NAKAI


イサク・ディーネセン 著  筑摩書房 ¥680(税別)/OMAR BOOKS
 
―デンマーク作家の一風変わった温かな物語 ―
 
テレビのニュースは連日、
今年は例年にも増して雪の被害が多いことを伝えている。
とはいえもうすぐ冬も終わり。
その締め括りとして雪景色が美しい北欧の物語をご紹介します。
 
今回取り上げるのは、ノルウェーのフィヨルド(複雑に入りくんだ湾。授業で習いましたね)の山麓の小さな町を舞台にした、一風変わった雰囲気の物語『バベットの晩餐会』。
だいぶ前に映画化もされて名作として今でも人気があるけれど、
個人的にはこちらの本の方をお薦めしたい。
 
ストーリーは質素で慎ましい暮らしをしている牧師一家と、
彼らを慕う平凡な毎日を送る老人たちの前に
ある一人の女性が現れたことから少しずつ変化が訪れる、というもの。
 
牧師一家と暮らすようになったその女性、バベットは元パリの料理人で
次第に周りの人々や町に馴染んでいく。
その彼女が宝くじを当て、
寡黙だった彼女が宝くじの使い道として初めて願い事をする。
その願い事とは・・・。
 
真面目な語り口なのにおかしみがそこはかとなく漂う。
こういうのを「味」っていうんだろう。
 
それにしても晩餐会と聞いてフランス料理の話だと思っていたら(実際海亀のスープやなんとかデミドフ風などが出てくる)、いい意味で期待を裏切られる。
 
美女の面影を残す中年の姉妹(全然関係ないのに今話題の由紀さおり姉妹の姿がかぶって困った)や若い頃内気だった将軍、自信家の音楽家など、バベット以外の登場人物たちがまた魅力的。
 
設定も物語の初めから30年後に至るまでが描かれていて
100ページ足らずの中に、ただのおとぎ話だと言い切れない深さを湛えたこの本。
 
その内容は、
 
運命的な出会い、
叶わなかった淡い恋、
人生で何かを選ぶということ、
芸術とは?
 
など、ひとつひとつ考え込んでしまうようなセリフや描写が
きれいな点画のように散りばめられていた。
  
物語の終わり、バベットの料理の魔法にかかったかのように、
今までいがみ合っていた老人たちは和解し、
ワインに頬を上気させ幸せな気持ちを抱いたまま晩餐会はお開きになる。
 
パーティの後の静けさ。
雪が一面に広がる星空の下、黄色い小さな家の前に立って人々を見送る姉妹。
 
読んでいる間中ずっと幸福な気分に満たされていた。
人生にはこういう奇跡のような一夜があるから素晴らしい。
ただそれだけではこの物語は終わらない。
力を使い果たし放心したバベットが心の内を打ち明ける。
その言葉は読み終わった後も重石のように残った。
 
デンマーク作家のちょっと変わった温かな物語、
冬が終わる前にぜひご一読を。
 

 

OMAR BOOKS 川端明美




OMAR BOOKS(オマーブックス)
北中城村島袋309 1F tel.098-933-2585
open:14:00~20:00/close:月
駐車場有り
blog:http://omar.exblog.jp
 

NAKAI


 
マクロビオティックのお菓子はメープルシロップやてんさい糖などで甘みをつけているので、ミネラルを削り取った白い砂糖よりも安心ではあるけれど、穀類や芋類、ドライフルーツなど自然の甘みの方が断然いい。
なーんて頭ではわかっていても、メープルや黒糖の濃厚な香り、刺激的な味はやめられませんね。
 
でも、たまには意識的に砂糖的なものを入れないお菓子を手作りするといいと思います。
特に春は排毒の季節なので、砂糖を極力摂らず、体のお掃除ができる食べ物、たとえば味噌や海藻、旬のほろ苦い野草などで冬の間に溜めてしまった毒を出すと夏が過ごしやすくなります。
 
ちょうど今、おいしいサツマイモが出ていますよね。
浮島ガーデンで入荷している「やんばる七色畑ねっとわーく」のタードゥシウムは、特別甘いサツマイモです。
田植えをした後、田んぼの水を抜き、畑の状態にしたところに芋を植えるから「タードゥシウム=田倒し芋」。このやり方だと虫が入らないので農薬をかけずに済むんだそうです。
昔の人の知恵にあふれた栽培法を復活させたのが、大宜味村・大久保川の近くでお米や田芋などを作っている後藤功資さんと典子さん。
 

 
ふたりが作るタードゥシウムの甘くておいしいこと。冬の楽しみのひとつになっています。
 
すでに後藤さんのタードゥシウムは完売してしまいましたが、うれしいことに同じ「やんばる七色畑ねっとわーく」の松田さんが今年からタードゥシウムの栽培をスタート!
浮島ガーデンにも大きな大きなお芋さんをたくさん分けてくれました。
 

タードゥシウムの植わってる姿です
 
タードゥシウムは掘りだしてから1カ月以上寝かせると、甘みがぐっと増すんです。
陽に当てるときっともっと甘くなるんだろうなぁと、ベランダにお芋を置いて、何作ろうかとあれこれ想像するのも楽しくて、待っている間に食べる喜びも増してゆく。ほんとに幸せな気分にしてくれるお芋さんです。
 
自然の恵みと知恵を活かして作られたタードゥシウム。
農薬を使う普通のお芋さんよりエネルギー的にも栄養的にも高いはず~。
そして何と言っても、とっても甘くておいしい!
 
松田さんのタードゥシウム、浮島ガーデンでも販売していますので、レシピを参考に、体リセットおやつを作ってみて下さいね☆
 
「タードゥシウムのピーナッツ和え」

<材料>
サツマイモ  適量
ピーナッツ  適量
ゴマ油 適量
ゴマペースト 適量
塩 少々
 
<作り方>
1) サツマイモを1%の塩をまぶして蒸す。(100gなら1gの塩)
 

 

 

 

 

 
2) すり鉢で細かく砕いたピーナッツをフライパンで軽く炒る。
 

 
3) ゴマ油、ゴマペースト、塩少々をボールに混ぜ合わせ、蒸したサツマイモとピーナッツを入れ、絡めれば出来上がり~☆
(甘みが足りない時はほんの少々の塩を加えて、甘みを引き出して下さい。干しブドウを入れてもいいですね)
 

 

 

 

 

Text by 中曽根直子(浮島ガーデン フードデザイン)




浮島ガーデン
那覇市松尾2-12-3
098-943-2100
open:14:00~24:00
close:火
HP:http://ukishima-garden.com
ブログ:http://ukishima.ti-da.net
 

NAKAI

Day1 

ジャケット:具志川ジャスコ/インナー:ZARA
パンツ:INTERPLANET
バッグ:Ralph Lauren/ブーツ:Nine West

 


ネックレス:プラザハウス

 


ブレスレット:プラザハウス

 

Day2 

パンツ、インナー:ZARA

 


ジャケット:Emporio Armani

 


パンプス:Nine West

 

Day3 

ブラウス:ZARA/パンツ:美浜ジャスコ 

 

 


蝶のネックレス:プラザハウス 

 


サンダル:Nine West

 

Day4 

ジャケット:BENETTON/デニム:Ralph Lauren

 


ネックレス:プラザハウス 

 


バッグ:お母さんからもらったもの

 


サンダル:Nine West

 

Day5 

ワンピース:See By Chloe(あしびなー)

 


ネックレス:T シャツについてきた付属品

 


靴:Chloe

 

 

 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

 

大人になったら、ある程度上質のアイテムを選ばなければいけない気がしていた。
しかしみち代さんのアイテム詳細を見ればわかるように、
アルマーニやラルフローレンといったハイブランドはむしろ少なめ。
ZARAやINTERPLANET、さらにはジャスコと身近なショップ名が並ぶ。
なのにこの素敵さ、統一感。

 

「大切にしているのはサイズ感かもしれません。
ブランドにこだわって、ということはないですね」

 

からだは細身、足も甲が薄く小さめで、ぴったりサイズのアイテムを見つけるのが難しい。

 

「靴を Nine West で買うことが多いのは、デザインだけでなくサイズが合うものが多いからなんです」

 

自分のことをよく知っているのだ。 

 

 

読谷で手づくりの石けんを販売しているみち代さん、
本土で会社員をしていたころは、それこそブランド服を沢山買っていたと言う。

 

「コンサバ系の格好が好きで、当時は今よりずっと服にお金を使っていましたね」

 

そのとき買ったアイテムは、いまだ健在。

 

「ラルフローレンのバッグは沖縄にきたときに湿気でカビだらけに(笑)!
でも、丁寧に拭いて復活させました。
スカーフは20年前から使ってるし、バッグも昔母がくれたもの」

 

物持ちもいいらしい。

 

 

服の好みには少しだけ変化があった。

 

「昔はもっとシンプルだったり暗い色味の服が多かったんです。
明るい色を着るようになったのは沖縄に来てから。
テイストもカジュアル寄りになりました。
開放的な雰囲気に感化されたのかもしれませんね」

 

 

 

安いから、という理由だけでは買わない。
でも自分に似合うなら、素敵なら、安さは気にならない。

 

どの店でいくらで買ったかなんて、愛用歴には一切関係しない。
ブランド名もタグも値段も、なんのガイドにもならない。
唯一のガイド、それは自分。
自分という軸さえ揺らがなければ、コーデにも生き方にも迷いは生じない。

 

みち代さんの営むお店は、当ウェブマガジンにて近日ご紹介予定。
美しい人のつくる石けんは、やはり美しい。ご期待ください。 

 

写真・文 中井 雅代

 

 

NAKAI


 
2/18封切り。
 
私の誕生日なので、ずいぶん前から、封切り日に観ようと決めていた。
 
この作品を選んで良かった。
 
後半は涙がとめどなくあふれました。もう止まらない!!!号泣もいいところです。
 
家族を突然亡くすというのはとてもつらいこと。この手の映画はやっぱりいつもいろいろ思い出して泣いてしまう。
 

 

 
スティーヴン・ダルドリー監督とは相性がいいようで、どの映画も心に突き刺さる。
 
そして、少年の描き方が上手い。
 
主演のトーマス・ホーンは、いわゆる素人で、アメリカのクイズ番組出場がきっかけで、この映画に大抜擢。
 

 

 

 
この並はずれた頭の良さは、この経歴を聞くと納得。一見女の子なのでは?と思うほど、美しいルックスである。そしてこの役にぴったり。
 
一体何がこの家族に、この少年が起こったのか??それが、いろんな角度から、いろんな時間軸でみせてくれます。
 
この映画、色彩も綺麗です。
 

 

 

 
9・11…たくさんの人々が犠牲になりそのまわりの人々の運命をも一度に変えてしまった。
 
今、またそのことを再び考えさせられます。
 
日本でも昨年の3・11の悲劇があり、今、一体皆はどうやっていきていけばいいのか、どうやって現実をうけいれればいいのか、と本当に考えさせられる出来事が多いのです。
 
オスカー少年は、父親の残した鍵の意味を探し続ける。
 
亡くなった父親の死を受け入れられず、自分だけで秘密を抱え、母親とも疎遠になってしまう。
 
鍵の入っていた封筒に書いていた「Black」という言葉をヒントに、Blackという苗字の家を片っ端から回る。
 
みんなえらく親切だな、と思っていたら、やっぱりその裏には母親の大きな愛があった。
 
ここで涙が止まりませんよ。
 
話をすることをやめてしまった、おばあちゃんの部屋の同居人。
 

 

 

 

 

 

 
この老人と一緒に、鍵穴を探すことになるオスカー。ここにも家族の愛があります。
 
9.11以来、オスカーが苦手になってしまった多くのことを、克服していくことにもなります。
 
トム・ハンクス演じる父親が素晴らしく、だからこそ、このお話が成立する。
 

 

 
NYでの悲劇はつらいものですが、美しい映像でNYを描き出してます。
 
やっぱりテーマは家族の愛と絆、今、もう一度、私たちが一番必要としていて、また、大切にしたいものです。
 
演出、映像もさることながら、やはり適材適所の役者の好演が光ります。
 
是非、ごらんください。

 

KEE




 
<ストーリー>
911の同時多発テロで、大切な父(トム・ハンクス)を亡くした少年オスカー(トーマス・ホーン)。ある日、父の部屋に入ったオスカーは、見たことのない1本の鍵を見つける。その鍵に父からのメッセージが託されているかもしれないと考えたオスカーは、この広いニューヨークで鍵の謎を解くため旅に出る。
 
大好きな父親を911のアメリカ同時多発テロで亡くした少年が、父親の残した鍵の謎を探るべくニューヨーク中を奔走する姿を描く感動ドラマ。ジョナサン・サフラン・フォアのベストセラー小説を、トム・ハンクスとサンドラ・ブロックという二人のアカデミー賞受賞俳優の共演で映画化。『リトル・ダンサー』『愛を読むひと』の名匠、スティーヴン・ダルドリーが監督を務める。鍵穴探しの旅で父の死を乗り越え、力強く成長する少年には、映画初出演のトーマス・ホーンを抜てき。ダルドリー監督の繊細な演出と俳優陣の演技が感動を呼ぶ。  
 
<キャスト>
トーマス・ホーン
バイオラ・デイビス
トム・ハンクス
ゾーイ・コールドウェル
ジェフリー・ライト
ジョン・グッドマン
サンドラ・ブロック
トーマス・ホーン
マックス・フォン・シドー
 
<沖縄での上映劇場>
シネマQ
098-951-0011
那覇市おもろまち4-4-9 那覇メインプレイス2F
HP:http://www.startheaters.jp/cinemasq
 
MIHAMA 7 PLEX+ONE
098-936-7600
中頭郡北谷町美浜8-7
HP:http://www.startheaters.jp/mihama7plex

NAKAI

<対談メンバーデータ>
ノゾミ  42歳、人工授精6〜7回目。体外受精を検討中。
ラン   35歳、タイミング療法で経過観察中。
イチコ  33歳、第二子不妊中(第一子は3歳)
 

 
ラン 私は34歳で結婚してまだ半年なんだけど、年齢的にすぐにでも産んだ方がいいと思ってて。だけど生理も不順だったからまず産めるのかな?って思って病院に行ってみたら、何回行っても「あれ?排卵してないですね」って。そのうち不正出血もしたりして。
それで今はずっと「タイミング療法」を試してる。基礎体温つけて排卵してるかどうかを定期的に病院でチェックして。結婚したのが去年の6月で、翌月くらいからずっと通院してる。
いつ排卵するかわからないから、1週間とか開けちゃうとタイミングのがしちゃうかもしれなくて、最近は3〜4日に1回。毎回エコーで検査してる。
 
イチコ 3〜4日に1回って結構頻繁だね。
 
ラン そう。でも、それで妊娠に近づけるなら全然平気。
仕事も土日休みじゃなくて平日休みが多いから、そういう点でもありがたいと思ってる。
 
ノゾミ 私も結婚が遅くて35歳。割とのんびりしててそんなすぐに子どもが欲しいとも思ってなかった。38歳くらいになって主人と「なんかできないね」「ちゃんと診てもらったほうがいいんじゃないか?」って話になって。それで診てもらったら主人も私も別に悪い所はなくて、私もタイミング療法をやってたんだけど、途中で通院するのやめちゃって。
 
ラン え、なんで?
 
ノゾミ 病院が自分に合わない感じがして。患者さんがすごく多くてとにかく数をこなしてるって感じで、説明もあんまりないの。
病院を変えたら割と良くて、それからちゃんと通うようになって。
だけど、私の年齢が年齢だからどちらかというと先生が焦ってる感じで。40歳過ぎると妊娠の確率がすごく低くなるっていうでしょ? 42歳だとさらに下がってくるから、とにかくタイミング合わせて人工授精しようって。
 
ラン じゃあ、人工授精を始めたのは・・・
 
ノゾミ 40歳手前だったかな。
 
イチコ 私のまわりで人工授精までやってるのはノゾミだけだな。
 
ラン 私も。不妊治療してる人は多いんだけどね。
 
イチコ 私はいわゆる「第二子不妊」ってやつ。30歳で一人目が普通にできたから二人目も大丈夫だろうと思ってたらできなくて。一人目が二歳になる前くらいからがんばってるけどできないんだよね。
しかも、最初は余裕かまして産み分けまでしてたわけ。男の子が欲しいんだけど、そうなると排卵日当日に頑張るべしっていうのを読んで、「グリーンゼリー」買ってその日だけ頑張ってた時期も長かったから、そうなると必然的に妊娠の確率も低くなってたと思うんだよね。
 
ノゾミ ねえねえ、グリーンゼリーってなに?
 
イチコ 膣内をアルカリ性に近づけるゼリーで、事前に注入するのね。そしたらY精子が有利な状態になって男の子が生まれやすい状態になるらしい。
 
ラン それっていくらくらいするの?
 
イチコ たしか、4回分くらいで8,000〜12,000円とか。
 
ノゾミ 結構するんだね!
 
ラン 本気の産み分けだ(笑)。
 

 
– – – 沖縄では早生まれが不人気? 
 
イチコ そう、めっちゃ本気!だった。ほらうち、旦那さん長男だし。それで最初は「女の子ならもういらない」くらい思ってたんだけど、なんせ妊娠自体しないからだんだん焦ってきちゃって。
しかもうちね、お姑さんも主人も「早生まれはあんまりよろしくない」っていう話をよくしてて。
 
ノゾミ ラン へ〜!
 
イチコ 早生まれを避けるためには12ヶ月のうち3〜4ヶ月は子づくりできないでしょ。それって1年の3分の1だよね。だからさらに確率が減るっていう。
そうこうしてるうちになんか色んなことに疲れてきちゃって。
 
ノゾミ あー、わかる。
 
イチコ だんだん「産み分け以前にまず妊娠だ!」って気持ちになって。それなら大丈夫だろうって高をくくって去年から励んでるけどそれでもできなくてさ、1年くらい。それでようやく「あ〜、基礎体温、さぼらずちゃんとつけなきゃ」って。そんな低レベルの頑張りなんだけどさ(笑)。
子どもが今3歳なんだけど、保育園の同じクラスで一人っ子ってうちだけなんだよね。今できてもギリギリ4歳差・・・とか思うとまた、焦ったりもする。
 
ノゾミ そだね、まずは基礎体温つけないとね。
 
イチコ 私さ、月経周期とかすべてアプリで管理してて、アプリの排卵予測日に励んでたの。でも、ある人から「基礎体温でばっちり排卵日がわかったら、その日に頑張って一回で第二子ができたよ」って人がいて。それが20代とかなら「若いから自分とは違う」なんて思うけど、私と同い年だったわけ。それ聞いて「やっぱり基礎体温だ!」って、今更なんだけど(笑)。アプリじゃね、所詮「予測」なわけで。
それにしても4歳差になるとしても、残す所あと2回しか励めないわけ〜。じゃないと早生まれになっちゃう。。
 
ノゾミ え〜、早生まれでもいいよ〜。
 
ラン お姑さんにいろいろ言われちゃうのがつらい?
 
イチコ うーん。主人も同じ考え方だからね〜。
 
ラン でも、実際産まれたらどうでもよくなるとおもうけどな〜。自分の孫だもん。
 
イチコ そうかもね〜。でもさ、この早生まれに対する考え方、沖縄では結構よくきくんだよね、世代を問わず。沖縄県外出身の実母にこの話をすると目を丸くするんだけどね〜。
 
ラン うんうん、私も沖縄に来てからその話きいたことあるよ。うちのお姑さんも早生まれを避けて子どもを産んだって。それ聞いて「え〜!」って私はびっくり。
 
ノゾミ そもそも、なんで早生まれがいやなのかな?
 
イチコ お姑さんと主人曰く、引っ込みじあんになる子が多い気がするって。大きくなったら生まれ月なんて関係ないけど、小さいときって月齢で差が結構大きくでるでしょ?そういう小さいときに自分への自信がつきにくい、っていうことみたいよ。私はどちらでもいいんだけどね。
 

 
– – – 旦那さんも家族も協力的 
 
イチコ旦那さんって、治療に協力的?
 
ラン うん、うちは完全に治療賛成派。はやく子ども欲しい、しかもいっぱい欲しい!っていう人だから、「ぜひ行って行って〜」って感じ。
そのぶん、診察結果を話しづらかったんだよね、だって排卵してないかもって話だったから。だけど、すごくちゃんと聞いてくれたの。排卵してないかもって話もだけど、それから何度も病院通ってても、毎回「どうだったの〜?」てさらりと聞いてくれるから言いやすい。
 
イチコ おお、優しいじゃん!
 
ラン そう。そして、旦那さんもすごく子どもが欲しいんだな〜って再確認。
 
イチコ すごく欲しいだけに治療中に奥さんを責める旦那さんんもいそうだけど、ランの旦那さんは違うね。
 
ノゾミ 責められたらつらいね〜・・・。
 
イチコ 男の人ってイメージだけでいちゃもんつけたり難癖つけたり、心ない言葉を奥さんにぶつける人もいるって聞くから。ノゾミのご主人はどお?
 
ノゾミ うちは「別にできなくてもいいんじゃないか」って最初から。「二人で色々なことしながらまったり生きていければいいから、別にできなくてもいいよ」って言ってくれてて。うちの両親もむこうの両親もあんまり言わないの。言われたらすごくプレッシャーでつらいだろうなって思う。私が6つ上で歳が離れてるっていうのもあるんだけど、義両親もなんとお義母さんがお義父さんより6つ上で。
 
ラン え〜!(笑)
 
イチコ なんたる偶然!!
 
ノゾミ そう(笑)。だから私の気持ちがわかるみたい。お義母さんも高齢で出産されてるし。そういうプレッシャーがないのはありがたいよね、全然違うと思う。
 

 
– – – すべてを話せば周囲も変わる?
 
ラン ねえねえ、私実はさ、それをプレッシャーだって思ってなくて。
 
イチコ というと?
 
ラン 「はやく子ども作った方がいいよ」「まだできないの?」って言われても気にならないの。結婚してすぐの頃、義父に「はやくこども作った方がいいよ」って言われたのね。男性からそういうこと言われるの絶対抵抗があると思ってたんだけど、実際言われてみると「そりゃそうだよね」って。
 
イチコ 納得したんだ。
 
ラン そう。「本当に私もそう思います」みたいな。実母からも「大丈夫?早い方がいいよ」って言われても「そりゃそうだ」って(笑)。だからプレッシャーとは感じてないかな。
でも、いざできないってことがわかったら、その時どう説明しようかなとは思う。そっちのプレッシャーの方が強いかも。期待させてるのも悪いし、きちんと話さないといけないし。子どもが欲しいと思う気持ちよりも孫が欲しいって気持ちはもっと強い願望かもしれないから。
 
イチコ プレッシャーってさ、誤解されてる夫婦に多い気もする。例えば、不妊について1から10まで全部はまわりに説明してなくて、まわりからは「この夫婦はいま作る気がないのかな?」って誤解されてて、「早い方がいいよ」「も〜!こっちは頑張ってるのに!そんな無神経なこと言わないで!」っていうパターンはよく聞く気がする。
だけどちゃんと説明して、例えば「どうやら今は排卵してないみたいなんだ」とか「ずっと病院通ってて今こういう治療してるんです」って言えば、まわりの対応も違って来るとおもうけど、その辺は本人達がどれだけまわりに話すかっていう価値観にもよるもんね。
 
ノゾミ 確かに。うちは何でも話してる。「今こういう状況で」って。妊娠できたらすごい喜んでくれると思うけど、まわりも「できたらできたで嬉しいけど、まあ、頑張ってよ〜」って軽い感じ。だからこっちも「じゃあがんばるねー」って軽いスタンスでいられる。
 
ラン とっても良い関係だね。
 
ノゾミ そうだね。怒られたりもないし「是が非でも跡取りを〜」っていうのもないし。そういうのまで言われちゃうと大変だろうね。
 
イチコ 私もずっと言われなかったんだけど、そういえば最近親戚に「正当継承者、そろそろ頼むよ〜」って言われたよ(笑)
 
ノゾミ すごい!(笑)
 
イチコ 長男だからね〜。でもその一言のあと「こんな言ってプレッシャー感じないでよ」って付け加えてくれてたから、こういうのはあんまり言うべきじゃないっていう今の風潮を知ってくれてるんだろうね。
でも、私たち三人とも年上女房ってやつじゃん?だからもし、「もっと若いのと結婚してれば・・・」って言われちゃうと・・・。
 
ラン わ〜、それはね〜・・・。
 
ノゾミ 返す言葉がないよね。
 

 
– – – 子孫を残せなくてもできることはあるから
 
ラン うちも長男だけど、ありがたいことに弟が3名いるからね。私が子孫を残せなくても誰かしらが残してくれると思うし、子どもができなくても私たちの世代でできることはやろうって思ってる。
 
イチコ ラン、偉い!子どもだけ産んで「これで役目は終わり〜」って思う人よりずっと偉い!!・・・私、そうなりそう(笑)
 
ラン(笑)こればっかりは自分じゃどうすることもできない部分もあるからね。でもさ、「もっと若いのと結婚していれば・・・」って言われたことはないけど、自分でちょっと思ったことはある。
 
イチコ まじ?!
 
ノゾミ わかる。今からでも子ども欲しかったら他の人にしたほうがいいんじゃないかなって思う、私も。旦那さんが可哀想な気がして。
 
ラン そうそう。
 
イチコ でも、本心から別に子どもはいなくてもノゾミと一緒にいられたらいいって言ってるんじゃないの?旦那さん。
 
ノゾミ そうなんだけど、でもやっぱり欲しいはず。子ども好きだし。友達の子どもとかくるとすごい喜んでるの。そういうの見ると申し訳なくなっちゃう。
 
ラン その点でいうと、うちの旦那さんは自分で子育てしたいっていう気持ちが強いみたいで、育児休暇とって自分が育てるって結婚前からずっと言ってたみたいで。旦那さんのもあいでそういう話を友達からきいちゃってさ〜(笑)。
 
ノゾミ 旦那さんの夢を叶えたいって思うね。
 
ラン そうなの。その「子育て願望」を叶えたい。
 

 
– – – しっかり説明してくれる先生希望!
 
ラン 今ね、主人の勤務先が北部なもんだから、北部の実家から通ってるの。だから金曜日の夜に私の家にきて週末一緒に過ごして、月曜の朝にうちから出勤するっていういわゆる「週末婚」。だから、今排卵してますって言われても来れないことがあって。
でも、今はまだきちんと排卵してないから焦る必要もなかったんだけど、4月に那覇に転勤する可能性が高いから、そうなったら排卵誘発剤を先生から勧められてて。
 
ノゾミ お、次のステップだね。
 
ラン それでさ、私も最近先生の診察にちょっと不安があって。誘発剤使ったほうがいいって言われた日に、帰宅してから「排卵誘発剤、副作用」って調べたらやっぱり色々あって、逆に排卵しづらくなる可能性があるって書かれたページもあったのね。それを次の診察時に先生にきいてみたの。そしたら「みんな使ってるから大丈夫」って言われちゃって。
 
ノゾミ えっ?!
 
イチコ それって・・・私たちのお母さんレベルの説明じゃない?
 
一同笑い
 
ラン そうなの!さらに深い説明があるべきだと思うんだよね。これじゃ安心できなくて。
 
イチコ 病院替えようとは思ってないの?
 
ラン 今検討してるんだよね。今通ってるところは職場の友達からもよく聞く病院だったんだけどね。女医さんだから行きやすいっていうのはあるんだけど。
 
ノゾミ 男の先生だと最初はちょっと行きにくいところはあるかもしれない。
 
ラン さばさばした性格の女医さんでそこは長所でもあるんだけど、親身になってくれるっていう感じじゃなくて・・・。まあ病院のお医者さんに「親身になって」っていうのも無理な話なのかもしれないけれど。
 
ノゾミ お医者さんからしたらすごい患者数の中の一人だろうしね。でも私も同じように感じてたことあるよ。薬を処方されても詳しい説明きけないから家に帰って自分で調べたり。
今の先生はまだちゃんと答えてくれるんだけど、前行ってた病院の先生は尋ねるとちょっと怒るときもあって。
 
ラン イチコ 怒る?!
 
ノゾミ うん。「いいでしょ、そんなの!」みたいな。男の先生だったんだけど。それでいやになって。
 
イチコ 怖いよ〜。
 
ノゾミ 1時間も2時間も待ってやっと治療と思ったら先生が「はやく次のひと次のひと」っていう感じでね。だから、人気っていうだけで病院を選ぶのもちょっとどうかな?って思うね。説明はきちんとしてくれるところがいいな。
 
でもね、病院ってやっぱり一度は行った方がいいなあと思う。身体に向き合うことができるし、思いがけないことが見つかったりするから。
 

 
– – – 子どものいる幸せ、夫婦ふたりの幸せ
 
イチコ 子どもをもたない可能性って考えたことある?
 
ノゾミ うちはタイムリミット近いからね〜。
 
ラン 私は子どもができなかったときにショックじゃないように色々対応策を考えてる。もし子どもがいなかったらこんなに楽しい事ができる!みたいなシミュレーションをするの。自由にお金をつかって〜旅行もばんばん行って〜良い車のって〜マンション買って〜とか(笑)。養育費いらないぶん二人で楽しんで、関係性もずっと恋人同士みたいなかんじで楽しもうって。犬飼おうかな?とかね(笑)。
 
一同笑い
 
イチコ それは一人で考えてるの?
 
ラン 基本的には一人で考えてるけど、旦那さんに話した事もあるよ。「そうだね〜」って言ってたな。
 
ノゾミ うちは主人が自営業だから「仕事が子ども」っていう感じもお互いにあって、ふたりで色々やって仕事をつくりあげていったり、仕事を介して色んなひとと付き合ったりもできるだろうから、そうやって楽しんでいこうねっていう話はしたことある。でもやっぱり子どもがいるほうが人間的にも成長するんだろうなって思うこともある。
 
イチコ 普段からこういう話をしてるの?
 
ノゾミ うん。こういう話だけじゃなくていつも色んなこと話すから、自然とこっち系の話になったりもする。
 
イチコ 私、一人子どもいるでしょ?でも、「子どもっていいよ〜」とは思うけど「子どもいる幸せ知らないのは勿体ないよ〜」とはまったく思わないのね。
 
ラン え?そうなの?
 
イチコ うん。ランもノゾミも今旦那さんとすごく仲がいいでしょ?私も出産前すごくラブラブでバカップルだったのね(笑)。産後の今も仲は良いんだけど、夫婦の関係性ががらっと変わった。パートナーっていう1対1の関係っていうより、チームになったっていうか。自然と子どものことについて考えることが多くなるわけじゃない?それでラブラブ度が下がるっていうのとはまた違うんだけど、子どもを持つことで手放したものもあるのね。時間とかお金とかじゃなくて夫婦関係においてって意味で。だから、もし子どもがいなかったら、あの時の関係性がずっと続いて、今とはまた別の形の幸せがあったんだなって思う。今は今でもちろん幸せなんだけど。だから、子どもがいない=幸せが足りてない、とはまったく思わない。
 
ノゾミ へ〜、そっかぁ〜。
 
イチコ もちろん中には「子はかすがい」ってやつで、産前より産後の方が仲良しになったっていう夫婦もいるだろうけどね。
 

 
– – – 人口受精と体外受精、子どもができる確率は?
 
イチコ 不妊治療で苦労してることはある?
 
ノゾミ 苦労はないかな。排卵のタイミングにいろんなことを合わせて生活しなきゃいけないのがちょっと大変かも。それは主人も同じなんだけど、体調管理もしなきゃならないし。そういうのが面倒くさくなってくるってのはあるかな。
 
イチコ 費用的にはどう?
 
ノゾミ 私は人工授精をやってて次で6回目か7回目なんだけど、一回13,000円くらい。
 
ラン 思ったより高くないんだね。
 
ノゾミ そうなの。人工授精って名前はすごいハイテクな感じがするけど、実はそうでもなくて、タイミングに合わせて精子を病院に持って行って、それを中にいれてもらって、卵とくっつきやすいようにしてもらうだけ。
 
ラン 卵を取り出して、っていうのじゃないんだ。
 
ノゾミ うん。それは次の段階。体外受精だよね。そうなるとお金がすごいかかっちゃう。でも先生が、私は年齢が年齢だからもうそっちに進んだ方がいいんじゃないかなって言ってるんだけど、それでもできる確率は5%って。人口受精は10%。
 
イチコ えっ?!
 
ラン 人工授精の方が確率高いんだ?
 
ノゾミ そう。私が40歳を超えてるっていうこともあるしね。私の年齢で体外受精でできる確率がそれくらいみたい。
 
イチコ 都道府県によっては補助がでるってきいたんだけど。
 
ノゾミ うん、沖縄も出る。でもものすごい金額がおりるわけじゃないんだよね、一部だけ。
 
ラン そういうとこ、もうちょっと国や都道府県が考えてくれるといいな〜って思うね。
 

 
– – – 夫婦の足並みがそろってさえいれば
 
ノゾミ 体外受精を一度やってみてもいいんじゃないかって主人はいってくれてる。でもだめだったらもういいかなって話はしてる。
 
ラン うちは、排卵誘発剤つかってできなかったら、一度仕事を辞めるっていうのもありかなって。
できることからやっていくつもり。いくら怖がってても年齢っていうリミットもあるから、先生が提案する新しいことは少し抵抗があってもチャレンジしていかなくちゃいけないのかなって。今しかないっていう気持ちもある。例えば10年後とかってできないからね。でも、それをまたプレッシャーに感じずにやっていいきたいけどね。
 
ノゾミ だって、諦めたとたんにできたって話よくきくもんね。
 
一同大きくうなずく
 
イチコ 私さ、最近旦那さんに、「来月できなかったらもう上の子との差が5歳になっちゃうよ」って言ったの。そしたら「そっか〜。でも、それなら最初からそう決まってたんだよ!」って。
今までたくさんの友達から何度も何度も「できたときが授かり時なんだよ」って言われてきたけど、その時はまったく響かなかったのね、心に。頭ではそうだって思ってても納得できてなかった。だけど、パートナーに言われるとストーンと腹に落ちてさ。ほっとしたっていうか。「そっか。このひとがそう言うならいいか」って。それで安心してプレッシャーなくなったからできるかな?!と思いきや、翌月もできなかったんだけどね(笑)。
だからもう、歳の差とか気にしないでとりあえず仲良く夫婦生活を続けてみる。って感じかな。
 
妊娠ってさ、もともとは夫婦の問題じゃない? 両親とか出てくることが多いけど、すべて夫婦で決めればいいと思う。夫婦で話し合って足並みがそろっていれば、子どもができた、できない、あきらめる、あきらめない、どっちでもいいと思う。そこさえきちんと押さえておけば。
 
ノゾミ そうだね。夫婦で決めて、お互いを守り合うのは大事だよね。プレッシャーを与える人が仮にいたとしても旦那さんがちゃんと話してくれたり、自分たちで決めた事だからあまりそういうことはいわないでって言えたらいいな。
 
イチコ 奥さんが責められてるのに見てみぬふりする旦那とかいやだよね。
 
ラン 超やだ〜!
 
イチコ でもいると思う。
 
ラン うん、ほとんどそうじゃない?
 
イチコ 俺関係ない、みたいなね。
 
ノゾミ でも不妊の理由が男性にあることの方がむしろ多いんだよね。
 
イチコ そうらしいね。私の旦那さんの職場も多いよ、そういうパターン。
 
ノゾミ うち、人工授精してるから旦那さんが毎回精子を持っていくんだけど、やっぱり疲れてる時はすごい精子の運動量が悪いし、数も少ないの、全然違うよ。ストレスとかもよくないって、旦那さんに対して。
 
ラン わ〜そうなんだー。この話、うちの旦那さんにもしよう。疲れないようにしてねって。お小遣いの額、ちょっと上げようかな(笑)。
 

終わり

 

NAKAI


須賀敦子・著  筑摩書房 ¥1,680/OMAR BOOKS
 
―頼りない海を漂う私たちの、羅針盤としての本 ―
 
いい本を読むと人に薦めたくなる。どうしてだろう?
 
ここで言う「いい本」とは心を動かされた本という意味。
読んで面白かったら面白かったで胸の内に閉まっておけばいいのに、
ついつい周りにそれを言わずにいられない。
それはその本を読んだことが少なからず、
何かしら心の支えになることがあると経験上知っているから。
決して即効性はないけれど、数日後、あるいは何十年後かもしれない。
ふと何かの折、昔読んだ本の記憶が蘇ることがある。
主人公のセリフや、遠い外国の美しい情景、短い詩。
平凡に続く毎日の中で、ちょっとした嫌なことや哀しいことがあったときに、
それらは心に小さな明かりを灯もす。
  
今回紹介するのは、イタリアの文学を日本に紹介し、文筆家としても人気が再燃しつつある著者の、自身の本にまつわるエピソードを集めたエッセイ集『遠い朝の本たち』です。
彼女が幼い頃に出会った本たち。
その本に出会うことになったきっかけや、
その本を読んでいた頃の家族や友人との思い出が端正な文章で綴られている。
 
作家としてはデヴューが遅かった彼女の最晩年に書かれた本なのに、
昔の話をよくもこう憶えているなあと感心してしまうほど、その記憶の描写は鮮やかだ。
 
「ベッドの中のベストセラー」というエッセイの中では、
狭い部屋に持ちこまれた大きなフランスベッドの上で
妹と一緒に寝転がって読みふける小さな著者の姿が目に浮かぶ。
読んでいて私もまた小学生の頃、
当時買ったばかりだったスプリングの利いたベッドにうつ伏せた姿勢で
シャーロックホームズ全集を夢中になって読んでいた頃を思い出した。
それはもう我を忘れてその世界にどっぷり浸かっていたと思う。
とても幸福な時間。
この本を読んでいると、つられてするすると自分の記憶の本たちが引き出されてくる。
 
また紹介される本がとても魅力的に書かれていて「海からの贈り物」(アン・リンドバーグ著)や「星の王子さま」のサンテグジュペリのくだりは紹介文それ自体が美しい内容。
 
一つのエピソードがごく20ページ足らずという中に
とても贅沢な時間が流れている。
 
きっとこれらの本は、長く外国に暮らし、イタリア人の夫に先立たれた彼女の決して平坦ではなかった人生を支え続けてきたのだろう。
 
いい時も悪い時もある、不確かな頼りない海を漂う私たち。
どこに向かっているか分からない時、本は時折り羅針盤の役割を果たしてくれる。
 
いつのまにかささくれだった大人の心に
じんわりと沁み入る良質な一冊です。
 

OMAR BOOKS 川端明美




OMAR BOOKS(オマーブックス)
北中城村島袋309 1F tel.098-933-2585
open:14:00~20:00/close:月
駐車場有り
blog:http://omar.exblog.jp
 
 

NAKAI


春菊は若いうちに摘むべし
 
自家菜園を持っている方って結構いらっしゃるのでしょうか。
私はどうもこういった土仕事が得意ではなく外野な方におりますが、
とても身近に新鮮な食材を味あわせてくれる存在があります。
 
トレジュールの裏には母プロデュースの畑があります。
よく言えば自然な、少し悪く言えば適当にも見えるその畑は、
決して“おしゃれな畑”ではない、いわゆる趣味の畑であります。
 

来週には収穫できそうな、ほうれん草。
同じく若いうちに積むべし

 
おくら、なす、冬瓜(シブイ)、バジル、ゴーヤー、へちま、きゅうり、
パパイヤ、春菊、サラダほうれん草、ねぎ、にら、アセロラ、
パッションフルーツ、バンシルー(グァバ)、等、
季節にもよりますがこんなラインナップがそろっています。
 
今は春菊とほうれん草の収穫時期。
どちらも過熱してもいいけれど、もったいないのでサラダとして生で食べます。
やわらかく、とても優しい舌触りです(むしゃむしゃヤギのようにほおばります。)
 

 
母はいつもこう言う。
「美味しいものを食べたいと思ったら自分で作るしかないのよー」と。
あまりにもごもっともな意見だと思うと同時に、
実際に自分で作るとなると畑の確保や土の準備、
講習を受けては実践して、自分に合ったスタイルを探して、
それに毎日の手間暇等、ずっと見ているわけではないが
結構な労働(私にとっては)ということを想像する。
(これを商いとしている方々にはただただ感服であります)
しかし本人は楽しそう。
ああ、趣味がゆえと納得する。
食いしん坊がゆえの原動力とも同時に思う。
 
はっきり言ってあまり姿のよろしいものではない母の畑。
はたから見れば、もうちょっと手を入れては?と口を出したい気持ちにもなりますが、
どうやら本人との足並みはそろっている様子。
自然体、上等だなあと感じる。
 

せっかくなので土を感じる城進さんの器載せてみる
 
美味しい食材を目の前にした時、それをどうにか料理した時、
「さて、今日はどの子(器)に盛ってみようか。
 
日々の些細な瞬間ですが、気分が上がるのを感じます。
うまく言えないけれどこういう感情が潤いであり、大事なことなのでしょうね。
どちらかに偏りがちな「目で楽しむ」「舌で味わう」。
毎日とは言わないまでも、「両方を時々取り入れてみる」を
これからも続ける。
 
写真・文 占部 由佳理(tous les jours店主)


 
tous les jours(トレジュール)
那覇市首里儀保町2-19
098-882-3850
open:水~土
12:00-18:00
(変更あり。毎月の営業日をブログでお知らせしております。)
blog:http://touslesjours.ti-da.net


関連記事:ひとつ先のくらしを提案するtous les jours(トレジュール)

NAKAI


Day1 

シャツ:JEANASIS/パンツ:LOWRYS FARM
 

靴:ミネトンカ
 

ベルト/ハンジロー
 
Day2

チュニック:mystic/パンツ:LOWRYS FARM
パンプス:フリークスストア
 

 

Day3 

ワンピ:mystic
花柄レギンス:LOWRYS FARM
 

靴:LOWRYS FARM
 

 
Day4

Tシャツ:ZARA/青シャツ:H&M 
レギンス:JEANASIS
 

モカシン:
Favori
 
Day5

ストール:LOWRYS FARM
 

ニットワンピ:LOWRYS FARM/スキニーパンツ:moussy
パンプス:フリークスストア
 
Day6

シャツ:mystic/ショートパンツ:LOWRYS FARM
 

 

靴:ミネトンカ
 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

 
元気なショートデニムに短い丈のチェックシャツ、
柄ものTシャツにケミカルウォッシュ風レギンス、
ストライプシャツにはワイドパンツ。
 
ちょいマニッシュな着こなしがショートヘアーにピッタリの彼女は、
ガーリーアイテムにも男子風味をプラス。
 
ふんわりワンピやチュニックには、
すっきりデニムやメンズライクな靴を合わせて。
 
自分に似合う服をよく知っているから、
シック、アメカジ、ナチュラル、エスニック・・・
どんなテイストでも、アイテム選びと組み合わせの妙で
ピタリ、彼女にハマるコーデを導き出せる。
 
春というと花柄、シフォン、ふんわり・・・と
フェミニンテイストを連想しがちだけど、
今年はこんなマニッシュテイストもミックスさせてみては。
 
仕事着シャツやレースアップシューズなど、
手持ちのアイテムも十分活用できる。
 

写真・文 中井 雅代

 

NAKAI

レシピ連載、「幸せを呼ぶ☆島やさい料理」も大人気の浮島ガーデンで
美味しいベジ弁当の販売が始まりましたよ〜☆
 

 
一番人気の「ベジタコライス」
雑穀と丸富豆富さんの島豆富で作ったタコミートは絶品!
緑のお野菜もぎっしり敷き詰められてます。
たっぷりのせられたアーモンドスライスもうれし〜☆
 

 
「島やさい天丼」
大きな天ぷらが二つも!
揚げ物好きな私はまずはこれを食べてみたい〜〜☆
 

 
「オーガニック・スパイス・カレー」
オーガニック・スパイスを一から調合したという、
とろとろのカレーがめちゃくちゃ美味しそう!
島野菜もたっぷり入ってます。
 
(以上3種類のお弁当はいずれも550円、
お店に取りに来ていただく場合は500円)
 

 
「浮島スペシャル」(850円)
島やさいのコロッケ、天ぷら、ゴーヤのつくね…
浮島ガーデンの「おいしい!」が詰め込まれた豪華弁当☆
ボリュームたっぷりでも、
ベジ料理だからヘルシーなところも嬉しい。
 
 
西表で25年間無農薬・無肥料で栽培されている「安心米」と赤米を使用、
また、野菜もすべて無農薬。
醸造された味噌・醤油、粟国の塩、一番搾りの菜種油・ゴマ油を使っています。
 
しかもこのお弁当、
自分で取りに行くなら23時まで受け付けしているとのこと!
疲れて夕飯を作りたくないとき、
身体に優しいものをおうちでゆっくり食べたいとき、
電話一本でヘルシー&絶品弁当を作ってくれるので、
あとは受け取りにいくだけ☆
 
働く女性、忙しいママさんにもお勧め♪ 
 
 
宅配エリアは那覇市内のみ。
久茂地・おもろまちエリアなら3個から、
それ以外の那覇市内なら10個から配達可能☆
(その他の地域でもご相談ください☆)
 
注文受付:前日の18時まで
配達日:月曜日~金曜日
配達時間:午前11時~12時
 
<自身で受け取りの場合>
注文受付:11時〜23時(当日注文も可)
(表示料金からすべて50円引きになります)
 
*ご予約 TEL098-943-2100



浮島ガーデン
那覇市松尾2-12-3
定休日:火(お弁当の配達のみ、火曜日も受け付けています)
HP:http://ukishima-garden.com
ブログ:http://ukishima.ti-da.net
 
☆お弁当のほか、オードブル、ケータリングも承っております。
お電話にてご相談くださいませ。
 

 

NAKAI


 
デヴィッド・フィンチャー、またまた素晴らしいです。
 
オリジナルの「ミレニアム」3部作も読んでないし、TVシリーズも観てないけれども、ほんと、すごい。
お話はオリジナル観てない私には、難解でしたが、
スタイリッシュな映像と演出にたちまち引き込まれます。
 
お話が、どんどん進んでいくのですが、
とにかくついていくのに結構一生懸命です。
ミカエルとリスベットのチームワークが大変小気味いい。
 

 

 
ルーニー・マーラ、「ソーシャルネットワーク」で主人公を振って、
Facebookを立ち上げるきっかけをつくったエリカ役を演じていましたが、
全く面影ありません。
予告観たときから、全然気がつきませんでした。
 

 

 

 

 
実にすばらしいです。脱ぎっぷりも見事です。
やせてますが、バランスのいい肉体の持ち主。
「ソーシャル…」でブラのサイズをいろいろ言われていたことを、今作を観ながら思い出してしまいました。
 
しかし、性的暴行などを受けるシーンなどいろいろありますが、
その男がかなりむかつく。
報復も見事ですが、あれじゃ全然足りない!!!
 

 
それにしても、日本にくると、
やたらめったらヌードシーンにモザイクがかかるので
なんだかとっても興ざめです。
 
ダニエル・クレイグは、やっぱりSEXYです。
メガネかけてるところも、何やっても素敵。
 

 

 
謎ときとしては、見せ方がやはり上手いと思いました。
そこよりもたたみかけるような映像と展開に、目を離せなくなるのです。
音楽もいいね。オープニングから、とにかくかっこいい。
 
ミステリーなので内容は詳しく書きません。
オリジナルを観てみなくては、と思いました。
原作と違うというエンディングは、なんか切ないが、かなりドライ、
そこが、また良い。
 
 
素晴らしい。
残酷シーンがあるので、万人には薦められませんが、
気になる方は是非どうぞ。

 

KEE


 

 
<ストーリー>
経済誌「ミレニアム」の発行責任者で経済ジャーナリストのミカエルは、資産家のヘンリック・バンゲルから40年前に起こった少女ハリエットの失踪事件の真相追究を依頼される。ミカエルは、背中にドラゴンのタトゥをした天才ハッカーのリスベットとともに捜査を進めていくが、その中でバンゲル家に隠された闇に迫っていく。
 
<キャスト>
ダニエル・クレイグ
ルーニー・マーラ
クリストファー・プラマー
ステラン・スカルスガルド
スティーブン・バーコフ
ロビン・ライト
ヨリック・バン・バーヘニンゲン
ジョエリー・リチャードソン
ジェラルディン・ジェームズ
 
<沖縄での上映劇場>
シネマQ
098-951-0011
那覇市おもろまち4-4-9 那覇メインプレイス2F
HP:http://www.startheaters.jp/cinemasq
MIHAMA 7 PLEX+ONE
098-936-7600
中頭郡北谷町美浜8-7
HP:http://www.startheaters.jp/mihama7plex