NAKAI

おおかみこどもの雨と雪
 
素晴らしい!!!
 
なんだこの素晴らしさは。
 
盛りだくさんですよ、そんなにいろいろ説明しなくても、人間を含めた自然界のすべてを語ってくれる映画です。
 
これは世界に誇れる作品ではないでしょうか?
 
 
この主人公の花。
 
おおかみおとこの子供を産んで、一人で育てるってすごいよね。
しかも二人も。
 
おおかみこどもの雨と雪
 
出産も自宅で、助産婦さんもなし。
 
病院にも行けない。何せオオカミと人間のハーフだからね。
 
人にしられたらどんなことになるかわからない。
 
しかし、花が恋に落ちるオオカミおとこが素敵なのよ。
 
おおかみこどもの雨と雪
 
「トワイライト」じゃないんだから、と思いつつも。ああ、素敵。
 
それがあんなことに。
 
一人で育てる、と覚悟を決めた花は、都会を離れ田舎暮らし。
 
しかも、人里離れたところじゃないと、子供たちがオオカミだとばれてしまう。
 
たくましいわけよ。やさしく強い。家事も全般こなし、大工仕事も畑仕事もする。頭もいいしかわいい。
これが女性の理想像だと思うなあ。
 
おおかみこどもの雨と雪
 
おおかみこどもの雨と雪
 
子供たちもかわいい。
 
おおかみこどもの雨と雪
おおかみこどもの雨と雪
おおかみこどもの雨と雪
おおかみこどもの雨と雪
 
いつしか、田舎のひとたちにも助けられ、それでも、オオカミのことは家族の秘密。
 
韮崎 のおじさん、という頑固なおじいさんがいるんだけど、この人が厳しいながらもいろいろ助けてくれるのね。
 
おおかみこどもの雨と雪
 
そして子供たちも成長して、それぞれの道を歩き始める。
 
おおかみこどもの雨と雪
 
子供も10歳とかなのに、もう、自分の道を決めるってところがオオカミなのかなあ。
 
この映画アニメなんだけど、とにかく自然の美しさが描かれていて、しかも、日本の自然なんだよね。キラキラしてる。
 
おおかみこどもの雨と雪
 
おおかみこどもの雨と雪
 
全編、無駄がまったくない。2時間あっという間でした。
 
こんなの見せられると私ってなんて、根性ないんだ!とか思うけど、そんなに素敵な人に出会えた花はやっぱり幸せだなあ、とも思う。
 
宮崎あおいちゃん、声優としても抜群ですね。おすすめ映画です。

KEE

 

 
<ストーリー>
19歳の大学生花は、あるときおおかみおとこと運命的な恋に落ち、やがて雪と雨という姉弟が誕生する。彼らは、人間とおおかみの両方の血を引くおおかみこどもとしてこの世に生まれたのだが、そのことは誰にも知られてはならなかった。人目を忍びながらも家族四人で仲良く都会の一角で暮らしていたが、ある日、一家を不幸が襲い……。
 
<声>
宮崎あおい 花
大沢たかお 彼(おおかみおとこ)
黒木華 雪(少女期)
西井幸人 雨(少年期)
大野百花 雪(幼年期)
 
<沖縄での上映劇場>
シネマQ
098-951-0011
那覇市おもろまち4-4-9 那覇メインプレイス2F
HP:http://www.startheaters.jp/cinemasq
サザンプレックス
098-835-6600
島尻郡南風原町字宮城371-1
HP:http://www.startheaters.jp/southernplex
 

NAKAI

detail full
 
「私、いわゆるフラワーアレンジメントはあまり好きじゃなくて…。
オアシス(吸水性スポンジ)やワイヤーもできるだけ使いたくないし。
一番好きなのは水生けなんです。
器選びや生け方次第で茎や葉の生え方をうまく利用すれば、ワイヤーを使わなくてもちゃんと固定できるんですよ」
 
Detail full の主宰であり、フラワースタイリストとして活躍する綾乃さんの意外な言葉に、ぐっと興味がわく。
 
「オアシスやワイヤーは最後はゴミになってしまうから、
もらった方が捨てるのも大変だし、できるだけゴミを出したくない。
それに、花や木にとって自然な状態で生けたいと思っているんです。
なるべく花の邪魔をしないように、まるでそこに咲いているかのように」
 
店内を見渡すと、枝ものは木の幹から伸びているかのように高い位置に飾られ、地面に根ざす観葉植物は低い場所に生けられている。
 
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月に一度、店で開く教室でレクチャーしているのも水生けが中心だ。
 
「花瓶に生けるのが難しいと感じる方が結構多いようなんです。
水生けの基本は生け花の教室で学びました。
生け花と言うと剣山に挿す方法を想像する方が多いのではないかと思いますが、『投げ入れ』といって花瓶にそのまま入れる生け方もあるんですよ」
 
それぞれの花が本来ある姿を大事にしているからこそ、その時々の季節の花を扱うことを常としている。

「季節の違う花どうしを合わせると、どうしても違和感を感じてしまうんです。
色合いが同じだからという理由だけで、例えば夏のひまわりと秋のコスモスを一つの花束の中に入れてしまうと、なんだかちぐはぐで不自然な気がして。
むりやり寄せ集めなくても、チューリップとアネモネのように同じ季節の花が1本ずつバケツに入っているだけですごく素敵に仕上がるし、たとえ同じ色でなくても季節感が合っていると自然でいいな、美しいなと感じるんです」
 
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綾乃さんが花に興味を持ったきっかけは、子どもの頃に家に飾られていた切り花だった。
綾乃さんの実家は那覇市内の密集地域にあったため、日当りが悪く、庭の草木も元気に生い茂るというわけにはいかなかったと言う。
 
「それで、買ってきた花を母が花瓶に生けていたのですが、切り花っていつの間にか花が開いてたり茎が垂れてきたりと日々変化がありますよね。それを観察するのがとても面白かったんです。
花についてもっと知りたくなり、高校生の頃には花屋めぐりをするようになりました。那覇市内をだいたい行き尽くすと、他市町村の花屋にまでバスに乗って行ってましたよ(笑)」
 
中でも、通学途中にあった「木の器」という店が気に入り、そこで行われるフラワーアレンジメント教室にも通い始めた。
  
「教室に通うことで、自分がどれだけ花が好きか試したいと思ったんです。
結局わかったのは、これから先どこかの会社に就職して、花を趣味としてだけやっていくのはいやだ! という強い思いでした」
 
花について学ぶ学校への進学を決め、様々な学校の資料を取り寄せたが、最も綾乃さんの興味をひいたのが東京のバンタンデザイン研究所 インテリア学科フラワーコーディネータコースだった。
 
「資格取得やコンテスト参加を奨励する学校ではなく、各分野のプロの方々から実際的な技術や知識を学べるというところにすごくひかれたんです。
でも、資格をとらなくても本当に大丈夫なのだろうか? と少し気になり『木の器』の先生に相談したところ、『確かに資格というのは重要だけれど、それはあなたのスタイルではないと思う』と言ってくださって。その言葉が後押しになり、バンタンへの進学を決めました」
 
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バンタン研究所の授業は日々変化に富み、またその教授方法も独特なものだったと言う。
 
「たとえば、撮影について学ぶ授業ではプロのカメラマンが講師。光量の調節やアングルなどについて教えて頂けるものと思っていたら、『そんなことは最初は考えなくていい。花が一番美しく見えるように、自分の思う通りに撮って来なさい』といきなり一眼レフを持たされて(笑)。最初は『え〜、具体的に色々教えて欲しいな』と不満に思ったこともありましたが、今になってみると当時学んだことが生かされていると感じることが多いんです。
花に当てる照明についてもインテリアとの合わせ方についても、バンタンの先生方がおっしゃっていたのは『デザインはつくるものではなく生まれるもの。必要とされることからデザインは生まれる』と。私自身、作りこまれたアーティスティックな花の見せ方よりも花の自然な姿が好きなので、授業のスタイルも自分に合っていたように思いますし、本質が学べたと感じています」
 
卒業後、沖縄に戻って勤めた花屋でご主人と出会い、結婚・出産を機に退職。
3年ほど子育てに専念していたが、その後「花・教室 ダウ」をオープンさせた。
 
「花に携わる仕事をやっぱりやりたかったんですが、子どもがまだ小さかったので教室主体でゆっくりとやっていました」

それから4年後、夫と共に「Detail full」をオープンさせた。
 
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天井が高く広々とした店内。天井に、テーブルに、床の上にと、様々な場所に花や木が飾られている。
植物のために店内の温度は低めに保たれ、窓や戸も閉められている。外の音が遮断された静謐な空間には、穏やかな音楽と花ばさみがカチカチとふれあう音だけが響く。ちょっとした異空間だ。
 
置かれているのは花だけではない。
店の奥には綾乃さんのお気に入りの品々も並んでいる。
 
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「花屋めぐりをしていた当時、花屋さんが勧めるものを使いたいなぁと思っていたんです。何を使えばいいか分からなかったし、花屋さんにあるものなら間違いない気がして(笑)。
だから自分の店にも、花仕事で使う道具だけではなく、自信を持って勧められる雑貨や衣類なども置いています」 
 
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上質なリネンを用いた「Vlas Blomme(ヴラスブラム)」の服もそろう
 
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衣類、リネン類、アクセサリー、雑貨と商品のジャンルは幅広く、そのテイストも和、洋、ナチュラル系、ジャンク系とさまざまだが、不思議な統一感がある。
 
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植物をモチーフにしたものも多い「CERASUS(ケラスス)」のジュエリー 
 
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編み物と彫金の組み合わせがマッチしてているピアスは「小山兼吉商店」のもの。「繊細な手仕事に見ほれてしまいます」
 
「共通しているのは手づくりのものであること、こだわりが感じられるもの。
たとえばリネンも、ちゃんとした素材を使って歴史のある工場で一枚一枚ていねいに作られている。そういうものにひかれます」
 
商品のセレクトに留まらず、昔からもの作りが好きな綾乃さんが目下夢中なのが編み物だという。
 
「凝りすぎちゃって、ついには糸を紡ぐ所から始めたくなって…(笑)。
糸紡ぎ機を購入し、仕事の合間をぬっては紡いでいます」
 
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ペダルを踏むたびに、綾乃さんの手元にあるリネンの束がしゅるしゅると紡がれていく
 
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「思った通りの太さに紡ぐのはなかなか難しいんです。太くなりすぎたり、細くしすぎて切れてしまったり。今はだいぶ慣れてスムーズに紡げるようになりました。あまりに楽しいので、皆でぐるっと輪になっておしゃべりしながら紡ぎたいくらい!(笑)」
 
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綾乃さんが紡いだ糸は店でも好評で、「手紡ぎのものが欲しい」と指名買いする人もいるという。
 
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「花が好き、手作りが好き。だから、いつか自分が紡いだ糸を編んだもので花を包みたいんです。ビニール製の味気ないひもで結わえたり、チラシで包んだりするのではなくて。上質なもの、大事にされるもので包みたい。
 
当店のテーマは “花暮らし” 。
季節を感じながら自然に、無理をせずに花との暮らしを楽しんでほしくて。
花は料理と一緒だと思うんです。無理をしないこと、自分自身が楽しめることが一番大事なんじゃないかなぁって」
 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

 
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花はアートだと、潜在意識のどこかで思い込んでいたことに気づいてハッとした。
アーティスティックにつくりこむ花の世界も存在するし、素敵だとも感じる。
でも、それだけが花との関わり方ではない。
 
 
花屋に行って自分で花を選び、帰宅後、花瓶に生けてがっかりした経験が何度かある。一本一本は美しいのに、花瓶におさまった途端なんだかしっくりこない。花同士がよそよそしい雰囲気がある。
そのときは生け方が悪いのだと思っていた。技術が足りないのだと。
それも理由の一つには違いないのだろうが、綾乃さんの話を聞いて、季節感を無視していたことに思い当たった。
 
一方、適当に摘んだ野の花を、無造作に飾ったときの美しさといったらなかった。あれは、自然の美をそのまま花瓶の上で再現したからこそ得られた美しさだったのだ。
そのとき我が家で偶然に行われた自然の再現が、Detail full ではもっと雄大に、プロフェッショナルに行われている。綾乃さんの「そこに咲いているかのように」という言葉の通りに。
 
そして、こういう花との関わり方なら私にもできそうだなと思う。
季節によりそい、等身大で、自然のままに。
 

文・仲原綾子 写真・中井雅代

 
detail full
Detail full(ディテール フル)
那覇市金城5-8-10
098-858-2828
open 11:00〜19:00
close 不定休
ブログ:http://detailfull.ti-da.net
 

 

NAKAI

浮島ガーデン
 
マンゴー、ドラゴンフルーツ、パイナップルに島バナナ…
いま沖縄はうれしいうれしいフルーツの季節。
南国だからいつでも南国フルーツがあるかと思いきや、
マンゴーもパインも数カ月しか採れない。
意外な季節のお楽しみですね。
 
そして沖縄に住んでいると高級フルーツが廉価で買える。
しあわせです。
 
このしあわせをおすそわけしたいと、
先日、有楽町のルミネの『OKINAWA WEEKEND』というイベントで
浮島ガーデンに納品してくださっている農家さんの
無農薬野菜とフルーツを販売しに行ってまいりました☆
 
無農薬でフルーツが作れるの?と言って喜んで買ってくれた方、
無肥料マンゴーや野菜を見てこんなに立派なの~と驚いてくれた方、
うれしかった~
 
沖縄での農業はほんとに大変です。
炎天下での野良仕事、
無農薬ともなると作業量は2倍、3倍。
毎日毎日、土と汗にまみれて虫を取り、草を刈り、
出荷作業は深夜に及ぶことも。
 
こんなに働いても生活は楽じゃない。
「世の中の不景気なんてわからない。だってウチはそれ以下」。
そう言って笑う農家さんの言葉に心が痛みました。
収入が低いから誰も雇えない。
かのんの森の森谷妙子さんもたったひとり、
毎日、何かに追われるようにして働いています。
 
農家さんは私たちの代わりに、
私たちのいのちをつなぐための食べ物をつくってくれている。
 
 
そんな農家さんを、
みんなもっと応援しないか、と、私は大声で呼びかけたい。
暇な時間ができたら援農するのが当たり前。
そういうゆいまーるシステムを作っていけたらと考えています。
 
それに援農はいいですよ~
汗だくになるのでデトックスできます。
ジムに行くより生産的ないいダイエットになります。
 
南国フルーツから熱い話になりましたが、
もとい、島バナナです。
こんなおいしいものが道端で生っている…すごいぞ、沖縄!
 
そんなバナナを使って、
すぐ作ってすぐ食べられるおやつ「バナナパイ
を紹介します。
 
簡単ですよ~~☆
 
「バナナパイ」
 
<材料>
 
バナナ2本
黒糖 or はちみつ
全粒粉 50g
地粉 50g
塩 小さじ1/4
菜種油 大さじ1
水 大さじ2~3 
揚げ油 適量
 
<作り方>
1 粉類と塩を入れ、混ぜたところに、菜種油を入れ、よくかき混ぜる。
 
浮島ガーデン
 
2 ①に様子を見ながら水を入れ、最初は箸でかき混ぜながら、水分がいきわたったら手で生地をまとめてゆく。
 
浮島ガーデン
 
浮島ガーデン
 
3 生地がしっとりまとまったら、4分割して、まな板に粉をしき、平らにのばす。
(生地は薄すぎず、厚すぎず。3ミリくらいがいいかもです。)
 
浮島ガーデン
 
4 生地の上に適当な大きさにカットしたバナナ、黒糖やはちみつ、お好みでうこんパウダーやシナモン、ナッツを入れてフタをし、フォークの背で押して閉じる。
 
浮島ガーデン
 
浮島ガーデン
 
浮島ガーデン
浮島ガーデン
 
浮島ガーデン
 
5 160度くらいの低い温度から揚げはじめ、2分ほどしたら出来上がり~☆
*全粒粉はなくてもオッケー。薄力粉を使用するとサクサク感が出ます。
 
浮島ガーデン
 
浮島ガーデン
 

Text by 中曽根直子(浮島ガーデン フードデザイン)




浮島ガーデン
那覇市松尾2-12-3
098-943-2100
open:14:00~24:00
close:火
HP:http://ukishima-garden.com
ブログ:http://ukishima.ti-da.net
 

 

NAKAI

ハナウタColor
 
■出展作家 : arisa
■ハナウタを歌いながら過ぎてゆく何気ないひととき。
  日常のふとした瞬間に輝く風景の美しさと、どこか儚く漂う時の流れを色とイラストで表現しました。
  ハナウタから生まれる幻想的な色の世界へ。
 
arisaプロフィール
1985年 沖縄県出身
2008年 東北芸術工科大学卒業
2009年 同大学研究生修了
現在、デザインとイラストレーションを中心に活動。
 
主な展示活動
◯『LOHAS ILLUSTRATION CONTEST』作品展 出品(東京)
◯『沖縄アートフェスティバル』出品(浦添市美術館)
◯『something beautiful』個展(kufuu)
 
■会期 :2012年7月28日(土)〜8月5日(日)
■営業時間 :10:00 – 13:00 / 15:00 – 19:00 (13:00 – 15:00昼休み)
■入場無料
 
※作家在廊日 土・日在廊予定

■会場 :GARB DOMINGO
■住所 :沖縄県那覇市壺屋1-6-3
■tel / fax :098-988-0244
■URL :http://www.garbdomingo.com
 

 

NAKAI

Brown Sugar Genger
 
生姜入りの商品に目がないという城間さん。
生姜あめに始まり生姜ミンティア、生姜グミ、生姜の原液を使ったジンジャーエールなど、生姜と名のつくものは片っ端から購入していると言う。
 
「中でも今一番のおすすめがこれ。
生姜と黒糖の粉末、ブラウンシュガージンジャー。
あまりのおいしさに衝撃を受け、すぐにファンになりました」
 
黒糖と生姜の組み合わせは珍しくないが、両者の配分がばっちり決まっているものはなかなかないと言う。
 
「あまりに生姜風味が強すぎて使いづらかったり、逆にほとんど生姜の香りがしなくて物足りなかったり。
『ちょうど良い!』って思えたのはこれが初めて」
 
プレーンヨーグルトに混ぜるのが、城間家の朝食の定番。
 
Brown Sugar GINGER
 
「黒糖の甘さが優しくておいしいんですよ。でも…」
 
Brown Sugar GINGER
 
「もうちょっと足しちゃおう(笑)
おいしいから、ついいっぱい入れたくなるんですよ〜」
 
ヨーグルトと生姜、あまり思いつかない組み合わせだけれど違和感はなく、むしろ生姜のほのかな風味がほどよいアクセントに。
 
「子どもたちも大好きですよ、さらにコーンフレークを混ぜて食べてたり」
 
直接パンにふりかければシュガートーストにも。
 
Brown Sugar GINGER
 
さらさらとした粉末が、パンの湿り気でしっとりなじむ。
 
「バターを塗った上からかけてもおいしいんです」  
 
Brown Sugar GINGER
 
どんな食材にもよく合い、甘いものが食べたくなったときに気軽にプラスしていると言う。
 
「生姜と同じくらいコーヒーも大好きで一日に何杯も飲むんですが、普段はブラック派。でも、疲れてるときや甘いのが飲みたいときはこれを入れて飲むんです」
 
Brown Sugar GINGER
 
生姜風味が強すぎる商品だとコーヒーに入れるには少し抵抗を感じるが、コーヒーの苦みでほとんど消えてしまう程度の香りなので問題なし。
 
「黒糖自体がまろやかだしヘルシーなイメージもあるから、気兼ねなく入れられるのも嬉しいですね」
 
生姜はやんばる産で着色料や防腐剤も無添加と、安全性も高い。
 
「だからクセがなくておいしいのかも。
のどにツンとする感じもない。
家族にも安心して出せるし、生姜が苦手な人もこれなら大丈夫だと思います」
 
Brown Sugar GINGER
 
そのままお湯に入れて混ぜれば黒糖の甘みが美味しいしょうが湯に、
ミルクティーに入れたらチャイ風に。
 
「風邪をひいたときは普段以上によく飲むようにしています。
からだがぽかぽかしてすごく温まるから、冷え性の人にもおすすめですよ」
 
原材料の欄にはコショウ科の植物「ヒハツモドキ」の名も。
 
「八重山では『ピパーチ』って呼ばれているコショウですよね。
身体があたたまるのはピパーチのおかげもあるのかも?」
 
Brown Sugar GINGER
レトロなアメリカ風パッケージも可愛いらしく目をひくが。「実はアメリカとぜんぜん関係なくて、製造元『共栄社』の方が黒糖製造中の写真らしいですよ(笑)」
 
家に在庫がなくなると落ち着かなくなるほどハマっているという城間さん。
 
「許田インターで売ってるのですが、これを買うためだけに高速乗って行ったこともあるくらい(笑)。
サイズ感も良いし、200g 入りで400円とお手軽なので、友だちにすすめたくてしょっちゅうプレゼントしてます。
北部に行くときは必ずいつもまとめ買い。
南部でも買えるようになったら嬉しいなぁ〜」
 

写真・文 中井 雅代

 
 

NAKAI


 
宮沢賢治・作  清川あさみ・絵  リトルモア ¥1,890/OMAR BOOKS
 
―色と石のはなし。―
 
先日、絵を描いている人から面白い話を聞いた。
自分の興味、関心が「人」から「植物」へ、「植物」から「鉱物(石)」へと変わってきたら人として完成に近づいている、のだそうだ。
はあ、なるほど~とため息をついたのは、確かに周りを見渡してみると思い当たる人が何人かいる。中にはまだ若いのに、無類の石好きの女性はとても落ち着いて穏やかな佇まい。素敵な大人、という感じなのだ。
 

 
それで話は飛びますが、今回お薦めする新刊『グスコーブドリの伝記』。
あの宮沢賢治の代表作の一つが、布・糸・ビーズを使った美しい作風で知られる清川あさみさんの手で生まれ変わった本作。
今店内に並んでいるこの本を手にしたあるお客さまの感想が、またはっとさせられるものだった。この本の表紙を見てすぐに
「何だか石みたいだね。この色合いに似た石を見たことがあるよ。不思議だけど何も手を入れてないのに自然にこういうのはあるんだね。」
という話をされた。 
  
様々な色々のグラデーション。素材の異なる布のコラージュ。キラキラと反射する沢山のビーズ。それらが繊細かつ絶妙なバランスで繋がり重なり合ったイーハトーブ。
 
偶然なのか意図してなのか分からないけれど、清川さんが紡ぎあげた世界は、自然に(もしかしたら私たちのすぐ近くに)転がっている石に似ていた。
そして植物や鉱物採集に熱中していた宮沢賢治。これを聞いて深く納得するものがあった。
  

 

 
ストーリーを紹介しておくと、ブドリと妹ネリの住むイーハトーブの地を飢饉や火山噴火などが起こります。
たくさんの家族が楽しく暮らせるように、自然の猛威に知と覚悟をもって立ち向かうブドリ。その一生涯が描かれたお話。
  
宮沢賢治の作品では『銀河鉄道の夜』があまりにも有名だけれど、こちらも隠れた名作。
 
今私たちが手にしている幸せは何かの犠牲の元にあること。
彼の主要テーマの一つ、「自己犠牲」が悲しくも美しいラストを結ぶ。
今こそ読まれる、また長く読み継がれるべき作品です。

OMAR BOOKS 川端明美




OMAR BOOKS(オマーブックス)
北中城村島袋309 1F tel.098-933-2585
open:14:00~20:00/close:月
駐車場有り
blog:http://omar.exblog.jp
 

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ナガオカ ケンメイ
 
「何をデザインと呼ぶかということを考えると、沖縄でいえばシーサーもデザインだと思うんです。東京にいるときにはそんなこと考えもしなかったのですが、沖縄に実際に来て、沖縄の人々の生活にその存在が想像以上に密接に関わっているのを目の当たりにして、これはやはりデザインだろうと」
 
良いものを長く大切に使う「ロングライフデザイン」という独自の観点から商品をセレクト、販売する「D&DEPARTMENT(ディアンドデパートメント)」。
その経営方針も、47都道府県においてそれぞれ現地のショップをパートナーとし、協力しあって拠点作りを進めるという独特のスタイル。
1号店となった東京に続き、大阪、北海道、静岡、鹿児島に次いで6店舗目となる沖縄店がオープンした。
 
商品はいずれもデザイン性を備えているとうだけでなく、地域の「らしさ」がしっかり表現されているものばかり。
 
沖縄の沖縄らしさとは? そしてデザインとは?
D&DEPARTMENT代表のナガオカケンメイさんにお話を伺った。
 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

 
d&d沖縄入り口
 
– – – D&DEPARTMENT PROJECT TOKYO のオープンに始まり、目で見てわかるデザインから体験のデザインまで、様々な場所にデザインを見出していらっしゃいますが、ナガオカさんの考えるデザインという概念の範囲はどのくらい広いのでしょうか?
 
そこからきましたか(笑)
実は、僕自身そこに一番興味があるんですよ。
僕はいわゆるデザイナーで、いわゆるデザイン業界というものも存在します。最初のうちはデザイン業界の中で見たり聞いたりするものがデザインだと思っていたんです。18歳から35歳くらいまでは。
でも、そこにあるものはデザインじゃなくて、そこ以外にあるものがデザインじゃないかなと今は思っていて。普通はデザインと呼ばないようなものと言うか…。
簡単に言うと、デザイナーの名前がスっと出てくるようなものはデザインと呼ばない方がいいんじゃないかなと思うんです。
 
例えば、この椅子(「カリモク60」)はD&DEPARTMENTで復刻させたもので、こういうのがデザインだと僕は思うのですが、普通の人が見たら誰がデザインしたかなんてわからない椅子だし、ブランド名が有名だったわけでもなくて。
僕が今デザインと呼びたいものは東京以外の場所に多くあるのは確かなのですが、じゃあその領域はどこまでに到るのか、今まさにそれをテーマにして活動してるんです。
 
– – – だからこそ全国を回られて、デザインと呼ぶべきものを発掘しているということなのでしょうか?
 
そうですね。今やっているのは「これはデザインと呼ばれているけどデザインじゃないよ」とか、「これはデザインなんて呼ばれたことないと思うけど、デザインだよ」という領域を決める作業ですね。
その選別は、それぞれの土地に実際に行かないとできないんですよ。
 
– – – 全国共通の条件のようなものがあるわけではないんですね。
 
ないんです。あると思っていたんですよ、最初は。
でも、それはあくまでも東京から見たその土地のイメージに過ぎなくて。訪れる前に「これはデザインだよね」という話もするけれど、実際にその土地に赴くと、もしくは住んでみると新たに見えてくるものがあるんです。「こういうのをデザインと呼ばないといけないんじゃないか」と、その土地に来て初めて感じるデザインもあるわけです。
 
OKINAWA STANDARD
 
OKINAWA STANDARD
 
OKINAWA STANDARD
 
OKINAWA STANDARD
 
– – – 逆に「これはデザインではないと最初は思っていたけれど、沖縄に来てみるとやっぱりこれはデザインだな」というものもありますか?
 
あります。例えば、シーサーなんて完全にデザインですよね。東京にいるときはいわゆる沖縄の観光要素の一つだとしか思っていなかったのですが、沖縄に来てみると正統派もあればキャラクター系もあって、これだけ多種多様なシーサーを沖縄中の人たちが日常的に使っている。となると、あれはやはりデザインですよね。
 
デザインってわかりやすい言葉に無理矢理置きかえたら、「コミュニケーションの手段」だと思うんです。沖縄の人たちはシーサーを門に置いたらこういう意味があるという風に、第三者に対して意味を発信しているわけですから。
それを応用して名刺にイラストをつけたり、本の表紙にイラストとして描いたりして、それを見た人にこう感じてほしいと思う…..つまりそれがコミュニケーションをとっているということになるんじゃないでしょうか。
そういう意味でもシーサーはデザインなんだろうなと思います。
 
自分が30年住んだ東京に目を向けると、同じようなものがあるかな?と考えてしまうんですよね。
それに比べると、沖縄はデザイン的なものがとても多い地域だと思います。
米軍ハウスだってそう。あれもデザインじゃないですか。
看板のないコンクリート打ちっぱなしの建物も、沖縄の建築デザインの特長の一つですよね。それに、看板すらなく、何も貼り付けられていない建物が多いと感じました。東京なんて強風が吹いたら吹っとびそうなものばかりが建築物についてるけど、沖縄の街の風景にはそういうものが殆どない。
そういうその土地ならではの風景もデザインだと思うんです。
 
OKINAWA STANDARD
 
OKINAWA STANDARD
 
OKINAWA STANDARD
 
– – – 沖縄らしいデザインとは何だと思われますか?
 
そういうことを、まさに沖縄に住んでいる方々に見つけてほしいんです。ですからこちらから提案することはあまりしないんですね。
沖縄では「OKINAWA STANDARD(オキナワスタンダード)」というチームと組んでいるので、そちらのスタッフに見つけてもらい、僕らにも教えてほしいなと。
他都道府県のショップも同じです。それぞれの土地のチームと「ロングライフデザイン」と言うキーワードだけを共有して、例えば、北海道に住んでいる方々にとってロングライフデザインと呼べるものやことはなんだろう?と北海道のスタッフに模索してもらい、それを僕らにぶつけてもらう。その上で「確かに!」と納得して決定する場合と「そっ…それは微妙…」という場合があって(笑)。
 
東京本部主導で、型にはめてやっていくように見られがちなのですがそうではなくて、僕らがやっているのは、その土地で長く愛用されているものの中からその土地の本質を見つけ出そう、そのためにみんなが集まる場所を作ろうという発信。こういう意識や行動の拠点を一緒にやりませんか? と。
 
一見、家具や食器を売っているショップにしか見えないのですが、イベントをやったり、同じ意識を共有するネットワークと繋がったり、果たしている役割は商品の売買にとどまらないんです。
地元のひとが僕らと関わることによって気づくことがあったり、逆に僕らもそれによって沖縄ってこうなんだなって気づいたり。また、地元の方の品物の選び方に変化が生まれたりも。
  
目標やテーマはありますが、何をセレクトするのかが具体的に決まっているわけじゃありません。
例えば僕が一定期間沖縄を見た上で「これよろしく〜」とセレクトするんじゃなく、「また◯ヶ月後に来ますので、沖縄らしいものを集めてくださいね」という感じ。それで再度訪れた際に商品を見せてもらって「へ〜、なるほど! こういうものがあるのか」と。それをまた僕が東京に持ち帰って、「沖縄ってこうらしいよ」とみんなにも伝えて。
そういうネットワークの繋がり方なんです。
 
OKINAWA STANDARD
 
OKINAWA STANDARD
 
OKINAWA STANDARD
 
OKINAWA STANDARD
 
– – – 選定から外れる商品はどういったものなのでしょうか?
 
僕が最終的に「これはちょっと…」という感じで(笑)。
例えばお土産屋でお土産風に売られているけれど、でも実は沖縄の人でも使ったことないでしょ? というものだったり。
「沖縄らしいもの」というテーマで探すと、ついそういう沖縄らしく作られたものを思い浮かべがちなのですが、そうではなくて沖縄の人の生活に普通に根ざしている、沖縄の人が気づきもしないものにぴったりの商品があったりするんです。
身近すぎて「えっ? これ?!」みたいなものが(笑)。
 
– – – 沖縄のスタッフと意見が合致しないこともやはりあるのでしょうか?
 
あります。地元の人しかわからないものを優先しないとダメだとは思いますが、デザイン性という基準は外せません。
というのも、僕らの活動のターゲットは20〜40代、つまり日常でデザインを取り入れている世代に定めているからです。
そういう人たちのことを考えた時に、「このパッケージが沖縄でどれだけ歴史があっても、興味を持ってもらうことはできなんじゃないかな?」という理由で選定から外すことはあります。他の店舗では商品のパッケージを取り去り、透明にして販売したこともありますね。中身は良いのにパッケージがこんなに昔のまんまだと…とか。昔のまんまでもかわいなーと思えるのであればもちろん問題ないのですが。
 
ダサイというよりも、さきほどの話に戻りますが、コミュニケーションを放棄しているようなパッケージがたまにあるんですよ。それは50〜60代の方にとっては良かったりするので、そういうパッケージが悪いというわけではなく、僕らがコミュニケーションをとりたいターゲットには合わないんじゃないかな? と。
その部分は僕らが判断しますが、それ以外のジャッジは沖縄の人にしかできないのでおまかせしています。
 
洋服と一緒だと思うんです。どれだけオーガニックで肌に良いといっても、ダサくて着られない服ってあるじゃないですか。それと一緒で中身は食品としてのクオリティが高くても、パッケージのデザインがイマイチだと手が出ない。
デザインも含めて盛り上がってもらいたいという気持ちがあります。
 
OKINAWA STANDARD
 
OKINAWA STANDARD
 
OKINAWA STANDARD
 
OKINAWA STANDARD
 
d&d沖縄
 
– – – 各店舗のスタッフが候補として挙げる商品には変化は生まれるのですか?
 
もちろん! でも、デザイン(=美しさ)は選定項目のひとつに過ぎなくて、大きなくくりとして「ロングライフデザイン」と言う基準があり、それを満たすために次の項目を設定しています。
 
①修理をして使い続けられる体制や方法があること

②作り手の経済状況を生み続ける適正な価格であること

③売り場に作り手の想いを伝える強い意志があること

④作り手に「ものづくりへの」愛があること

⑤使いやすいこと、機能的であること

⑥危険な要素がないこと、安全であること

⑦計画された生産数であること

⑧使う側が、その商品にまつわる商品以外の関心が継続する仕組みがあること

⑨いつの時代の環境にも配慮があること

⑩美しいこと 
 
デザインに関する項目は⑩のみ。このジャッジだけは僕が行いますが、それ以外の9項目はいずれも現地のスタッフが判断するんです。
自分で使っても壊れないとか、修理体勢がしっかりしてるとか交換できるとか、そういう条件をすべて満たした上で、最後の最後に「これってイケてる?」と。
デザイン性だけで選んでいるわけではないんですよ。
10番目の項目も現地スタッフが判断できるようになるのが目標で、すでに完全にお任せしている店舗もあります。
 
– – – すでに選定されている商品に見られる沖縄らしさとはなんでしょうか?
 
やはりアメリカの血が入っていますよね。それはとても強く感じます。
特に食に関するデザインは顕著で、飲み物のパッケージなどアメリカ的な要素がよく見られます。他国の要素がこれだけ色濃く表れている都道府県はほかにないですね。東京みたいにミーハーで色んな国の要素を取り込んで…というような生半可なストーリーじゃなくて歴史があるし、アメリカの人も沢山住んでるし。
 
昨日、コザのとあるレストランに連れて行ってもらったんだけど、一歩中に入ると完全に……よくわかんないスタイルで(笑)。基地のレストランの厨房にいたひとが独立してやっているお店らしいんだけど。カツレツ、オムライス、スパゲッティがワンプレートに盛られていて、「食べきれんわー!」って(笑)。ボリュームがあってアメリカ人好み。だけど客はほとんど日本人。でも完全に日本じゃないっていう、沖縄らしい良さのある店でしたね。
 
d&d沖縄
 
OKINAWA STANDARD
 
OKINAWA STANDARD
 
– – – 「d design travel」など観光におけるデザインにも注目なさっていますが、観光立県である沖縄の観光には、何か問題点があると思われますか?
 
あるあるある!(笑)
沖縄観光というと大きなネタが10個もなくて、しかもずーっと変わってないじゃないですか?それを無理矢理進化させられても困っちゃうし、東京みたいにスカイツリー作られても困っちゃう。
何もしなくても新しい角度から沖縄らしい観光を見つける必要があると思っていて、僕らはそのことにとても興味があるんです。
もしくは、ものすごく沖縄っぽい要素を使ってめちゃくちゃ新しいものを作っちゃうか。
この2つはこれからの課題。
例えば米軍基地だったところを買い上げてモールをつくるんじゃなくて、買い上げてそのまんまにしちゃうとか。おもしろくないですか? 普通は入れないところに入れるっていうだけで観光になるんじゃないかと思うんです。
そういうのはすごく沖縄らしくて沖縄にしかできないこと。
 
例えば、沖縄のデザイナーが東京からやってきたデザイナー30名を引き連れて沖縄を案内しようとすると、きっと一般的な沖縄の観光地じゃないところにも行くと思うんですよ。そういう場所をもっとアピールしていく必要がありますよね。
昨日もまさにそんな感じで、沖縄のインテリアデザイナーが例のレストランに連れて行ってくれたんです、「おもしろいところがあるよ」って言って(笑)。
でも確かにああいうとこ連れて行かれちゃうと「なにこれ〜!!」ってびっくりもするし、楽しいですよね。東京にはああいう店はないし、おいしいとかおいしくないとか以前の問題で、文化なんですよね。僕らにとっては異文化。沖縄らしい文化のどまんなかに投げ込まれるから、すごい刺激的ですよね。
実際に出される料理はまあ、ハムカツランチみたいな感じで「これは…沖縄らしいかなぁ?」とか思いながら(笑)。
でも、そういうのをひっくるめた環境が異質だから、沖縄に来たぞー!っていう実感もできますよね。
 
OKINAWA STANDARD
 
– – – 旅行ってそういうことですよね。普段の生活ではありえないことを体験できる。
 
そうそう。城址に行って歴史を感じるのもいいんだけれど…
あ、でも、城址の中に沖縄で活躍している建築家がおしゃれなカフェをつくったりするのもいいかもしれないですね。
なんの接点もないのに新たな観光要素を作ってしまうことだけは反対ですが、まだまだ発掘できる要素があるんじゃないかと思います。
今の沖縄の観光は、大規模な建物で大人数を動かすものが中心になっちゃってますよね。何万人も動員しなくても沖縄らしさを伝えるものは他にもっといっぱいあると思うんです。
 
やちむんの里に宿泊施設を作ったらいいのにな〜とも思いますね。滞在しながらやちむんを焼けたり。
今の若い人たちが求めている観光地は、月間何万人動員した、ということが話題になるような場所じゃないと思うんです。
 
D&DEPARTMENT沖縄店は、宿泊施設を完成させるという段階がまだ控えているんですよ。
今は第一段階。MIX-life styleさんと一緒にD&DEPARTMENTをやること。
第二段階は20〜30部屋の客室をもったD&DEPARTMENTのホテルをつくること。
だから、まだまだこれからなんです、沖縄は。楽しみですね。
 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

 
私たちにとっての「当たり前」の中にもデザインがある。
シーサー、ジュースの瓶、アメリカ風なワンプレート大盛りご飯、外人住宅…
話題性だけを狙った観光スポットを新たに生み出すのではなく、いつも目にしている当たり前の風景の中にひそむヒントに気づき、掘り起こしてみよう。
私たちにとっての日常こそが沖縄らしさ。
「うちなーんちゅにとっての当たり前」に、もっと誇りを持ったっていい。
 

写真・インタビュー 中井雅代

 
d&d沖縄入り口
 
D&DEPARTMENT
http://www.d-department.com/jp
 
D&DEPARTMENT PROJECT OKINAWA by OKINAWA STANDARD
宜野湾市新城2-39-8 2階
098-894-2112
open 11:30〜19:30
close 水曜日
ブログ:http://www.d-department.com/jp/shop/okinawa/blog

 


 
 

NAKAI

El Bulli
 
ああ、私のあこがれのレストラン「エル・ブリ」
45席しかなくて半年しか営業してないのに、200万件の予約殺到。
いつかいってみたい!!とおもっていたら、昨年なくなっちゃったのよね、この店。
 
El Bulli
 
新メニューの開発から、厨房まで、すべてをナレーションも一切なし、
オーナーシェフのフェラン・アドリアとほかのシェフたちの姿だけを追ったドキュメンタリー。
 
El Bulli
 
El Bulli
 
El Bulli
 
開発って、研究所のアトリエでやるんだけど、まさに科学の実験のような、感じ。
 
El Bulli
 
この人たちは、研究者たちそのものだ。
 
フェラン・アドリア、天才だ。
 
El Bulli
 
魔法の舌をもっているに違いない。
 
試作品を次から次へと切っていき、採用していく。すごい。
 
El Bulli
 
シェフもハンサムぞろいです。個人的にはオリオール・カストロ、優しそうで好き。
 
El Bulli
 
みんないい人そうだな。ってかフェラン・アドリアと並ぶと、みんないい人にみえる(笑)
 
 
前衛的な料理。まさに芸術。味にもあれだけこだわっている。
一体、このコースいくらなんだろう?
 
El Bulli
 
El Bulli
 
El Bulli
 
ちょっと植物のような、昆虫のような、不思議な感じなんだけど、ひとつのコースに40品並ぶといわれている。
 
レストランっていろいろ働いたけど、こんなところで働いてみたい。
厳しいけど、あの緊張感、結構好きです。
 
それより何より、とにかく、ここに行きたい!!!
 
まさに、エル・ブリの秘密、この妥協しない姿勢、と魔法の舌にあるんだ、とわかりました。
店が閉まったから、秘密が公開されたのか?
 
あのセンス、すごいです。

 

KEE




 
<ストーリー>
独創的なシェフとして評価の高いフェラン・アドリアと共同オーナーのジュリ・ソレールが経営するレストラン「エル・ブリ」。世界中から予約がひっきりなしにくるこの店では毎年半年間休業し、シェフたちはバルセロナの研究用アトリエで来期用新メニューの研究に没頭する。そこでは多彩な食材を用いて、真空化やフリーズドライなど思いがけない手法が試される。
 
<キャスト>
フェラン・アドリア
オリオール・カストロ
エドゥアルド・チャトルック
ユージニ・デ・ディエゴ
ルイス・ガルシア
ジュリ・ソレール

 
<沖縄での上映劇場>
リウボウホール
那覇市久茂地1-1-1 パレットくもじ7F
098-867-1171
 
期間:7/18(水)〜29(日)
上映時間:11:30、14:00、16:30、19:00
料金:●一般前売:1,200円 ●当日:1,500円
   ●リウボウ友の会・リウボウカードセゾン会員様当日:1,200円
 

NAKAI


 
「綿花などにくらべるとヘンプ(麻)はすごく強い植物なんです」
 
ヘンプを使用した衣類を中心に扱う理由を、オーナーの服部さんはそう語る。
 
「花や穂に含まれるTHC(テトラヒドロカンナビノール)という化合物のおかげで虫が寄ってこないから農薬も化学肥料も必要ないし、放っておいても約3ヶ月で2mほどにまで成長するほど生命力が強い。
今では茎の繊維から衣類だけでなく紙(ヘンプペーパー)やプラスチックが、茎の芯からは建築材料などもつくられるなど、多方面で活用されているんですよ」
 
肌に触れるもの。
無農薬ですくすく育った植物由来ならより安心できる。
 
「でも、ヘンプ素材の服っていわゆるナチュラル〜っていう感じが多いですよね。
そうではなくてもっと普通にしゃれていたら多くの人に着てもらえるんじゃないかと思い、ナチュラルすぎない服を置いています」
 
FABRIC
 
FABRIC
日焼け防止にも活躍しそうなトップス
 
FABRIC
首にまけばストールになる
 
大阪出身の服部さんは沖縄に移住して9年目になる。
 
洋服に興味をもったのは高校生時代。
専門知識もないままに、自分で服をつくったりしていた。
 
「洋服好きの友だちが趣味で服をつくっていて、それを手伝い始めたのがきっかけ。服のことは何もわかってなくて型紙すら知らず、生地に直接チャコペンでラインをひいたり…(笑)。
コンバースのスニーカーをヒョウ柄にしたりなどリメイクもやってました。
それが楽しかったんです」
 
高校卒業後、文化服装学院に進学。3年間服作りに没頭した。
 
FABRIC
もとは一枚の四角い布。伸縮性が高く、腰で巻けばスカートに
 
FABRIC
さっと羽織ればショールにも。天然素材、自然染めのオーガニックウェアブランド「Lunati Canapa(ルナティカナパ)」のもの
 
「本当に毎日毎日つくり続けていましたね。デザイン描いてパターンひいてシーチング(テスト用の生地)縫って本番の生地で縫って…の繰り返し。
1年生ではパンツ、スカート、シャツを、2年生では革を使った服やスーツ、ドレスを、3年生の時には毛皮を使った服を、というふうに3年かけて大体のものは縫えるようになり、自分でも満足していました。
もともと服作りは好きですから学校自体は楽しかったけど、卒業後は有名なブランドに入ろう!とか、こういうのをつくりたいんだ!という熱い気持ちがあったわけではなく、のんびりした気持ちのまま卒業。
東京のミセスブランドにパタンナーとして就職しました」
 
FABRIC
 
FABRIC
 
FABRIC
 
FABRIC
 
FABRIC
 
FABRIC
沖縄のブランド「be clad.」のアクセサリー
 
FABRIC
 
FABRIC
 
会社の夏休みに旅行で沖縄へ。それが人生の転機となった。
 
「専門学校時代の先輩をたずねて行ったのですが、すっかりハマってしまいました。座間味や慶良間の海の美しさにめちゃくちゃ感動したんです。
仕事を辞めて一旦沖縄に行ったものの資金が尽きてしまったので大阪に戻り、1年間縫製の仕事をしてお金をため、24歳のころに沖縄に移住しました」
 
沖縄でもアパレル企業に就職してパタンナーとして働いたが、アパレル業界に疑問を感じていた時期でもあったと言う。
 
「洋服の世界ってサイクルがすごく速いんですよ。
当時は年に6回くらい展示会をし、お客様から受注を頂いて生産、またすぐにサンプルを作って展示会…の繰り返しで。しかも相当数の服をつくるので、在庫数も膨大。そういうのを目の当たりにしているのが疲れてしまって。
会社に所属していると、どうしてもそういう仕組みからは抜け出せない。
でも、自分の店なら好きなものを必要なぶんだけ作れて無駄が出ないんじゃないかと考えるようになりました。
とはいえ早く自分の店を持ちたい!と強く思っていたわけではなく、いつかできたら…とうっすら思っていたぐらいでした」
 
自分のショップについて具体的に思いをめぐらせていたわけではないが、物件に関してはすでに理想的な建物があり、早くから目をつけていたと言う。
 
「北谷の海が好きでよく行っていたのですが、近くの閑静な住宅街に外階段のついたお店があって。
当時は花屋さんだったのですが、その後洋服屋になって…」
 
物件の動向を見守っていた服部さん。
空き店舗になったのを見てすぐに不動産屋に連絡、今年(2012年7月) FABRIC をオープンさせた。
 
FABRIC
 
FABRIC
 
FABRIC
 
FABRIC
 
FABRICの服はどれも、のびやかに深呼吸しているようだ。
ヘンプを使った生地は軽く、まとえばふわり風になびく。
水分の吸収率も高く、さらさらとした肌触りが心地よい。
暑い季節が長く続く沖縄にもぴったりの服たち。
 
ヘンプやラミー(苧麻:ちょま)、オーガニックコットンなど素材にこだわった服が並ぶが、セレクト商品だけでなく、服部さんがデザイン、縫製まで手がけるオリジナル商品も。
 
「デザインする時に心がけているのはラクに着られる服。
着ていて気持ちいいな〜と思ってもらえるようなラインや素材にもこだわっています。
これから色んな服をつくっていきたいですね。メンズ商品も増やしたいし。
僕はマウンテンバイクに乗るんですが、バイクにのっても邪魔にならないようなかっこよくて着心地のいいパンツとかいいな〜って。
そうそう、子供服も作りたいんですよ」
 
FABRIC
 
FABRIC
 
FABRIC
 
FABRIC
 
FABRICではオーダーメイドやお直しも行っている。
 
「雑誌に掲載されている服や手描きのイラストからでもパターンを起こしてお作りできます。お好きな生地を持ち込んで頂いても大丈夫。
デザインも行っていますから、細かい部分のご提案などもできます」
 
 
服部さんご本人もFABRICの雰囲気そのまま、自然体で気取らず、飾らないひとだ。
服部さんにオーダーメイドをお願いしたときのメリットは?という質問にしばらく考え込み、こう答えた。
 
「つくるものにもよりますが、完成までに2〜3回は当店に来て頂かないといけないというデメリットはあります」
 
それはつまりデザインにも縫製にもしっかりこだわり、納得いくものを作ってくれるという、依頼者にとっては最大のメリット。
 
強い日射しが照りつけていた撮影日、いかにも気持ち良さそうにFABRICの服を着こなしていて、うらやましくなった。
FABRICの洋服の心地良さに包まれたら、暑い日々だってきっと爽やかに、健やかにすごせる。
 

写真・文 中井 雅代

 
 
FABRIC
FABRIC(ファブリック)
北谷町港7−10
 
*FABRICでは各種お直し・オーダーメイド・衣装作成・縫製業務(少ロット生産、ユニフォーム・バッグ・シャツ・パンツ等々)を承っております。
ご要望の際はお気軽にSTAFFまでお問い合わせください。

 


 

NAKAI

琉球弧の島唄
クリックで拡大します
 
7/28(土)
開演時間:18:30
一般:3,000円(全席指定)
 
西表島出身の「池田 卓」を案内役に、唄とトークでめぐる琉球弧の島々。
 
-演目-
 
~ 古から伝わる島唄の魅力を探求する者 ~
~ 島唄に影響を受けつつ新たな唄の華を咲かせる者 ~
~ それぞれが語り伝える「我が島の唄」の魅力 ~
 
琉球弧の島々では、人々の暮らし、喜怒哀楽、雄大な自然への感謝などが民謡として唄い継がれてきましたが、島の暮らしの近代化とともに、次第に忘れられつつあります。
 
本公演では、唄で琉球弧の島々を巡り、古をたずね、かつてあった人情、風情を回想しながら、島唄の魅力をお伝えします。
 
今回は、沖縄の本土復帰後に生まれ、古からの島唄の影響を受けながら活動するた若い唄い手に着目し、西表島出身の「池田 卓」を案内役に、トークを交えながら「我が島の唄」の魅力を伝えます。
 
琉球弧の島唄
 
【出演者】
◇池田 卓(西表島) 「月ぬ美しゃ節」「高那節」「あがろーざ節」 案内役
◇横目 大通(石垣島) 「うるずぃんじらば」「とぅばらーま」
◇横目 大哉(石垣島) 「うるずぃんじらば」「とぅばらーま」
◇仲本 陽兵(宮古島) 「なりやまあやぐ」「古見の主」「トーガニーあやぐ」
◇堀内 加奈子(沖縄本島) 「下千鳥」「恋ぬ花」「屋慶名くふぁでーさー」
◇知念 こずえ(伊江島) 「ましゅんく節」「砂持節」「雨降い花染」
◇川畑 アキラ(与論島)「甦る人々」「与論サヨサ節」「辺戸岬」「与論小唄」
◇内里 美香(南大東島) 「渡海ふぃじゃみ」「東島」「アバヨーイ」
 
※演目、出演者等は都合により変更となる場合がございます。あらかじめご了承ください。
 

NAKAI

 
 
蕎麦猪口のような形の器。
これが私の器に心をもっていかれた始まり。
 
一つあれば活用の幅が広がる。
例えばヨーグルトや果物用に。
朝はほぼ毎日果物を頂きます。
手に収まりのいい器は忙しい朝にもってこい。
 
tous les jours
 
 
サラダ用に。
スプーンでザクザク食べるサラダカップ。
きゅうりやパプリカ、トマト等、すくいやすい大きさに切って好きな野菜やお豆を頂く。
ドレッシングもお好みな簡単サラダ。
 
この日はお豆腐入り。
 
tous les jours
 
 
アイスクリーム用に。
バニラアイスにカルーアをかけるだけ。
さあ美味しいデサート時間が始まります。
 
tous les jours
友人曰くカルピスのオレンジ味をかけてもおいしいとのこと。是非やってみたい。
 
 
飲み物用に。
暖かいお茶。きりっと冷えたお酒。
オンとオフが切り替わるふっと力が抜けて軽くなる時間。
どちらの場合にもしっくりおさまりますよ。
 
この日は母のつけた梅酒を頂く。果肉をつぶして濁しても美味しい。
 
tous les jours
 
 
言い出せば用途はもっとたくさんあって、
使えば使うほどこのタイプの器が好きになった。
そんな一つに出会ってはから暮らしに関わるものやことがぐんと身近に、
それまで「暮らしを意識する」という脳裏で勝手に別枠にしていた事が
私の内にストンとおちてきた。
 
tous les jours
 
きっかけは、一つの器。言うなればたかがカップである。
幾度となく手にとって、ひいてみて、ぐるっと回って姿を確認して。
どんな善し悪しがあるのか想像する。
そして想定以上のことも期待する。
 
この先出会うものやこと、いつも同じ気持ちで向き合える自分でいられるように。
たくさんの内なる思いと、少しだけ襟をただすことも忘れずに。
もらたしてくれる時間に敬意を払いつつ、でも臆せず使い続けよう。
おそらくこれが私にとって肝心な事なのだ、と思う。
 
写真・文 占部 由佳理(tous les jours店主)


 
tous les jours(トレジュール)
那覇市首里儀保町2-19
098-882-3850
open:水~土
12:00-18:00
(変更あり。毎月の営業日をブログでお知らせしております。)
blog:http://touslesjours.ti-da.net


関連記事:ひとつ先のくらしを提案するtous les jours(トレジュール)

NAKAI

nel beach
 
「沖縄には景色が素晴らしい場所が沢山ありますよね。
だから建てて終わりではなく、色んなリゾートロケーションを楽しめる建物をつくりたいと思ったんです」
 
2010年、塚本さんは移動型ホテル「NEL Beach hotel(ネルビーチホテル)」を屋我地島に建設、2011年5月にはその場所を名護市呉我に移した。
 
「屋我地島にあったときは周囲は森、その先に海があるというロケーションでした。一方、呉我は建物の真下が海。まるで海の上に寝泊まりしているかのような気分を味わえます」
 
基本的に大きな家具はそのままの状態で、クレーン車で建物をつり上げてトラックに積み込んで移動させた。
 

移動の様子
 
NEL BEACH
現在、名護市呉我で営業中のNEL Beach hotel
 
NEL BEACH
 
塚本さんが沖縄にやって来たのは2007年。
東京で勤務していた会社での仕事で沖縄のホテル開発に携わった。
その後、住まいを沖縄に移して2011年に独立、NEL Beach hotel を建設した。
 
「一日一組限定なので、完全なプライベート空間として楽しんで頂けます。
10月頃には一階の一室をトリートメントブースとしてオープンさせる予定。
美しい海の眺めを楽しんでいただきながらトリートメントが受けられる、素晴らしい空間になると思います」
 
NEL BEACH
 
NEL BEACH
1階部分はカウンターのあるカフェ
 
NEL BEACH
 
塚本さんが建築士を目指したきっかけは、高校時代の自宅の建て替えだ。
 
「新しくなった家は親が大金をローンしてまで建てたにも関わらず全然魅力を感じられなかったんです。まるでただの箱のようで。
その家に35年かけて住宅ローンを返済していく現実を知らされた時、こんな家のために親の人生が縛られてしまうのが納得いかず、フラストレーションを感じました。
それは何もうちに限った話ではなく、人生の中で収入の約3分の1を住まいに費やす人が殆ど。そこで安くて良い住まいをつくることができれば、その余力で人生をより豊かに過ごすことができるはずだと考えるようになりました」
 
もともと手先が器用で、ものづくりや絵を描くことが大好きだった塚本さんは建築士を志すようになり、高校卒業後に専門学校で二年間建築を勉強した。
しかし卒業後すぐには就職せず、学校で専任講師として勤務する道を選んだ。
 
「講師として学校で働く間に、建築に携わる多くの方々から勉強をさせてもらいたいという思いもあったことと、
自分が学生の時に感じたことで、いざ就職活動に取組んでみると、学校で教える授業内容は建築士という資格取得を前提とした授業で構成されていること。また担当の講師によって伝わる情報には偏りがあり、現実的に進路を判断できる情報を与えてくれるものではなかったことです。このような自分の経験から、これから社会に臨む学生たちに対して、進路を判断する上で必要な情報を伝え、効率よく進路を判断してほしいと思い、専任講師を務めることにしました」
 
講師として勤務を始めて3年目に、教員研修の研修先でコーポラティブハウスのことを知った。
 
「コーポラティブハウスとは、事前に募った入居者による組合が事業主となり、共同でつくりあげる集合住宅のことなのですが、知れば知るほど『これはすごい!』と思いました」
 
この研修がきっかけとなり、専任講師を6年務めたのち、コーポラティブハウスのリーディングカンパニーだった同企業に就職した。
 
塚本裕樹
 
就職後はコーポラティブハウスだけでなく、コーポラティブ方式を用いた戸建て数十世帯による街づくり、「コーポラティブヴィレッジ」のプロジェクトに携わったり、ホテルをデザインしたりするなど、活動の幅を広げた。
 
「住宅はそこに住まう方、個人のための空間づくりですが、街並みをつくり出すコーポラティブヴィレッジは周辺環境に影響を与える公共的な側面を持っています。またホテルのような商業施設になると不特定多数の人が利用するため公共的な役割が高まります。デザイナーズホテルの設計はそういった意味でも住居設計とは違った魅力がありました」
 
しかしホテルを設計する際も、住まい作りを検討している人のことを忘れなかった。
 
「自由設計で家を手に入れられる方の場合、『ガラス張りのお風呂をつくりたい』『螺旋階段にしたい』『リビングに吹抜けがある家に住みたい』など、その方の住まいに対する想いが強く現れます。しかし実際にそのような住まいを体験しないまま家を建てしまうと、後から『大金を掛けてここまでしなくてもよかったかな?』ということもあります。理想の住まいを体感して納得した上で、住まいづくりをしてもらいたいし、そんな場所があったらいいなと思い、デザイナーズホテル設計を担当させてもらった時には、理想の住まいを体験できる客室をホテルの設計に盛り込みました」
 
塚本裕樹
 
グッドデザイン賞の受賞経験もある塚本さんは現在、名護市「宇茂佐(うむさ)の森」に建てるコーポラティブハウスの設計を行っている。
 
「東京を中心に大都市圏ではいくつもの建築例がありますが、沖縄では殆どみられません。
コーポラティブハウスには多くの利点があり、ぜひそれを知って選択肢の一つとしていただけたらと思っています」
  
一つ目の利点はコスト面。
 
「一般的な分譲マンションは、売れ残りのリスクを回避するため広告や宣伝のために多くの経費が必要となり、販売価格に反映せざるを得ないことがあります。
しかし、コーポラティブハウスでは買い手を募ってから事業が始まるため売れ残りのリスクがなく、余計な経費がかかりません。その浮いた分を参加される方々の取得費に反映しています。
また、入居者自らが発注者となって事業を進め、費用の内訳を把握しながら住まいづくりを進められるため、納得のいく、透明性の高い価格で住まいを取得できます」
 
そのため、同等の分譲マンションと比べると販売価格が割安になる。
 
「また、今回の物件はオール電化となるため、金利優遇も受けられます。
住宅ローンを組んだ際の総支払額が大きく違ってきます」
 
塚本裕樹
 
居住者同士のコミュニケーションがとりやすいという利点も。
 
「地鎮祭や棟上げ式では食事会が行われたりミーティングの場を設けたりなど、入居前から入居者同士の接点が多く全員が顔なじみとなるため、入居後もコミュニケーションがとりやすい。
これまで設計したコーポラティブハウスでは、入居者全員で年に1回飲み会を行うなど、入居後の関係性も良好なようです。
また、大規模な修繕等の必要が発生した際も合意が得やすく対応しやすいため、将来的にも安心です」
 
塚本裕樹
 
建築予定地も魅力的だ。
 
宇茂佐の森は名護市の区画整理地でできた新しい街で、公園や商業施設、医療施設などの生活インフラが数多く点在するため、本土から移住されてきた方々にも生活しやすい地域。 
6世帯の個々のライフスタイルがあらわれるような外観デザインで、住戸のプランは3LDK。
各部屋にはデザインウォールを設け、好みの壁紙をセレクトして個性あふれる住まいづくりを楽しめる。
また仕事で家を留守にされる方のために宅配ボックスを設けたり、電気自動車が各駐車場で利用できるようにするなど、将来を見据えた配慮も怠らない。
 
「変動金利で住宅を買ってから数年後の金利上昇で毎月のローンの支払いが難しくなり、持ち家を手放さざるを得ない方々が日本にも数多くいます。
人生は長く、また色々な面でお金がかかりますから、住まいにかかる費用を賢くおさえて人生を豊かに暮らすお手伝いができればと思っています。
ある意味では割り切った価値観かもしれませんが、それによってなにかをあきらめるわけではなく、自分の理想の住まいも手に入れられる。
是非、住まいの選択肢の一つとして検討していただきたいですね」
 
 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

 
お話を伺いながら手渡されたパンフレットの最後のページを見て面食らった。
そこにはローンを組んだ際の金利や月々の支払い額だけでなく、総支払額が大きく明記されていたからだ。
分譲マンションでも建て売り住宅でも、一般的には月々の支払い額のみを前面に押し出し、「今支払っている賃貸価格と変わらない金額で家が手に入りますよ」と購買意欲を刺激する場合が多い。
しかしその実、ローンを組めばもちろんそこには金利が発生し、同等の金額なら賃貸し続けるよりも多くの金額が必要となる。 
また、「貯金ゼロでも購入可能」などとうたわず、住宅ローンとして借り入れできない諸費用についても赤い文字ではっきりと記している。
 
入居者のメリットを追求し、明朗会計を貫く塚本さんらしいパンフレット。
いつも住むひとのことを考えているんですね、と言うとうなずいた。
 
「本来なら住まいや暮らしを豊かに、というのは国や公的な立場にある人間がやる仕事だと思うんです。
でも実際、僕はそういう仕事がしたいんだと思います。
みんなの生活を良くしていきたいという思いがいつもあるんです。

新しいことに変化していくのには時間がかかります。そして新しいものを目の前で見ないとなかなか一歩が踏み出せません。社会的な変化は大手企業などが取組むようになって、ようやく多くの人々が変化していくようになります。そんな大きな事業が行われるようになるまでの背景には、必ずそのニーズ開拓と前例をつくっているパイオニアがいるものです。
つくったものが人の目にふれ、徐々にみんなの価値観が変わっていくと市場も変化していくんですね。
例えば10年前の賃貸マンションで、入居者の好みで壁紙を変えられるなどといった、住み手目線の賃貸マンションがあったでしょうか?ライフスタイルが多様化する中、部屋の壁紙が選べたり、シェアハウスの要素を取り入れるなど、住み手目線のサービスを考えた賃貸物件ができ始めているよう。
 
そういう意味では、これまでいい前例をつくる仕事に携わってこられたと感じています。
だから仕事に対するモチベーションも保たれる。
みんなにとって良いことと、そしてその仕事が自分にとってやりたい仕事であること。この2つがマッチングする仕事をするよう心がけています」
 
塚本さんという誠意ある建築士の存在は心強く、コーポラティブハウスという新しい選択肢を検討する後押しとなる。
 
家づくりだけが人生じゃない。
おいしいものも食べたいし旅行もしたい。
でも、理想の住まいもあきらめたくない。
コーポラティブハウスなら、そのどれもが手に入る。
 

文 中井雅代

NEL BEACH
株式会社ケイ・プランニング
那覇市真嘉比237番地3
HP:http://k-survey.co.jp
 
NEL beach hotel & cafe
名護市呉我1335-1
0980-58-4200
チェックイン 14:00
チェックアウト 10:00
HP:http://nel-beach.com
宇茂佐テラスHP:http://umusaterrace.com 
 
宇茂佐テラス
コーポラティブハウス
宇茂佐テラス個別説明会開催

 
2012年7月21日(土)・22日(日)
10時〜18時(お好きな時間にいらしてください。)
TEL 0980 – 43 – 8000
 
メールでもご予約を承っております。
info@umusaterrace.com
 
■説明会会場・お問合せ
株式会社ケイ・プランニング北部営業所
TEL 0980-43-8000
沖縄県名護市大西5丁目16番2号
(名護高校隣)
宇茂佐テラスHP:http://umusaterrace.com