NAKAI

 

レーズン、アーモンド、シナモンシュガーが、溢れんばかりに挟みこまれたシナモンロールの生地。
惜しげもなく具材を詰め込めるのは手づくりパンならでは。

 

「教室で作るパンの贅沢さに慣れてしまって、舌も贅沢になってきてるさ。」

 

と、生徒たちは口をそろえる。

 

 

 

一次発酵までを終わらせた生地を取り出す。

 


 

生地を切って分量をはかり、手で丸めていく。
まずはシナモンロールの生地から。

 

 

 

乾燥はパンの大敵、生地は丸めたそばから布巾をかぶせ、すべて丸めたら容器に入れ、しばしベンチタイムをとる。
そうすることで再び炭酸ガスが発生し、成形しやすい生地になる。 

 

 

先ほどよりも小さめに、レーズンバウンズとチーズバウンズの生地を丸め、これもベンチタイムへ。

 

 

「シナモンロールに使うシナモンシュガーは出来合いのものを買うよりも、シナモンと砂糖を使って自分で作った方が格安で安全だし美味しいですよ。」

 

 

シナモンロールの具材を準備。

 

「あら、ベンチタイムを少し長くとりすぎちゃったみたい。少し大きく膨らみすぎちゃったかな。では、早速のばしていきましょう。」

 

 

カスタードクリームを塗る。

 

「上2cmは塗らないでいてね。
成形するときにここがのりしろになるから。」

 

 

 

シナモンシュガーをふり、

 

 

 

レーズンをのせる。

 

「市販のものだとレーズンもクリームも少なくて悲しくなっちゃうけど、手づくりすれば好きなだけ入れられるから嬉しいよね。」

 

 

 

アーモンドを散らし、 

 

 

手前から巻いていく。

 

 

最後はぎゅっぎゅっと生地をつけるように。

 

 

 

八等分する。

 

 

「あまり近くに置くとパンが膨らんだ時にひっついちゃうから、
ある程度離して置いてくださいね。」

 

できあがったものから順に二次発酵させていく。

 

  
リング状の成型も。

 

 

「出来上がりが華やかなので楽しみにしていてね。」

 

 

具材を多く入れすぎた人がいて、足りなくなってしまうというハプニングが。

 

「どんな失敗をするかわからないのが、初心者クラスの楽しいところだね〜(笑)」

 

と、生徒自らフォロー。
追加の具を運びながら先生も笑っている。

 


 

レーズンバウンズとチーズバウンズを成型する。
中央に具を載せ、折り畳むように成型しながら具を置き、ころんとした形に丸めれば出来上がり。

 

 

二次発酵が終わった生地に卵黄を塗る。

 

 

白い粒状のものは「あられ糖」
オーブンで焼いても溶けず、かりっとした食感が残る。  

 

 

余っていたアーモンドものせ、

 

 

オーブンへ。

 

 

生徒が持ち帰る分も含めると、焼くパンの数は相当数にのぼる。
手際良く、次々と焼いていく。

 

 

「さあ、焼き上がりましたよ〜。感動の瞬間!」

 

 

「甘くて良い香り!」
「こんがりおいしそうに焼けてる〜!」

 

 

すぐに取り出し、次のパンを焼く。

 

 

焼き上がったばかりのパンからは白いゆげが立ち上っている。

 

 

リング状に成型したもの。

 

「パンの中から具が溢れてるみたい、贅沢〜。」

 

 

お楽しみメニュー「葛(くず)みかん」。

 

「葛を使ったデザート。寒天とはまた違った独特の食感ですごく美味しい。しかも簡単!是非おうちで作って欲しくて。」

 

葛のコシを失わないよう、鍋で加熱しながらゆっくりと練る。

 

 

オレンジソースにレモン汁を混ぜて酸味を加えればソースの完成。

 

「これを冷蔵庫で冷やした葛の上にかけて完成。
簡単でしょ?
これがびっくりするくらい美味しいのよ。」

 

 

「ドリュー(つや出しのために卵黄を塗ること)する時はできるだけ刷毛を寝かせてね。そうしないと生地がガス抜きされてしまうから。」

 

 

はさみで切り込みを入れ、レーズンバウンズにはあられ糖を、チーズバウンズには粉チーズをふる。

 

 

パンと一緒に楽しむサラダを作る。

 

先生の自宅一階部分が教室になっているのだが、その素敵なインテリアは生徒達の羨望の的。

 



 

宮城先生はパン教室を始めるずっと以前からパッチワーク教室を開いている。

 

 

教室外の庭をのぞむベストポジションに陣取る、大きなテーブルをセッティング。 

 

 

お待ちかねの試食タイム。

 

 

– – – 流れで始まったパン教室 

 

22年教えているパッチワークの教室で、たまたまおやつとしてパンを出していたんです。
当時は私がパン教室に通っていて、練習の意味も兼ねてふるまっていたんですが「パン作りも教えて欲しい」という生徒さんがいらっしゃって。
その流れでオーブンも買っちゃって、パン教室を開いちゃったっていう感じです。
ジャパンホームベーキングスクール認定のスクールで学び、試験を受けて資格を取得し、今に至ります。

 

昔からもの作りが好きでした。細かい作業も苦にならないし、お洋服は学生の頃から作っていました。
パン作りは、パンが好きで始めたというより、家族に焼きたてのパンを食べさせてあげたいという想いから。だって焼きたてのパンの香りってすごく幸せになりませんか?
それに、家族や親しい友人たちにふるまうと皆「おいしい!」と喜んでくれるからそれがまた嬉しくて。

 

生徒さんたちは当初はパッチワークの生徒さんばかりでしたが、そのお友達を紹介してくれたり、またそのお友達が・・・という風に、自然と集まってきて下さいました。

 

– – – 家族に食べさせたいから、使う素材にはこだわって

 

 

家族に食べさせたいという想いが前提にあるので、使う材料は自分なりにこだわって、無農薬や無添加のもの、調味料も天然のものを使うようにしています。
生徒さんが自分の家族に食べさせたいと思えるものを使って欲しいですから。

 

もちろん、生徒さんにも是非おうちでパンを手づくりしてほしいなと思っていますが、みなさんここで食べて終わっちゃうことが多いみたい(笑)

 

パンは買えば安いものだからなかなか手づくりする人は少ないけれど、例えば夕飯作りながら発酵させたりできるので、意外と取り組みやすいんですよ。

 

料理は毎日しますよね、義務のような感じで。一方パンは買って食べても良いし、別に買わなくてもいいおやつ的なもの。
だけど、あのパンを焼くときの香ばしい匂いは何物にも代えがたいんですよ。まさに幸せの香り。一度焼いたらきっとやみつきになるんじゃないかな。

 

 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

 

 

 

 

自身のブログには教室の名前すら載せず、募集広告を出したこともない。
いつも一歩後ろに下がっているような控えめな先生の人柄を愛しながら、見かねた生徒たちが先生をバックアップしている。

 

「陽子先生は『エスカル・クッキングスタジオ』で講師を務めるほどの実力の持ち主。でも本人があまりアピールしたがらないひとで・・・こうして私たち生徒が一生懸命売りこんでるんですよ。最近、『応援する会』も立ち上げました(笑)」

 

先生を賞賛する声があがると、穏やかに微笑みながら首を横に振って「そんなことないよ」「みなさん褒め上手だから」と、ただただ謙遜する陽子先生。
確かに「自分が自分が」というタイプではないようだ。

 

取材の日に教室に忘れ物をしてしまった私は、後日、教室を再訪した。
ちょうどパッチワーク教室のレッスン中で、先生お手製のスコーンと紅茶を楽しみながら、20年以上通っているという人も含めて5名ほどの生徒たちが作品作りに取り組んでいた。

 

「中井さんも入って、どうぞ召し上がっていってください。」

 

香ばしいスコーンの香りに誘われて、勧められるがままに教室に入り、しばしスコーンをお供に生徒さん達とゆんたく。
すっかりお腹いっぱいになり、おいとましようとすると

 

「これ、お土産です。よかったらどうぞ。」

 

外国のパン屋さんでもらうような可愛くて大きな包みの中には、スコーンがどっさり。
それは、どうやら私が来る前からきちんと包装され、
準備されていたもののようだった。

 

生徒たちが先生のために一生懸命になる気持ちが、
その時に本当に理解できた気がした。
だって、こんなに温かい気持ちで人に接することができる人って、実はそうそういない。

 

「私、実はパンには興味がなくて(笑)。先生の人柄が大好きだから通い始めたようなものなんですよ。」
という生徒の言葉を思い出し、さもありなんとその時腹に落ちた。 
パンの技術うんぬんの前に、みな先生に惚れ込んでいるのだ。 

 

生徒たちはレッスンが終わると1〜2個のパンを試食し、さらにお土産としてたくさんのパンを持ち帰ることになる。
焼くパンの数が相当数にのぼるので材料費もそれだけかかるはずだが、値段を聞いて耳を疑った。

 

「1回のレッスン料は2,100円です。」

 

あまりの安さに驚いて、それでちゃんと黒字になるんですか?と訊くと「実はよくわかっていないんですけれど」と笑っていて、なんだかまるで生徒たちのお母さんのようだなと思った。
陽子先生よりも年上の生徒だっているのだが、その優しい眼差し、見返りを求めない姿勢が母性を思わせて。

 

いつも控えめなお母さんの為に子ども達が張り切っている。
そんな「家庭」のような雰囲気の料理教室の扉はいつも開かれ、新たなメンバーを歓迎している。

 

写真・文 中井 雅代


BROWN BREAD(ブラウン ブレッド)
那覇市首里当蔵町2-35(首里城近く)駐車場あり
TEL:098-885-9388 

 

レッスン日:水、木 10時〜13時頃まで
(レッスン終了後、焼き立てパンとティータイムがあります。)
月謝:初級クラス 2,100円/月1回 × 6ヶ月
(材料費、お持ちかえりパン分含む)
*レッスンの体験もできます。(2,100円~)

 

随時受付ですので、詳しくはお問合わせください

 

*吟味された材料で家庭でもおいしいパンが焼けます。
気軽に始めて楽しめる初級クラスから資格取得を目指す上級クラスまで、
自分にあったペースでスタートできます。
パンを作ったことがまったくない初心者の方にも安心な少人数制です。

 

ブログ:http://tokidokibb.ti-da.net
mail:brown@nirai.ne.jp

 

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オーガニックワインと島やさい料理「浮島ガーデン」でフードデザインをしています中曽根直子です。
私は女の厄年33歳のときに体を壊したのがきっかけで、それまで考えたことも興味すらなかった「食べ方」について勉強しはじめました。
マクロビオティックを勉強する中で「食品の恐るべき現状」を知り、驚き呆れ、皆に知らせなきゃ!って、心の底から危機感を抱きました。
いま私たちが食べているものは食べものの顔をしたニセモノだったんだと知ったんです。


それから3年間、雑穀料理の第一人者ゆみこさんの元で勉強し、2年前にオープンしたのが雑穀ベジタリアン料理「ベジんちゅ」という料理教室です。
心も体も元気になる食べもの、料理法を自宅でワイワイ、みんなで作って食べて、おいしいね~って言って笑って、そんなことをしていたら、いつの間にか浮島通りでお店をやることになっていました。


食べ方を変えてから、体調不良も克服し、大きなデトックスも経験しました。だから今、胸を張って言えます。
食べものはあなたの細胞ひとつひとつを作っている。あなたの心も作っている。
もう空腹を満たすだけの食事はやめましょう。
真面目な農家さんが一生懸命心を込めて作った野菜や穀物で、しっかり愛情込めて料理すれば、家族は自然とみんな元気になる。ハッピーになる。


私は食べ方を変えてから、不思議なことがいっぱい起こるようになりました。
願いゴトはたいてい全部叶います…!幸せ体質になっちゃいました☆
ウソだと思ったら、あなたも『浮島ガーデン』幸せを呼ぶ☆島やさい料理、お試しあれ!ハッピーが追いかけてきますよ☆




【ゴーヤとハンダマのカペリーニ】
・ゴーヤ 中くらいの1本
・ハンダマ 50g
・カシューナッツ 15g
・アーモンド 15g
・にんにく(みじん) 小さじ1/2(お好みでもっと入れてもOK)
・梅酢 小さじ1
・オリーブオイル 大さじ4
・塩 適量
・パスタ(カペリーニ) 80g





①ゴーヤのわたを取って輪切りにし、軽くゆでる。









 

②ゆでたゴーヤとハンダマをフードプロッセッサーにかける。もしくは超みじん切り。(多めのお湯は後でパスタをゆでるのに使います)









 

③ローストしたカシューナッツとアーモンドを②に加える。もしくはすり鉢でする。
 





 

④ニンニク、梅酢、塩、オリーブオイルを入れ、ペーストを仕上げる。
 








 

⑤パスタを茹で、氷水で冷やす。








⑥パスタとソース(適量)を絡め、オリーブオイルと塩でソースの濃さと塩味を調整。

 






⑦黒オリーブ、ハーブ、角切りトマトなどをトッピングすれば出来上がり~♪
 






浮島ガーデンではハンダマではなくて、ゴーヤにニガナというニガニガ・コンビでメニュー化しています。この刺激的な苦み、癖になるぅ~!そう言って、リピートしてくださるお客様はたいていウチナンチュですね。ゴーヤーちゃんぷるーに飽きた頃、ぜひ作ってみて下さい。カペリーニなんてちょっとよそ行きなのも、家族に驚いてもらえそうです。
沖縄のでーじアチコーコーな夏を乗り切るには、やっぱりこの地でできた体を冷やしてくれる島やさいが一番!7月はゴーヤのような体を冷やす陰性野菜を積極的に食べて、夏バテ防止をいたしましょう!
次回はこのペーストを使って、びっくりするほど簡単でおいしいおつまみを作りましょうね☆

Text by 浮島ガーデン☆中曽根直子




浮島ガーデン
那覇市松尾2-12-3
098-943-2100
open:14:00~24:00
close:火
HP:http://ukishima-garden.com
ブログ:http://ukishima.ti-da.net

NAKAI

 
バーバラ・クーニー/さく かけがわやすこ・やく  ほるぷ出版 1470円/OMAR BOOKS 

 
― 海辺で想う、女の子の幸せとは? ―

  
今回も引き続き絵本をご紹介。
夏にふさわしい絵本ということで、バーバラ・クーニー作『おおきな なみ ブルックリン物語』原題はHattie and the Wild Waves。

 
表紙はエメラルドグリーンがかった海に向かう一人の少女の後ろ姿と一匹の黒い犬。
この女の子がひと昔前のニューヨーク・ブルックリンに家族と暮らす主人公のハティー。
彼女の目を通して、周囲の大人や成長していくニューヨークの街や当時の暮しぶりなどが描かれている。

 
この絵本、特に女性に読んでもらいたい!なぜならこの本のテーマの1つが「女の子の幸せとは?」だから。

 
ハティーには事業で成功した父親と専業主婦で芸術肌の母親と、母親のように幸せな結婚を夢見る姉のフィフィ、父親の後を継ぎたい兄のヴォリーがいる。絵を描く事が好きな彼女は自分を取り巻く周りの人々をよく見ていて、「自分はどんな大人になりたいんだろう?」と自問自答している様子が言葉はなくても伝わってくる。

 
彼女が魅力的なのは「みんなが言っているようなことは本当に幸せなのかな」と周りの言うことを真に受けないところ。
夏のバカンスで家族と訪れた海辺でも、一人砂浜を歩きながら海に向かって問いかける。 

 
姉フィフィのようにお裁縫をしたり着飾ったりして、素敵な結婚が唯一の幸せ、と世間一般から見た幸せの図を否定はせずとも、ほんとにそうなのかな、と。
彼女はいろんな大人の生き方を見ながら成長していく。

 
著者バーバラ・クーニー(ブルックリン生まれ。現代アメリカでよく知られる絵本作家。他作品に「ルピナスさん」などがある)自身がモデルとも言えるハティー。
彼女が最後のページで出す答えにハッとさせられます。

 
原題にあるWild Wavesって言うのはたぶん「人生」とか「時代の波」という意味で、その中で流されず自分の結論を出すハティーに共感する女性も多いはず。ついつい拍手したくなる、胸のすくようなラスト。

 
またこの絵本の魅力は、当時のニューヨークのなんとも優雅なお屋敷の室内の様子や、戸外の自然が丁寧に描かれ、全編淡い色合いが美しい。とりわけ海辺の景色が。

 
「いつまでも、いつまでも夏が終わらないといいな」とつぶやくハティ―。
潮の香り漂う、海の近くに行きたくなる一冊。



OMAR BOOKS 川端明美



関連イベント:Trunk presents 『Travel with Picture Books フロム・ボローニャ 絵本の旅2011』 
 

OMAR BOOKS(オマーブックス)
北中城村島袋309 1F tel.098-933-2585
open:14:00~20:00/close:月
駐車場有り
blog:http://omar.exblog.jp

NAKAI


 
注文して頂いたら、淹れ方を説明しながらお客様に自分で淹れてもらうんです。でも、お茶って必ずこうしないといけないっていうものではないと僕は思うんです。だって、茶葉にお湯を注ぎさえすればできるわけですから。
「こうやって淹れたらより美味しいですよ〜」
っていうだけ。
一応説明はしますが、あとは自由で良いんですよ〜っていう感じです。
 

 

 
文山包種茶(ぶんさんほうしゅちゃ)を淹れてみましょう。
烏龍茶の中でも特に発酵度が低く、緑茶に近いので日本人にも親しみやすいんです。
 

 
急須にお湯を入れて温めます。この時茶葉はまだ入れません。
急須に入れたお湯を今度は「茶海(ちゃかい)」に注ぎ、温めます。
 
緑茶は低めの温度で入れた方が甘みがでて良いんですが、烏龍茶は100度前後、沸騰するくらいのお湯で淹れた方が美味しい。
だから、淹れる時に温度が下がらないようにあらかじめ茶器を温めておくんです。
 

 
茶葉を全て入れ、お湯を注ぎます。
茶葉によっては半分くらいまで湯を入れて一旦その湯を捨てる「洗茶」が必要なものもあるんですが、これは洗茶の必要がない茶葉です。
洗茶と言っても茶葉が汚いから洗うという意味ではなく、固く丸まっている茶葉を目覚めさせるために行うのです。
 
お湯を注ぐ時は、下から上引き上げるような感じで。
 

 
ふたで軽く泡を切りながらふたを閉め、1分ほど蒸らします。
 

 
最初に茶海に入れた湯は「聞香杯(もんこうはい)」と「茶杯」に移して、こちらも温めます。
 

 
残ったお湯はそれぞれ急須に注ぎかけます。
 

 
できあがったお茶は一度全て茶海に入れます。
面倒くさかったら、こうやって置いても大丈夫。

なぜ一旦茶海に移すかというと、急須から注いだものを飲むと、お茶は徐々に抽出されるので最初と最後でお茶の味が変わってしまうから。茶海に移すことでお茶が出過ぎるのを防ぐこともできます。
 

 
お茶は、飲む前にまず香りを楽しみます。
「聞香杯(もんこうはい)」はそのために使うもの。ここに茶を注ぎ、上から茶杯をかぶせて香りを閉じ込めます。
 



 
ゆっくりと上下をひっくり返し、茶の香りが移った聞香杯の香りをかぎます。
開けてすぐの香りと、10秒経ってからの香りはまた違うんですよ。
香水のように、深みのある甘い華やかな香りになります。
茶葉によって香りも変わります。
 


 
これが一煎目。
二煎目が最も美味しいと言われます。
一回分の茶葉で五〜六煎は美味しく召し上がれます。
 

 

 
– – – お茶のうんちくを語られても、きっと面白くないだろうなって。 
 
店はオープンして7年目になります。
以前はサラリーマンでした。
 
実は、お茶が好きでお茶屋さんをやろうと思ったわけじゃないんです。もともとは台湾が好きでよく遊びに行ってて、台湾に関わる仕事がしたいなーと。それでお茶を勉強し始めたんです。
 
沖縄で赤嶺文弥乃(あやの)先生に教えて頂いた後、先生を通じて京都の棚橋篁峰(こうほう)先生を紹介して頂き、さらに勉強しました。その後、試験を受けて「中国茶芸師」の資格を取得しました。
 
試験は日本だと京都で受けられます。
茶文化についてなどの筆記試験と実技試験。中国から試験官が来て、大きな会場で行われます。
 
資格は取ったものの、あんまり型にとらわれない店です。
店に来てまでお茶のうんちく語られても面白くないだろうなと思っていたので、そこまでお茶にどっぷり入り込む店というイメージではなかったんですよ。
でも一応勉強しとかないといけないかな、という感覚で。
 
教えてくださった先生からしたら「もっと勉強しなさい」という感じだと思うんですが(笑)

でも、勉強したあとはやっぱりお茶に対するイメージが変わりましたね。お茶ってすごいんだな〜と思うようになりました。
それまではもちろん美味しいとは思っていましたけど、こんなに深い世界だとは思っていませんでした。種類も想像以上にたくさんあり、面白いと思いましたね。
 

人気メニュー「魯肉飯(ルーローファン)」。セットにするとミニ杏仁豆腐と飲み物(コーヒー/ティー)が付く。
 


 
– – – コーヒー飲むだけでも全くかまわないんです 
 
常連さんでもお茶はまったく飲まない方もいます。ご飯だけ食べにくる人も。それで良いんです。「お茶は飲まないわけ?」とは思わないですね、全然。
というか、そうやってお茶にこだわっていたら最初から他のメニューは置いていないかも(笑)
 
お茶は美味しいし好きですが、日本ではお茶って無料で出てくるものじゃないですか。それでお金を取るのは難しいんじゃないかなと思っていて。台湾茶を知って欲しいという気持ちはあるんですが。
湯を注ぎ足して何度も飲めはするけれど、一回のお茶に600円出すというのが理解できないという人もいるでしょうから。
 
でも、台湾や中国だとお茶は一回いくらじゃなくて数十グラム単位で袋に入れられて出てきて、良いお店だと2,000〜3,000円かかるところも。その場で飲みきれなかった茶葉は家に持ち帰るんです。
 
でも、そういうやり方は沖縄では難しいと思うので、1回分の茶葉をお出ししていますが、それでも「お茶に600円?」と思う方はいらっしゃると思います。だから、お茶に特別こだわっているというわけでもないんです。
コーヒーだけでも良いので、色々な方に来て欲しいですね。
 
– – -台湾は昔の沖縄? 
 
店内に茶葉を入れた缶が並べてあるのですが、
「あの缶なに?」ってきかれても「これはですね〜!」って力説する気もなくて。「台湾のお茶なんですよ〜」というくらいの気持ちです。
それで飲んで頂いてもし台湾に興味を持ってもらえたら一番嬉しいですね。
 
台湾って沖縄からこんな近いのに行ったことがない人も多くて、沖縄のほうが都会だと思っている人も沢山いると思うんですよ。
だから実際に行ってみて、台湾の現状を知って帰って来た時に、何らかの形で沖縄のプラスになれば良いな〜と。
実は僕も17〜8年前に何も知らずに台湾に行って、「こんなにでかいんだ!」と衝撃を受けたんです。今はまたさらに進んでますしね。
「台湾は昔の沖縄に似てる」という話もよく耳にしますが、確かにそういう昔ながらの風景も残ってますけど、先進的な都会の面もあって。
 
– – -「らしさ」が残っている台湾から沖縄はもっと学べるはず 
 
台湾から学べることが沢山あると思うんです。
沖縄ってどんどん変わっていってるじゃないですか。昔の良いものをなくして内地に近づこうとするけれど、結局は追いつけないし、追いつくことが良いことなわけでもないと思うし。
そうやっていくうちにどんどん大切なものが失われていくんじゃないかと。それはある意味では自然な流れなのかもしれないけれど、気づいた時には手遅れになってしまうんじゃないかと心配で。
だけど自分一人では何もできなくて、ただ時代だけが流れて行くような気がした頃があったんです。
 
その時に台湾に行って、「あ、良いな。」と思ったんです。昔ながらの台湾らしさがきちんと残っている。たまたまそうなっているのか、それとも政策で保護しているのかは知らないですけど、台湾からは学ぶべき事が沢山あるような気がして。

わざわざアメリカ本土やハワイの真似しなくても、こんな近くに良いお手本があるじゃないかと。
それで台湾に行って感動した人が何かやってくれるんじゃないかな〜って(笑)
 
結局、お茶から入ったわけじゃなくて、そういう想いから入っているので、お茶にどっぷりは入っていかないんだと思います。
 

「mignon bijou(ミニョン ビジュー)」のアクセサリーをお目当てに来られるお客様も多いという 
 
うちの店をきっかけに台湾茶にハマったというお客様もいらっしゃって、すごく嬉しいですよね。それで台湾に行かれたりとか。
それこそが、店をやっている目的の一つでもあるので。
 
今後はお茶の種類やメニューをもう少し増やせたらとは思っていますが、これからもお茶に興味がある方だけでなく、広くたくさんの人に来ていただきたいですね。
 

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オリジナルのちんすこうも
 
「流求茶館」というその店名から、茶を前面に押し出した店なのだろうと思っていたので、店主のスタンスはとても意外だった。
しかしその押し付けがましさの一切ないところが、なんとも心地良い。
 
那覇の街を歩き疲れたときに、
「コーヒーでも飲もうか。あ、流求茶館行く?」
と、気軽に足が向きそう。
  
「台湾でも中国でも、お茶がすごく生活に密着してるんですよね。いつでもそばにある。
沖縄のおばあたちもよく飲んでますね。大きな急須がいつもテーブルに置いてあって。
最近の若い人たちはどうだろう、ペットボトルの飲み物が沢山ありますからね。家でお茶を淹れて飲むっていうのはなかなかないかもしれませんね。」
 
お茶を飲むスタイルは少しずつ変わって来たけれど、お茶を飲んでほっとする気持ちは、時代や老若男女を問わないだろう。
目の前でお茶を淹れてくれる山城さんの説明や口調があまりに穏やかで、何事にも縛られないいかにものんびりとした雰囲気なので、本場の茶器を用い見事な手さばきで淹れているにも関わらず、なんだかおばあの家でほっと一息入れているかのような気持ちになる。
 
手順が違ったって良い、茶葉について詳しくなくたって全くかまわない。
茶葉にお湯を注いで飲む、それだけのことなのだから、と。
 
厳選された美味しい茶葉から淹れてくれたお茶を、肩肘はらないお店のムードの中で飽きる事なく何杯も飲み続けていると、常連さんたちが多いのも当然だなと納得する。
だって、なんと居心地の良いことか。
センスのよいインテリアに囲まれた異空間だが、まるで自宅のリビングのような解放感。
 
コーヒーも紅茶もあるフレキシブルなこの茶館には、沖縄と台湾に対する店主の熱い想いが実は秘められている。
しかし店主は、そんな秘めた想いを感じ取って欲しいとすら思っていないだろう、きっと。
 
そんなことはまあ、いいじゃないの。
美味しいお茶でも飲んで、一息入れましょう。
 

写真・文 中井 雅代


流求茶館(りゅうきゅうちゃかん)
那覇市牧志1-3-17
098-862-3031
open 12:00~21:00(土日祝19:00迄)     
close 水      
*土日には中国茶の教室も開いています。
お一人から受け付けています。詳しくはコチラ
HP:http://ryukyu-chakan.com
ブログ:http://ryukyuchakan.ti-da.net

 

NAKAI

いつも誰かしら「合わない」人がいる職場、
相手のイヤなところについ目がいっちゃう夫婦関係・・・
彼女たちのように心穏やかに生きるには、一体どうしたら良いの?
 
・座談会メンバーとデータ
百合子:30代前半。スピリチュアルな自身の能力を活かし、悩める人々を導くお手伝いをしている。
敏恵:30代後半。スピリチュアル関連の仕事はしていないものの、若いときから興味を持ち、様々な方面の本を読破。豊富な経験と知識に信頼を寄せる人も多い。
妙子:30代前半。スピリチュアル初心者、心穏やかに生きる術を模索中。

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– – -器の大きい人は、何事も人のせいにしない人


百合子:敏恵は、良いことも悪いことも包みこむ器の大きさがあるよね。


敏恵:そう?あはは、ありがとう(笑)


妙子:どうやったらそういう風になれるのかな?


百合子:多分、何事も人のせいにしてこなかった人がそうなるんじゃないかな。
問題は自分の中から生まれてきてるんだって思って、ちゃんとその問題に向き合えてきてる人がそうなるんだと思う。
 
妙子:何事も人のせいにしない、というと?
 
百合子:例えば、「私は悪くないのに・・・」って思っちゃったり・・・
あ、悪くないこともあるよ、もちろん。
ただ、自分が向き合わなきゃいけない問題なのに周りのせいにして逃げてきた人は、敏恵みたいな器の大きさには到達できないんじゃないかな。
ちゃんと向き合ってきた人は、良いも悪いもひっくるめられるようになる。
器がどんどん大きくなっていく感じかな。


妙子:それは赦しとは違うの?


百合子:器が大きくなっていくことで赦していけるようになるんじゃないかな、どんどん。
やっぱり自分の心を「観る」ことって、とっても怖いと思うわけ。
私ももちろん怖いし、怖かったし。
だからね、敏恵みたいな人は10代とか20代に沢山葛藤を経験した人が多い気がする。
 
敏恵:確かに大変だったよ〜昔は特に!
 
– – -周りや環境を嘆いてばかりいる人には笑顔が少ない
 
百合子:やっぱり(笑)
私ね、「傷付いたことが無いかの如く笑え」っていう言葉が大好きだわけ。
本当に良い笑顔の人って、実は色んな大変なことを経験した上での笑顔だわけ。
逆に何不自由なく過ごして来た人の笑顔は平面的というか奥深さがないというか。
他の人にまで伝染するような笑顔は、色んな経験を積んで得られる笑顔だわけ。
 
妙子:あ、それはすごくよくわかる。周りの人見ていてもそうだな。
かなり壮絶な経験してきたのに、いつもニコニコしている人っている。尊敬する。
 
百合子:そうそう。
逆に、辛いことがあったり疲れたりしてて、それがまんま顔に出てて「ヘロ〜」ってなってる人にはみんな相談もしないし憧れもしないさ?
辛いこともあるし大変だけど笑っていようっていう努力とか、人に何か元気を与えたいとか、そういう想いが大切なのかもしれないね。


妙子:そうだね、周りや環境に嘆いてばかりいる人は笑顔が少ない気がする。
敏恵も百合子も、自分を見つめる「内観」が大事って言うよね。


敏恵:うん、それしかない。


– – -相手のせいにしているうちは、何も解決しない


百合子:自分以外の登場人物はどんどん変わっていくわけ。
でも自分は変えられないさ?
だから、相手のせいにしてたら必ずまた同じ問題が起こるわけ、人を変えて。
 
妙子:え!そうなんだ!
 
百合子:うん、そうだよ。それって同じことの繰り返しで難儀だし不毛だから、それを早く終わらせて、次の問題を解いた方が、なんか「楽しい」って思うから。
だから、「周りが悪い」とか「状況が悪い」とか「人が悪い」とかって・・・
あ、思うときもあるよ、もちろん。でもそれは客観的な目を持っていることが前提ね。
 
妙子:客観的な目を持っていなかったら、悪いのが周りなのか自分なのかの判断はつけられないということ?
 
百合子:そう。目の前の問題をひとつひとつ解決していった人はわかっていくようになるけど、最初の時はまだわからんさーね。
そこでずっと人のせいにしていたら、その人の人生は
「自分は悪くないのになんか周りがこうなんだよな」
って不満を抱えたままの人生を歩み続けることになる・・・んじゃないのかな〜と思う。
 
妙子:そうか・・・周りのせいにしていたら、問題も解決しないし、自分も次のステップにすすめないんだ・・・
 
百合子:そう思うよ。私の親もずっとそう言ってたわけ。
「自分に問題があるんだよ、怖くてもそれを観なさい」
って。だからその影響もあるかもしれない。


– – -自分のことがわからないと、毎日が混乱
 
敏恵:本当に、「自分」しかないと思う。
だって、外に見えることは取るに足らないさ。自分の中にしか大きい世界はないし、自分を知ることでしか外の世界を判断することはできない。
自分がどんな人間なのかをちゃんと知っていなければ、例えば今飲んでいるものがお茶なのかコーヒーなのかも多分わからないんじゃないかなと思う。
 
妙子:・・・というと、具体的にどういう意味?
 
敏恵:それくらいめちゃくちゃ大きなギャップが生まれるということ。
このひとが見てる飲み物と、あの人が見てる飲み物で変わってくる、世界が違って見える。
だってさ、自分のことがわからなければ、自分の中の「家」はとっても乱雑になると思うわけ。
それは「どれがベストかわからない」ってことさ?
100個コップがあって、どれが1番好きなのかがわからなければ、多分100個持っとくと思うわけ。
「これはこの部分が素敵だし、あれは手触りが良いし・・・」
って、絶対一個に決められない。
そしたらその人の世界は混乱でしかないさ?
だから誰に会っても、「この人は自分と合う人か否か」もわからない。毎日混乱に陥る。その方法では絶対に、悟りとか救済には向かないと思うわけ。





– – -自動操縦装置で動いていたら、自分のことはわからない


妙子:自分が一番好きなコップはどれなのか、どうしたら判るようになるの?


敏恵:「なんか知らんけど、いつもこのコップを取ってるな」
と気付くようになるとか。それを選ぶには必ず理由があるわけよ。それをとことん考える。その作業って孤独さ? しかも人は朝から晩まで常に選択してるさ? ほんとにず〜〜〜っと選択してるわけよ、常に、なんでも。ずっと選択を迫られてるわけさ。
で、普通の人は無意識に選んでいるわけ。
でも、無意識のままだったら絶対に自分のことはわからない。
 
妙子:じゃあ、敏恵は常に意識しながら選択しているの?
 
敏恵:そうだよ。
その為には、もう一人の自分が選択している自分を観察してないといけない。
「はい、比嘉敏恵、何時何分、わざわざそれを取るか、何故だ?!」
みたいな感じで自分に問答してるわけ、ずっと(笑)。
「このコップは舐めたときの感触が良いから」
とか、選択した理由をずっと考えるわけ、ひとつひとつ、いちいち。
だからまあ、オタクみたいなもんだよね。
 
妙子:オタク?自分オタクっていうこと?
 
敏恵:そうだね。「コップの底のざらざらが好き」とか「曲がり具合が完璧!」とか、
全ての選択をそんな風に突き詰めていくと自然と迷わなくなる。
それは人と話してるときもそう。ずっと「言いたいことをちゃんと言ってるのか」と自分のことを監視する。
自動操縦装置で動かないことが大事だわけ。
でも、こんなオタクってそんないないさ? やってることが細かすぎて。
 
妙子:確かに。。いちいち自分の行動を分析しながら生活するって、ちょっと想像できないかも。
 
敏恵:でしょ?起きてからずっとやってるわけだから。
でもね、毎日やってるとどんどん慣れてくるよ。そしたら直感がはたらくようになる。


妙子:直感?


敏恵:うん。自分探しの作業を続けていたら、どんどん世界がシンプルになるから、直感がはたらいて迷わなくなる。
「こっちが好き」って、好き嫌いもはっきりとわかるようになる。
そしたらラクさ? 迷わないっていうのは本当にラク。


– – -ネガティブな感情も味わえば良い


百合子:そういえば、私も客観的に自分を見てる自分がもう一人いる。
小さいころからいたんだけど、ちゃんとそれに気付いたのは20代の時。
 
妙子:ん?何かきっかけがあったの?
 
百合子:うん。め〜っちゃ悲しいことがその時あったわけ。
もう「あ〜〜」って打ちひしがれて感情を吐き出した時に、感情に溺れてないもう一人がいるわけ。打ちひしがれている自分を見てる自分が、「それで大丈夫だよ」って言うわけ。
「感情を味わいなさい、こっちで見てるから、大丈夫だから」
って。
だから良いことも悪いことも全部味わって良いんだ〜って思って。
それまでは、自分の中であんまり受け容れたくないネガティブな感情とかは
「イヤ〜!」って思ってたわけ。思うことも口にすることもイヤ!って。


妙子:ネガティブな感情って、具体的にいうと例えば?


百合子:「嫌い」とか「むかつく」とか
「自分で自分を責める」とか「うまくいかない・・・」とか。
そういうのが自分の中にめっちゃ沢山あって、
「なんでうまくいかないのかなー、理解しあえないのかな」
っていう、「絶望」みたいな気持ちだよね、そういう感情が生まれると、それを「観る」ことが怖いわけ。
 
妙子:ネガティブな感情のどういう点が怖いのかな?
 
百合子:自分がどれほど深く感じていて、それはどれくらいの濃度なのかとか、そういうのを「観る」のがめっちゃ怖い。
でも、実際観てしまったら、「あ、こんなもんなんだ」って。
それはさ、隠してたら隠してただけ大きくなっていくわけ。
でも勇気を出してパッて観たら「あー、こんなもん?」みたいな感じだわけさ。
もう一人の自分が見ていてくれると、その勇気をもらえるっていうのかな。
「ちゃんと見てるから、大丈夫だから、全部確認したり、楽しんだりしなさい」
って言ってくれるから。
それで「あー、そっかー」って、気付いたのが20代の時。





– – -大切なのは「光でいること」ではなく、「光を見ていたいと思うこと」


妙子:ネガティブな感情を「観る」っていうのは、それを認識するってことなの?受け容れるってこと?


百合子:ううん、受け容れる前に観ないといけないさ。


妙子:「観る」っていうことがピンとこないんだけど。


百合子:観るっていうのは、なんていうか・・・
心の中の箱がぱかって開く感じなんだよね。
わかりづらいか?(笑)
 
妙子:わかんない(笑)
 
百合子:「あ〜〜!」って口に出して言ったりして、現実に落とすということ。
想像するだけじゃなくて、実際に悲しんで泣いたりとか。
だから、ネガティブな感情から逃げようとしたり、違うことを考えようとしたりしてその想いを止めるんじゃなくて、その想いを想い続けていくわけ。
そうしていくと、自分の中から涙が出たり、色んなことが起こるわけ、クソーって思ったり(笑)
 
– – -大事なのは、いかに否定せずに済むか
 
妙子:正面から向き合う、ということかな?
 
百合子:そうそう。そういうのを我慢せずに恐れずにやっていくと、自分ていうものを知るんだよね。
みんなさ、良い面だけ自分の中に持っていたいと思うよね、やっぱり。
でも、人間だから色んなものを持っての「人」さ?
色んな物をもってるけど、でも、それでも光を見ていたいって思う気持ちが大事だわけよ。光でいることが大切なんじゃなくて。
色んな感情があるけども、でも、ここを目指したいって思う気持ちを持てるかどうかだわけさ。
 
妙子:そうか。。自分の悪い感情を否定しないで良いんだね。
 
百合子:そうそう、どれだけ否定しなくて済むかということが私は大事だと思うわけ。人に対しても自分に対してもね。
全部受け容れるキャパを作る為に、その器を作るために、色んな経験があると思うわけ。


妙子:あ、それで、敏恵は器が大きいんだ?


百合子:そうそうそう。


妙子:なるほど。
あのさ、例えば私はむかつく人がいたら「むかつく!」と思うし、
口に出すこともあるけど、それとネガティブな感情をしっかり「観る」こととはどう違うの?


百合子:あのね、病気に例えるとわかりやすいんだけど、風邪みたいな軽いものだったら「ちょっと風邪引いたな」くらいでいいわけよ。
でも、風邪どころのレベルじゃない、本当にきちんと考えないといけないことがあったら、人は考えなくなるわけ。無意識に思考にブロックをかけるわけよ。
だから、「ちょっとイヤだな」っていう程度のことをめっちゃ深く掘り下げろっていう意味じゃないよ? 風邪引いただけで入院しなさいということじゃないわけ。
でも、その辺を判断するためにも、自分を知っておくことが大切なのかもしれない。


– – -むかつく相手に原因は無い


敏恵:例えばむかつく人がいたら、
「むかつくー!」と思うさ?
で、普通はそこで「この人がむかつく」で終わってしまうさ?
「性格悪いこいつ」って。
そこで終わらずに、「なんでむかついているのかな?」って突き詰めていったら、結局自分の中に答えはあるわけ、絶対。その人にはないわけ。


妙子:敏恵も今までそういうことあったの?


敏恵:いっぱいあったよ〜、もう、信じられないくらい!(笑)


百合子:敏恵はもともと見る目があるから、小ちゃい時とか本当に大変だったと思うよ。


敏恵:うん、本当に辛かった。
でも、辛いから、苦しいから観ちゃうんだよね、「これは何かな?」って。
例えば傷ができたら、モルヒネ打って痛みをわからなくするんじゃなくて、もう、「じ〜〜〜」って見て酢かけたい〜くらい(笑)。痛みというのがなんなのか、自分が「アハーー!」ってわかるまで突き詰めるクセがあるんだけど、それをしていくと、人のせいにならなくなる。


百合子:うんうんうん。


妙子:なかなか普通はそんな風にできないよね。
辛いことがあったら忘れたいと思うし、傷付いたら癒されたいと思うし。そして、嫌なヤツに会ったら、普通は「なんで?」とは思うけど、自分を省みることはしないよね。外に対して「むかつく」で終わる。
でもそうすると、その嫌なヤツと縁を切ったり避けて通ったりしてその場は済んだとしても、また別のむかつく相手が現れるってことだよね?


– – -経験と成長のためだけに、それは起こっている


敏恵:そう、だってい〜っぱいいるもん!世界中に。
だから、むかつく相手を逆に探すこともきっとできるわけ、自分で。
自分がむかつくわけだから、もしかしたら地球上の人類全員がむかつく人かもしれないわけ、自分の見方次第では。
そうしたらもう、苦しいさ?
だからそれよりは、むかつかない方法を追求していく。
 
妙子:むかつかない方法、知りたい!
 
敏恵:私は小っちゃい頃からのクセなんだけど、
「自分はこういうことに対してイライラするな」
ということを、全部ひとつひとつ観ていくわけ、とことん。
そしたら最後まで突き詰めて観ていった時に消えるわけ。


妙子:え、消えるの? なんで?


敏恵:そうだよね? 百合子、消えるよね?


百合子:うん。「そもそも問題じゃなかったんだ」ってこと。
それに気付くことが大事なんだと思う。元々何も無いわけよ。


敏恵:幻だわけよ。


百合子:そのことに気付くために、経験するためだけにそういうことが起こったっていうだけ。
根っこに残ることなんて本当はないわけ。
「根に持つ」とかいうさ?
でも、突き詰めていくと本当は何もない。
 
 

次回「物事がなぜかうまくいく『私はでくのぼう』説」に続く・・・

 
 

 

NAKAI



この時代のことは実際よくわからないんだけど、これはガツンとくる映画です。


今とは全然違う、熱い日本人の魂を感じる時代です。
それがいいとは思わないけど、信念を持って生きるってすごいことだよね。


妻夫木聡 は、「悪人」なんかよりよっぽどいいです。
彼の心の動き、繊細さ、でも、野心もある。そんなところが見事に表れてます。



 


 

松山ケンイチ は梅山、という偽名を語っている、なんとも、なんちゃってな感じの活動家。
カリスマ性はあるためにまわりが、巻き込まれている。
カリスマ性があるくせに、実はヘナチョコで自分は何もしない。
また、松ケンがぴったりなんだ。
観てると、こいつペテン師だなあ、と観客にはわかるんだけど、おそらく実際にあうとなんか不思議な力があるんだろうね。




 

 


 

時代といえばそうなんだけど、この熱い時代を知らない私たちにも何かを与えてくれる、映画であります。


否定も肯定もしてない感じがまたいいんだなあ。


忽那汐里 が高校生モデル役で出てきます。
必要あるのか?と思って最初見てたけど、彼女の清涼感というかさわやかな感じが、このダークな部分と対比になっていて、いいアクセントになってました。
ラストのほうとか特にね。





エンディングのブッキーがめっちゃよかったです。


おススメ映画。長くて腰痛持ちには注意(笑)
 

KEE


 

 
<ストーリー>
1969年。理想に燃えながら新聞社で週刊誌編集記者として働く沢田(妻夫木聡)。彼は激動する“今”と葛藤しながら、日々活動家たちを追いかけていた。
それから2年、取材を続ける沢田は、先輩記者・中平とともに梅山(松山ケンイチ)と名乗る男からの接触を受ける。「銃を奪取し武器を揃えて、われわれは4月に行動を起こす」
沢田は、その男に疑念を抱きながらも、不思議な親近感を覚え、魅かれていく。
そして、事件は起きた。「駐屯地で自衛官殺害」のニュースが沢田のもとに届くのだった──。 
 
<キャスト>
妻夫木聡 (沢田雅巳)
松山ケンイチ (梅山)
忽那汐里 (倉田眞子)
石橋杏奈 (安藤重子)
韓英恵 (浅井七重)
中村蒼 (柴山洋)
長塚圭史 (唐谷義朗)
山内圭哉 (前園勇)
古舘寛治 (中平)
あがた森魚 (飯島)
三浦友和 (白石)  
 
<沖縄での上映劇場>
MIHAMA 7 PLEX+ONE
098-936-7600
中頭郡北谷町美浜8-7

NAKAI

 
例えば、「パールのピアスを作りたいから材料を買いに行こう」じゃなくて、可愛い素材を見つけたときに、とりあえず買っておくんです。
そうやって集めた材料を見てから、何を作るか決めます。
「これだ!」ってひらめく時もあります。
 
いざ材料を探そうとしても沖縄だとなかなか可愛いのを見つけれないので、気に入った素材は前もって買っておくんです。
 

 


 
– – – ものづくりのことになると負けず嫌いに 
 
もの作りは小さい頃からずっと好き。
小学生の時は母から編み物を習ったり、ポーチを作ったり。
中学生になったら洋服をリメイクするのにハマって。
他にも、雑誌に載っている好きなファッションの切り抜きを集めたりして、ファッションにもすごく興味がありました。
 
高校で進路を決めるとき、「IDA(インターナショナルデザインアカデミー)」の存在を知り、ファッションデザイン科に通いました。
 
ここではファッション関係のビジネスについてなども一通り勉強できるんですが、私が一番好きだったのはやっぱり物作りの授業。
普段はそんなに熱いタイプじゃないんですが、このときばかりは他の生徒よりも速く仕上げようと頑張ったりしていましたね。
 


 
– – – 働きながらのものづくりが性に合ってる気が
 
ものづくりで食べていける人はほんの一握りしかいないということは知っていたし、また、元々そういう願望もありませんでした。
専門学校時代、バイトをしながらちょこちょこ物を作って、バイト先のお店に委託販売してもらったりしていました。
その活動が少しずつ広がって、coquelicot(コクリコ)の土台ができあがった感じです。
卒業後、アパレルで働きながら同じように製作を続けてきました。
 
私の場合は、外で働きながら物を作る方がバランスがとれる気がします。
ずっとおうちにこもりきって製作するのではなく、外にも出たい。
その方がお客様の反応も見られるし、新しい情報も得られるし。
 
でも今は作りたい物が増えちゃって、やってみたいことが沢山あるんです。
アクセサリーだけじゃなくて服もまた作りたいし、去年のクリスマスはアクセサリーの溶接に使うガスバーナーをプレゼントしてもらったりも(笑)
 

 
– – – アイディアはお客様や可愛い女の子から
 
今は特にコンセプトは設けないようしています。
というのも、友人と二人で半年の期間限定で創作活動をしていたのですが、その時にコンセプトにとらわれすぎて、なかなか前に進めないという経験をしたので。
 
基本的には自分が好きなように、思いつくままに作るんですが、身につけてくれる人のことを想像しながら作ることも多いですね。
実際によく買ってくださるお客様を思い浮かべて、「こういうのがお好きかもな」と考えたり、雑誌に出ている可愛い子をモデルに、「こういうのつけたら似合いそうだな」とか。
 

自宅のクローゼットの中が製作現場。
 

 
– – – 今後力を入れたいのは子ども服
 
coquelicotを立ち上げたのは今年の1月なので、まだ半年くらいですね。
徐々に評判も良くなって来て、すごく嬉しいです。
よく行くビーズ屋さんの店員さんからも、
「coquelicotのアクセサリーをつけてる子、見たよ〜」
と言っていただいたりして。
実際に多くの方に手にとって頂けるようになってきて、それを実感できる時がやっぱり一番嬉しいですね。
 
これから作りたいのは子ども服。
一回だけ作ってみたんですが、お店に置いたらすぐにお客様が買ってくださったんです。
それで「もっと作ってみよう」と思って本を買ったり調べたりしてたんですが、そこで途切れちゃってるので。
本格的に作ってみようかな?って思ってます。
実は、昔は保母さんになりたくて。
子どもが大好きなので、楽しんで作れそうな気がします。
 

* * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * * *

 

クッションカバーもお手製。「出張で海外に行ったとき、可愛いタッセルがあったので沢山買っておいたんです。」
 
ものづくりに携わる人の中には、「これで食べていきたい」と奮闘している人が少なくないのに、coquelicot の梓さんは「私はお外でも働きたいかな。」と意外なお答え。
「ものづくり」と「可愛いもの」がずっと好きだったから、梓さんが coquelicot を立ち上げたのはきっと自然な流れだったのだろう。
肩の力がふっと抜けるような、自然体が魅力の coquelicot のアクセサリーは、今では多くの女性達をひきつけている。
 
「10代から40代まで、幅広い年齢層の方が購入してくださいます。」
 
ナチュラルなのに個性的、ロマンティックで少しだけノスタルジックなcoquelicot から生まれる子ども服が、今から楽しみ。
 
「子ども服だけじゃなくて、他にも作りたい物が沢山あるんです。
やりたい事が多すぎて、困ってます。」
 
クローゼットの中にしつらえた「仕事場」から、今日も新たな作品が生まれている。 
 

写真・文 中井 雅代

 
 

coquelicot(コクリコ)
<取り扱い店舗>
Favori(ファボリ)
宜野湾市新城2-44-18
098-988-3171
Open 12:00〜21:00
年中無休
ブログ:http://favori.ti-da.net
 
Coqu(コキュ)
那覇市松尾2-12-36 1-B
電話:090-7460-6126
Open:11:00〜20:00
Close:月曜日
HP:http://majolie.ocnk.net
ブログ:http://coqu.ti-da.net
 
jiji cafe(ジジ カフェ)
098-987-7515
沖縄県中頭郡北中城村字島袋1422-3
Open:11:30~24:00(LO 23:00)
Close:木曜日
駐車場 有
HP:http://www.jijicafe.com

NAKAI

Day1

トップス、パンツ:MARELLA(あしびなー)
サンダル:パレットくもじ
 

ネックレス:自作
 
Day2

カットソー:ROGER’S(プラザハウス)
ジーンズ、ベルト:パレットくもじ
サンダル:innocence
 

ジャケット、パンプス:innocence
 
Day3

ワンピース:MARELLA(あしびなー)
サンダル:パレットくもじ
 

ピアス:あしびなー
 
Day4

ワンピース:MARELLA(あしびなー)
バッグ:ROGER’S(プラザハウス)
サンダル:パレットくもじ
ネックレス:innocence
 

ピアス:innocence 
 
Day5

ワンピース、カーディガン、サンダル:innocence
 

ピアス:innocence
 
Day6

ワンピース:YOKANG
帽子:innocence
サンダル:パレットくもじ
バッグ:innocence 
 
Day7

サングラス:CHANEL
オールインワン:MARELLA(あしびなー)
ストール:innocence
 

 
 
「好きな服のテイストって決まってないかも。
やっぱり色んな服着てみたいじゃない?」
 
その言葉通り、普段からシック、フェミニン、ナチュラル、カジュアルと、様々なコーディネートを楽しんでいるyumiさんだが、モデルの仕事をしていた時は江角マキコさんに似ていると言われ、「可愛い」ではなく「カッコイイ」と言われることが多かったそう。
 
はっきりとした目鼻立ち、すらっと伸びた手足、きりっとした表情。
確かに今もかっこいいyumiさん、カメラを向けるとさらにハンサムにな表情を見せるが、実は普段のキャラは癒し系。
撮影中もわざとおどけたポーズをとってくれたり、「これってやりすぎ?(笑)」と自分に突っ込みを入れたり、くるくる変わる表情が可愛い!
 
現在はイタリアンの料理教室を主宰している。
(関連記事:料理教室「 You.me.x(ユーミックス)」
本格イタリアンを、主婦の味方の時短レシピで)

 
「生徒さんとはプライベートでも仲良し、一緒にお洋服も買いに行きます。
石川までショッピングドライブに行くことも。」
 
yumiさんの魅力は、綺麗でおしゃれないかにも「カッコイイ」大人の女性でありながら、イノセンスな少女性も併せ持っているところ。
でも、ベタベタにただ可愛く着るだけじゃないのが、おしゃれ経験豊富なyumiさんの真骨頂。
ボタンを外してデコルテを美しく見せたり、大きめアクセを合わせたり、足元をきりっと引き締めたりして、大人感はしっかり出す。
 
YOKANGのワンピースと同じくらい花柄ワンピを素敵に着こなすyumiさんのように、大人だって、服で冒険して良い。
 

写真・文 中井 雅代

 

 

NAKAI


 

クリックで拡大します 
 
「月光の砂浜に足跡をつけ 
海を渡った  
引き出しに入った布を 
その夜のあいだ 
紙に縫いつけた」
 
7/28(木)~ 8/2(火)
10:00~19:00(最終日は18:00まで)
 
会場 楽風(らふ)
〒330-0064
埼玉県 さいたま市南区岸町4-25-12
tel 048 825 3910
 
関連記事:『梅原龍 作品展 ”三つの太陽” 』
 
 

NAKAI

 
ミロスラフ・サセック/著 松浦弥太郎・訳 ブルース・インターアクションズ1890円/OMAR BOOKS
 
― 空想の世界街歩き ―
  
もうすぐ始まる絵本展の準備もあって、このところ絵本三昧の日々。
今手元にあるのはいろんな国の絵本たち。
色の使いかたや絵のタッチ、文字の配列だったりそれはもう多種多様。
その国について、国柄なり、そこに住む人たちの感性を知るのに絵本は有効だなと思う。
そしてそういう長所が存分に生かされた絵本があるのです!
 
それが旅する絵本作家サセックの旅絵本シリーズ。
 
前回取り上げたことのある松浦弥太郎さんの翻訳で「This is (世界の都市)」
で出ているこの人気シリーズ、絵本作家サセックが実際に訪れた国が描かれたもの。彼の眼を通して見たその街の魅力がたっぷりと詰まっている。
 
その中で今回取り上げるのは『This is Munich』
訪れる街はドイツの都市ミュンヘン。
他の絵本と比べるとちょっと大ぶりのページを開くとそこには活き活きとした街が広がっている。
世界で一番たくさんカメラが並ぶ光景や、歴史あるビアホールにミュンヘン植物園の温室館、白いソーセージにプレッツェルにトラムと呼ばれる路面電車。
 
久しぶりに読み返してみてこの感じ何かに似てるなあと思っていたら、好きでよく見ている「世界ふれあい街歩き」ってTV番組を見たときの感覚だった。
そう、街を一緒に歩くあの目線と近いところが。
読んでいるとサセックと一緒にミュンヘンを歩きまわっている気がしてくる。
 
この絵本、子どもももちろん楽しめるけれど大人がけっこう楽しめる。
分かりやすくきちんとその街の歴史がさりげなく入っていたり、絵がポップ過ぎず、どことなく落ち着きがあって飽きがこない。
実は初版が出たのはかなり前なのに全然古くならない。
ついつい何度でも見返したくなる。
 
またこの大きさがポイント。
広々としたページに描かれた美しい建築物の数々。
もし同じ内容でもっと小さかったら全く印象が変わるはず。
 
仕事で行き詰ったとき、出かけたくても時間がないとき、この本を開けばちょっとした気分転換になります。
 
これ以外にシリーズとしてニューヨーク、パリ、ロンドン、ヴェニス、アイルランド、ホンコン他たくさん出ているので集めるのもきっと楽しい。
「空想の旅」に一役買ってくれる絵本。
 
まずはどこに行きます?



OMAR BOOKS 川端明美




OMAR BOOKS(オマーブックス)
北中城村島袋309 1F tel.098-933-2585
open:14:00~20:00/close:月
駐車場有り
blog:http://omar.exblog.jp

NAKAI

暑い日々が続いているとついつい冷たい飲み物に手が伸びがちです。
以前住んでいた大阪では、
全くと言っていいほど炭酸ものに手を出しませんでした(もちビールは別ですよ)が、
ここ沖縄に戻ってからというもの、
この炭酸という飲み物が極上に美味しい・・・。
涼を得たい!という欲求を喉越しからダイレクトに満たしてくれるのがいいとこですね。


そんな炭酸ライフを満喫していた私ですが、
月日を境に事件は訪れ・・。(大げさ)


「冷え」


そう、冷えの結果、代謝が落ちて・・・あまりいいことがない。
これが30代の洗礼ってことか、と。
そんなことにようやく気付いた30代前半と名乗れるのもタイムリミットが近づいてきた私の(長い)
“ほっとタイム”のおともをご紹介。


・城進 ポットと湯のみ



恋焦がれてたセットです。
ポットのこのツートンのコントラストがお気に入りです。
和な雰囲気ですが、紅茶もあいます。どちらかというと夜使用することが多いかな。
(お茶受けは必須です)


・いにま陶房 鈴木雄一郎 カップ



グレーのようなパープルのような落ち着いたカラーが気に入っています。
珈琲のときにもよく用いますが、紅茶を注いだカップとのコントラストもまたきれい。
カフェオレやミルクティーもよく映えます。


・工房コキュ コップ

(ポット:工房いろは)



手に持った際の収まりと、喉をうるおすのに必要な容積がいいバランスです。
こちらは朝使うことが多いですね。


・城進 マグカップ



またまた城進さん。マグカップは鉄絵(写真左)と鉄彩(写真右)の柄を一つずつ。
もっぱらコーヒーを飲むとき用に。


その他、ホットウーロン茶にホット紅茶。
ハーブティー、緑茶等、
最近はなるべく温いものをとるように心がけております。
風呂上りにももちろん常温水Fromブリタ。
さすがにこの時ばかりは、シュワシュワを恋しく思いますがね・・・。
今日も妄想の狭間でほうじ茶すする私です。





写真・文 占部 由佳理(tous les jours店主)

 

 
tous les jours(トレジュール)
那覇市首里儀保町2-19
098-882-3850
open:水~土
10時~13時 16時〜19時
(変更あり。毎月の営業日をブログでお知らせしております。)
blog:http://touslesjours.ti-da.net




関連記事:ひとつ先のくらしを提案する
tous les jours(トレジュール)




NAKAI


 
第14回 Ho’ike (ホイケ)Halau Hula Kalakauaの発表会

 
日にち:8月27日(土)
場所:浦添てだこ大ホール
開場:17:00
開演:18:00    
料金:¥3,500 (前売りのみ、当日券なし)
 
<前売り券発売所>
Halau Hula Kalakaua
ハワイアンショップLoko Moko
ハワイアンバーLoko Blue 
 
関連記事:Halau Hula Kalakaua(ハラウ・フラ・カラカウア)
ハワイ大会で入賞10回 ハワイがなくしても沖縄に残したい本物のフラを学ぶ

関連記事:世界一のフラを100円で。東北に届ける ” IMUA! “の精神 @プラザハウス
     
 

 

NAKAI




これは良い。


まえだまえだが素晴らしい。私は是枝監督好きなのね。子供撮るのが上手いよね。


九州新幹線開通おめでとう!な感じの映画です。

 



お兄ちゃんは、家族4人でまた暮らすのが夢なんだよね。
一方弟は、離婚前の両親のけんかばっかりみてたから、もうあんな生活はカンベン、な感じな訳よ。





しかし、まえだまえだすごいな~。兄弟どっちも上手い。


是枝監督のドキュメンタリータッチな作風も、ばっちりはまってた感じ。


子供たちだけで新幹線のって一泊旅行もすごいけど、ある意味それだけで奇跡だよね。


おじいちゃん役の橋爪功 も、その友人の原田芳雄 も良かった。





オダジョーが、福岡に住むお父さんなんだけど、福岡の景色が映るとやっぱり「おっ!」となるね。
知ってる商店街だとか、知っている店だとか。
家は雑餉隈(ざっしょのくま)なのに、通ってる学校は百道浜(ももちはま)というなんとも距離感が無茶苦茶なんだけど、地方の人間としてはそんなこともうれしいのだ。





JR鹿児島の駅はとっても綺麗だなあ、と感心。


子供はすごいね。
私はかなり無気力な子供だったので、こんな子供たちを尊敬する。


九州新幹線に乗りたくなりました。

KEE


 


 
<ストーリー>
九州新幹線が全線開業の朝、博多から南下する“つばめ”と、鹿児島から北上する“さくら”、二つの新幹線の一番列車がすれ違う瞬間に奇跡が起きて願いが叶う……。そんな噂を耳にした小学6年生の大迫航一(前田航基)は、離れて暮らす4年生の弟・木南龍之介(前田旺志郎)と共に奇跡を起こし、家族4人の絆を取り戻したいと願う。二人の両親は離婚し、航一は母・のぞみ(大塚寧々)と祖父・周吉(橋爪功)、祖母・秀子(樹木希林)と鹿児島で、龍之介は父・健次(オダギリジョー)と福岡で暮らしているのだ。兄弟は、友達や両親、周りの大人たちを巻き込んで、壮大で無謀な計画を立て始める。そしてその計画は、様々な人々に奇跡を起こしていくのだった……。


<キャスト>
前田航基 (大迫航一)
前田旺志郎 (木南龍之介)
大塚寧々 (大迫のぞみ)
オダギリジョー (木南健次)
夏川結衣 (有吉恭子)
阿部寛 (坂上守)
長澤まさみ (三村幸知)
原田芳雄 (山本亘)
樹木希林 (大迫秀子)
橋爪功 (大迫周吉)
磯邊蓮登 (磯邊蓮登)
林凌雅 (福元佑)
永吉星之介 (太田真)
内田伽羅 (有吉恵美)
橋本環奈 (早見かんな)


<沖縄での上映劇場>
サザンプレックス
098-835-6600
島尻郡南風原町字宮城371-1

8/13〜上映予定

NAKAI


 
同じ組踊の演目でも、この人のこの芸が素晴らしいというのがあって。
それに近づきたいという目標があるから続けているのだと思います。
 
既に亡くなられた素晴らしい役者さんの演技と舞台は、自分が実際に見た記憶と映像の中にしか残っていないけど、自分もこうなりたいという強い想いはあります。
 

普段の姿だと、一般的な大学生といった雰囲気 
 
– – – 舞台を観た回数は誰にも負けません。 
 
踊りを始めたきっかけは特にないんですよね、気づいたらやっていたという感じ。
一歳くらいからテレビで放送していた琉球舞踊や沖縄芝居を真似て踊っていたそうです。
当時は週一くらいの頻度でテレビで沖縄芝居を放送していましたから。
今は月一くらいでしょうか、随分減ってしまいましたね。
 
舞台を観に行くようになったのは三歳くらいから。
上演中は泣かなくて、終わったら泣いていたらしいです。「もっとやれー!」って。(笑)
 
実は、小さい頃から自分でやるよりも観る方が好きでした。
だから、演じて上手にできるかというとそこまで強い自信はないんだけど、人よりも沢山観ているということに関してはすごく自信があります。
 
最初はみんな琉球舞踊から入るので、僕も姉と一緒に琉舞の教室に通って習っていました。
組踊も沖縄芝居も、琉球舞踊ができていないと演じられない。琉舞は沖縄伝統芸能の基礎なんです。
 

「衣装を自分で選ぶのも楽しいんですよ。」 
 

普段から着慣れているだけあって、あっという間に着付けてしまう。 
 
– – – 人間国宝の先生からも学べる研修生時代、すごくハードでした。 
 
中学、高校の時もずっと先生について習っていました。
玉城流扇寿会の谷田嘉子先生、金城美枝子先生です。
 
高校生の時に、「国立劇場おきなわ」が第一期研修生を募集していたので応募しました。
今、第3期生までいますが、試験内容は年によってちょっとずつ違うようです。
僕の時は実技が中心。先生が踊ったものを見て覚えてすぐその場でやるという「初見演技」もありました。
40名ほどの応募者の中から合格したのが10名、そのうち立方(たちかた=踊り手)は佐辺良和さん、川満香多さんと僕の3名でした。
 
当時自分は高校生だったので、受かった時は嬉しかったのと同時に、すごく驚いたのを覚えています。
 
研修は3年間あるのですが、最初は高校も行きながらだったので大変でした。
毎週月曜から木曜の週四回、18時半から21時45分までみっちりでしたから。
その間は自分が習っている先生のところへも練習に行けないし、大学受験の勉強もあったし。
しかも土日は何らかの舞台が入るので、金曜の夜はそのリハーサルで22時から稽古があったり、とにかくハードでしたね。
でも好きでやっているので楽しかったです。
 
研修生になると、人間国宝の先生や、第一線で活躍されてる方からじかに教えて頂けるので、すごく勉強になりましたね。
 

 
高校卒業後、沖縄県立芸術大学に入学しました。
以前は「音楽学部邦楽専攻」という名でしたが、今は「琉球芸能専攻」と変わっています。
2年生までは琉球舞踊と組踊を両方学び、3年次に専攻を決めます。
組踊は今でも「男性だけの世界」という考えがわりと残っているので、男子学生はだいたい組踊を専攻しますね。
でも、女性でも頑張っている方は沢山いらっしゃいます。
僕は現在、大学院で組踊を専攻しています。
 


近代的で美しい、国立劇場おきなわ
 

お手洗いのマークが可愛らしい 
 
– – – 何度観ても面白い、たとえオチがわかっていても。 
 
組踊の魅力は、まず話の筋が単純明快。
勧善懲悪だったり、敵討ちだったり、わかりやすいんです。
敵を討ちに行ったけど結局討てなかった〜なんて話はなくて、ほとんどがハッピーエンド。
話の内容だけみるとすごくシンプルだかあら、どう面白く見せるかが重要になってきます。
踊りの技術だけでは十分とは言えないんですよ。
 
立方(たちかた)は何にもせずに止まっているだけという状態の場面もあるんです。その間は音楽だけが流れている。
例えば、父親の敵討ちに向かう息子達が母親と別れるシーン。悲しい場面ですね。その時、立方に動きはなく、立ち尽くしているだけ。
でももちろん、ただつっ立っているだけではなく、表情では演じています。
 
そして、組踊は立方だけでなく、地方(じかた=歌三線・太鼓)がいないと成り立ちませんから、色々な役割の人々が一丸となって一つの舞台を作り上げる、という場の雰囲気も重要です。
 
また、組踊では「序破急(じょはきゅう=日本芸能における加速理念、『起承転結』のようなもの。)」がはっきりしているので、テンポがあって面白いんです。展開がはっきりしていて、いきなりぱっと場面が変わるので、単純明快、わかりやすいんです。
 
琉球王朝時代、約300年も前に作られた話ですが未だに色あせませんし、組踊の創始者である玉城朝薫が作った、古典のような作品が最も人気が高いんです。
話のオチもみんなわかっているけど、何度も観に来てくれる。
僕もそう、同じ演目を何度観たかわかりません。
演じる人が違えばもちろん全く違う舞台になりますが、同じ人が演じてもその時々によって「あ、今日は一段と素晴らしいな」という日もあります。
舞台を見続けていると、そういう違いもわかってくるという醍醐味もありますね。
 
やりたい演目や役は沢山ありますが、「◯◯さんと一緒に◯◯を演じたい」、という願望もあります。
または「あの人の歌でこの劇のこの場面をやりたい」とか。
演じる方にもみんなそれぞれ好みがありますから。
 
例えば、一緒に演じていてとても呼吸が合う方がいます。
話さなくても、合わそうと思わなくても合う。
この辺はきっと相性でしょうね。相性が合うから呼吸が合う。
 

「朝薫の五番」を一つの作品で表したレリーフ  
 
– – – ストレートだから面白い子ども達の反応 
 
国立劇場おきなわの組踊研修修了生で「子の会(しいのかい)」という会を編成し、県内外で組踊や古典舞踊の舞台を行うだけでなく、学校をまわったりもしています。
 
中でも小学校で演じるのは一番面白いですね。
普段の舞台ではまずありえないところで笑い起きたり(笑)
子どもってストレートなリアクションを返してくれるんですよね。
 
国立劇場でやると、お客さんは場の雰囲気を読んで、笑いたくても笑えない場面もあると思うんです。
観客はみなシーンとしてるし。でも小学生は違うんですよ。
例えば、「執心鐘入(しゅうしんかねいり)」を演じると、坊主が出て来ただけで爆笑、「あ、ハゲだ、ハゲ!」って(笑)。
そういう素直な反応が見られるのは、とても面白いです。  
 
でも、小学校でただ演じるだけでは僕たちがやる意味がない。
生徒達が話の流れをつかみやすいように、事前に必ず説明の時間をもうけます。
大まかな流れ、言葉の意味、登場人物の見分け方、そういうものを予習するんですね。すると、字幕が無くても大体の流れはわかりますから。
 
学校で演じる演目は「執心鐘入」や「二童敵討(にどうてぃちうち)」が多いです。内容がわかりやすいし、時間も短めで子ども向きなんです。
 
大人だけでなく、お子さんにも是非組踊を楽しんで頂きたいですね。
国立劇場おきなわでは、親子でご覧になる方向けに、組踊の演者が実演を交えて演目内容を解説し、実演もお楽しみ頂ける「親子のための組踊鑑賞教室」を定期的に行っています。
組踊を観た事がない方には特におすすめ。わかりやすく人気の高い演目が多いですし、お子さんも十分楽しめますよ。
 

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劇場内に設置された「朝薫の五番」のあらすじ。写真の中には金城さんの姿も。
 
幼い頃から金城さんにとっては組踊も沖縄芝居も、伝統芸能というよりは純粋に「娯楽」だった。
そして、それは今も変わらない。
休みの日は何をしているのか尋ねると、
 
「仲間たちと、自慢の組踊や沖縄芝居のビデオやDVDを持ち寄って鑑賞会したりしてます。
『この時の◯◯さんのこの部分、良いんだよね〜』『そうそう、わかる〜』
なんて感じで。すっごい盛り上がりますよ。
こんな昔の映像は僕しか持ってないだろうっていうようなお宝ビデオを自慢したり(笑)」
 
お笑いのDVDを観て盛り上がる大学生と変わらないノリだ。
 
組踊を最初から最後までしっかり観たことがなかった私は、取材に伺う前に「朝薫の五番」を始めとして、有名な演目のストーリーにざっと目を通した。
その歴史の深さからとっつきにくい古典的な物語だとばかり思い込んでいたが、
「執心鐘入」: “イケメンに一目惚れした女性ストーカーを撃退する話 ”、
「雪払い(ゆちばれー)」: “意地悪な継母の仕打ちに耐えるけなげな姉弟 ”というドロドロ昼ドラ系(いずれもあくまで個人的解釈)。
 
意外と現代人にもとっつきやすい?
時代は変わっても、人々が思い悩むことの本質は変わらないのかも。
そして、娯楽の本質も。
 
ユネスコが認定する無形文化遺産にも登録された組踊。
沖縄の伝統だから、自分たちが伝えて行かないといけないから・・・
そんな義務感からではなく、単純に
「面白いらしいから、観に行ってみようかな。」
そんな気持ちで良いのだろう。
琉球王朝時代の人々が、そうしてこぞって観に行ったように。
 

写真・文 中井 雅代

 
 
国立劇場おきなわ
浦添市勢理客4-14-1
TEL:098-871-3311
 
HP:http://www.nt-okinawa.or.jp

 

NAKAI


 
やんばるの光、風、土、水 全てを取り込み、生まれた布。
自然を纏い、自然を感じる そんな涼やかな空間をお楽しみください。

〜 7/10(sun) ※入場無料
作家在廊日 8(金)〜 10(日)
 
プロフィール
東京生まれ。多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業。
(株)三越にてオリジナル商品のパッケージデザインを担当。
1991年日本民芸館で見た芭蕉布に一目惚れ。
2年後、喜如嘉芭蕉布会館伝承生となる。平良敏子氏に師事。
2004年独立。現在、工房風苧主宰。初個展。
http://kouboufuu.exblog.jp

NAKAI


 
「自分の食べるものは自分で作りたい」
3.11以降、そんな気持ちを抱き始めた 人、多いはず!
でも、耕す場所がないと諦めていませんか?
 
浮島ガーデンでは、7月21日(木)、首里で5坪の市民農園の貸出を行っている 『NPO法人沖縄パーマカルチャーネットワーク』坂井正吾さんをお招きして、
パーマカルチャーな暮らし、自給菜園ライフについてお話を伺います。
 
ここで出会った想いのある人がつながって、
みんなでワイワイ菜園して、ゴハン作って食べたり飲んだり、きっと楽しいだろ うなぁ~♪
 
沖縄パーマカルチャーネットワーク
http://okinawa-pcn.perma.jp
 
浮島ガーデン
http://ukishima-garden.com/main