通用する幸福になる方法がしっかりと描かれている。
この本のキーワードをいくつかをあげると「想像力」「受容」「ひたむきさ」「偶有性」「セレンディピティ」などなど。
それらをもとに茂木さんが自身の経験にも触れながら、物語の秘密をとてもスリリングに紐解いていく。
巷にはいろんな幸福論があふれている。何を採用するかはその人の自由。で
もそれ次第で一度きりの人生の内容は大きく変わってしまう。
また必ずといっていいほど私たちはある年齢の要所要所で人生の曲がり角を迎える。
その岐路に立たされたときに揺れ動くことは当然で、まずは現実の自分を受け入れることからしか何も始まらない。
赤毛の少女から学ぶことは、ひたむきに、あきらめずに生きるその姿勢。
そうしたときに茂木さんが言うには奇跡のような「何かが来る」のだそうです。
やることをやったら前向きにどーんと構えて待つ。
ただし、楽しみながら、ね。
「赤毛のアン」を読んだ人もこれから読む人も、自分に合った幸福の形を見つけるための参考にぜひご一読を。
OMAR BOOKS 川端明美
OMAR BOOKS(オマーブックス)
北中城村島袋309 1F tel.098-933-2585
open:14:00~20:00/close:月
駐車場有り
blog:http://omar.exblog.jp
2012.05.21
@西原町
2012.05.21
沖縄ではなかなか手に入れることのできない材料をインポートショップから、時にはネパール本国から仕入れている。
かりか食堂のシェフは、ネパール出身のジェシーさん。
インドはデリーの名店で15歳から修業を積み、インド・ネパール料理のいろはを学んだというベテラン料理人だ。
かりか食堂発起人の一人で、食堂の手伝いもする葛原さんは以前、沖縄のとあるカフェでジェシーさんと出会った。
「彼の料理を食べなくても、彼がちゃんとしたプロの料理人だということを確信しました。
キッチン仕事を見ていたら大体わかりますよね。
どんな世界でも『段取り八分』と言うでしょう?
名のある店で長年働いたということは、その動きや手つきを見れば一目瞭然でした」
その時葛原さんが食べたカレーは、無駄のない動きでてきぱきと料理をこなす姿が証明するにふさわしい、まさにプロの味だった。
整然と並べられた幾種類ものスパイスを迷いなく手に取り、次々と投入していく
ナイトタイムのメニュー、「キーマエッグカレー」
料理人として日本で頑張り、自分の店を持ちたい。
ジェシーさんのその夢を、葛原さん含め数名の友人たちが後押し、新原(ミーバル)ビーチのパーラーを改修し、食堂をオープンさせた。
「僕らは彼の料理のファン。
是非お店を出して欲しいという思いもありましたし、最高に素敵な新原ビーチが活気を取り戻すきっかけになればとも願っているんです」
本土から移住して来た際、新原ビーチを初めて見たときに大きな衝撃を受けたと葛原さんは言う。
「ビーチのすぐ目の前に民家が立ち並び、砂浜と民家との間に防波堤がまったくない。
風に吹かれたビーチの砂が庭へと入っていくほどの距離に家が建っています。
こんな場所は全国探してもなかなかありません」
「あい、はいたい」
おばあたちが親しげに葛原さんに声をかける。
「はいさい!」
「だあ、そばはもう食べられるね?」
「そばはまだ手打ちの練習中。必ず出すからもう少し待っていてね」
「そば出してくれたら私たちも友達いっぱい連れてくるさ〜」
ふたりが家路へ向かう道筋に食堂かりかが建っていて、散歩のついでとばかりにぶらり立ち寄り、しばしゆんたく(おしゃべり)。
70年代、新原ビーチは活気に溢れていた。
その頃の写真が今も残っていて、食堂に飾られている。
「ほら、この辺りは昔はこんなだったでしょう? 覚えていますか? 」
「うん、そうねぇ〜、昔はここも人がいっぱいしていたさ。
懐かしいね〜」
「この活気を取り戻したいと思っているんですよ」
「上等さ! じゃあ、そば出すようになったら教えてちょうだいね」
70年代当時、沖縄には人工ビーチが殆どなく、遠方からも多くのひとたちがバスに乗って新原ビーチに押し寄せていたいたという。
「新原ビーチで泳ぎ、帰りにバス停近くの天ぷら屋で天ぷらを買って帰る。
それが週末の楽しみだった聞きました。
そういう生き生きとしたビーチに戻すことができたらと思うんです」
そのためにも、広く多くのひとに愛される場所にしたかった。
「観光客だけでもなく、沖縄に移住したないちゃーだけでもなく、新原に住む地元のおじいやおばあたちにも気軽に来てもらいたい。
ですから、あまりおしゃれな雰囲気ではなく素朴にしつらえ、店名もアルファベットではなくひらがな表記で『かりか』。
そして、レストランやカフェではなく『食堂』にしました」
「じゃあ、また来ようね〜」 おばあたちの背中を見送りながら、「ほら、この小径の雰囲気も素敵でしょう? 大好きなんです、この一帯が」
食堂の正面には小さな倉庫が。
「4部屋に分かれているのですが、それぞれ小さな店舗として使ってもらえたらと考えています。
店の種類はなんでも構いません。
雑貨屋、駄菓子屋・・・花火なんか売っても良いんじゃないかな。
すぐにビーチで遊べるし。
色んなお店に入ってもらって、そう、ここが小さな商店街になったらいいなって」
食堂かりかだけでなく、複数店舗を巻き込んでの新原ビーチ活性化プロジェクトだ。
「ここは昼間もいいが暗くなるとぐっと雰囲気が出るんですよ」
「島らっきょうも入れてみました」 酒のつまみにもぴったりのインド風ピクルス「アチャール」
「これは今のところメニューにはないんだけど、最近ミジュンが大漁だったって言って数名の方が大量にお裾分けにきてくれて。
ジェシーが揚げ、チャツネと合わせました」
玉城に居を構える葛原さんは、こうして魚の差し入れをもらうほど、地元の人たちと仲が良い。
「僕、玉城小学校卒業生のもあいに入れてもらってるんです。
同い年の人たちのね。
え? もちろん僕は卒業していませんよ、岡山出身ですから(笑)」
ジェシーさんの本場ネパール・インド料理を地元の人を含め多くの人に味わってもらうのに、葛原さんのつながりが一役買っている。
夕暮れが近づくと、近隣の住人が顔を見せ、オレンジ色に染まる海を眺めながら島酒を飲む。
ジェシーさんの料理を肴に。
どこかに別の場所、もしくは別の時間にタイムスリップしたような不思議な雰囲気が漂っている。
どことなく懐かしい、夢の中で見たような風景。
近所の宿屋の奥さんが、客を案内しおえた旅行社の担当者を連れてやってきた。
「あんたこっち来たらいいさ。
料理もおいしいしお酒もある。
海もきれいだし、ここに来ればヒマしないよ。
ほら、料理を作ってるジェシーさん。
可愛い顔してるでしょ(笑)」
「こんな素敵なところがあるんですね〜。
シェフはネパールの方なんですか。
英語も教えてもらおうかな」
こうやってまたひとつ、つながりが生まれる。
ジェシーさんの作る料理はどれも、新原ビーチによく似合う。
見渡す限りのさらさらとした白い砂浜、澄んだ海。
降り注ぐ太陽の日射しを避けたテントの下でさわやかな風を受けながらスプーンを口に運ぶと、ジェシーさんの故郷を感じる。
「できるだけはやくタンドール(窯)を備えて、ナンも出せるようになりたいです」
とジェシーさん。
「彼の作るナンはまた絶品なんですよ」
オープンしてまだ間もない食堂かりか。
今後のメニュー展開も楽しみだ。
写真・文 中井 雅代
食堂かりか
南城市玉城百名1360
050-5837-2039
open AM 10:00~PM 10:00
定休日:水曜日の夜と台風、大雨の日
ブログ:http://okkalika.exblog.jp
*食堂かりかでは記事内で紹介した倉庫を店舗として借りたい方を募集中。
また、食堂前のビーチを利用してヨガやフラを教えたいという方も募集しています。
ご希望の方は上記ご連絡先へお問い合わせください。
2012.05.20
@西原町
2012.05.20
Finally!!! (ついに!)
ついにやってきました、ファミリー・ツリー 。
待った甲斐ありの素晴らしい映画です。
ハワイを舞台にした映画で、なんかやっぱり同じアメリカでも本土とは全く違うのね~と感じます。(ハワイいったことないけど)
フロリダもいつも「アメリカじゃない」と差別的な扱いをうけているが(笑)。
その比じゃないね、まったく。
それにしてもプロットといい、シナリオといい、もちろんキャスティングも実にお見事。
シリアスな話も、笑いもちりばめられた見事なドラマになっている。
そこにハワイの環境問題などもうまく入ってきて、素晴らしいマッチングだ。
アレクサンダー・ペイン監督作品ですが、私、このひとの作品すきなんだよね。
淡々としてるけど、ものすごくユーモアのセンスがある。なおかつ、景色が美しい。
シリアスとコメディの微妙な演技が ジョージ・クルーニー とにかくうまい。
仕事一筋だったパパが、家族のために奮闘する。
そこに驚くべき事実があり、そのことがまた家族の再生のきっかけになる。
この昏睡状態に陥った妻エリザベスをパトリシア・ヘイスティが演じているが、ほとんど昏睡のシーンで口をあけたままの状態。
この役大変だろうなあ、と見ながら思った。
長女のアレックスを演じてるのはTVドラマのスター、シャイリーン・ウッドリー。
かわいいなあ。
このバランスのいいスタイル、ぜい肉なんか皆無。うらやましい。
彼女は、最初父にも反抗するんだけど、頑張る父をみて一致団結。
心優しいおねえちゃんを好演。
次女、スコティー役のアマラ・ミラーもかわいいよ。
あと、もう一人なぜかこの家族と行動を共にする、アレックスの友人のシド。
ニック・クラウスですが、かなりいいです。
最初は、「なんだ、こいつ??」って感じなんだけど、彼はなくてはならない存在です。めっちゃおもろい。
映画の内容に少し触れると、予告でもしっかり流れているように妻は浮気をしていた。
昏睡状態になって娘から知らされる。
浮気相手の調査を家族で始める、、、もちろん、幼いスコティーには何も知らせずに。
ここから、父と長女が抜群のチームワークを見せる。そしてシド。
相手は、マットの一族の広大な土地の売買にもかかわっている人物。この妻も登場。
このあたりの皆の心理が、本当に細やかに、押しつけがましくなく描かれている。そこにユーモアも交えて。う~ん、すごい。
音楽も全編ハワイアン。
そして、みんなアロハを着ているのね~やっぱり。
邦題の「ファミリー・ツリー」はなかなかわかりやすい、久々にヒットの邦題だと感心した。
ジョージ・クルーニーがパパなんて羨ましい。
人間が守れるべき自然は、なんとしても、できる限りのことをして守らなくてはいけない。
自然への敬意はもとより、先祖、子孫、自分たちのためにも。
そんなメッセージもしっかりうけとめました。
是非、劇場で。
KEE
<ストーリー>
祖先の土地を受け継ぎ、ハワイで妻と2人の娘とともに暮らすマット・キングだが、ある日、妻のエリザベスがボートの事故でこん睡状態に陥ってしまう。さらに、エリザベスには不倫の相手がおり、離婚まで考えていたことが発覚。友人や長女もその事実を知っていたことにがく然としたマットは、自らの人生を見つめ直すことになる。
<キャスト>
ジョージ・クルーニー
シャイリーン・ウッドリー
アマラ・ミラー
ニック・クラウス
ボー・ブリッジス
ジュディ・グリア
<沖縄での上映劇場>
シネマQ
098-951-0011
那覇市おもろまち4-4-9 那覇メインプレイス2F
HP:http://www.startheaters.jp/cinemasq
MIHAMA 7 PLEX+ONE
098-936-7600
中頭郡北谷町美浜8-7
HP:http://www.startheaters.jp/mihama7plex
2012.05.20
6月23日(土)慰霊の日
@パレット市民劇場
公開ゲネプロ:13時開場/14時開演
本公演:17時30分開場/18時30分開演
HP:http://www.niinatoojii.com
チケット
前売り:2,500円 当日:2,800円
<家族&友達割>
前売り3枚:7000円 当日券:2800円
*全席自由
お問い合わせ:シャ・ラ・ラ・カンパニー
03-5760-7211(平日 11:00~16:00)
info@niinatoojii.com
2012.05.19
県内各地で行われる「市(手作り市)」に出店する際、一番人気の酵素ジュース。その時の旬の果物を使って作る。もちろん、県産、無農薬、特別栽培にできるだけこだわって。「今回はいちご、スナックパイン、ハヤトウリ、甘夏で作りました。昨日のできたてがありますよ。今日は暑くて酵素日和!」
炭酸水で割ると夏にぴったりのドリンクに。
嬉しいのは、酵素がたっぷり摂れることはもちろん、何よりおいしいこと。すっきりとした優しい甘みがあり、ついおかわりを要求したくなるほど。また、カラフルな色合いも見ているだけで幸せな気分に。
「子供にあげちゃうとそれこそきりがない、ゴクゴク飲んじゃって。でも子供は酵素沢山持ってるから、飲ませるのは主に元気がないときだけ。このジュースが必要なのは私たちのほうだから(笑)」
1瓶の原液で約2〜3リットル、約15〜20杯分の酵素ジュースが作れる。
「疲れがとれますよ、これ飲むと」
おいしくて酵素たっぷり、最高のパワージュースだ。
こちらも人気の生姜シロップ。「県産の無農薬の黒糖と自然栽培の島生姜、そして花見(はなみ)糖を使っています」炭酸水で割るとジンジャーエールになる。
市販のジンジャーエールを飲み慣れていると、こちらで作ったものを一口飲んだら驚くだろう。生姜のスパイシーな香りと味がしっかり主張する大人のジンジャーエール。病み付きになるその味わいに、市でドリンクを飲んだ人の多くが原液であるシロップを購入するというのもうなづける。
「カプチーノにしてもおいしいんですよ。ホイップ豆乳を上に乗っけて、シナモンをかければできあがり」
ジンジャーカプチーノという名前をきいて意表をつかれたが、飲んでみると想像をはるかに超えたおいしさに驚嘆した。
「そう、すごくおいしいでしょう? 私たちも大好き!冬はホットジンジャーにしてもすごくおいしいですよ」「基本的に自分たちが食べたいもの、飲みたいものを作ってるんです」と笑うのぞみさんと恵子さん。
ビンfoodの商品開発のきっかけは、のぞみさんが炭酸飲料に夢中になったことだった。
原液を作る時に残った生姜。「このままでも食べられます。というか、このまま食べるのもすごくおいしい」
ヤギのミルクを使い、煮詰める。「ヤギのミルクは白の絵の具みたいに濃い白色、だけど黒糖と生姜を入れて煮るとこんな色に」
「最初、市販の炭酸飲料にハマってたんです、友人と。なにかにつけ飲んでて。沖縄って暑いからつい甘い炭酸が飲みたくなる。でも、食べ物のことは割と気にするタイプなので『こんなに飲んでていいのか?』って。『じゃあ、自分でジンジャーエール作ってみるよ』って言って、作ってみたらけっこうおいしくて、それが始まり
そのジンジャーエールを作るときに生姜を大量に使うんですけど、それを利用してミルクジャムも作ってみようと思いついて。その頃、子供がフラダンスを習っているところで恵子ちゃんと仲良くなって、彼女が生姜が好きっていうので試してもらったら気に入ってくれて」
「私も結構食べ物にうるさいので(笑)」
「二人になってからはオリジナリティを出すために黒糖使ったり、そこから試行錯誤して今の味に。恵子ちゃんが味に敏感なのでアドバイスしてもらって。そうしていたら友人がある日『おいしいから売ったら?』って。それで何の許可がいるのかとか調べて」
そうして約1年前、ビンfoodが発足した。
ミキサーにかけ、裏ごしをしてさらに煮詰めると、子供にも人気のタイプのヤギミルクジャム、ヒージャー・ジンジャーに
生姜シロップを作る時に残った生姜を県産はちみつで煮詰めてつくる「ハニージンジャー」
タルトに乗せればクセのないさわやかな生姜の風味がおいしいスイーツに
「ヤギのミルクはそのまま飲むとすこしクセがありますが、ジャムにするとコクが出ておいしいんです」
「また、母乳に近く、牛乳に含まれる主要アレルゲンを含まないため、牛乳と違ってアレルギーがほとんど出ないと言われています」
妊娠・出産を経験し、食に対する考え方が変わったと言う。
「妊娠して子供が小さいうちは色んな食生活を試しました。一通り学んでみましたね。マクロビとか。自分なりに色々と気づくことがあり、今はわりとゆるゆる。化学調味料や白糖は極力摂らないようにしていますが、何よりも安心しておいしく食べられるというのが基本です」と恵子さん。
できるだけ身体に良く、そしてもちろんおいしいものを。それは二人にかぎらず私たちみなが願うことだ。
左:沖縄有機生姜ジャム ミルクジンジャー 右:有機生姜みそ
「安全でおいしいツナが食べたくて。沖縄近海産のマグロを使い、厳選したハーブとともに水煮に」
自家製有機玄米麹の麹クリーム。「砂糖は使ってないのに甘いんですよ、甘酒みたいな味。ヨーグルトに入れるとすごくおいしい! あとはパンやスコーンに合わせても」
最新作のオリジナルブレンドスパイス塩、アラビアンマース。
「名前は…イメージで付けました(笑)中近東系の料理が好きなので、クミンの香りを効かせてアラビア風味にし、沖縄らしさを加えるためにウッチンも入れました。豆腐につけて食べてもおいしかったな〜。普段はおにぎりにすることが多いかな。子供もよく食べますよ」と恵子さん。
「うちなんか、ステーキを焼くと主人が『アラビアンマース出して』って。上からぱらぱらふりかけたり、ちょんちょんとつけたり。何にでも合うんですよ、これ。そうそう、パスタにも」とのぞみさん。
ビンfoodのこだわりは、安全性とおいしさ以外にも。
「市販品を見て『?』と思ったことを大事にするようにしています。たとえば、香料が入っているだけで生姜が入っていないジンジャーエールに疑問を感じて本物のジンジャーエールを作ったり、成分表示に沢山の添加物名が並んでいるのが不思議でそれらを使わずに作ったり、からだに良いとは言われるけれどおいしくないものをおいしくつくったり」
今後は、そういう「?」を多くの人と共有したいと言う。
「ゆくゆくは、農薬、添加物や放射能についても購入してくださった方が深く考えるきっかけになったら嬉しいですね。そのために、酵素や麹などの手づくりワークショップを始めたいとも考えています。その拠点としてのビンづめショップを始めたいな、と」
「ある程度満足できる形になったら、次は同じような志をもつ地域の人、特に若い人たちやお母さんたちが事業を始めたいと思ったときの手助けをしたいと思っています」
左から恵子さん、のぞみさん
これからメニューが増える予定は? と尋ねると
「あります、画策していますよ色々と」
とにやり。
「世界のマースシリーズも良いね~とか。やりたいこと、作りたいものは色々あります」
「そうそう、今店舗も探し中だしね」
のんびり、おだやかな話口調のふたり。けんかしたことは? と訊くと「え〜、ありませんよ〜。…今のところ(笑)」「あはは! のぞみちゃんとケンカ…想像できないな〜」
今回は撮影の都合でのぞみさんの自宅の台所で作業したということもあり、手分けして商品を作る二人の姿は、商品製作現場というよりはむしろ、お母さん二人が家族のために丁寧にごはんを作っているような雰囲気。
「ねえ、今度あれ入れて作ってみようか〜?」「あ、それ良いかも〜。おいしそう」
穏やかな空気が流れるキッチンで、ふたりのものづくりは進む。
「優しい気持ちで作らないと、おいしいものって作れないと思うんです」
なるほど、だからビンfoodの食べ物はどれもこんなにおいしい。
ビン food
南城市
HP:http://binfood.jp
ブログ:http://binfood.ti-da.net
通販:http://www.hatoko.co.jp/SHOP/12609/list.html
<販売店舗>
atelier+shop COCOCO
がんじゅう駅・南城
まちぐゎ~cafe naminami
miyoshi-ya
てぃーだの家
2012.05.19
@西原町
2012.05.18
今年の梅雨は晴天からのスタートで良い意味で期待を裏切ってくれました。
いつまでこの気持ちの良いさわやかな時を謳歌できるのか
内心ドキドキしていましたが、やっぱり。
過ごしやすい初夏のような気候から一転、
お天気も季節は梅雨ということを思い出したようです。
いつもの湿気たっぷりのウェットな沖縄の雨期の到来です。
そしてこの時期のお困りものと言えば、
洗濯もの。
衣類も勿論ですが特にタオル。
乾きにくいものの一つです。
(たとえ雨が降らなくとも曇りがちの日々です)
我が家で去年から用いるようになった、ALDINのハーフリネン(綿麻)のバスタオル。
メイドイン山梨のそのタオルの定評に以前から関心はあったものの、
ペタリとしたその外見に心許なさを感じていたのも本音でした。
使い始めると最初の何回かは洗濯後干す際に“けば”を感じ、
吸水性も足りないような気がして、これってどうなのだろうと思う日々もありました。
雑誌や本に書いてある通り、どんどん使いつづけました。
(向かって右が新品、左が1年以上使用したタオル)
するとある時期からきゅっとした目のつまりや、
ふき取った際の吸い上げの良さを感じるように。
このころから毛羽は出なくなり、快適に使用できるようになっていました。
好きな理由として一番を上げるなら、何と言っても乾きの早さ。
乾きが早い分、干していたスペースを別のものに譲ってあげられる利点があります。
その次が収納。
タオル類はどうにもかさばるものですが、すっきり収納できるのと同時に
これまで用意していたスペースに対し余白ができるという点も嬉しい発見です。
もう少しいえば、ふかふかのタオルのように毛足がもともとない分、”やせる”感覚もないです。
そんなこんなで気がつけばどんどんこのタオルの素晴らしさを実感出来る様に。
(ALDINの刺繍がアクセントで可愛いです)
ほぼ毎日使用した我が家のタオルはどちらもかなり味のある表情になりました。
夫も私もそれぞれが使い込んだ“自分用のタオル”をとても気にいっていて、使ってはお洗濯。
よそから見たらくたくたに映るかもしれません。
でもいいのです。だって自分だけのものなのですから。
まさに愛着でしょう?
ALDINのバスタオル。
たくさん使って自分だけのそれとして育てるそんなタオルだと思うのです。
ALDINの商品は手間を掛けて丁寧に作られています。
大量生産はできませんので一度ALDINの方で在庫切れしてしまうと
次回の入荷まで時間がかかる場合がございます。
もちろんお待ち頂ければただければ購入できます。
ご興味がある方は、是非店頭で手に取ってご覧くださいね。
————————————————————-
・ALDIN(アルディン)
山梨県富士吉田市というところで生産されているリネンです。
アルディンは、フランスで出会った1枚のアンティークリネンを見て、
「100年先まで使えるリネンを再現してみたい」という思いからスタートしたブランドです。
一つ一つのリネンに目を行き届かせ、質のいいものにこだわったことから
そのほとんどの工程を手作業で行っております。
写真・文 占部 由佳理(tous les jours店主)
tous les jours(トレジュール)
那覇市首里儀保町2-19
098-882-3850
open:水~土
12:00-18:00
(変更あり。毎月の営業日をブログでお知らせしております。)
blog:http://touslesjours.ti-da.net
関連記事:ひとつ先のくらしを提案するtous les jours(トレジュール)
2012.05.18
@西原町
2012.05.17
2010年に23店舗で始めた、毎年度更新の街歩き地図の試みも今年で3冊目になりました。
この地図を通じ、街に散らばるARTのカケラ達を巡る事で、那覇の街の持つユニークさに気付き、一層、那覇のまちを楽しんで貰えれば嬉しく思います。
県内の地図配布場所はコチラ
クリックで拡大します
今年の参加メンバーは41店舗です。カテゴリー別にナンバリングしてあります。
〈 その他 〉
1)花屋ちゅらパナ、2)桜坂劇場、3)わが街の小劇場、4)FUJISAN FACTORY STORE
5)think of 、6)ちゅらしまフォトミュージアム、
〈 本屋 〉
7)言事堂、8)ちはや書房、9)市場の古本屋ウララ
〈 服 〉
10)VAICE 、11)renga 、12琉球ぴらす
〈 飲食 〉
13)L’ABBRACCIO 、14)珈琲屋台ひばり屋、15)cello 、16)浮島ガーデン
17)Villege Market 、18)niceness 、19)cafe プラヌラ、20)Lamp
〈雑貨〉
21)陶・よかりよ、22)GARB DOMINGO 、23)MAXI MARKET 、24)tope
25)chahat なは、26)anshare project 、27)ti tu ti OKINAWA CRAFT
28)がじゅまるガーデン、29)zakka TUK TUK 、30)玩具ロードワークス
31)MIMURI 、32)LE PETIT ATELIER de MIREI 、33)沖縄の風
〈ギャラリー・アトリエ〉
34)GALLERY point – 1、35)MITSUOシーサー美術館、36)ギャラリーアートミューズ
37)Gallery Space PinoO 、38)沖縄アートギャラリー、39)高光ギャラリー
40)KIYOKO SAKATA studio 、41)旧・若松薬品
N.A.M. 2012 H P http://www.artokinawa.com/
N.A.M. 2012 F B http://www.facebook.com/NahaArtMap
2012.05.17
@西原町
2012.05.16
写真・文 中井 雅代
新垣菓子店
HP:http://www.chinsuko.com
ブログ:http://arakakikasiten.ti-da.net
ハートちんすこう:http://www.chinsuko.com/about/gift.php
2012.05.16
@読谷
2012.05.15
ヘンリー・スコット・ホランド・著 夏葉社 ¥1,365/OMAR BOOKS
― 別れもまたさりげなくそこにあるもの ―
先日、型押しの赤い小花で縁どられた表紙が目を引く素敵な詩集が届いたばかり。
以前注文を受けてその本の存在を知り、入れ直して再読した。
こういう本を必要としている人はきっとたくさんいるんじゃないか、
そう思えたので今回はこの詩集『さよならのあとで』をご紹介します。
一編の詩と絵からなるこの本。
夏葉社という小さな出版社から出ている。
長く読まれてほしい本一冊一冊を丁寧に世に送り出しているところだ。
中を開くと白いページに一行一行が読む人に静かに語りかけてくる。
そしてそれは特に大切な人との別れや、大きなものを失った悲しみに打ちひしがれる人の心にはより強く響く。
例えば身近な人の死。
それを特別なものとしてではなく、さりげなくそこにあるものとして42行の言葉たちが私たちを優しく包み込む。
著者のヘンリー・スコット・ホランドはイギリスの神学者・哲学者で、今でも世界中で多くの人に読まれているというこの詩。
ノートの端にさっとえんぴつで描いたような、心をちょっとくすぐる挿絵とともに、表紙カバーを取ると爽やかなペールグリーンが現れる。
本の最後には原詩(英詩)も収録という、夏葉社さんによって贅沢に生まれ変わった。
この詩を読んでいてロドリゴ・ガルシアという映画監督の『美しい人』という映画を思い出した。
ごく普通の人々の日常を描くことで彼らの心の陰影を浮び上らせることに長けた監督の作品で原題は『9lives 』。
ワンシーンワンカットの9話で出来た最終話には墓参りにやってきた年配の女性と幼い娘が登場する。
この二人のささやかなやりとりが鮮やかな緑の木々を背景に描かれる。
二人の間には大きな隔たりがある(それにはあるしかけがあるのだけど)。
そしてこの女性は人生のある時期に大きな悲しい別れを経験している。
この詩と映画の内容が重なるのは、別れは私たちの一部となり人生はその後もまた変わりなく続いていくということ。
では「さよならのあとで」私たちはどうふるまうのか。
涙に暮れ、悲嘆したままでいるのか。
詩の最後の一行がまた胸を打つ。
刻まれた言葉がただ淡々と紙の上を流れ、読む人を安らかな場所へ導いてくれるこの本。
繰り返し繰り返し自分の心に沁みこませるように読んでほしい一冊です。
OMAR BOOKS 川端明美
OMAR BOOKS(オマーブックス)
北中城村島袋309 1F tel.098-933-2585
open:14:00~20:00/close:月
駐車場有り
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