NAKAI


 
ハワイで毎年開催されるフラの世界大会で、毎年のように入賞を果たす実力を持つフラの教室「ハラウ・フラ・カラカウア」によるショーが100円の義援金で見られるということで、プラザハウスの広い駐車場が一杯になるほど大盛況となった。
 

 
「カヒコ」と呼ばれる伝統的な古典フラからイベントは始まった。 
 

 
「これがフラ?」と思うほど、多くの人々がイメージする陽気で楽しいフラのイメージとはかけ離れた、神聖で厳かなムードの漂う踊り。
 

舞台袖で出番を待ちながら、静かに手を合わせる。 

 

エコ先生の祈祷のようにも聞こえる歌声が低く、深く響く  
 

 

 

 
史実を語り継ぐ事が大きな目的だと言われるカヒコだが、その神聖な踊りからは「祈り」の精神も伝わって来る。
 
日本同様その周囲を海に囲まれているハワイは、古くから台風や洪水、ハリケーンといった自然災害に何度も見舞われてきた。
多くの尊い人命が自然の猛威の元に失われてきたこの島に伝わる踊り「カヒコ」は、死者の世界や神のいるところにまで届くのではと思わせる、この世と見えない世界とを繋ぐような踊りだ。
 
人ではない何か、神や霊に向けて捧げられる舞にも見える。
そしてカヒコを踊っている時のハウマナ(生徒)たちは、ダンサーというよりも神の使いや巫女のような神聖な空気をまとっている。
 
華やかな楽しい踊りではない。
しかし、踊り終わるや否や大歓声がわき起こり、惜しみない拍手がおくられる。
彼らの心が、踊りという形をとって観客にダイレクトに伝わっているのだ。
 

 
カヒコが終わると、現代フラ「アウアナ」が始まる。
カヒコとは打って変わって、陽気で楽しい南国のハッピーなムードが会場全体に満ちる。
 

 

出番を待つ表情も、穏やかで優しい。 
 

 
しかし、その音楽に注意深く耳を傾け、ハウマナ達の表情をよく観察すれば、ハッピーなだけの踊りではないことがわかる。
 
ハワイアンソングの旋律は、いつも私に沖縄を思い起こさせる。
 
カラフルな南国の風景、
のんびりとした日々の流れ、
日焼けした顔によく似合う、人懐っこい笑顔・・・
 
そんな表のイメージと背中あわせに存在する、悲しい側面のことを。
 
2つの島とそこに住む人々の心には、悲しい歴史が確かに刻まれている。
 
抑圧され、侵略をうけ、大義名分の元で犠牲になったという、永遠に消えることのない傷を抱えている。
 
人々はその深い哀しみを怒りに変えるのではなく、互いを支え合い、哀しみを受け入れた上で、歌と踊りに変えてきたのだ。
 
やり場のない感情をのみ込んで受け継いできた踊りだからこそ、幸福や快楽だけではない、強さや慈しみの心が伝わって来る。
 
その独特な憂いを帯びた雰囲気は、琉球舞踊にも通じる。  
 

 

緊張した面持ちで出番を待つ 
 

 

しかし、いざ舞台に立てばこの表情。堂々とした踊りっぷりに、会場が沸く
 
 
 

舞台袖や会場からは、かけ声や歓声が 
 


大舞台を立派に務めあげ、舞台裏ではあどけない表情を見せていた 
 

出番を待つ間、最後のチェックに余念がない
 

 


フラは女性だけの踊りではない。茶目っ気たっぷりの男性陣によるフラに大歓声が
 

最後の出番を待つ。
 

手に持った楽器「イプ」は、生徒達がそれぞれ自分で作ったもの。
 

 
ハラウ・フラ・カラカウアのフラを見ていつもハッとさせられるのは、その表情だ。
踊りや歌を覚えるだけでは、きっとこんな表情では踊れない。 
 

 
生徒達が口を揃えるように、教室ではただフラを習っているのではなく、「ハワイを学んでいる」のだろう。
歌に込められた意味を、ハワイの言葉を、歴史を、そして、その心を。
 
 
 
「どんなに辛いことがあっても、IMUA(イムア=「前進」「立ち上がれ」)の精神を忘れないで。
今回の地震によってもたらされた被害は、決してひとごとではありません。
みんなで乗り越えましょう。」
 
エコ先生と、指導をサポートしているPoliさんによるフラが、イベントの最後を飾る。
 
 
 

 

 
フラが私たちの心を打つのは、
「私たちは辛かったよ、悲しかったよ」
というメッセージに終始していないからかもしれない。
 
「辛くても、踊ろう。前に進もう。」
という強い想いが、きっとそこにはある。
その為に、支え合おう。そして、みんなで乗り越えよう。あなたは一人ではない、と。
 
それはまさに、「ゆいまーる」の精神。
 
誰もが知っているハワイの挨拶「ALOHA」には、愛、慈しみ、感謝、共感といった意味も含まれているという。
 
沖縄とハワイ。
同じ小さな南の島で生まれ、受け継がれてきた、思いやりの精神。
 
 
 

 

 
「私たちのこの気持ちが、東北に届きますように。IMUA(イムア)!!」
 
最後は観客も一緒になって手をつなぎあい、ステージの上に広がる、東北にも繋がっている空に向かって大きな声で呼びかけた。
 

滝のような汗をかいているとは思えない、この輝くような笑顔 
 
どんなことがあっても、私たちはその歩みを止めるべきではない。
 
IMUA!前へ進もう!
皆で手を取り合って。
 

写真・文 中井 雅代

 

PLAZA HOUSE(プラザハウス)
沖縄市久保田3-1-12
098-932-4480
HP:http://plazahouse.net
 
Halau Hula Kalakaua(ハラウフラカラカウア)
浦添市沢岻2丁目13番地6号
098-878-5654
*留守番電話になっていますので
御用件、お名前、お電話番号をお忘れなく吹き込んでください。
 
関連記事:Halau Hula Kalakaua ハワイ大会で入賞10回 ハワイがなくしても沖縄に残したい本物のフラを学ぶ

NAKAI


 
今日は少し大人っぽく仕上げたい。
OH!lala(オー!ララ)のパールネックレスを
つけることは決めているから、
それに合わせてお洋服をコーディネート。
 

 
つるりとした質感が上品なトップスで
大人感を。
パールを上品に合わせたいから、
ボトムはやっぱりスカート。
 

ヘアアクセ ¥1,575/coquelicot(コクリコ) 
 
ヘアアレンジをぴしっとキメちゃうと
すこしかっちりしすぎるので
はずしでふんわりと。
洋服にも色味の合ったヘアアクセで
ゆるゆるの三つ編みをくるっとまとめてガーリーに。
 
ヴィンテージの生地や厳選された素材を使った、
女性の心をくすぐる、
見て楽しく使って便利なアイテムが豊富な
コクリコのヘアアクセ。
 
沖縄在住のクリエイターさん自身の、
可愛らしく柔らかな雰囲気がそのまま反映されたようなものばかり。
 

 
OH!lalaのアクセサリーはどれも
カジュアルに身に着けられるよう計算されたものばかりで、
ジーンズスタイルにだってハマる。
 

ネックレス ¥25,200/OH!lala(K18、天然パール使用)
 
肌なじみの良いK18の華奢なチェーンに、
ゴロンと寝そべる3つの天然パールが可愛らしい。
他のネックレスと重ね付けすると、
きっとまた違う顔をみせてくれるはず。
 

ブレスレット ¥2,100/coquelicot(14kgf、淡水パール使用)
 
14kgfのシリーズは優しい素材で
アレルギー体質の方にもおすすめ。
メッキとは異なり、真鍮を覆う層がとても厚いので、
使うほどに剥げてきて黒ずむこともほとんどなく、
中のニッケルが流れだすなんて心配もない。
 
最後に鏡をチェックすると、
ちょっとパールを重ね付けしすぎ??
今日はピアスははずしていこう。
 

 
モノトーンですっきりまとめて
涼しげな夏のおめかしスタイルが完成。
本物のパールやゴールドでコーデを楽しめるのは
大人の女性の特権かも。
 
*コクリコは、アクセサリーの他にカゴバッグの制作もお願いしてあり、
新作が出来たら、随時ブログにてご紹介します。
 
Coqu コキュ
住所:沖縄県宜野湾市新城2-36-12
定休日:月曜日
HP:http://majolie.ocnk.net
ブログ:http://coqu.ti-da.net

NAKAI

 

美しくセッティングされたテーブルに並んだのは、ヘルシーかつ本格的なイタリアン。
トマトの赤、バジルや葉野菜の緑、玉ねぎやパルミジャーノの白。
トリコロールカラーをテーマに作った、夏野菜の恵みいっぱいのテーブルだ。

 

 

 
まずはデザートを仕込む。
オレンジのジュレ。

 

オレンジを横半分にカットし、中をくりぬく。
皮を器にするため、すわりが良くなるように下になる部分を少しカットする。

 

 

果汁を搾るのに使うのは、
キッチンの三角コーナー用の水切り。

 

「これ、すごく便利なのよ。」

 

 

たまねぎを水にさらす時などにも使える
便利アイテム。
「すごい、こんなに搾りやすいんですね!」

 

 

パスタ用のにんにくを剥き、セロリをみじん切りにしていく。

 

 

皮をむいたにんにくを、ハンドミキサーでみじん切り状に。

 

 

オリーブオイルとあえて、「にんにくオイル」を作っておく。

 

「このにんにくオイルは本当に万能。
作り置きしておくと、色々な料理にすぐに使えて便利です。買ったにんにくをしばらく置いておくと
芽が出て使えなくなっちゃったりするでしょう?
でも、買ってすぐ作って冷蔵庫に入れておけばしばらく保存もききますからね。」

 

 

マリネ液に使うパセリを刻む。

 

「パセリをみじん切りにするとき、みなさんどうします?」

 

という先生からの質問に、すかさず

 

「先生〜、どうすれば良いのか、教えてくださぁ〜い!」

 

「は〜い、教えましょうね〜。」

 

レッスンに通い慣れた生徒とのやりとりは漫才のよう。
キッチンには笑いが絶えない。

 

 

パセリの房をちぎる。

 

「茎は使わずにとっておいてね。今日はトマトソースの中に入れちゃいますから。そして、ふわふわしてると刻みにくいので、こうやってぎゅぎゅっと小さくまとめて、『小さくな〜れ〜』って。」

 

「口に出すのが大事なんですよね、先生?『動くんじゃねぇ〜!』でしたっけ?」

 

「そうよ〜、『動くんじゃねぇーよ〜』って(笑)そして、こうやって刻むの。」

 

「わぁ〜、先生上手〜!まるで先生みたい!(笑)」

 

 

パスタに使うプチトマトは4等分に。

 


 

搾ったオレンジ果汁にレモンを搾り入れる。
湯せんにかけてしっかり溶かしたゼラチンも混ぜ入れ、オレンジをくりぬいて作った器に注ぎ、冷蔵庫へ。

 

 

小魚のフリットを作る。

 

「今日はスルルー(=きびなご)を使います。」

 

塩こしょうをして、にんにくオイル、小麦粉、片栗粉を絡め、揚げる。

 

 

170度でからっと。

 

「1匹ずつ入れると時間かかっちゃうから、2〜3匹一緒にこうやって入れてね。」 

 


 

「色々試したんだけど、このホールトマト缶が一番美味しい気がします。値段も安くてお勧めですよ。」 

 

缶詰めの中身をボールにあけ、ホールトマトを手でつぶす。

 

「カットトマトを使うより、ホールトマトをつぶした方が美味しくできますよ。今日は、『チンするトマトソース』を作ります。簡単にできて美味しいの。」

 

 

 

みじん切りしたセロリと玉ねぎにオリーブオイルを2周ほど回し入れ、塩を入れて混ぜる。
電子レンジで3分加熱する・・・予定が、誤って先にトマトソースも混ぜ入れてしまった。

 

「あら、入れちゃったんだ。うん、でも大丈夫よ、とりあえずこのままレンジにかけてみて様子を見てみましょう。」

 

 

手順を間違ったり、何かを失敗しても、先生は絶対に怒らない。なぜならそれは、家庭での料理においても起こりうるアクシデントだから。

 

「決められた手順通りにできなかったとしてもそれは失敗じゃないのよ。その時その時でやり方を変えて、美味しく出来上がれば成功なんだから。」  

 

 

サラダ用にオリーブをスライスする。

 

 

 

3分加熱したソース。

 

「・・・う〜ん。やっぱり玉ねぎがまだ固いわね。もう少し加熱してみましょう。」

 

 

片付けも同時進行で。

 

 

スルルーがこんがりきつね色に揚がり、香ばしい香りが漂う。

 

「良い香り!にんにくオイルが効いてる〜。これだけでも美味しそう!」

 

「どうぞ、みんなこのままでも味見してみてね。」

 

 

エクストラバージンオイルを入れ、パスタ用の茄子を炒め揚げに。

 

「本当は茄子から揚げた方が良かったね。でも大丈夫よ、臨機応変にね。」

 

 

「炒め揚げだと、普通に揚げるより、ヘルシーにできますよ。」

 

 

マリネに使う新玉ねぎも、みじん切りにした後に三角コーナー用水切り袋に入れて流水で洗うと、からみがとれる。 洗った後はよくしぼり、トマト、パセリ、レモン汁をボールに入れ、砂糖、塩・こしょう・酢を加えて味を調える。 

 

「みんな味見してみてね。」

 

 

「ちょっと塩が足りないかな?」

 

「お酢も入れた方がいいかも?」

 

みんなで意見を出し合い、
味を決めていく。

 

「うん、美味しい!これでいきましょう。」

 

 

揚げたスルルーをマリネ液に入れてざっと混ぜ、冷蔵庫に入れて冷やす。

 

 

スライスしたレモンは、食べる前にマリネに飾り付ける。

 

 

パスタ用のチーズは、二種類のモッツァレラチーズを。

 

 

「こうやって、手でちぎった方がパスタソースに絡みやすいですよ。」

 

 

「液体に浸けてあった丸くて白い方がフレッシュタイプでもう一つは熟成させたタイプ。味が全然違うから、みんな味見してみて〜。」

 

「本当だ〜。どっちも同じモッツァレラとは思えない。」

 

 

「本当は、玉ねぎ・セロリにオリーブオイルを混ぜたものだけで3分間チン、それからトマトソースを入れてチン。それで出来上がり。でも、トマトを一緒に入れてチンしたから・・・」

 

 

「やっぱりまだ玉ねぎの煮込みが足りないかな。よし!今日はお鍋で煮込みます。」

 

 

バジル、オレガノ、ローリエを入れ、

 

「玉ねぎにしっかり火を通すために、
煮込みましょうね。」
 
鍋ににんにくオイルをしき、
生のバジルを入れ、トマトソースを入れて煮込む。
 

 
「これはね、メニューには入れてないんだけど、
すっごく美味しいからみなさんに食べてもらいたくて。
有名な津嘉山かぼちゃ、
一つで1000円くらいするの!
沖縄で作ってるのに、なかなかお目にかかれないんですよ~
関東・関西の料亭に行くんですって。」
 

 
塩をふって好きなハーブをちらす。
 

 
にんにくオイルをたっぷりかけて、
その上からさらにオリーブオイルを回しかけ、
オーブンへ。
 
「これであとはオーブンにお任せ。
簡単でしょう?
びっくりするくらい美味しいから、
楽しみにしてて!」  
 

 
煮込んだソースの中に、
さらに刻んだトマトを入れる。
 
「うん!煮込んでさらに美味しくなった!」 
 
アルデンテより少し固めに茹でたパスタを投入。
 

 
「パスタがソースの水分を吸っていくので、
途中で様子を見ながらパスタのゆで汁を足してね。
じゃないとぱさぱさになっちゃうから。」
 
大きく鍋をゆらしながら、ソースとパスタをあえる。
 
「こうしてよく混ぜることで
ソースにとろみがつくの。
みんな、順番にやってみてね。」
 

 
プチトマトと揚げた茄子を入れる。
パスタの固さと味を見て、調える。 
 
盛りつける寸前に
ちぎったモッツァレラチーズを加える。
 
「よし!できあがり。
お皿に盛りつけましょう。」
 

 
「チーズがとろとろ、
美味しそう〜〜!」
 

 
「最後に手首をきゅっとひねると
綺麗に盛りつけられますよ。」
 

 
先生の友人、
陶芸家の金城有美子さんの皿の上では、
料理が一層映える。
 

 
スルルーのフリットのマリネも盛りつける。
 
「このお皿も可愛い〜!
お料理にも合いますね。」
 

 
「フレッシュバジルをちぎって、
サラダに乗せましょう。」
 

 
パルミジャーノレッジャーノは、
惜しみなくたっぷりとふりかけて。
 

 
「さあ、温かいうちに食べましょう!」
 
「美味しそう〜、いただきまーす!」
 


 
「すごい!ソースにコクがある。」
 
「にんにくオイルも効いてるし、
バジルの風味がたまらない〜。」
 
「チーズがとろとろで嬉しい〜!」
 

 
ハーブのサラダは
手づくりドレッシングをかけて。
 
「ドレッシングって自分で作っても
こんなに美味しくできるんだ〜。」
 
「買わなくていいね、今度から作ってみます。」
 

 
「わっ!!
すごい、何これ、めちゃくちゃ美味しい!」
 
「塩こしょうしてハーブとオイルかけて焼いただけなのに、
こんなに美味しいなんてびっくり〜!」
 
「でしょう?
主婦の味方の、時短料理よ。」
 

 
「マリネも美味しい!
私、南蛮漬けが苦手なんだけど、
これは食べられる!」
 
「止まらないね〜、
どんどん食べちゃう。」
 

 
食後はコーヒーで一息。
 

 
「デザートができてますよ。」
 
「わ〜!すごい涼しげで可愛い!
やっぱりオレンジの皮をうつわにすると、
雰囲気でますね。」
 

 
「さっぱりしてるけど、
果汁100%だからこくもありますね。」
 
「簡単だったから、これならおうちでも作れそう!」
 

 
モデルの仕事をしていた徳元先生は、
ご覧の通りの美しさ、スタイルも抜群。
 
学生の頃から料理は好きだったが、
モデルを始めてからは、
仕事上、バランスの良い食事が不可欠であることもあって、
10年前に一念発起して専門学校に入った。
 
「資格が欲しい、という気持ちも強かったですね。」
 
調理師免許を取得したのち、
和食やイタリアンのレストランの厨房に勤めて経験を積み、
その後、料理教室で働いた。
イタリアンの講師を3年間務めた後、
2010年12月に独立。
個人で料理教室を開いた。  
 
「『美の追求』という大きなテーマは変わっていません。
野菜をたくさん食べたいから、
サラダを中心にしたヘルシーな料理を心がけています。
 
女性って集まってわいわいすると楽しいし、
楽しいと輝きますよね。
そういう時間を料理をしながら共有できたら嬉しいです。
自分も輝きながら仕事したいですし。
 
女性は、働きながらだったり、子育てしながらだったりで
皆さん本当にお忙しい。
ですから、できるだけ短い時間でできるような調理方法も提案しています。」
 
ご自身も、育児と仕事を両立させる主婦でもある先生、
レッスン中、生徒に何度も味見をさせていたのはきっと、
教室で習った手順、堪能した味を
家庭でも実践して欲しいから。
 
 
容姿端麗、バリバリ仕事をこなすカッコイイ女性!
という見た目のイメージからはちょっと想像できないほど、
ほんわか優しい雰囲気、
穏やかな物腰、
チャーミングな人柄。
 
「ゆみ先生〜!」
と、生徒たちが慕うのも納得の、
いかにも人好きのする性格。
 
おいしい料理、プロの手際の良さを学びたくなるのは勿論だけれど、
先生のこの笑顔に会いたくて、
リピーターになる生徒はきっと少なくない。
 

写真・文 中井 雅代

  
 
You.me.x
徳元由美子
ブログ:http://youmex.ti-da.net
連絡先:090-6859-3615
※教室の詳細は電話にてお問い合わせください。

 

NAKAI

 
暮しの手帖編集部/著  暮しの手帖社  1260円/OMAR BOOKS 
 
― あたりまえのことを、あたりまえに ―
 
日々の生活に追われてコチコチになった心と体。
誰でもたまにはメンテナンスが必要。
その方法は人それぞれだけれど、
まずは気分だけでも変えてみませんか?
そんな時におすすめしたいのがこの『暮らしのヒント集』。
 
雑誌『暮しの手帖』に連載されている記事をまとめたもので、
469もの暮らしにまつわる工夫とアイデアが詰まっている。
見開きページにつき一つの短いエッセイが寄せられている
(現編集長、松浦弥太郎さんの
シンプルで温かな言葉たちがまたいいのです)。
 
この本を教えてくれたのはお店のお客さま。
彼女はこの本をいつもバッグの中に入れていて
ちょっと落ち着きたいな、というときに開くという、
まるで精神安定剤のよう。
 
確かに読んでいるうちに、荒だった心から
波がすーっと引いていくような気がするから不思議。
ページをめくるごとに気持ちがほぐれていくのが分かる。
 
この本の魅力は「さりげなさ」。
収められた文章も、この本の佇まいも、
鉛筆でささっと描いたような線画の挿絵も、
どこか読む人をほっとさせる。
全然それが押しつけがましくない。
それでいて読む人を自然と元気づけてくれる。
 
人に例えていうなら
友達でも黙ったまま隣にいてくれるだけで有り難いってときがあるけれど、
そう、まさにそんな存在。
 
本の中のヒントを紹介すると、
 
「166.テーブルにコップを置くときは、静かに置くことを心がけましょう。やさしいしぐさが気持ちをやわらげます。」
 
「185.やさしくすればすくすく育つし、冷たくして傷つければ枯れてしまいます。人も草花と同じように、それほど強いものではありません。」
 
といったものが淡々と続く。
 
あたりまえのことを、あたりまえに。
それが出来て初めて、
美しい暮らしにつながる。
 
心に余裕がないときは、
忙しさに紛れておろそかにしてしまいがちな
暮らしのあれこれについて思いをめぐらすこと。
ちょっとした工夫やアイデアで
毎日はこんなにも豊かになる!
  
一日の終わりに読むのにもいいし、
例えば、ぱっと開いたページに書かれているヒントの言葉通りにその日を過ごしてみるのもいいかもしれない。
憂鬱な気分のときに読めば
ほんの少し明るい気持ちになる。
いろんな効用がありそうな一冊。
 
この本を読み終わったあと、
ちょっと鏡で自分の顔を見てみてほしい。
それまで強張っていたのが、
柔らかい、優しい表情のあなたがきっとそこにいるはず。
 



OMAR BOOKS 川端明美




OMAR BOOKS(オマーブックス)
北中城村島袋309 1F tel.098-933-2585
open:14:00~20:00/close:月
駐車場有り
blog:http://omar.exblog.jp

NAKAI


 
静謐なたたずまい。
カトラリーの周りには、しんとした静けさが満ちている。
触れると、繊細な感触、
持ち上げると、いかにも実直な重み。
 
小西光裕さんの作るカトラリーは今、
東京、神戸の店舗でも取り扱われるほどの人気で、
海外からの引き合いもあるなど、
多方面で高い評価を得ている。
 
「作品を作る時は、僕はどちらかというと奥の方へ沈んで行く感じ。
深い所へと潜って行くような、『ダイブ』系なんです。」
 

 
– – – プロダクトづくりは人に任せて良いかなって。


中学生の頃から、こういう道に進みたいと思っていました。


実は、最初は学芸員になりたいと思ってたんです。
作るほうは、「僕なんかには無理だ」と思っていて。

 
母親が司書なので、子どもの頃から本は好きで、
休みの日も、図書館や美術館によく連れて行かれていました。
ちょっと遠くで開催されている展覧会でも
家族旅行をかねて行っちゃう、みたいな。
だから、美術はすごい身近にありましたね。


父は公務員だけど趣味で木工をしていて、
もともと大工の家系だったこともあって、
ものづくりはずっと好きでした。


最初にちゃんと作ったのは高校2年の時で、プロダクトを作りました。
美術も好きだったけど、自分でやるならプロダクトだと思っていて。
でもやってるうちに、
「プロダクトは人に任せて良いかな」って(笑)。


当時はちょうど、人生で一番本を読んでいた時期でもあったので、
表現したいという気持ちが余計出てきたんですね、それで彫刻を始めました。


——— 彫刻以外の選択もあったと思うのですが?


立体が好きだったんですね、大工の家系ですし。
父は公務員をしながら家具を作ってましたし、
子どもの頃に遊んでいた木馬は祖父が作ってくれたものでした。


10年前に芸大に入学し、彫刻を先攻しました。



 

– – – 作品を作るときは、私小説を書くように。


自分がものづくりをする時は「ダイブ系」なので、
内側からのバイブレーションで作る人は「すごいな~」と。
「あー、この形!!できたー!」
みたいな感じでは、僕はものづくりしないし、できないです。


読書が大好きなので、
本を読んだり文章を書いたりして、
そこから作品をつくることが多いですね。
物語を作るみたいな感じで、文字からまず入っていくんです。


このやり方は、わりと最初の時からそうでした。
周りに同じような人はいませんでしたが、
私小説を書くような感じで作っているので、
日本人ぽいといえば日本人ぽいのかもしれません。


普段は、ネタ帳を持ち歩いて、
思い浮かんだ時にいつでも書き留めるようにしています。


アウトプットするときは、ある程度セーブするようにしてます。
どぼどぼと、ただ出すだけでは表現とは言えませんから。
ウインナーみたいに「ギュー」って絞りだすように、
選び抜いたものを出さないと。


それを探すために、
自分はちょっと下の方に降りて行かないといけないんです。


作品を見た方から
「久しぶりにおばあちゃんに会ってきますね。」
とか、
「実家に帰りますね。」
なんて言われることがあります(笑)。
そういうつもりで作っているわけではないのですが、
何か感じて頂けるところがあるのだと思います。




 

– – – 物としての存在感は、美術作品もカトラリーも一緒。


——— カトラリーを作り始めたきっかけは? 

(「陶・よかりよ」の)八谷さんに、
「美術が好きなのか、ものづくりが好きなのか、どっちだ?」
と訊かれたことがあって、
答えに窮したんです。


それは、それまでも頭のどこかで考えていた問題でした。


大学で働きながら制作をしているので、
時間をお金で買っているようなもの。
その時間を美術の方にあてたいと思っていたけど、
八谷さんからけしかけられて(笑)。


それで試しに作り始めたんですが、
それまで美術に使っていたパワーを変換して出せるようになってきて、
ただのバイトや見本ではなく、作品として作るようになりました。


ランチョンマットの上にも、空間がありますよね?
その上にカトラリーを置くわけで、
物としての存在感について言うと、美術作品もカトラリーも一緒だなと思って。
最近はわりと、すんなりやれるようになってきたと思います。


カトラリーをつくるのは
面白いですが、しんどい。


最初はフォークとスプーンから始めて、
よかりよで販売させて頂きましたが、
美術作品を作るよりもしんどいんです。
生活の中で実際に人が使うから、ということもあって、
色々と気を遣うことが多いんですよ。


——— しんどいけど、続けてるんですね?


そうですね。
でも、今の所はそれで食っているわけじゃないですからね。
「良いね」と言って買ってくださる人はいますが、
大変なのは今からじゃないでしょうか。
最初だけだと思うんです、道が広いのは。
途中からひゅーっと細くなって、通れなくなるくらい狭くなる。


八谷さん:「でも、相手との距離のあいだに作品があるんだけなんだから、
こだわらなくて良いと思うよ、小売業になる訳じゃないんだし。
今はまだ、クッションがあるからね。」

 

——— クッション?


八谷さん:「今はそれで食っているわけじゃないという状態だから
気軽に出せるけど、
それが職業になって、使う人の事を考え始めると
自分が表現できる範囲が狭まるという思いがあるんだろうけど、
狭まってないものを喜んでもらっているのだからそのままでいい。」


   


 
– – – コンセプトは、『祈り』と『森』


自分の中では「祈り」をテーマに据えていることがわりと多いかもしれません。
日々の祈りだったり、
もっと大きなものに対する祈りだったり。


特定の宗教とかではなく、そっと手を合わせるような心持ちを大切にしたくて。
ご飯を食べる時や、新しい本を買ってきて開くときもそう。
わざわざ手を合わせなくても、心のなかで静かに思うような。


「紐解く」って、すごく良い言葉だと思うんです。
本を「開く」じゃなくて「紐解く」。
そういう、丁寧な気持ち。


「神聖な」というより、「敬虔な」雰囲気を作品の中にも出すようにしています。
いや、別に僕汚れてますけど(笑)
故に、清濁併せ持った最後の上澄みみたいなものを
作品に投影できたらな、と思っています。




もう一つ、「自分と森」というテーマはずっとあります。


僕、兵庫県の山奥のすごい田舎で生まれ育ったんです。
大学2年の頃まで水道が来ていなくて、山から水を引いていたような所。


だから、僕の出発点は山奥の木の根っこだと思っています。
いまでも山登りが好き。
森は、自分の原点みたいなものなんです。





– – – より良く、丁寧に生きたい。


普段は帰宅して、本を読んで、考えて作品を作って・・・
そのサイクルはとても穏やか、
だけど、しんどい。
でも、そういう生活が、自分は安定するみたいです。


不安定な時期も勿論ありますが、
色々な節目があっても、それを乗り越えられたのは、
やはり制作していたからだと思うんです。
制作することでバランスをとるというか、
インプットし続けていると、
やはりどこかでアウトプットしたいとも思いますし。
 
より良く生きたい、丁寧に生きたいという想いがあって、
その為にも制作する時間は自分にとって大切なんです。


– – – カトラリーからも、美術からも逃げずに


大学卒業してからは、
アートが限界だった、とかではなく、
自分が作るもの全体にもっと強度が欲しいと思い始めました。


アートというものに護られて作品を作っている部分も以前はあったので、
カトラリーを作るようになった時に、
単にものづくりとしてのバリエーションが増えただけではなく、
買ってくれた人の生活や、
自分が作った作品が置かれる空間をイメージした時に、
相互作用で強度が生まれたらな、と思ったんです。



美術サイドの人には
「なんでカトラリー作ってるの?」
って言われるし、
カトラリーを買ってくださるお客さまには
「まだ美術やってるの?」
って言われるんです。


そういう状況に目をつぶらず、
ちゃんと考えてやっていきたいですね。
どっちかに逃げないように、
両方やっていけたらいいな、と。


——— どちらかの道にすり寄って行くわけではなく、ということですか?


そうですね。





– – – 世界を変えないと。表現者は、そういう部分を担わないといけない。

 
実は、いずれは故郷に戻りたいという気持ちもあって。
そこで、「ネオ公民館」を作りたいんです。

 
今って、同じ価値観の人としか喋らないじゃないですか?
飲み屋に行っても、顔見知りと
「ういっす〜〜!」
みたいな感じで(笑)。


僕、それが嫌なんです。
そういうのじゃなくて、
隣村のおばあちゃんと隣村のおじいちゃんが
何かを通じてもうちょっとコミュニケーションをはかれるような
そんな場所、「ネオ公民館」を作りたいなって。
 

いつかはやりたいですね。
沖縄はそんな公民館がなくても、
コミュニケーションを積極的にとる県民性なので
必要ないですけど。


———人との繋がりにも興味が?


やっぱり・・・世界を変えないと、ねえ(笑)?

 
僕を台湾に呼んでくれる水谷さんて人がいるんですが、
いつも言ってるんです、歯磨きするみたいな感じで
「世界変えないといけないからさ〜」
って。
 

その言葉が、僕にはえらくすんなり入ってきたんです。
またあんなこと言って・・・みたいな風には全く思わなくて。
 

「世界を変える」っていっても、
例えば、でっかいアートイベントを成功させるとか
そういう意味じゃないんです。


うまく言えないんですが、
表現する人はそういう部分を担っていないといけないと思います。
 

ちっちゃなコミットじゃなく、もっと大きな。
「世界を変える」というか、「救う」というか。


——— 作家として、個人の想いや表現を発して終わり、というわけではないんですね。


でも、終わりのほうがラクだと思います。
作って、褒めてもらって、売れて、それで終わり。
それだと、ラクだろうな〜って。
でも、やっぱり世界を変えないといけませんから。
 

************************





 
小西さんに、これまで歩んで来た道のりを伺うと、
何度も何度も
「本を読んでいた」
という言葉が出て来る。
図書館司書のお母様の影響があるのかもしれない。
本を読めと言われた記憶はないものの、
よく枕元に置かれていた、と笑う。

 
心に渦巻いている感情や想いを爆発させて
作品を作るタイプではないという言葉どおり、
とても静かな、落ち着いた雰囲気で訥々と話す。

 
そして、
小西さんの作品は、他者の存在としっかり結びついている。
その表現は、一方通行のものではない。
作品から繋がっていく人、想い、生活・・・
小西さんは、作品を通じて相手と密接にコミットしているのだ。
 
 
小西さんの中にはふるさとの森があり、
それが、彼のぶれない軸になっているのだと思う。 

 
関西人らしく、明るい人柄だが、
心の奥に、色々な想いを抱いている。
「抱え込んでいる」という印象すらある。
自由気ままに制作しているのではないからこそ、
「しんどい」という言葉が出て来る。
 
 
しかし、生み出された作品は、
ドロドロとした超個人的な、触れることをためらうようなナマナマしさなど無く、
驚くほどに洗練され、まさに「敬虔な」雰囲気をまとっている。
それはきっと、「ウィンナー」的方法によって、
不純物を取り除いた結果なのだろう。
 
 
作品という形として完成する前に、
幾重もの薄く精密なフィルターを通したかのような、純度の高い作品。
もしかすると小西さんの心にある『森』こそが、
そのフィルターの役割を果たしているのかもしれない。
 
 
「森」や「潜る」というワードに象徴されるような、
底知れない深さを感じる小西さんの世界はこれからも広がり続け、
小西さんはもっとずっと奥の方を目指し、
ダイブし続けるのだろう。

 

写真・文 中井 雅代

 

小西光裕
HP:http://d.hatena.ne.jp/conita

取り扱い店舗
 
陶・よかりよ
那覇市壺屋1-4-4 1F
open 平日10:00~19:00(日曜・祭日12:00~19:00)
close 火曜
HP:http://www1.ocn.ne.jp/~yokariyo
blog:http://yokariyo.exblog.jp
 
Ekoca
東京都渋谷区恵比寿南1-21-18 
圓山ビル2F
HP:http://www.ekoca.com
 
MARUNI gallery+古道具
神戸市中央区栄町通 3-1-7 
栄町ビルディング4階
HP:http://w01.tp1.jp/~a680071061/index.html

 

NAKAI


 
水中に身体を沈め、
徐々に水平に倒していくと、
こぽこぽと音を立てて、耳の中に水が入ってくる。
そして、一瞬のうちに、無音の世界に包まれる。
 
最初に驚くのは、
私たちは普段、驚くほど多くの音に囲まれて生活しているのだという事実。
それらの音が一瞬で消え去り、無音の中に身を置くと、
こんな静けさはどれくらいぶりだろう?
と、思わず振り返る。
 
考えてみるといつでもどこでも、世界には常に音が溢れていて、
私たちの脳は、否応なく流し込まれるそれらの情報を
フル回転で処理し続けているのだ。
 
身体に添えられた腕がゆっくりと動き、
水中を静かに浮遊し始める。
 

 
WATSU(ワッツ)の体験談に
「まるで空を飛んでいるみたいだった」
と書いている人がいて、
「水中にいるのに、飛んでいると感じるわけがない」
と思っていたが、
実際には、まさに空中にいるような気持ちがした。
 
その原因の一つは、WATSUセンターのプールの水にある。
海水を利用し、35度に設定されているため、
その感触は、温泉や家のお風呂のお湯とは全く異なる。
 
肌にぬめるような水質の中でインストラクターの腕に導かれて浮遊していると、
生暖かい風に吹かれている時のような感じがするのだ。
 
 
 

時に膝を曲げ、腕を伸ばしながら、水中を大きな動きで浮遊する。その感じが驚くほど心地よい。 
 
しばらくすると、不思議な錯覚に陥り始める。
 
まるで自分は鳥のように空を飛んでいて、
地上にいる自分や、自分の家を俯瞰しているような感じ。
頑張っている自分や、だらけている自分が見える。
家の中のリビングが見える。
子どもの姿や、生活の様子が。
そういった諸々が、ランダムに視界に入って来るような感覚。
 
そして、前触れもなく突如場面が変わる。
 
今度は、故郷の山の上を飛んでいる。
実家が、遠くの方に微かに見える気がする。
 
「施術中は何も考えていなかった、
『無』の状態でした。」
 
という人もいるが、
私は、とにかくずっと何かが見え、
何かを考えていた。

途中からは時間の概念もなくなり、
インストラクターの存在も忘れ、
私は私自身とだけ向き合っていた。
 


ホテルと見まごう建物、海洋療法施設「かんなタラソ沖縄」 
 

40分にわたる「セッション」と呼ばれる施術は、静かに始まる。
 

 
WABA(世界水中ボディワーク協会 )認定の
「WATSU国際プラクティショナー」の資格を持つ北島有佳子さんは、
以前はアロマサロンで働いていた。
 
「サロンスタッフがWATSUを受けたという話を聞いて、
もともと水に入る事自体が大好きなので、
これ、良いんじゃない?と思って、
自分も受けにいったんです。
しかも、日本でも受けられるのに、
WATSUの総本部があるサンフランシスコの山奥まで受けに行きました、
わざわざ(笑)。
 
最初受けた時は、『なんだろう、これは?』という感じ。
皆さんもよくおっしゃるんですけど、
口ではうまく説明できない、初めての感覚でしたね。

それで、すっかりハマっちゃいました。
自分の為にあるような仕事じゃない?と思って、
資格を取ろうと決意しました。」
 
8年前に勉強を開始した。
 
「私はフロリダで学びました。
1週間で一つのコースが学べるんですが、
最初は2週間滞在して2つのコースを取って。
次の年には3つのコースを取って、という感じで徐々に。
 
資格認定している学校は、アメリカだけでなく世界各国にあります。
日本だと、弊社が認定を行っています。」  
 

 

 

施術中、身体が止まる事はなく、絶えず浮遊し続けている。大きな動作で揺り動かされ続けていると、まるで校庭ほどの大きさのプールにいるような錯覚に陥る。
 
「人によって、夢を見て旅行した気分になったり、
何も考えず、頭を空っぽにしたまま終わったり、色々。
 
精神面だけでなく、身体面に現れる効果も大きくて、
背骨が伸びた、
胸が開いて呼吸がラクになった、
目がよく見えるようになった、
という方もいます。
 
水の中に浮くだけで、
身体を支えているコアマッスルがゆるみますし、
水の浮力や流れ、抵抗を利用するので、
ゆるやかなストレッチ・マッサージ効果が得られます。

自然にからだを整えることができるので、
気づいたら姿勢が良くなっていた、という方も。
背骨と背骨の間が伸びるからです。
 
水中で行っているので、身体に無理なく施術できる。
それは、施術している私たちも同じで、
やっている間、全然疲れないんです。
逆に私たちも癒されているような感じで、気持ち良いんですよ。」 
 

 
「お客様によって、同じ時間の中でもやることは全く違います。
明日もし、同じお客様がいらっしゃっても、
その時によってやることも違うんです。
 
私たちはあまり、お客様を操作するようなことはありません。
お客様自身の身体が自然と動いていくので、
その動きに私たちはついていくだけ、
『お供しま~す』という感じです。」
 
———-「ついていく」というのは?
 
「お客様の身体が、物語を話したがることがあるんです。
どんどん身体が開いて来て。
ですから、私たちは身体が語る物語に耳を傾けて、
もっともっと語れるようにと、ついていくだけなんです。
 
人によって好きな動きというのもあって、
その動きをしていると、ノってくるんですよね。
ご本人は多分無意識なのだと思いますが、
動き方が大きくなってきたり、
からだが『気持ち良い〜!』って大きく開いたり。
そういった反応は人によって全然違うので
とても面白いです。
 
ですから、その時その時によって、
動きも即興で作っていくような感じです。
動き方のメニューが決められているわけではないんです。」
 

 
「WATSUを施術することを『セッション』と呼んでいますが、
セラピーと言っても過言ではないと思います。
 
というのも、水自体の癒し効果がとても強いんです。
例えば、水に入るだけで身体がすっきりしたり
シャワーを頭から浴びただけで疲れが取れたりしますよね?
それが、水の持つ力なんです。
 
WATSUはもっとも進化したアクアセラピーと言われています。
水の特性と人間の親水性を生かしたトリートメントです。」
 

 

 
「水の中でも特に、海水の持つ力って大きいんです。
血液の成分にも近いですし、
なんといっても、私たち人間は海からやってきたわけですから。
羊水とも似ていますしね。
胎内にいる時のように安心するのかもしれません。
 
また、水温も大事で、35度くらいに設定しています。
体温と同じくらいですね。
低すぎると寒く感じるので身体が開かない。
高すぎると不快に感じます。
 
ご自宅のお風呂を同様の温度に設定して、
塩を入れても気持ちが良いんですよ。
 
私は人ごみが苦手なのですが、
ごみごみした場所に行った日は
粗塩で身体を洗うようにしています。
頭から足の裏まで、全体的に粗塩でごしごしこすると、
疲れはすっきりとれるし、肌の色も白くなる。
浄化作用があるんですね。
 
粗塩は、スーパーで売っているような安いもので大丈夫。
私は、一度に一袋の半分くらいと、たっぷり使います。」
 

 

セッションは、終わる時も静かに。
 

「すごく不思議な気持ち。全然怖くなくて、安心して身を預けられました。」
 
「こちらでは、WATSUを受けるだけではなく、
習うこともできます。
趣味で習う方も沢山いらっしゃいますよ。
 
WATSUの創始者であるハロルドも、
『いつでもどこでも誰でも、WATSUができたらいいね』
と言っています。
 
沖縄には海がありますよね。
海でのWATSUもとても気持ちが良いんです。
また、日本には温泉もありますから。
私、たまに姉にやってあげてますよ(笑)。
人がいない露天風呂なんかで
『ちょっとやって〜』
と言われたら、
『良いよ〜』
って。

そうやって、家族やお友達のように
近しい人同士でWATSUをしあえるようになれたら素敵ですね。
元々信頼感は築かれていますから、
すごくやりやすいんですよ。
 
沖縄WATSUセンターでは、1日の教室もあります。
計6時間ほどで、2名から参加できます。
そのクラスを受講する前と後だと、
見た感じが全然違って、最後はみなさんプロっぽくなってますよ。」
 

「WATSUをするのもされるのも大好き。他のインストラクターに私もよくやってもらってます。」
 
水のゆらぎ効果によって深い瞑想状態を作り出すWATSUは、
脳疲労の解消に最適だと言われているように、
体験中は様々な事に想いを馳せていたにも関わらず、
セッション終了後は、脳にこびりついていた様々な付着物が
海水のゆるやかな流れによって洗い流されたかのように、
私は不思議な爽快感を感じた。
 
「中には、色々と思い出されて泣く方もいらっしゃいます。」
 
 
「セッション」には、「話し合い、対話」という意味もある。
それは、インストラクターとの対話ではなく、
自分自身との対話であるような気がする。
 
高い技術を備えたインストラクターの腕にすべてを委ね、
温かい海水の中でゆっくりと浮遊している感じはきっと、
子宮という外界と隔絶された安全なシェルターの中の、
穏やかで平和な世界で眠っていた時の感覚と同じなのだろう。

どんな雑音にも邪魔をされず、
お母さんのお腹の中に戻って自分と向き合いながら、
水の流れによって身体を本来あるべき状態に整える。
 
「WATSUを受けて世界が変わった」
 
という人は多いが、
その感想を具体的な言葉で言い表すのは困難だ。
一度受けてみればわかる、
その「初めての、特別な感じ」が。
 

写真・文 中井 雅代

 

沖縄WATSUセンター
宜野座村字漢那1817
(「かんなタラソ沖縄」内)
open 10:00~20:00
 
*完全予約制
予約フォームはコチラ
 
<料金(税込)>
・40分セッション 6,800円
・セラピスト指名料 +1,000円
(ロッカーおよびタオル使用料を含む金額です。
水着とスイミングキャップは各自でお持ちください。)
 
HP:http://www.watsucenter.jp
ブログ:http://www.watsucenter.jp/blog/ogasawara
facebook:http://www.facebook.com/dolphinflow

 

NAKAI


 
アイテムを選んで、
まずはお洋服からコーディネート。
 
こうして見ると私、あんまり柄物の洋服持ってないんだ・・・
でも、ボーダーは大好き! 

ユニクロのボーダーカットソーに、
ベージュのパンツを合わせれば・・・
 

 
夏らしいマリンルックの完成。

でも、シンプルすぎてちょっと寂しい?
 
そんな時は、手持ちのアクセで華やかさをプラス。
 

 
着こなしを簡単にランクアップしてくれるアイテムとしてイチオシなのが、
実はブローチ。
 

ブローチ ¥5,250/Rika Ogasawara
 
今日のボーダーに合わせるなら、
色味を抑えたこのブローチかな
 

 
サクランボというと、赤くてちょっと子どもっぽいイメージだけど、
このブローチは控えめに光るホワイトとゴールドで
大人っぽく仕上がります。
 
明るい色のワンピースやシャツ、パーカーに付けても可愛いし、
ツルンとしたベージュ系のサテン地にも合う。
 
ブローチは、
「どう使ったら良いのかわからない」
という声をよく聞くアイテムだけれど、
意外と合わせるのは難しくないし、
何より、シンプルコーデがブローチひとつで個性的に変身するので、
かなりのお役立ちアクセ、私は大好き!
沢山持っていて、服に合わせて選んでます。
 
初めてブローチに挑戦するなら、
無地やブローチと色味の近い洋服に合わせたり
雰囲気が近い洋服に合わせれば、失敗知らず。
 
カーディガン、ジャケット、ストールなど
着脱できる羽織り系に着けて
チラチラっと見せるのもオススメ。
 

指輪 ¥3,800/Rosie wonders
 
洋服がシンプルだから、
指輪も遊び心いっぱいなものを選ぼう。
 
ヴィンテージビーズやカラフルなモチーフが
シュールで可愛いRosie wonders(ロージーワンダーズ)のアクセは、
裏側まできちんと可愛い。
指輪に限らず、ネックレスも然り。
フェルトを使って、赤・青・黄・みどり…
と、見えない部分でも女心をわしづかみ。
 

 
最後はちゃんと鏡を見て、バランスチェック。 
あ、髪の毛でブローチが隠れちゃう。
そんな時も、簡単に付け直せるブローチは、やっぱり便利。
 

(撮影:浮島ガーデン )
 
近所に最近できた島野菜料理のお店、
ご飯が美味しいと評判だけど、
お店の雰囲気もおうちっぽくて和む。
奥に見えるテラス席、揺れる緑が気持ち良さそう・・・
今日はここでランチを食べようかな。
 
 
Coqu コキュ
住所:沖縄県宜野湾市新城2-36-12
定休日:月曜日
HP:http://majolie.ocnk.net
ブログ:http://coqu.ti-da.net

NAKAI


 
野球のキャップやサンバイザーをかぶることはあるけれど、
オシャレな帽子って持っていない気がする。
子どもと外に遊びに行く時にもいつもかぶってるから、
きっと、主人も帽子は好きなんだろうけれど、
自分で選ぶ自信がないみたいで。
 
だから、親身に相談に乗ってくれる帽子屋さんで、
いつもとは違う、ちょっとよそゆきな帽子を一緒に選びたいな。
 

 
「すご〜い!
本当に色んな帽子があるんですね〜。」

 
「どうぞ、気になったものを是非手に取ってください。
色々見て、選んでいるうちに、
少しずつ自分の好みがわかってきますよ。」

 
「かぶってみて良いんですか?」
 
「勿論です!どんどんかぶってください。」
 

「どういうのが似合うのか、
全くわからなくて・・・。」

 

 
「アメリカやイギリス製の帽子は、横幅が狭くて浅いんです。
でも、アジア人が似合うのは幅がある程度ある型、
いわゆる、ティアドロップ型が似合います。
 
横幅で自分に似合う型を見つけて、
前後はスポンジを詰めて調節すると良いんですよ。」 

 

 
「似合う型は本当に人それぞれ。
顔の形や肩幅がみなさん違いますからね。
肩幅と頬の幅のバランスを見て、帽子のつばの幅を合わせるんです。
幅が短すぎると頬が目立つし、
幅をのばしすぎるとテンガロンハットに見えてしまう。
バランスの良いつばの長さは、
最短から最長まで平均1.5cm。
それを5mmでも超えると、テンガロンハット風になります(笑)。」

 

 
「たったの5mm?!
そんなに細かい世界なんですか?」

 
「そうです。
洋服だと5mmじゃそこまで変わりませんが、
帽子の5mmの差というのは、めちゃくちゃ大きいんですよ。
 
ご主人の頭をさらわせてもらった感じだと、
横幅もそこまで無くて大丈夫そう。
似合う帽子はいろいろあると思いますよ。
 
同じデザインで、5mmずつつばを広げていって、
似合うつばの範囲を見てみましょうか?」

 
「是非おねがいします!
見たい、見たい!」 

 

 
「一番短いのがこちらです。」
 
「わ〜、新鮮!可愛い〜(笑)。」
 
「なんか、照れるね(笑)。」
 
「最初照れるのは、見慣れていないだけなんですよ。
鏡を見ているうちに違和感なくなってきますよ。
じゃあ、5mmずつ幅の長い型を順にかぶってみましょう。」 

 

左から順に5mmずつ幅のひろい帽子を試着(クリックで拡大します)
 
「デザインは変わらないのに、印象が違うね。」
 
「似合う範囲が決まったら、あとは好みです。
つばが最も短いバージョンが好きな方もいます。
でもやっぱり、長からず短からず、中間を選ぶ方が一番多いですね。」
 
「こういうハットって、
普通の格好の時にかぶっても良いんですか?」

 
「大丈夫です。
一応、正しいかぶり方というのはあります。
かぶった時に帽子が耳の上1cmの位置に来るのが
一番クラシックなかぶり方なんです。
でも、イタリア人はちょっと前に落としてかぶるんですよ。」

 

 
「この、『ボルサリーノ』というブランドは、
同名の映画にもなったブランドで、
創業150年の老舗です。
 
ここの帽子は撥水加工してあるんですよ。
昔の人ってそんなに傘をささなかったみたいで。
手にはステッキを持って・・・
そうそう、カッコイイじゃないですか!
短パンだとちょっと迫力ないですけど(笑)」

 
「帽子が傘がわりだったんだ〜。」
 
「帽子の内側に、メーカーの刻印がありますよね?
これは昔、イギリスでは帽子税という税金をとっていて、
その時に、徴収したという印としてはんこを押していたらしいです。
その習慣をいまだに、ここのブランドは受け継いでいるんですね。」

 

 
「ほんとだ!
そういう話をきくと、老舗の歴史を感じますね〜。
ねえねえ、自分の帽子姿、見慣れてきた?」

 
「う〜ん、、まだかな?
俺自身が一番見慣れるの遅いね(笑)。」

 

 
「初めて帽子かぶると、最初は何が何だかわからないんですよね。
ちょっと照れくさいし。
でも、段々見慣れて来ますよ。
メガネや髪型と同じです。
顔周りを変えると、その人全体のイメージががらっと変わるんですよ。
だからこそ、帽子って面白いんです。」

 
「そうそう、慣れ慣れ。
もっと鏡見たら良いよ(笑)。
これ、かぶってみたら?似合いそう、ハンチング。」

 

 
「似合う~!普通に似合ってるよ!」
 
「ホント、よく似合ってますよ。
頭の形が良いから、色んな帽子いけますよ。
 
ハンチングはつばで奥行きが決まるんです。
普段、野球のキャップをよくかぶってらっしゃるんですよね?
だから、そのキャップのつばの奥行きを、
普段から見慣れていると思います。
それより少しでも短かったり長かったりすると、
違和感感じませんか?」

 
「確かに、感じますね。」
 
「型のサイズも大事ですけど、
そういう奥行きも選ぶ上での重要なポイントです。」

 
「帽子って、本当にバランスが命なんですね。」
 
「そうなんです。」
 

 
「よくかぶってらっしゃるキャップのつば、
結構長めですか?」

 
「長いかもしれない。」
 
「このタイプが一番長いです。
奥行き出ますよ。」

 
「可愛い~。いつもの感じ!
ほんとだ、横から見ると確かにさっきよりつばが長いね。」

 
「普段、結構長めのキャップかぶってるんですね。」
 
「子ども達と公園とかに行っても、
日差しが暑くないように、っていう。
おしゃれというよりは、実用性で選んでるかも。」

 

 
「こうやってくらべると、つばの長さが全然違うんですよ。」
 
「デザインは一緒なんですね。」
 
「そうです。
あ、実用性といえば、探検帽もありますよ(笑)。」

 

 
「この帽子、滅多にないですよ。
面白いでしょう?」 

 
「おもしろ~い!
ほんとだ、探検家みたい!」

 
「よく似合いますね。」
 
「意外にこれ、本当に実用的かもしれない(笑)。」
 
「そうでしょう(笑)?
ピッタリフィットするし、キャップみたいに調節もできるんです。」

 

 
「せっかくなんで、シルクハットもかぶってください。
これはシルクハットもどき。
中にワイヤーが入ってるので
好きなように形を変えられるんですよ。」

 
「シルクハットってどんな時にかぶるんですか?」
 
「一応、正装用なので、大体スーツを着て。
結婚式で使う方も多いんですよ。」

 
「なるほど!」
 

 
「これは、サファリハット。」
 
「これ似合う~可愛い~!」
 
「うん、俺も好きかも。」
 
「ひもは、いらなければ切っちゃっても大丈夫です。」
 

 
「色はどお?」
 
「う〜ん、黒もかぶってみたいな。」
 

 
「黒はワンサイズ小っちゃいんです。」
 
「あ、でも可愛いよ。」
 
「帽子のサイズって、どうやって決めたら良いんですか?」
 
「これだと、Lくらいの方が良いですよ。
夏物の帽子は、隙間を開けてた方が良いので。」

 
「黒が良いんですが・・・」
 
「1サイズあげるには1cm広げることになります。
10分待って頂ければ、すぐに機械で広げられますよ。」

 
 

 
「え〜!すごい。職人さんなんですね。」
 
「いや、職人”風”です(笑)。」

 

 
「この帽子、お勧めですよ。
最近こういうシンプルなハットってあまり無いんですよ。
 
今はノリが入っているので若干硬めなんですが、
かぶっていくうちにどんどん柔かくなって、
いい具合によれてくるんですよ。
僕は最初からよれさせたかったので、
こんな感じでゴムで留めてました。
あとは、大きめを買って、最初に洗って全体的に縮めるという手もあります。
それなら、1サイズ大きめを買うというのもアリです。」

 

 
「これ、買います。」
 
「え?きまり?!はや!(笑)」
 

 
「少しずつ広げてますので、
ちょっとお待ちくださいね。」 

 

 
「この、青いリボンの、
ジョニーデップと同じ帽子です。」

 
「え〜!すごい!」

「かっこいいー!」

 

 
「ボルサリーノですけど、
さっきお見せしたハットと全然違うでしょう?
まーるい形が可愛いのはダービーハット。
クラシックで面白いんですよ。」

 
「だんだん見慣れてきた感じがするな(笑)。」

 

 
「普段はキャップかサンバイザーって感じだけど、
こういうオシャレな帽子も似合うんだね〜。
新たな発見!」

 
「試着してるうちに、
思ってたよりハットも敷居が高くない気がしてきたよ。」

 


 
「ハットって、リボンでもだいぶイメージ変わるんですよ。
そんなにバンバン帽子を買い替える必要はないと僕は思っていて。
シンプルな型で自分に合う帽子ってなかなかないので、
それを見つけたら、気分を変えたくなったときにリボンだけ替える。
そうやって帽子の雰囲気を変えるという楽しみ方を、僕はお勧めしてます。」

 
「ほんとだ!リボン一つでがらっと変わりますね〜」
 
「全然違う帽子だ。」
 
「リボン替えは、リボン代金と工賃込みで1500円でできます。
リボンのサンプルも全色そろっています。
当店で買った帽子じゃなくても良いんですよ。」

 
「え〜、良心的。うれしいサービスですね。」
 

 

 
楽しそうに帽子を物色し始めた二人。
 
「一番最初だけこうして色々お話しをすれば、
次ご来店なさった時はもう、
お二人でぱっと選んで決められるようになってるんですよ。」

 
嬉しそうに微笑みながら、
比嘉さんがこっそり耳打ちしてくれた。
 
 

 
「サイズ調整ができましたよ。
どうぞ。これでさっきとすると全然変わってますよ。」

 
「あ、ほんとだ、全然違う!
広がってる!」

 

 

「かぶり心地、良い?」
 
「うん、すごく良い!ぴったり!」
 
「さっきのと5mmしか違わないんですよ。」
 
「ほんとうに5mmの差なんですね。」
 
「そうですよ、帽子は。
少し大きめにしたので、汗をかいて縮んでも大丈夫です。
縮みすぎたらいつでも持ってきてください、
また広げられますので。」

 

 
「ありがとうございます!
今日はすごく楽しかったです。
なんか、帽子に目覚めたかもしれない、俺(笑)。」
 
 
「比嘉さん、次は私の選んでください!」
 
「喜んで!お待ちしてます。
ありがとうございました。」


 

 

 
********
 
お父さん、お義父さん、夫。
今回、父の日スペシャルと題して伺ったお店では
三人の「おとうさん」のためにプレゼントを選んだ。
 
図らずも、
 
「陶・よかりよ」
「COFFEE potohoto(ポトホト)」
「LEQUIOSIAN(レキオシアン)」
「analogue(アナログ)」
 
いずれのお店でも対応してくださったのは男性オーナー。
 
世のお父さん達と同じ目線で、
プレゼント選びに親身に対応してくださった。 
 
一つ自信を持って言えるのは、
これは決して、取材向けの特別な対応ではないということ。
いつ、誰が行っても、誠意と熱意を持って対応してくれる、
プロのお店であるということ。
 
父の日って、お祝いムード全開の誕生日とは少し違う。
もっと敬意をもって、心からの感謝を表したい、少し厳かな日。
尊敬する「お父さん」には、
プロの目で一緒に選んでもらった、こだわりの品をあげたいから、
品選びの前に、店選びから。
 
今年の父の日は、「本物」を贈ろう。
 

写真・文 中井 雅代

 

analogue(アナログ)
那覇市松尾1-9-50 山田ビル1F MAP
098-862-1680
open 13:00〜21:00
不定休

  
取り扱いブランド:
Borsalino(ボルサリーノ)、misa harada、CA4LA、CHRISTYS LONDON、Barairo no Boushi…..etc
 

NAKAI


 

「こちらの商品名は『ポロゆし』、
ポロシャツとかりゆしを合わせた造語です。
色々なシーンで活躍する一着です。
シャツ全体に柄がプリントされたポロシャツは
とても珍しいと思います。」 

 


 
「版画家の名嘉睦稔さんがデザインし、
版画で描きおろしたテキスタイルを取り入れています。」

 
「大柄なデザインが可愛い〜!
これ、女の子でも着られますよね。
ドルマンスリーブがすごくオシャレ。
ポロシャツのイメージが変わりますね。」

 
「レキオシアンの服はユニセックスなものが多く、
女性でもオーバーサイズで着られます。
男性が着るのとはまた違った雰囲気が出て
すごく可愛いですよ。」 

 

 
「沖縄って、オシャレなメンズ服を扱うお店が
あまり多くない気がしていて。
もっと個性的で、男性も楽しめる洋服があれば良いのに、
という想いもあって、
LEQUIOSIAN(レキオシアン)を企画しています。」

 
「確かに、自分の服を選ぶ時にお店には困らないけれど、
主人は苦労しているみたい。
こんなにおしゃれで、しかも沖縄発信って嬉しい。
 
父の日に便乗して、主人にお洋服をプレゼントしたいんです。」
 
 

 
「こちらは、紅型や藍型(えーがた)のルーツと言われる
中国の伝統的な藍の型染め『藍印花布(あいいんかふ)』の商品です。
 
藍染めって、洗濯するとき面倒臭いというイメージがあるかもしれませんが、
こちらは洗濯機で洗っても大丈夫。
伝統的な技法を守って丁寧に染めてあるので、
色移りも殆どありません。」

 
「藍染めを洗濯機で洗えるんですか!
主婦にはすごく嬉しいですね。」 

 

 
「一回目の洗濯時だけ、表面の藍が少し落ちるので、
分けて洗って頂ければ。
でも、ジーパン等なら最初から一緒に洗っても大丈夫ですよ。
蛍光増白剤(けいこうぞうはくざい)が入っていない洗剤を使えば
普通に洗濯機で洗えるし、僕は乾燥機にもしょっちゅうかけてます。
一般的な藍染めでは勧めないと思いますが、
僕は一番ダメージを与えるようにわざと試しています。
それでも全然大丈夫ですよ。」

 

 
「太一さんが着ているシャツも素敵〜。
こちらも睦稔さんデザインの柄ですか?」

 
「そうです。
何の柄に見えますか?」

 
「う〜ん・・・花!モンステラ?」
 
「良いところついてます。
こちらは『ムシハ』というタイトルがついていて、
虫にも葉にも見えるようなデザインになっています。」

 

 
「ゴールドのバージョンも素敵!
フォーマルでも着られそう。
レキオシアンの為に睦稔さんがデザインを起こしているんですね。
どれも個性的で可愛い〜。
こんなの男性がさらりと着こなしてたらカッコイイですね。」

 
「はい、プリント部分は専用のインクを使っているので、
直接アイロンをかけても大丈夫ですよ。」 

 

 
「わ!このジャケット、めちゃくちゃ好みです。
つるっとして光沢があって、上品。」

 

 
「香雲紗(シャエンサ)という生地で、
素材はシルクです。
泥の上に広げて、タンニンと鉄分に反応させて黒く染め、
その上から漆を塗ってるんです。」

 
「漆!すごい、工芸品みたい。」 
 
「そう、工芸品みたいなものです。
生地は中国南方の広東省のものを使っているので、
すごく涼しい。
夏でも羽織れて、便利ですよ。」

 
「これ、きっと主人も好きです。
太一さん、ちょっと着てみて頂いても良いですか?」

 

 
「わ〜、やっぱり実際に着るとさらに素敵!」
 
「ジャッキーチェンの映画の中で、
この商品と同じようなジャケットを着たマフィアが出てきますよ(笑)。」

 
「・・・実は私、ジャッキーチェンの映画が何より大好きなんです(笑)。」
 

 
「これは、今僕が履いているティーデニムパンツの生地です。
100%県産の紅茶を使って染めています。」

 
「太一さんのパンツ、素敵だな〜って思ってました。
紅茶染めなんですね。」

 
「沖縄は、実は日本で唯一紅茶の生産条件を満たしている場所なんです。
紅茶の生産過程でどうしても破棄される茶葉が出てしまいます。
でも、それを二次利用で活かせないかということで、
紅茶の成分で生地を染めたり、プリントしたりしようと考えました。」

 

 
「パンツはまだ試作段階なので販売していないのですが、
第一弾として販売を始めた商品が、このティーコージーです。
紅茶を原料にした顔料で、柄をプリントしました。」

 
「紅茶で染めたティーコージーで、
紅茶を入れたポットを温めるって、面白い発想!
すごく温かみのある色に染め上がるんですね。
睦稔さんの版画柄も可愛い〜。」

 


 
「これ、『珊瑚のグラス』?」
 
「そうです。
風化珊瑚を焼いて灰にしたものを
ガラスの材料に混ぜて作った、
琉球ガラス村さんとのコラボ商品です。」

 

 
「なんだかすごくピカピカ光ってる~。」
 
「珊瑚を混ぜて作るとなぜかすごく艶が出るんですよ。
『なんで艶が出るの?』
って職人さんにきいても
『わからん。なんでかね~』って(笑)。
科学でまだ解明されていない新技術ってことですね。」

 

 
「タンブラー、素敵!
これ、会社で使いたい、私、ピンクが良いな。
・・・って、また自分の選びそうになってきてる(笑)」

 

 
「『トートバッグ』?
めっちゃ可愛い〜!」

 
「『サンニン』の柄をシルバープリントしたものです。
シンプルなので、男性にもお勧めです。」

 

 
「上の部分をこうして折り返して使うこともできるんですよ。」
 
「サイズも丁度良くて、使いやすそう。
シンプルなのにパッと華やかで、
大人〜な感じがすごく好み!
主人に、じゃなくて、私が欲しい(笑)。」

 

  
「あ、あのポスターの方が来ているTシャツ、
実は以前主人とこちらに伺った時に、
『あれ、良いな〜』
って言ってたんですよね。
探したんですが見つけられなくて。」

 
「ありますよ、こちらですね。」
 

 
「『MUZI(無地)』シリーズの中の一着です。
薄コットンとレーヨンの生地なので肌触りが良いんですよ。
このバージョンは、
前と後ろ、どちらも“表”として着られるので
『オセロT』と名付けました。
首回りが、片面はVネック、もう片面はクルーネックになっているので
どちらを前にするかで表情が変わります。」

 
「え〜!
Vネックとクルーネックを1枚で楽しめるなんて画期的!
本人もこれが欲しいって言っていたし、
決めちゃおうかな。
他にも色があるんですね。」

 

 
「これも素敵。
う〜ん。どちらの色が好きかな。
濃い色合いの服が好きみたいだから、
やっぱり青にしようかな。」

 

 
「これにします!
まさか、このTシャツが手に入るなんて思ってないだろうから
きっと主人喜びます、私も嬉しい!」

 
「喜んで頂けたら僕も光栄です。
今度は是非、ご家族でお越し下さい。」 

 
「はい!
さっきの漆塗りのジャケット、主人を連れて試着に来ますね。
私も欲しいワンピ見つけちゃったし(笑)。」

 
若さでどんな服も着こなしていた時期を過ぎて大人になったら、
パートナーにもやっぱり「良いモノ」を身につけて欲しい。
 
そして、できればそれが
本人が本来持つ魅力をより一層引き出してくれたり、
出先で誰かとかぶるなんてまず無いような、
おしつけがましくない個性の光る服なら言うことない。
 
買物に行っても、
「男は見る店がないから」
と、いつも所在無さげにしている彼を連れて、
是非LEQUIOSIANへ。
ユニークだけれど品のある、
大人の遊び心をくすぐるユニセックスな商品が
いつもはくすぐられることの少ない彼の購買欲に、
きっと火をつけてくれるはず。
 

写真・文 中井 雅代

 
 

LEQUIOSIAN(レキオシアン)
中頭郡北谷町美浜9-20
HabuBoxアカラ店 2階
(北谷サンセットビーチ斜め向かい)
 
LEQUIOSIANデザイナーブログ:http://cochinda.blogspot.com http://ameblo.jp/cochinda
LEQUIOSIAN一部取扱オンラインストア:http://akaragallery.shop-pro.jp

NAKAI

赤染晶子/著  新潮社  1260円/OMAR BOOKS
 
― 乙女って不思議な生き物 ―
 
タイトルからして不穏な物語かと思いきや、
まず思い出されたのが少女マンガの世界。
 
というのも、設定が京都の大学でドイツ語を学ぶ乙女たちが
『アンネの日記』を題材に
スピーチコンテストに向けて日々励んでいる。
その様子はまるで女子高や宝塚!
 
スピーチに命をかけ留年している
麗子さまと百合子さまの対決。
 
北島三郎の「与作」(!?)の鼻歌にのせてスピーチを暗唱する
帰国子女のタカヨ、
 
黒ばら組とスミレ組の派閥争い。
 
そんな中、教授と女学生の間に黒い噂が流れ…。
 
こう書いているだけで、何かのマンガのパロディのよう。
 
そしてそこに加わる指導教授バッハマン教授が
なんといっても曲者。
 
彼の好きな日本語は
「吐血」
(血を吐くほどの努力と根性を見せなさい、ということらしい)、
また
「思い立ったが吉日」
など、ちょっとどこかずれている。
 
スピーチの暗唱のモットーが
「いつでも、どこでも、便所でも」
などと、真面目なんだかふざけてるんだかよく分からない。
 
彼はまたいつもアンゲリカという名前の西洋人形を腕に抱いていて
バラの花一輪を手にしていたりする。
  
真面目な顔をして面白いことを言う人
(目は笑っていない)がたまにいるけれど、
この小説全体がそういう雰囲気をまとっている。
 
中でも最高だったのが、
あるドイツ語の発音練習で
「お」というつもりで「え」の口の形をして「う」と言わなければならなくて、
結果「おぇー」となり、
おぇーおぇーと乙女たちが練習すればするほど
新種の動物にでもなった気がし、
怪しげな嗚咽が響き渡る、というくだりは
想像しただけで笑える。
  
でもこの小説が決して軽いわけじゃない。
「アンネの日記」をモチーフにしていることからも
実はそういうシニカルな笑いの裏には
深遠なテーマが見え隠れする。
 
アンネと乙女が望むもの。
別の誰かになりたい。
他人にならなければ生きていけない。
同時に自分であることをゆずれないという葛藤がそこにある。
  
乙女は噂が好き。
やっかいなのはそれが真実であろうとなかろうと
どちらでもいいということ。
 
乙女の言葉は決して真実を語らない。
それでも主人公みか子は
スピーチコンテストの練習のさなか真実を探ろうとする。
 
彼女はスピーチの練習で
いつも同じところで言葉を忘れる。
その彼女に麗子さまが言うのが印象的。
 
「それがみか子の一番大事な言葉なんよ。
―それは忘れるっていう作業でしか出会えへん言葉やねん。
その言葉はみか子の一生の宝物やよ」。
 
そう「忘れる」というのもこの本のもう一つのテーマ。
さてそのみか子の言葉とは?
また噂を流した密告者は、一体誰?
それは読んでのお楽しみ。



OMAR BOOKS 川端明美




OMAR BOOKS(オマーブックス)
北中城村島袋309 1F tel.098-933-2585
open:14:00~20:00/close:月
駐車場有り
blog:http://omar.exblog.jp

NAKAI

6月18日(土)
18:00〜


6月19日(日)
15:00〜/18:00〜


@プラザハウス ショッピングセンター 


¥100ハワイアンショーを行います。
東北に義援金を送りましょう、
そして、沖縄をもっと元気にしましょう。


古典から現代フラを、全ステージ違った内容でお届けします。
3ステージ観て頂くと30曲以上のフラを楽しめます。

 

NAKAI


 
「あちこーこーが一番美味しいよ、
早く、食べて食べて。」
 
梅雨があけ、ゴーヤーの美味しい季節が今年も到来。
沖縄の定番家庭料理だけど、
お店で食べる味が家庭で出せないという人も多いのでは?
 
老若男女、幅広い世代のお客さんが絶賛する
食堂「ちゃんぷる亭」のゴーヤーチャンプルーの作り方、
伊沢清子さんが惜しげもなく伝授してくれました。
 

 
チャンプルーはお店でも人気のメニュー。
材料は、すぐに使えるように切って袋に入れてある。
 

 
「卵は後から入れて具にからめる人が多いけど、
私は最初に炒めてから出しておく。
その方が美味しくできるよ。」
 

 
油を足し、ゴーヤーを入れ、
しばらく炒めてから豆腐を投入。
 
「豆腐は、大きめにごろっと入れて大丈夫。」
 

 
鍋のふたの凹部分を上にして、
水道から直接、少しだけ水を入れる。
ふたを閉めながら、その水をフライパンの中に素早く投入。
今、水入れたんですよね?
 
「見た?見た?(笑)
そう。水を入れて蒸すわけ。」
 
あまりに素早い動作に見逃しそうになるが、
これも美味しいチャンプルーを作る為の伊沢さんの技。
 

 
ポークとコンビーフを入れる。  
 
「コンビーフは嫌いな人が結構いるからね。
入れない方が良いこともあるかもね。
ポーク嫌がるひとも中にはいるしね。
具は好みで変えたら良いよ。」
 

 
大きめにごろっと入れた豆腐やコンビーフは
炒めながら箸を使って小さく崩す。
 
「私の料理は丁寧じゃないよ〜。
お店やってるからね、さっと作って出さないと。」 
 
ふたを閉め、再度しばらく蒸す。
 
「ちゃんと炊かんとね。
蒸してる時間が結構長い。
でも、それが大事よ。」
 

 
素早い手つきでもやしを取り出す。
 

 
シャキシャキ感を残すため、
もやしは最後に投入。
 

 
「味つけは、だしの素と・・・」
 

 
「醤油少々、それに・・・」
 

 
「三枚肉も入れようね、美味しいから。」
 

 
ざっと炒め合わせる。
 

 
「私のチャンプルーのこだわり?
何もないよ~(笑)」
 
その答えが、
いかにも料理上手な沖縄のお母さん
といった感じ。
 

 
最初に炒めておいた卵を、最後に戻し入れたら
あっという間に出来上がり。
 
「食べてごらんね、美味しいから。
あちこーこーのうちに。」
 

 
蒸しながら作っていたが、
ゴーヤーにはほどよい食感が残り、
最後に入れたもやしはシャキシャキ。

ポークとコンビーフから出た塩っけがちょうど良い塩梅で
ご飯が進む最高の夏のおかず。
 
「あじくーたー(味が濃い)じゃないね?」
 
いえいえ、全然。
これ以上入れるとちょっとだけからい、
これ以下だとあふぁい(=味が薄い)、
絶妙なバランスで最高に美味しいです!
 
「おうちでも作ってごらんね。
旦那さん、いっぱいご飯食べるはずよ。」
 
 
ビタミン豊富なゴーヤーを美味しく食べられれば、
体力を奪われる暑さの毎日が続いても、
疲れ知らずで元気に過ごせる。
 
ゴーヤーチャンプルーには、
家族のからだを想い健康を願う、
お母さん達の愛もいっぱい入っている。
 
「その時期に多く出回っていて安い野菜は
季節の野菜だから栄養もたっぷり。
だから、スーパー行ったら沢山出ている野菜を買ったら良いよ。」
 
お財布にもからだにも優しい、主婦の買物の知恵。
腰も曲がらず、元気そのものでフライパンを力強く振りながら語られる言葉は、
すとん、と腹に落ちる。
 
外は強い日差しが今日も降り注いでいる。
美味しいゴーヤーを買いに行こう。
この夏も、家族みんなが笑顔で過ごせるように。
 

写真・文 中井 雅代

 

 

NAKAI

「父は定年してからは大体毎日おうちにいて、
本を読んだり、テレビを観たり。
で、10時とか3時とかのきりの良い時間や、
気分転換したい時や食後にも、
とにかく1日何回もコーヒーを飲むの。
コーヒーメーカーで自分で淹れて、リビングでゆっくり。
だから、美味しいコーヒー豆をプレゼントしたくて。
 
でも、まず自分が飲んでみたいな。
カプチーノ、お願いします。」
 

 
「わ!いつの間にかラテアートが完成してる!
可愛い〜。」
 

 
「何これ!初めての感じ。
まろやかで、めちゃくちゃ美味しい〜!
やっぱり豆が新鮮だと、全然違うんですね。
びっくり。」
 

 
「最近のお勧めメニューってありますか?」
 
「スペイン風アイスエスプレッソですね。
意外な組み合わせですが、美味しいんですよ。」
 

 
「え〜!アイスコーヒーにレモン?!
合うんですか?」
 
「レモンを入れてかき混ぜてから召し上がってみてください。
すっきりした味が夏にぴったりですよ。」
 
「ほんとだ!後味もしっかりレモンの味がして
すっきり美味しい〜。
これ、クセになりそう。
おうちでも作ってみようかな。」
 

 
「沖縄の年配の人たちは
コーヒーはうすくして、アメリカンにして飲むのが好きでしょ?
うちの父もそう。
薄めに淹れたコーヒーを一日に何杯も飲むので、
後味が口の中にあまり残らないような、
すっきり飲めるのが良いかなーって。」
 

 
「ブレンドだと、苦みが少ないのですいすい飲めます。
向かって右にいくほど濃くなって、苦みが出てきます。
左にいくほど香りが爽やかになって、フルーツの酸味が出てきます。」
 

 
「この、『ドミニカ アレフレド』が気になります。」
 
「焙煎の微調整を重ねて、
後味に甘さが引き立つようになりました。
香ばしい、ナッツのような独特な香りがします。
後味は、カラメルやハチミツのような甘さが残るんですよ。」 
 
「へ〜!
甘さの残るコーヒーなんて初めて。
美味しそう!これにします。」
 

 
「エチオピアの豆は、夫と一緒に飲む用に買おうかな。」
 
「この豆は、桃のような香りが特徴です。
浅煎りですが、ほどよい酸味もあり、まろやかですよ。
どちらにも、焙煎した日付けを書いておきますね。」
 
「豆から挽いてくれるお店はあるけれど、
焙煎からなさっているってすごいですよね。
焙煎したての豆をおうちで頂けるなんて嬉しい!」
 

 
市場で働くひとに限らず、
県内各地からコーヒー好きが集まるpotohoto。
コーヒーは200円から飲めるので、
試飲感覚で色々試してから豆を選ぶのも楽しい。
 
 
一日に何度も口にするものだから、
とっておきの一品をプレゼントしたい。
 
離れて暮らしている私の代わりに、
このコーヒーがお父さんの「なかゆくい」に
優しく寄り添ってくれますように。
 

写真・文 中井 雅代

 

COFFEE potohoto
那覇市安里388-1(栄町市場内)
open:9:00〜19:00
close:日
HP:http://potohoto.jp
blog:http://coffeepotohoto.ti-da.net

NAKAI


 
貝型のマドレーヌの隣には本物の貝殻を置いて。
ガラスのスタンドに飾って、涼しさを演出。
 
「海辺のマリアージュ」
と題された、liaison(リエゾン:永山悦美・比嘉愛子・越前多恵)による作品。
 
「アンティークのかごや、
海で調達した砂や貝を使って、
カジュアルな海辺の結婚式をイメージして作りました。」
 

 
「テーブルクロスとして使用したのは
実はベッドカバー。
沖縄はビーチパーティーが盛んだけれど、
ブルーシートを広げる事が多いですよね。
でも、クロス一枚でぐっと素敵な雰囲気になるので、
是非やってみて。
 
いつでも使えるように、
車の中に可愛いクロスを一枚準備していると良いですよ。
テーブルがなくても、浜辺に広げればOK。
クロスはかさばるものではないし、
海だけでなく、ピクニックにも使えます。
汚れても洗えますしね。」
 

左から、永山さん、越前さん。
 

* * * * * * * * * * * * * * * *

 
 

 
食卓を通したチャリティイベント、
「響きあう食卓展」。
今回のテーマは
「Thanking Nature 〜自然に感謝〜」  
 

* * * * * * * * * * * * * * * *

 
 

 
「自然の中で中国茶を」をテーマにしたコーディネートは、
永山美和子先生によるもの。
(関連記事:格式張らずにエッセンスから身につける
テーブルコーディネート教室 studioMIWA
)  
 
「千利休の『和敬清寂』という言葉を元にコーディネートしました。
この言葉には、
『和して敬い合い、清らかな心を持って穏やかに』
という意味が込められています。
今、自然については色々と考えさせられる事も多いですよね。
 
時の流れに冷静に向き合った時、
私たちはどのような答えを見つけ出せるだろうか。
自然と一体になりながら平常心を取り戻した時、
私たちは何に気づくのだろうか。
 
そういう想いを、テーブルの上で表現してみました。」
 

 
「人生の愛しい日々に感謝しながら中国茶を頂くシーンをイメージして作りました。
蓮の葉の形をしたお皿が素敵でしょう?
水面を想起させるようなガラスのテーブルに置いて、
水の上でお茶をいただくようなイメージですね。
 
色は、花茶の色合いを際立たせるために、
白を基調としてシンプルに。
 
また、ケーキスタンドを使うことで、高さを出しています。
テーブルコーディネーションでは、
高低差をつけるとリズム感が生まれ、
テーブルに奥行きが出るんです。」
 

 
「こちらは、中国茶の本格的な茶器をセッティングしました。
木々の緑のゆらぎを感じ。
また、器の中ではお茶も揺らいで。
そんな自然の『ゆらぎ』を楽しんで欲しいな、と。」
 

 
「ケーキスタンドに、ちょうどぴったりのお皿をセットして。
 
家庭のテーブルでは、
家にあるものを使って、一年を通じて様々なアレンジを楽しみたいですね。
夏はガラス、春は磁気、冬は沖縄の陶器、というように
器のバリエーションも変えて。
それぞれのイマジネーションを働かせて楽しむのが
テーブルコーディネートの醍醐味です。
 
今回は、今の季節のお花、あじさいの皿が素敵だったので、
この皿から黄色を拾い出して、全体に統一感を持たせました。」
 

永山美和子先生
 

* * * * * * * * * * * * * * * *

 
 


 
ライフスタイルのレッスンを行っている
伊佐まゆみ先生(ラ・メゾン・デュ・メール主宰)は、
パリの日常を表現したテーブルと、
女性のベッドタイムをイメージしたテーブルをコーディネート。
 

窓際にまでパリのエッセンスが。
 

カフェレッスンでアシスタントを務めている女性がふるまう淹れたてのコーヒー。香りが会場全体に漂って。
 

伊佐まゆみ先生
 

* * * * * * * * * * * * * * * *

 
 

 
野菜ソムリエとして活躍している大城しま子先生
(関連記事:shimashima’s smile kitchen(スマイルキッチン)
人気ブログ発 野菜ソムリエの自宅料理教室)

のテーブルは、
「ガーデン・ベジフルパーティー」
がテーマ。
 
「みんなバーベキューは好きだけど、
おしゃれを意識してはやらないじゃない?
もっと素敵に楽しめるよっていうご提案をしたくて。
そして、やっぱり野菜もいっぱい食べて欲しいので、
沢山コーディネートしました。」
 

 
「こうやって、ちゃんとグラスを持って行って
ワインを飲むのも素敵でしょ?
実はこれ、割れないグラスなんです、プラスチック製。
これなら割れる心配もしなくて済むし、見た目にも素敵じゃない?
今回は山の中でキャンプをするイメージでコーディネートしたけれど、
ビーチパーティーでも良いですよね。
 
テーブルをコーディネートする時は、
テーマカラーを決めると良いですよ。
今回はアップルミントグリーン。
テーブルの色は、三色以上使うとごちゃごちゃしてしまうので
ある程度使う色味をしぼって。」
 

 
「そして、沖縄の野菜を沢山食べて、
夏のバーベキューを楽しんで!」
 

* * * * * * * * * * * * * * * *

 
 

 
新崎さやか、宮城智華子によるユニット
「おちゃ畑」によるテーブル。
 


 
『こどもと囲むおやつの時間』がテーマのテーブルは、
グラスでゆらめく涼しげなお茶に、
たくさんのおにぎりと手ぬぐい。
田舎の、暑くて充実した夏の一日を思わせ、
また、温かな家族の雰囲気まで伝わってくる。
 

********************

 

 
玉井多喜子先生(モネ・フラワースクール主宰)のテーブルでは、
パリのアトリエで受けたレッスンのフラワーコーデを再現。
パリスタイルの「淑女のテーブル」だ。
 

落ち着いた色合いが、いかにも大人の雰囲気。 
 
テーブルをコーディネートする、
という考えは、
何も、誰かに格好つけるためのアイディアではない。
一番は、自分自身が楽しむため。
家族でテーブルを囲む時間を、
より幸せなひとときにするため。
 
そう考えれば、器や小物を一から買い揃えなくたって
きっと明日からでも始められる。
 
お金を出して買わずとも、
野に咲く花を摘んで飾ったって良い。
 
何か作ろうと買ったまま、使ってないクロスを引っ張り出して、
テーブルにかければ雰囲気も一新!
 
家族が毎日顔を合わせる食卓を、誰より自分がもっと楽しむために。
 

写真・文 中井 雅代

 
 

NAKAI


 
もうすぐ父の日だけど・・・
いつも、何をあげていいのか迷ってしまう。
でも、孫達にもいつも優しくて大好きなお義父さんに、
今年はとっておきのプレゼントをあげたい。  
 

 
「義父へのプレゼントを買いたいのですが、
作家さんの作品ってどういうのが良いのか全然わからなくて。。」

 
「わからないというのは、見慣れないというだけ。
好き嫌いで選んで良いんですよ。」

 
「好き嫌いで・・・。
そっか、そう考えるとわかりやすいかも。
触ってもいいんですか?」

 
「勿論!どうぞどうぞ。」
 

 
「これ、つるつるしてる。
触り心地良い〜。」
 
 
「釉薬のガラス質が滑らかに感じるのでしょう。
 こちらは陶器では無く磁器ですね。」

 

 
「これ、なんかすごく好き。
私がお茶を飲むなら、これで飲みたい!
見た目も好みだけど、
手に持った感じも合う気がする。
厚川文子さん、岐阜の作家さんなんですね〜。」

 

 
「これも素敵〜。
東恩納美架さんの作品。
これでカフェオレとか飲んだら幸せ〜。
・・・あれ?いつの間にか自分の選んでる、私(笑)」

 

 
「わ、素敵な色!
このブルー、すごく不思議な感じ。好き。」

 
「小泊(こどまり)良の作品です。」
 
  
 
「これは・・・何に使ううつわですか?」
 
「何に使って頂いても良いんですよ。
酢の物でもお吸い物でもお抹茶でもカフェオレでも。
購入なさった方が
自由に決めてくださって良いんです。」

 
「そっか〜。
別にこうやって使わなきゃいけないって
決められてるわけじゃないですものね。
う〜ん・・・素敵なものばかりで迷っちゃう。」

 
「プレゼントを選ぶのって難しいけれど、
贈る相手の方を頭に思い浮かべて、
その方の性格や人柄を考えてみると良いかもしれません。
物も人と同じで、性格があるんですよ。
だから、
『なんか雰囲気が似てるな』
って思う物を選ぶと良いですよ。
例えば、すごく繊細な方に無骨なものをあげるのは
ちょっと違いますよね。」

 
「なるほど〜!
物にも性格がある・・・か。
そういう風に考えたことなかった。」

 

 
「これ、さっきから気になる。
お義父さんのイメージにも合ってる気がする。」

 
「赤嶺学のうつわですね。
お義父様はお酒は呑まれますか?」

 
「いえ、今は呑みません。
普段はお茶とコーヒーをよく飲んでいます。
以前はお酒、よく呑んでたみたいなんですけど、
『僕は優秀な成績でビール大学を卒業した』って(笑)」

 
「(笑)。ユーモアのあるお義父さんなんですね。」
 
「すごく面白い義父で、
言う事がいつも私のツボにぴったりハマっちゃうんです。」

 
「お義父さまと仲が良いんですね。
自分も、嫁の父親とは呑み友達なんですよ。」

 
「え〜!素敵!」
 
 
 
「これは釉薬で丸々コーティングしてあるんです。
高台部分(作品の裏)にある目土(めつち)の跡も可愛らしいんですよ。」 

 
「わぁ〜、ほんとだ。
しかも、一つ一つ形が違うんですよね。
これが手に一番おさまりが良い気がする、
これが良いな。」

 

 
「これにします!」
 
「ありがとうございます。
お包みしますね。」

 

 
「陶器の場合は
使っていくうちに風合いが変わっていきますよ。」

 
「え、そうなんですか?
ジーパンと一緒?!」

 
「その通り、ジーパンと一緒。
陶器は土なので、もろい。
そのもろい造りの中に雑物が詰まっていくので・・・」

 
「味が出てくるんだ。」
 
「そう。
ほら、この2つのうつわ、
一つは僕が普段使っているもの、
もう一つは新品。
もとは同じなんですけど、全然違うでしょう?」

 
「本当だ〜!
うつわって、買った人が育てていくものなんですね。」

 

 
「母の日だったらお皿をプレゼントするのも良いかな〜
って思うんですけど、
お父さん達は料理しないからな〜・・・。」

 
「父の日は酒器を選ばれる方が多いんですけど、
お父様の好物を載せるうつわとか良いかもしれませんよ。
昔、今よりも父親の存在が大きかった頃は、
お父さんのおかずだけ一品多かったりしていましたよね。
だから、そういう意味でも特別なうつわを。」

 
「なるほど。
自分だけの特別なうつわって、
お父さん達もきっと嬉しいですよね。」

 

 
「これ、なんか可愛い〜。」
 

 

「義父はお刺身が大好物なんですけど、
沖縄のひとなので、盛られたお刺身じゃなくて、
味噌和えドーン!みたいな感じなんです。
こんなお皿で食べたら、きっと美味しいだろうな〜。」

 

 
「あ、これも良いかも。」
 

 
「ユーモラスな感じがお義父さんのキャラにも合ってる感じ。
あ、これも東恩納美架さんのうつわなんだ。
私、美架さんが好きみたい(笑)
あ〜、もうプレゼント決めちゃったのに、
うつわ見るの楽し〜!
 
普段使いのうつわも、
全部こんな素敵なものに変えたくなってきちゃう。」

 

 
「わ!これ、トランプだ!
うふふ、可愛い〜。
子ども達も喜びそう。」

 
「はい、ラッピングができましたよ。」
 

 
「あ〜、楽しかった!
義父、すごく喜ぶと思います、ありがとうございます。
今度は自分のうつわ、買いに来ますね!」

 
「お待ちしてます。
その時は是非、子どもさんも連れて来てください。
子どもはうつわの良さを大人よりもよくわかりますから。」

 
「はい、連れてきます!
良いお茶碗、買ってあげたいな。」

 

写真・文 中井 雅代

 

陶・よかりよ
沖縄県那覇市壺屋1-4-4/1F
TEL.098-867-6576 FAX.098-867-6575
open 平日10:00~19:00(日曜・祭日12:00~19:00)
close 火曜
HP:http://www1.ocn.ne.jp/~yokariyo
blog:http://yokariyo.exblog.jp
 
 

 

NAKAI


 
浮島ガーデンの人気メニューとオーガニックワインを
ちょこっとづつ、いろいろ味してもらえるお得な企画!
サプライズ・シーブンあり!


●6月16日(木)7時から
●参加費 2500円ポッキリ☆
●定員 15名 
●締切 6月14日(火)
●参加方法 
 浮島ガーデンHP(http://ukishima-garden.com/main
 「お問い合わせ」フォームから、お名前・ご連絡先を書いてメール下さい。 
 

 
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